中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

阪神ジュベナイルF(GI)調教診断

2007-11-30 10:18:32 | 調教診断
【アロマキャンドル】○ まずまずの動き
南Pで2頭併せの外。終始、馬任せでサッと流す程度。5ハロンから69秒5-13秒2。直線で何度か手前を替える若さを覗かせたものの、首をうまく使い全体に重心の低いフォームで動きは良かった。

【ヴァリアントレディ】○ 素軽さ一息も、きっちり先着
和田竜を背に芝コースを2頭併せの外。素軽さは一息だったが、ゴール前できっちり先着。6ハロンから75秒4-11秒7。これだけビッシリやれるのはデキのいい証拠だろう。

エイシンパンサー】◎ 抜群の脚力、文句なし
坂路で単走。ピッチの利いた回転の速い脚捌きで、抜群の行きっぷり。終始、余裕残しの手応えで半マイル52秒5-12秒9。脚力十分で文句なしだった。

【エイムアットビップ】○ 左右にフラつくも、脚取り確か
福永を背に坂路で2頭併せ。直線で左右にフラつく若さを覗かせたものの、力強いフットワークで一杯の併走馬に対し、ゴール前で少しハミをかけ直した程度で楽々先着。半マイル53秒6-12秒7。

【エフティマイア】○ セーブ気味も、自らハミ取り集中力あり
蛯名を背に北Cで2頭併せの外。馬任せでサッと流す程度だったが、自らハミを取る集中力を見せ、ゴール前できっちり先着。中2週で時計を出したのはこの一本のみ。小柄な牝馬で阪神への長距離輸送が鍵を握る。

【オディール】○ キビキビとした身のこなし、余裕十分
坂路で2頭併せ。キビキビとした身のこなしで、ゴール前でスッと左手前に替えて併走馬を突き放した。半マイル54秒ー0-13秒1と時計は平凡だったが、まだまだ余裕十分の脚色だった。

【カレイジャスミン】○ 迫力の前脚の捌き、引っ張り切りで同入
田中勝を背に南Pで2頭併せの内追走。力強い前脚の捌きで引っ張り切りの手応えのまま同入。トモの甘い走りだが、前脚の捌きは絶品。

【グラーフ】○ 動き平凡も好時計
北村浩平を背にCWで2頭併せの外。馬体を併せたままラスト1Fで目一杯に追われるも、頭を上げてフワフワして平凡な動き。それでも、6ハロンから80秒1-12秒6の時計で、目一杯追われたことは評価できる。

シャランジュ】◎ グイグイと力強い脚捌き、反応抜群
坂路で3頭併せの大外を追走。ゴール前で左手前に替えると、グイグイと力強い脚力で登坂。一気に併走馬を突き放した。仕掛けられてからの反応が抜群だった。

トールポピー】◎ 若さ覗かせるも、迫力満点のフットワーク
池添を背にCWで3頭併せの中。3,4角は抑えるのに苦労するほどで掛かり気味。直線でも頭を上げて若さを覗かせるも、ラスト1Fで引っ張り切りのまま迫力満点の前脚の捌きで楽々と先着。ゴール版を過ぎてから追い出されると、手前を替えてフワフワしたが、迫力満点のフットワーク。完成途上だが、底知れぬ魅力がある!!

【トラストパープル】○ 四肢を目一杯伸ばした迫力あるストライド
江田勇(レースは田中勝)を背に南Pで単走。直線で尾を振っていたが、グッと重心を沈め、四肢を目一杯伸ばした迫力あるストライドで5ハロンから67秒2-12秒3。

ニシノガーランド】◎ 外へモタれ気味も、ダイナミックなアクション
坂路で単走。除々に外へモタれていったが、前脚を強く叩きつけるダイナミックなアクションで迫力に満ち溢れていた。この動きなら楽しみ。

【ハートオブクィーン】○ 前脚をピンと張り出し、動き良し
小野次を背に南Wで2頭併せの外を追走。前脚をピンと張り出し、四肢を気持ちよく伸ばした動きで楽々と先着。首差しの細いタイプで迫力は今ひとつだが、動きは悪くない。

【マイネブリッツ】△ 追い出してからモタモタ動き平凡
CWで2頭併せの外。余裕残しの併走馬に対し、目一杯追われるも、モタモタして同入するのがやっと。6ハロンから82秒8-13秒2と最後は筒一杯だった。

【ヤマカツオーキッド】△ 末の粘り今ひとつ
坂路で単走。目一杯追われ、最後は脚が上がり気味だったが、半マイル51秒9-13秒5なら悪くない。首差しが細く、全体に華奢。これから。

【ラルケット】○ スピード感十分
南Pを単走。3,4角は舌がハミを越していたが、直線で頭を上げてハミを取る。全身をうまく使った柔らかい動きで、バネが利いていた。スピード感十分だった。

