中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

フェブラリーS(GI)展望

2011-02-16 22:58:38 | 見解
トランセンド
前走のジャパンCダート1着は、3番枠からコーナーワークを利してハナへ。ペースを緩めることなく、一貫した流れでの逃げ。3角からバーディバーディ、ダイシンオレンジに早めに競りかけられたが、こちらも手応え十分。予想以上にバーディバーティが渋太かったが、坂上で競り合いを制して逃げ切った。テンのハナ争いは激しかったし、道中のプレッシャーもかなりあり、楽な逃げではなかった。前々走のみやこS1着も2番枠から手綱を押してハナを奪いに行く。3角まで馬群を引き付け、4角でスパート開始。直線で二の脚を使い、再び突き放す。最後まで危なげない勝利だった。3走前の日本テレビ盃2着は、発馬直後に手綱を押して前へ行くも、出脚の差でフリオーソにハナを奪われる。だが、手綱を抑えてペースを押したところでインからハナを奪い返す。そこからは終始、フリオーソにプレッシャーをかけられる苦しい競馬。4角で馬体を併せられ、直線はあっさりと競り負けてしまった。何が何でもハナへこだわる。ここもハナへ行けるメンバー構成。あとはフリオーソのマーク次第か。コーナー2回のマイルのスピード勝負を逃げ切るのは至難の業。

フリオーソ
地方の雄が中央GIに挑んできた。前走の川崎記念1着は、かなり恵まれたメンバー構成。発馬直後に気合いを付け、スンナリとハナへ立つ。その後はマイペースの逃げを打ち、3角で他馬が競りかけてきて一気にペースが上がる。しかし、余力十分で馬なりのままグングンと突き放す。直線は軽く気合いを付けただけ。あっさりと逃げ切り、ここでは力が違った。暮れの東京大賞典2着は、例によって前へ。外からスマートファルコンがハナを主張してきたために無理せず2番手に控える。道中は2馬身圏内のところでマーク。3角手前では1馬身後方まで迫るも、3角でスマートがスピードアップした時に置かれてしまう。馬なりのスマートに対し、同馬はステッキが入って筒一杯。直線で懸命に脚を伸ばし、ゴール前で少しずつ詰め寄るも、届かなかった。走破時計2分00秒7はダートでは驚異の時計。自身も強い競馬だった。テンに行けるスピードがあって、そこから正攻法で押し切る脚を兼ね備えている。問題は中央のマイル戦になること。昨春のかしわ記念では、スピードに乗り切るまでには時間を要したが、正攻法の競馬でエスポワールシチーと僅差の勝負をしている。問題ない。芝のスタート部分さえ戸惑わなければ十分にやれる。

オーロマイスター
前走のジャパンCダート11着は、鬼門の16番枠発走。スーッと馬任せで先行するも、馬群が固まってインに潜り込めず。コーナーでモタれ気味だったし、終始外めを通らされる苦しい展開。4角では早くも手応えが怪しくなり、直線は馬群に沈んでしまった。前々走のJCBマイル10着は外枠から先行するも、前に馬を置けずに道中はなし崩しに脚を使わされる展開。当日は砂厚を調整した特殊な馬場で余計にスタミナを消耗。アラアラ一杯で惨敗した。3走前の南部杯1着は外枠からスッと2番手に取り付くと、折り合いもスムーズ。終始、エスポワールシチーをインに閉じ込める。4角でも完全に封じる。ギリギリまで閉じ込め、直線でゴーサインを出すとグングン加速し、抜群の切れ味で押し切った。ハミを噛む癖があり、道中でいかにリラックスできるかがポイント。だが、府中のマイルで末脚が持続するかには疑問がある。中間はWで長めから意欲的にやられているが、まだ絞り切れていないし、いつもと違う攻め過程は、テンションを高くする危険性がある

バーディバーディ
前走の東京大賞典3着は、発馬直後に少し気合いを付けて先団へ。1角で3番手の外めをキープする。その後はフリオーソをマークしながら。3角でスマートが仕掛けてレースは一気にペースアップ。そのペースに対応できず4角で手綱が動いて置かれる。直線はジリジリとしか脚を使えずに3着だった。前々走のジャパンCダート4着は、南部杯5着時に減った馬体が戻ってデキもグンと上向いていた。発馬直後に気合いを付けて2番手を取りに行く。逃げるトランセンドを徹底マークする。4角で馬体を併せに行く正攻法の競馬で直線は先頭に躍り出るかの勢い。だが、坂上で脚が鈍って失速してしまった。積極果敢な競馬で見せ場十分だった。この内容ならマイルへの距離短縮は歓迎材料だし、この距離ならトランセンド、フリオーソよりも分がある。ここ2走は終いの脚が甘くなったが、今度は最後まで踏ん張れる。注目度大。

