中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

京都記念(GⅡ)展望

2011-02-11 18:23:00 | 見解
トゥザグローリー
前走の有馬記念3着は発馬直後の下り坂こそ少し行きたがったが、その後は緩いペースに戸惑うことなく3番手でガッチリと折り合う。向こう正面中盤でヴィクトワールピサが動いてレースの流れが一気に速くなる(12秒3-11秒5)も、鞍上のベリーは慌てることなくジックリと我慢。アクションを起こしたのは3角に入ってから。外めからジワッと動き、ヴィクトワールの1馬身半差まで迫る。4角では馬体を併せに掛るも、ズブさを見せる。その分、直線の坂下で突き放されてしまう。だが、そこから粘り強い脚で応戦し、際どい勝負に持ち込んだ。4角で機敏に動けていたら勝っていただろう。担当の市川厩務員によると「レース後すぐに息が入った」のだから恐れ入る。前々走の中日新聞杯1着は、1番枠発走から道中は馬任せで後方のイン。向こう正面ではインを通り、他馬とはエンジンの搭載の違いを見せ付けるかのように一気に先団へ。3角では先頭から2馬身圏内へ。直線で追われるとハミを何度も掛け直され、頭が高くなる。それを凄い脚力でカバーし、ラストは流してフィニッシュ。レースのラスト1ハロンが11秒1。向こう正面で動いて最後は手綱を抑えてこの数字。まだまだ走り足りない感じだった。有馬記念の14番人気は適切ではなかった。まだ追われてから頭が高くなるし、ハミを取るのに時間が掛る。課題はあるが、脚力は凄まじいものがある。GI級の素質は間違いない。

ダノンシャンティ
前走の有馬記念9着は、間に合ったとはいえぶっつけでのGI。下見どころから、かなりイレ込んでいた。レースでは発馬直後の下り坂からモロに掛り、1周目のスタンド前でも首を左右に振ってかなり行きたがっていた。向こう正面でもハミにモタれる感じでリラックスできていない。こうなれば途中で動くこともできずジッと後方で我慢。そんな状況の中でも直線で一瞬の脚を使えたのは今後への収穫か。小回りの中山も走りづらそうだった。休養前のNHKマイルC1着は、レースの800㍍通過が驚異の44秒8(後半は46秒6)。馬場を考えても異常な速さ。それを道中は離れた後方3番手から追走。当時は異様なほどの高速馬場で内を通った馬断然有利の馬場。だが、直線はびっしりと馬群が詰まり、人気を背負っていたこともあり迷わず大外へ。直線入口ではまだ16番手。そこからグーンと凄い脚で伸びる。坂上で中団まで取り付き、その後もグングン加速。最後は手綱を抑えて余裕の差し切りV。驚愕の日本レコードを叩き出した。前走後は坂路で入念に乗り込まれ、コースも含めて3週連続で速い時計を出した。最終追い切りでは強めの脚色で力強い動きを披露。デキは上向いている。マイル一辺倒のタイプではないし、2200㍍なら守備範囲である。強烈な瞬発力を発揮するためには、当日の落ち着きが鍵となる。

メイショウベルーガ
前走の有馬記念12着は、馬任せで例によって後方からの競馬。向こう正面から手綱を押して少しづつ仕掛けて行く。3角では目一杯に手綱をしごくも、4角手前のところでコーナーリングが上手くできずブレーキを踏む形に。器用なタイプではないだけに、小回りコーナー6回の中山2500㍍は不向きな条件だった。前々走のジャパンC6着は超スローのなか、馬任せで道中は中団の外へ。1角では頭を上げて行きたがったが、2角からは折り合うことに成功。だが、終始馬群の外めを通らされ、早めに動く形に。スローで他馬が余力を残して直線勝負に徹する流れだっただけに、余計に距離ロスが応えた。それでも、直線は長く良い脚を使って上位に食い込んできた。3走前、4走前は、京都外回りの下り坂を利して末脚をフルに発揮したようにコース相性は抜群。大トビでズブい分、勝負どころで上手く加速できるかがポイントとなる。距離はもう1ハロンあってもいいが。以前より前々で競馬ができる点は心強い。


オウケンブルースリ
前走の有馬記念11着は、スッと2番手に取り付いて積極的な競馬をするも、ペースの上がった3角でズルズルと後退。コーナーでモタれて加速できない感じだった。大トビで器用なタイプではないだけに、中山コースも向かなかった。前々走のジャパンC7着は、例によって後方2番手からの競馬。超スローのため馬群がギュッと固まり、道中も動くに動けない。4角から直線にかけても内側に切れ込む隙間がなく、大外へ持ち出す。直線はジリジリと脚を使っているものの、瞬発力勝負では分が悪かった。首の使い方が硬く、追ってズブいが、淀みない流れからの底力勝負ならウオッカとハナと激闘を演じたジャパンCのように力を発揮できる。京都外回りも申し分ない舞台だ。

ヒルノダムール
道中、中団馬群の外めを追走し、横のローズ、前のルーラーを見ながらの競馬。3角でジワッと加速したルーラーをマークするようにジワッと進出開始。4角で接触する不利はあったものの、直線入口でグンと突き放されてしまう。そこから懸命に脚を伸ばして2着は確保したものの、決め手の差を見せられてしまった。前々走の鳴尾記念2着は、シルポートの作る淀みない流れを後方の外めから前のリルダヴァルを見ながらの追走。ジワッと3角から少しづつポディションを上げて行き4角で馬体を併せに行くも、内へモタれてモタつく。直線でスッと引き離され、その後も左手綱と右ステッキで立て直しながらアクションでまともに追えない。ゴール前で何とかリルダヴァルを差し切れたが、勿体ないレースだった。一線級相手では追ってから重心が高くなるためにあと一歩決め手が足りないが、GⅡのここなら力は上位。


ビッグウィーク
前走の菊花賞1着は、ポンと好発を決めて先団へ。直後の下り坂でグッと手綱を抑え行きたがるのを懸命になだめる。スタンド前で平静を取り戻し、3番手で折り合いに専念する。前のコスモラピュタが飛ばして差を広げても、自分のペースを守る。4角手前の坂の下りからジワッとスパートを開始させると、4角から直線にかけて一気に脚を使う。残り100㍍で単独先頭に立つと、そのまま押し切った。頭が高く、追い比べだと分が悪かったが、下り坂を利用して一瞬の脚をフルに使って早めに動いた鞍上の好騎乗が光った。前々走の神戸新聞杯3着は、先手は奪えたものの、三分三厘で包まれて動くに動けなかった。一瞬の脚で早め先頭で押し切るスタイルが合っている。この中間は脚元の不安と裂蹄でひと息入った。攻め馬では、相変わらず追われてから頭が高いが、トモの蹴っぱりはしっかりしていた。一応の態勢は整ったか。