レーヴダムール】◎ 推進力満点のフットワーク
DWで実践さながらの4頭併せ。道中は折り合うことに専念し、ラスト1Fで追い出されると、四肢を目一杯伸ばした推進力満点の動きで一気に突き放した。切れ味抜群だった。

レジネッタ】◎ 力強い四肢の捌き文句なし
坂路で単走をサッと。鞍上の手綱は全く動かなかったが、力強い四肢の捌きでラスト1Fが12秒7。文句なしの動き。中一週なので十分。



ジャパンC(GI)回顧

2007-11-26 22:52:38 | 回顧
 このブログを始めて2年半の月日が流れました。この間、いろいろな人に出会い、競馬を趣味として思う存分堪能してきました。始めた頃に比べると、自分なりに競馬の予想がしっかりできるようになったと思います。しかし、日々考えさせることばかりで競馬の難しさを痛感しています。
 現在は大学4年という比較的時間に余裕がある立場で、競馬に打ち込む時間はたっぷりあります。自分の予想のスタイルとしては、徹底してレースVTRや調教映像をチェックして、馬の特徴を掴むことを心がけています。裏を返せば時間に余裕がある今だからこそできるスタイルだと思います。
 しかし、競馬記者を断念し、某メーカーの営業として働きます。確実に競馬に費やす時間は減るでしょうし、一年目となる来年はほとんど余裕がないと思います。
このブログは「中央競馬徹底研究!」というタイトルで、徹底して競馬の研究をしてきました。ですが、来年からはそれができなくなります。
 あくまで暫定ではありますが、今年いっぱいでこのブログを閉鎖しようと考えています。大学生活においてこのブログは凄い大きな存在でしたし、それを閉鎖するのは心残りであります。なかには、毎日訪れて頂いた方もいたと思いますし、アクセス数の多い時や激励のコメントを頂いた時は本当に嬉しかったですし、モチベーションがアップしました。今まで本当にお世話になりました。
 その分、学生生活最後の有馬記念は競馬暦8年で培ったパワーを全て発揮させます 期待してください
また、訪れた方でコメントを頂けたら嬉しい限りでございます。残り1ヶ月、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます

【馬場】Cコース。2開催の最終週で、かなり内が荒れてきている。

12.9 – 10.7 - 12.0 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.8 - 12.6 - 12.2 - 11.3 - 11.1 - 11.9=2:24.7

【展開】典型的な逃げ馬不在のレース。5番枠から果敢にチョウサンがハナ。だが、1角ですぐに流れは落ち着き、1000㍍通過が60秒1。その後も3角まで12秒7-12秒8-12秒6と超がつくほどのスローペース。直線を向いての切れ味勝負。通ったコース、仕掛けが明暗を分けた。

 鞍上の岩田は目頭を熱くし、何度も体全体を使って喜びを表現。前走の天皇賞で不利に泣いたアドマイヤムーンが、上がり3F33秒9の末脚で雪辱を果たした。岩田はこれが東京での初重賞制覇となった。4番枠から好発を決めてスッと好位へ。だが、直後のゴール版付近で外からチョウサンに被されると、気負った走りになる。1角でも落ち着きを取り戻すことができず、鞍上の岩田が懸命になだめる。かなり体力を消耗してしまう。向こう正面から3角にかけて一気にレースの流れが落ち着き、外からドッと他馬が押し寄せる。これを終始、経済コースを通ってロスのない追走を見せる。そして、勝負の明暗を分けたのは3、4角の捌きにあった。ここで岩田はグッと手綱を引っ張り、流れに合わせて動くのではなく、ポディションを落としてまで脚をタメた。直線を向いて楽な手応えのまま先頭に並びかけると、ラスト1F地点で単独先頭に。一瞬の爆発力でグンと突き抜ける。最後は2着馬に詰め寄られるも、僅かに凌いだ。一度使われて馬体に張りが出て良化。流れが落ち着き、先団のインという絶好のポディションに岩田の冷静な騎乗。すべてがうまくいった。残念ながら有馬記念には出走せず、このまま引退とのこと。いい産駒に期待したい。

 前走の天皇賞は距離不足に泣いたポップロック。2番枠から少し気合いを付けて先団へ。スタンド前から1角にかけて少しゴチャついたために、若干掛かり気味になったが、2角ですぐに平静を取り戻し、スムーズに4番手のインで流れに乗る。大トビで本当に府中では気持ち良さそうに走る。4角での手応えは絶好で、鞍上がどこに進路を取ろうか選択できるほど。除々に外めに意識を持ち、直線入り口の坂上でフサイチパンドラの外にできた僅かな隙間に突っ込む。左ステッキが入り、大きなフットワークで一完歩毎にジワジワと迫る。勝ち馬には一瞬の脚の差で直線半ばでは突き放されたが、特にゴール前の末脚は強烈で、アタマ差及ばなかったものの、ゴール前の脚色は完全に勝っていた。33秒台の切れ味勝負にも対応できているように、地力を強化している。小回り有馬記念は適性条件とはいえないが、2500㍍の距離は魅力。