シルクメビウス
前走の東京大賞典5着は、苦手の前日輸送でイレ込む。レースでは、発馬直後に気合いを付けて有力どころの直線に取り付く。ペースの上がった3角で手応えが早くも怪しくなり、アラアラ一杯。馬群に沈んだ。前々走のジャパンCダート5着は、発馬直後から無理することなくスッと後方に控える。向こう正面まではインでジッと我慢する。3角手前で鞍上は外に持ち出すタイミングを狙う。しかし、外からアリゼオに被されて出せない。仕方なく、一旦ポディションを下げてから出すことに。ブレーキをかける形になったし、マクリ気味に進出したかと思えば、今度は再び手綱を抑えてブレーキをかける。直線では外に膨れるアクシデントもあった。最後はそれなりに伸びているだけに勿体ないレースだった。カネヒキリに引導を渡した昨夏のブリーダーズGCの末脚は本物だし、決め手ならここでも上位だ。問題は関東圏での競馬ということ。どうしてもイレ込んでしまい、力を発揮できない。決して左回りとマイルが不得手というわけではない。

セイクリムズン
前走の根岸S1着は、1番枠から馬任せで中団のインへ。外からドッと来られても慌てることなく我慢。前のダノンカモンを目標に4角でジワッと外めに。直線で少し右手綱を引いたが、加速したまま外めに持ち出すことに成功。そこからダノンカモンと馬体を併せての追い比べ。最後までしっかりとした脚取りで差し切った。今回は久々のマイル戦になるが、前走は折り合いに全く不安を見せなかったし、これなら我慢できそうだ。

ダイシンオレンジ
前走の平安S1着は2度叩いて攻めで絶好の動きを見せ、デキは万全だった。レースでは、前2頭が飛ばす速い流れを離れた3番手を追走。自身もそれなりのペースで追走していたし、3角で早めに動いて勝ちに行く競馬。逃げ馬がバテた4角で一気に先頭へ並びかける。直線は早めに先頭へ立つ形となる。さすがに最後はバテたために詰め寄られたが、何とか押し切った。着差以上に強い競馬だった。前々走のジャパンCダート8着も同様に正攻法の競馬。この馬に1分48秒台の決着は速過ぎた印象。切れる脚がないだけに、時計の掛る馬場で押し切るスタイルが合っている。初のマイル戦でスピード重視の府中替わりも歓迎できない。ここは厳しい戦いが予想される。

ダノンカモン
前走の根岸S2着は、スーッと好発から先行策。揉まれることなく、終始スムーズな立ち回り。直線もソツなく外めへ持ち出すと、前のエイシンクールディを目標にジワジワと脚を伸ばす。エイシンを残り1ハロン地点で振り切ると、今度は外からセイクリムズンが迫ってくる。馬体を併せて懸命に抵抗したが、ゴール前で力尽きた。マイルも十分に守備範囲だし、スッと前へ行ける脚と終いもそれなりの脚を使える。相手なりの崩れないタイプで安定感あり。ここで。

ライブコンサート
久々のダートがGIという厳しい条件。前走の京都金杯3着は、逃げ先行馬断然の有利の馬場。しかも、テンから流れが落ち着き、勝ち馬がすんなりと先手を奪ってしまった。自身も3番手から正攻法の競馬で伸びてはいるものの、差し切れなかった。多少なりともハンデの影響もあった。マイルがベストなのは戦績が示す通り。問題はダート適性だが、前脚をピンと張り出すフットワーク。深い砂はどうかも、脚抜きの良い馬場なら楽しみはある。

コスモファントム
前走のAJCC4角は、発馬直後からグンと重心を沈めて楽に前へ。無理に競りかけることなく道中は4番手のインで脚をタメる。終始、インの経済コースを通って3角手前では痺れるような手応え。急激にペースアップした三分三厘でも手応え十分。しかし、直線を向くと内へモタれてジリジリとしか伸びない。右ステッキと左手綱を引いて懸命に追いかけるも、流れ込んだだけとなってしまった。ダートは白山大賞典3着の実績はあるが、久々だったとはいえ3角で手綱が動き、推進力に欠ける走りだった。トビが大きく、ゆったり走りたいクチ。マイルへの距離短縮も歓迎できないし、ここは厳しい戦いになりそうだ。左回りに替わるのはプラス。

テスタマッタ
昨年のフェブラリーSは2着。芝部分での行き脚は今ひとつで後方からの競馬。ダート部分になってからジワッと加速し、インがぽっかり空いていたこともあってジンワリとポディションを上げて行く。3角ではコーナーワークを利して中団まで押し上げ、抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。4角では若干コーナーワークにぎこちなさが残り、手綱を引っ張ったまま。直線に入り、インに潜り込んでいるために進路がない。ようやく坂上で進路を見出すと、そこからグングン加速。力強く迫力満点のフットワークで猛追するも、僅かに届かなかった。ハイペースの差し馬で、1600㍍向きである。だが、ここ2走が案外な内容だし、今回は一頓挫明け。中間の攻め時計も不足しているし、動きもピリッとしない。手薄なメンバーだけに主役級の能力はあるのだか。