 1番人気に推されたメイショウサムソン。下見どころから落ち着き払った姿で貫禄十分の雰囲気が漂っていた。道中は緩い流れのなか、中団のイン追走。鞍上との呼吸はピタリで、完璧な追走姿を見せる。だが、ここからの仕掛けが致命的になってしまう。向こう正面中盤で外めのポディションに取り付くと、3角でも大外に進路を取る。しかし、ここでレースの流れが極端に緩み、馬群がギュッと凝縮。サムソン自身は馬6頭分、外を通らされてしまう。結局、4角から直線入り口にかけても大外を回らされる。直線を向き、良い脚で追い込み、上位争いに加わるも、ゴール前で脚色が鈍り、最後は止まってしまった。武豊としては、2開催後半の内の荒れた馬場を通ることを回避してかったのと、外を通っても勝てると馬の力を信じていたのだろう。結果的にこの自信が裏目に出てしまった。上位2頭とはかなりのコース差があった。33秒台の切れ味勝負というのもやや分が悪かったか。

 右寛ハ行でエリザベス女王杯を取り消したウオッカ。その後、陣営の懸命な努力で出走に踏み切った。下見どころから一線級牡馬にも屈することなく堂々とした姿。ゲート入りを嫌がる他馬にも動ずることはなかった。11番枠から好発を決めるも、四位がグッと手綱を抑えて最後方まで位置取りを下げる。課題だった折り合いはピタリと付き、気持ち良さそうな道中の追走姿。3,4角での手応えも十分のまま、直線はダービーと同じく馬場の3分どころに突っ込む。だが、ダービーでは馬群がバラけて進路がスッと開いたものの、今回は前がビッシリと壁になり、進路がない。仕方なく、残り2F手前で大外に持ち出す。そこからグングンと加速し、一時は一気に佐差し切ろうかの勢いだったが、最後は脚色が一緒になってしまった。 それでも、超スローの先行、イン有利の流れを、最後方から大外へ持ち出すロスがありながら僅差の競馬。メンバー最速の脚力は負けて強しを物語るものだった。やはり、左回りで右手前の爆発力を生かす競馬が合っている。

 大外枠に入ったデルタブルース。大型馬の叩き良化型らしく、休養明け3戦目でデキは万全だった。道中はスッと手綱を無理に押すことなく好位の外めへ取り付く。この辺りは、前走でブリンカーを着用し、自らハミを取りに行くようになった成果。終始、大きなフットワークで余裕十分の追走。道中は勝ち馬を見ながらの形。3.4角で極端に流れが緩み、4角から直線にかけて一気に加速する流れ。ギアチェンジの鈍いデルタにとっては辛い流れ。案の定、ズブさを見せて直線入り口で他馬と接触する。だが、直線で戦意を喪失することなく、一完歩毎にジワジワと詰め寄り、最後まで脚色は乱れなかった。33秒台を要求される流れではこれが精一杯だが、道中の追走姿、直線で見せた息の長い末脚は光っていた。

 チョウサンはスタンド前のホームストレッチでフサイチがハナを主張したが、それを内から果敢に突いていった。軒並み緩いラップを刻み、1000㍍通過が60秒1。明らかなスローペースで、更にそこから12秒7-12秒8-12秒6と流れが緩む。逃げるのが横山典で、番手が若手の松岡。無理に競りかけることもなく、チョウサンの思惑通りのペース配分だった。直線を向き、スッと右手前の替え、独特の前脚のフォームから馬場を強く叩く走法で粘りを見せたが、最後は力負け。横山典は「馬場が悪くチョウサンには向かなかった」と。開幕週のパンパン高速馬場でこそのタイプ。

 フサイチパンドラは目下絶好調。この日も激しくイレ込むことなく落ち着いていた。12番枠から行き脚がついてハナを主張する。だが、ゴール版付近で内からチョウサンが競りかけてくる。無理に競りかけることなくスッと3番手の外に控える。ムキになることもなく終始、スムーズな追走姿。流れの緩んだ3,4角では抑えるのに苦労するほどの抜群の行きっぷり。直線を向き、坂上では馬任せでスッと加速して先頭へ。オッと思わせる場面を作ったが、坂を上りきった残り300㍍付近で脚色が鈍り、最後は完全に脚が上がってしまった。少し距離が長かったか。

 インティライミは意外なほどの惨敗。下見どころから発汗が激しく、少し気合いが乗りすぎていた。攻めをハードにやり、久々の長距離輸送が影響したか。道中は終始、後方のインで前のメイショウサムソンをマークする形。ハミを噛み過ぎることなく、折り合いは付いていた。3角で進路を少し外に取り、馬群のなかに取り付く。スムーズに馬場の大外へ持ち出し、残り2F地点ではメイショウサムソンに続くかの脚色。だが、そこからの反応が全くなく、突き放される一方。惨敗に終わった。意外すぎる。久々の長距離輸送で精神的にゆとりがなかったのか。

 

第27回ジャパンC(GI)最終結論

2007-11-24 23:56:29 | 最終結論
ジャパンCダート(GI)的中
このブログは有馬記念(GI)まで頑張ります

東京10R ジャパンC(GI・芝・2400㍍)
◎メイショウサムソン
○インティライミ
▲ウオッカ
△ドリームパスポート
×チョウサン
×フサイチパンドラ
【見解】
 王者・メイショウサムソンが決める。前走の天皇賞・秋1着は、久々ながら3週連続して武豊が稽古に跨り、万全の態勢だった。1番枠から好発を決めて前へ。テンに若干行きたがるも、すぐに折り合う。スムーズな追走から4角での手応えは抜群。残り2F地点の坂上で早めに先頭へ躍り出ると、そこからグングン加速。一頭になっても気を抜くことなくしっかりと駆け抜け、最後は2着馬を突き放した。やや重で1分58秒4の時計も優秀で文句なしの内容だった。瀬戸口厩舎の解散に伴い高橋成厩舎へ転厩して坂路調教を取り入れ、フォームに柔らか身が出た。馬体重こそ変わらないが、昨秋と今季では馬体の造りがまるで違う。今季は腹回りがスッキリし、トモや肩先に一段と筋肉が付いている。追って底力ある末脚が武器で、今なら時計勝負にも対応できる。今週の攻めの動きは今ひとつに映ったが、前走が良すぎただけ。問題ない。国内では負けられない。

 5歳秋を迎えインティライミが充実期を迎えた。前走の京都大賞典はスローの瞬発力勝負の流れ。直線で馬群に突っ込むのではなく、あえて立て直して大外へ回る形を取った。流れが流れだけに、そのロスは想像以上に大きかったはずだが、顎をグッと下げ、重心の低いフォームでグングンと加速。抜群の切れ味で一気に差し切った。ディープ世代のダービー2着馬だが、その後の放牧先で蹄を痛め、背筋痛にも悩まされ、それが気性難へと繋がった。今冬のAJCC時などは最悪の状態だった。ところが、6月の宝塚記念から攻めの動きがガラリと変わり、全身を柔らかく使った集中力に富んだ走りになった。それが2戦連続して33秒台の切れ味に繋がった。今週のDWでの最終追いも宝塚記念をも凌ぐ抜群の動きだった。デキは間違いなく良い。時計勝負の裏付けもあり、視界は明るい。逆転も十分。

 ウオッカはエリザベス女王杯を右寛ハ行で回避。ジャパンC出走は困難かと思われたが、陣営の懸命なケアによって出走にこぎつけた。デキを不安視する声もあったが、坂路での最終追いでは見た目以上のスピード感でド迫力の動きを披露。一蹴した。この馬の持ち味は右手前での爆発力。ダービーで坂上から凄まじい脚力で抜け出した再現を十分に期待できる。前走の秋華賞3着は、久々で大トビの本馬には不向きな京都内回り。4角のコーナーワークにぎこちなさがあった。直線の残り1F地点で左手前に替えてから伸びを欠いた。前進あるのみ。1角でスムーズに前に馬を置ければ。

 ドリームパスポートにとって久々は苦にしないし、栗東坂路の2倍もの勾配を誇るコスモビューで乗り込まれてきた。帰厩後は急ピッチで動きも地味だが、馬体はできている。一瞬の爆発力は昨年のレースぶりから証明積み。いきなりから。

 前走は道悪でグリップの利かなかったチョウサン。今回は待望の良馬場で競馬ができる。前々走の毎日王冠1着はフロックではない。自身もバテることなくラスト1Fを11秒5で駆け抜けている。流れが速くなれば末脚が怖い。今週の攻めは意欲的だった。

 デキの良いフサイチパンドラは前走で不得手の瞬発力勝負にも対応できた。これは落ち着きが出てきたことも大きく影響しているだろう。勿論、流れが速くなって底力を要する流れでも対応できる。依然として攻めの動きも良く、一発があっていい。

◎→○→▲ の3連複、3連単BOXを中心に買う。

ジャパンC(GI)展望はこちら
ジャパンC(GI)調教診断はこちら

ジャパンCダート(GI)最終結論

2007-11-24 00:24:08 | 最終結論
東京11R ジャパンCダート(GI)
◎ヴァーミリアン
○ドラゴンファイヤー
▲サンライズバッカス
△ブルーコンコルド
×メイショウトウコン
×フィールドルージュ
☆フサイチホウオー
【見解】
ヴァーミリアンが悲願の中央GI初制覇へ。前走のJBCクラシックは発馬で行き脚がつかなかったものの、道中は中団でジッと我慢。三分三厘で他馬が仕掛けても気にせず。4角で僅かにできた隙間に突っ込み、直線は一瞬の脚で一気に突き抜けた。久々で7分のデキ。それでこの強さ。恐れ入った。地方の力の要る馬場を苦にしないタイプで、早め先頭で押し切るスタミナと底力を持っている。中央の速い時計決着が案じられているが、前走で抜け出した時の、一瞬の脚の速さなら馬場は問わない。自在脚質も魅力。今週の坂路追いでは数字以上のシャープさを感じたし、攻め駆けしないタイプにしては動いた。反動もなさそうだ。

ドラゴンファイヤーは多少ズブさがあるものの、追ってからグンと重心が沈み、長く脚を使えるタイプ。いかにも府中の2100㍍が向きそう。ここは一線級相手だが、3歳馬で上昇度も期待できる。

サンライズバッカスは叩き3走目でピークのデキ。前走は4角で外に大きく振られながらも、直線でよく盛り返してる。相変わらずゲート難で後方からの競馬になっている。脚質的に大外を通らざる得ないタイプで、内、外の馬場差が激しい大井には不向き。府中は今冬のフェブラリーS勝ちがあり、大外から届くコース。

ブルーコンコルドにとって2100㍍は決して長くない。昨年のこのレースも道中は中団インで折り合いに苦しみ、馬群に包まれた。しかも、直線はモロに前が壁になり、脚を余した。突き抜ける雰囲気はあった。前走は4角で躓く不利があったし、帝王賞は強引な騎乗で勝ち馬とはコース差があった。左回りだとコーナーで内へモタれ、折り合いにも不安がある。それでも、見限れない底力の持ち主。

 メイショウトウコン、フィールドルージュの決め手はここでも通用するもの。

大穴はフサイチホウオー。前走はハミに頼った走りとなり、スタミナが持たなかった。前脚を突き刺すダート向きの走りで、筋肉質。ダート替わりで激変が期待できる。砂を被りづらい外枠もいい。

ジャパンCダート(GI)展望はこちら
ジャパンC(GI)展望はこちら
ジャパンC(GI)調教診断はこちら

ジャパンC(GI)調教診断

2007-11-23 00:04:11 | 調教診断
インティライミ、宝塚記念を凌ぐ動き

【アドマイヤムーン】○ 逆手前のままステッキに反抗も、上積みあり
DWを単走で終いサッと。ゴール前でステッキが連打されるも、逆手前のままでフワッとして頭が高くなり平凡な動き。それでも、一週前は首を上手く使い、躍動感溢れるフットワークを披露していたし、叩かれた上積みは望める。

【アルティストロワイヤル】△  トモの甘い走りで見た目平凡
20日は京都・芝で6ハロンから馬なりでサッとやられた。首が硬く、トモの甘い走り。前肢と後肢がバラバラな感じで、見た目は平凡だった。

インティライミ】◎ グンと重心沈め、推進力に満ち溢れた動き
前走後、3日間は運動だけに留め、その後はプール調教。10月28日から時計を出し始め、1週前は長めからビッシリやられてきた。最終追いはDWを単走で。リラックスした走りからゴール前で軽く気合いを付けられると、グンと重心を沈め、推進力に持ち溢れた抜群の動きを披露。四肢を目一杯伸ばした迫力ある脚捌きで、非の打ちどころがない。悲願のGI制覇が見えてきた。

【ヴィクトリー】○ キビキビとした身のこなし
ルメールを背に坂路で道中は前に馬を置き、ラスト1Fで外めに持ち出す形。キビキビとした脚捌きで軽快な動き。併走馬を突き放せなかったが、半マイル51秒8-12秒9なら悪くない。

ウオッカ】◎ 迫力のストライド、見た目以上のスピード感
右寛ハ行でエリザベス女王杯を取り消したものの、陣営の懸命な努力で出走にこぎつけた。最終追いは、四位を背に坂路を単走で目一杯に。いつもどおり、見た目のスピード感は今ひとつだが、これはストライドが大きいためで走る馬の証拠。ラスト1Fはエラー表示だったが、半マイル50秒2の一番時計。迫力満点の右手前の走り。ダービー当時の切れが戻ってきた。右後肢の踏み込みも十分で、問題ない。

【エリモハリアー】○ グンと重心沈め、迫力の動き
北村浩(レースは武幸)Bコースで2頭併せの外追走。例によって口向きの悪さを覗かせたが、ゴール前で軽く追われると、グンと重心を沈め、四肢を目一杯伸ばした迫力ある動き。脚抜きのいいBコースとはいえ、ラスト1Fが11秒0は優秀だ。デキは高いレベルで安定。

【コスモバルク】△ 完歩が小さく、迫力今ひとつ
門別ダートの大外を単走で。馬なりだったが、完歩の小さい走りで迫力は今ひとつ。寒い北海道での調整だけに太め残りの懸念もある。

【サデックス】○ 四肢を気持ちよく伸ばし、好感触
東京・芝で向こう正面を使っての追い切り。6ハロンから時計を出し、道中は四肢を気持ちよく伸ばしたフットワークで手前もスッと替えていた。後肢の蹴っぱりも十分でなかなか迫力があった。あとは少しテンションが高いようなので、当日の気配には注意。

【チョウサン】○ 坂路でビッシリ、上積み望める
坂路でビシリやられてきた。直線で右ステッキが入ると、内へ切れ込む。それを立て直し、目一杯追われた。特徴的な前脚のフットワークでお世辞にもきれいなフォームとはいえないが、攻め駆けしないタイプが半マイル50秒8-12秒4の好時計。迫力もあった。これだけ一杯にやれたことは大きく評価できる。

デルタブルース】◎ 中身の濃い攻めを消化、上積み十分
前走後はプールと坂路調教を併用され、2週、1週前はCWで中身の濃い攻めを消化。最終追いは川田を背にCWで3頭併せの中。自らハミを取る形で行きっぷりの良さが目立った。このあたりは前走でB着用の効果が出た。ゴール後も追われ、脚捌きも軽快。デキは間違いなく良い。

【ドリームパスポート】○  頭を上げてフワフワも、体スッキリ
高田(レースは安藤勝)を背にDWで長めをビッシリと。ラスト1Fでハミをかけ直し、ステッキが入るも、頭を上げてフワフワ。ガツンと来るものがなかった。だが、最近は攻め駆けしなくなっているのは確か。太るタイプではないので体はできている。急仕上げは否めないが、ポン駆けの利く気性。

【ハリカナサス】 キャンター
22日は東京競馬場でキャンター。気負うことなく落ち着いた走り。

【ヒラボクロイヤル】○ 大きなストライドで迫力あり
DWで2頭併せの内。逆手前のままだったが、大きなストライドで全身を使った迫力ある動きで、5ハロンから68秒7-11秒8。ゴール後にスッと手前を替え、1角まで追われた。21日も坂路で半マイル53秒7-12秒9。この馬なりにデキは良い。

フサイチパンドラ】◎ 強行軍もコズミなく、落ち着いた走り
中一週だが、DWで6ハロンから馬任せでサッと。気負うことなく落ち着いた走りで、柔らかい首の使いと四肢の動きが目立った。強行軍によるコズミも見られず、前走同様に集中力に満ち溢れた文句なしの動き。

【ペイパブル】○ キビキビとした身のこなし
22日は東京・芝で馬なり。左手前のままだったが、キビキビとした身のこなしで前向きな感じ。

【ポップロック】○ 好調キープ
CWで3頭併せの外。引っ張り切りの手応えで、ゴール前でグイッと先着。攻め駆けするタイプだけあって上積みは望めないが、前脚をピンと張り出したいつもの走り。好調キープ。

【メイショウサムソン】○ 重心の低いフォームで併走馬突き放す
武豊を背にDWで2頭併せの外。追い出されると、相変わらず重心の低いフォームで併走馬を突き放した。天皇賞時の動きが良すぎただけに上積みは望みづらいが、この動きなら不安はない。力の要るCWで6ハロンから80秒9-12秒5。

【ローゼンクロイツ】○ 前走より終いの反応良化
藤岡佑を背に坂路で。ラスト1Fでハミをかけ直されると、スッと左手前に替え、グイグイと推進力ある動きで駆け抜けた。前走時は追ってからの反応が今ひとつだったことを考えると、久々を使われた上積みを望める動きだった。

ジャパンC(GI)展望はこちら
ジャパンCダート(GI)展望はこちら

ジャパンCダート(GI)展望

2007-11-22 14:01:18 | Weblog
調教診断UP予定

ヴァーミリアン
前走のJBCクラシック1着は、好発から引っ張り切りの手応えで好位の中を追走。終始、折り合いもスムーズで鞍上と一体となる。三分三厘で他馬が手綱を押して仕掛けるなか、武豊の手綱は全く動かない。それで位置取りを少し後ろに下げたが、4角から直線入り口にかけて内側にできた僅かな隙間を突く。鞍上のゴーサインに対してグイッと反応。抜群の脚力でグングン突き抜けた。蹄の病で万全の状態には程遠いなかでの圧勝。恐れ入った。休養前のドバイWCでは世界の厚い壁が立ちはだかったが、大崩れはしなかった。3走前の川崎記念1着は、発馬で出負けするも、手綱を押してすぐに好位へ取り付く。逃げるアジュディミツオーを目標に絞った競馬。終始、スムーズな追走から3角で除々に動き出し、4角で馬なりのまま並びかける。昨年のこのレースは4着。3番手のインでスムーズな追走を見せるも、直線入り口で少しゴチャつき、最後は脚色が鈍ってしまった。地方競馬で見せる抜群の脚力。抜け出す時の脚は末恐ろしい。パワータイプだけに、地方の深い砂が合っているのは確か。

ブルーコンコルド
前走のJBCクラシック4着は、前走でマイル戦を攻めの競馬で勝利を掴んだだけにテンは折り合いに四苦八苦。何とか後方に下げて折り合いに専念。向こう正面で外めへ持ち出し、3角で大外を捲るように進出。だが、4角で内のクーリンガーが膨れたことで躓くアクシデント。しかも、直後でマークしていたサンライズバッカスに外から被される厳しい競馬。ジワジワと脚を使ったものの、伸び切れなかった。大井は内と外では砂厚に違いがあり、大外は絶対的に不利。全体にロスの多い競馬でもあった。昨年のこのレースは9着。道中、緩い流れを中団のインから追走するが、マイル戦線を歩んできたため、テンに口を割って折り合いを欠く。しかも、馬込みに包まれて身動きできず。直線を向いてもゴチャついて手綱を引っ張り通しで全く力を発揮できなかった。ズブい面があり、どうしても馬群のなかからの競馬だと仕掛けが遅れる危険性があるために突っ込めない。JBCクラシック、帝王賞の敗戦は大外不利の大井の馬場も大きく影響している。その点、府中なら内、外、の差はない。左回りだとコーナーで内へモタれる癖があるが、今冬のフェブラリーSでは、マイルの時計勝負でも豪快に大外から差してきた。折り合い次第という条件付きではあるが、マイルよりは2100㍍のほうが競馬はしやすい。待望の外枠を引き、悲願の中央GI制覇へ。

フリオーソ
前走のJBCクラシック2着は、発馬直後に鞍上の静止を振り切り、モロに掛かって先団へ。2角でようやくなだめられたが、それでも口を割ってハミに頼った走り。4角で一気に仕掛けて直線入り口で先頭に並びかける。一旦は抜け出したものの、勝ち馬に子ども扱い。最後は一杯になりながら2着を死守したのは評価できる。馬インフルエンザ渦で仕上がり一息だった。休養前のJDD1着は、雨の高速馬場。これは発馬直後から気合いを付けて2番手へ。終始、抜群の行きっぷりで向こう正面では抑え切れずに先頭に踊り出る。4角でセフティリードを奪い、直線は他馬の脚色が鈍る中、最後まで集中した走りで圧勝した。前走は仕上がり途上で折り合いを欠きながら一線級相手に善戦した。上積みは多いに望めるだろうし、時計の裏づけもある。楽しみな一戦。

サンライズバッカス
前走のJBCクラシック3着は、ゲート内でチャカついたものの、出はマズマズ。2番枠からインを通り、2角まではそこで脚をタメる。向こう正面でBコンコルドが動いたのを見て外めへ持ち出す。3角手前でコンコルドの1馬身後方まで迫る。だが、3角でコンコルドが捲った時に慌てずジックリ。満を持して4角手前で一気に仕掛ける。4角で大外へ膨れるロスがありながら、直線で大外から豪快に追い込む。僅かに届かなかったが、追い込みの利きにくい大井と、ロスの多い競馬を考えれば負けて強し内容といえる。ゲート難で気難しさがレースで顔を覗かせ、地方の追い込みの利きにくいステージでは結果が出ていない。今冬のフェブラリーSでも出負けしたものの、二の脚で中団へ取り付く。直線でスムーズに外めへ持ち出し、一気に差し切っている。昨年のこのレースは5着。最後方からの追走だったが、直線でフィールドルージュに外から被され、立て直すロスが大きく響いた。追い込み脚質なので他力本願なのは確かだが、決め手は鋭い。デキも上向き。

ドラゴンファイヤー
前走のシリウスS1着は、6番手のインを追走。逃げ馬が2角から向こう正面にかけて14秒2-13秒8-13秒0とペースを落としたために、外からアロンダイトらに被される形。それでも鞍上の福永は冷静で、慌てない。3角からペースアップする流れにも惑わされることなく馬群で我慢。直線を向き、前がゴチャついて進路がない。ようやく残り300㍍手前で外めに持ち出し、左右の馬の間にできた馬1頭分の僅かな隙間に突っ込む。そこからグンと重心を沈め、グイグイと鋭い末脚で一気に差し切った。前々走のオークランドS1着は、最後方からの競馬。超スローで向こう正面まで馬群が固まり、残り600㍍のところで11秒7と急激にペースアップする流れ。だが、ファイヤー自身はここの地点で馬6頭分外を回らされる厳しい形。直線を向いても反応は鈍かったが、坂下で勢いが付くと、一完歩毎にグイグイと突き抜け、終わってみれば完勝だった。少しズブい面があるものの、エンジンが掛かればグンと重心を沈め、切れ味満点の末脚を発揮する。いかにも府中の長い直線向きのタイプ。前走後はここ目標に順調に乗り込まれている。

フィールドルージュ
前走の武蔵野S4着は、大雨の不良馬場。追い込み脚質の本馬にとっては天敵だ。例によって最後方追走から、4角で大外を回るロスがありながら直線で一完歩毎にグングンと詰め寄り、際どいところまで追い詰めるも、この馬場では限界があった。上がり3Fは芝並みの34秒8。負けて仕方なしの一戦だった。ズブい面があり、小回り函館では3角から早めに動いていった。府中の長い直線でこそのタイプ。追走が楽になる分、距離延長も歓迎だ。昨年は追い込み切れずに3着だったが、陣営は「昨年よりデキはいい」と自身を持てっている。ただし、この、メンバーを一気に差し切るのは相当厳しいのは事実。

ワイルドワンダー
前走の武蔵野S2着は、馬場を意識してか好位から積極的な立ち回り。直線を向き、馬群から一歩抜け出し、差し切ろうかの勢いだったが、ラスト1Fで勝ち馬と脚色は一緒になってしまった。前々走の南部杯2着は、緩い流れを好位のインから追走。4角の手応えも十分で直線で外めに持ち出す。一完歩毎にジワジワと差を詰め寄るも、あと一歩のところだった。ここ2走は捕らえられそうで捕らえ切れていない。一線級相手では少し決め手が劣るのかも。だが、4月のアンタレスS1着で見せたラスト1F11秒9で駆け抜けた豪脚は今でも忘れられない。流れに合わせて好位で競馬するよりも、脚をタメる競馬が合っている。2100㍍は少し長い。

メイショウトウコン
前走のエルムS1着は、フサイチパンドラの作る緩い流れを後方からの追走。3角で大外を抜群の手応えのまま進出し、直線入り口で先頭に踊り出る。グングンと加速し、ラスト1Fを11秒8で駆け抜けて圧勝した。上がり3Fは驚異の34秒5。デキの充実ぶりを物語るものだった。前々走の東海S1着は道中、緩い流れを後方からの競馬。3角で除々に外めを通ってポディションを押し上げ、4角で一気に大外を捲る。コーナーの傾斜が急な中京で相当走りづらそうだったが、一完歩毎にジワジワと詰め寄って逆手前のまま差し切り勝ち。今冬のフェブラリーSは東京への輸送疲れで全く力を出し切れずに終わっている。今回も長距離輸送が控えているだけに当日の気配には気を配りたいが、当時よりも20㌔近く馬体が増え、全体にパワーアップ。攻めでも嫌々をすることがなくなった。手先の長いフットワークから繰り出す決め手はここでも屈指の存在。

ボンネビルレコード
前走の天皇賞16着は、予定していたJBCクラシックを賞金不足のため使えず、回ってきた。発馬直後の不利も大きく響いたが、芝ではスピード不足だった。前々走の帝王賞1着は、道中は中団のインをロスなく追走。14番枠からソツなく乗りこなすあたりは、さすが大井のドン・的場文男である。他の有力どころが3、4角で外めを進出してもインで我慢、我慢。直線も思い切ってインを突き、バテた先行馬を捌くのに少し手間取ったが、ゴール前でグイッと突き抜けてブルーコンコルドを振り切った。美浦に転厩し、坂路調教を取り入れたことによってパワーアップした。帝王賞は恵まれた面もあった。時計の掛かる地方向きではあるが、前走で芝のスピード競馬が良い方向にでる可能性は十分ある。

フサイチホウオー
ダートに矛先を向けてきた。前走の菊花賞8着は、終始、ハミに頼った前傾姿勢の走りで力んでいた。これでは長丁場は持たない。その割に大崩れしなかったのは評価したい。前々走の神戸新聞杯12着は、久々で全くいいところがなかった。500㌔を雄に超す大型馬で筋肉の盛り上がりは凄い。前脚を突き刺すフットワークをしており、ダート向きの可能性は高い。前走の走りから勿論、距離短縮は歓迎材料。砂を被らない外枠も向く。左回りで最後、逆手前になって伸びを欠く傾向があるのはどうかも、激変の可能性を秘めている。

ジャパンC(GI)展望はこちら

ジャパンC(GI)徹底研究!

2007-11-18 18:01:20 | 見解
3日間開催、ジャパンCシリーズ徹底研究!


メイショウサムソン
さあ日本代表として大一番に挑む。前走の天皇賞・秋1着は、久々の一戦だったが、3週連続して武豊が調教に跨り、ほぼ万全の仕上がりだった。下見どころから迫力ある馬体が目を引いた。1番枠から好発を決め、先手を奪うかの勢いだったが、外から他馬がドッと押し寄せてきたために無理することなく好位のインまでポディションを下げる。若干、行きたがる素振りは見せたものの、許容範囲で鞍上の好判断。その後は馬群のインを通り、脚をタメる。終始、スムーズな競馬で4角から直線にかけての手応えは抜群。残り2F地点の坂上で早くも先頭へ躍り出ると、グングン加速。一頭になってもその集中力が途切れることはなく、ゴール前で鞍上の懸命な右ステッキに応えて2着馬を突き放す芸当を見せた。他の有力馬が不利に泣く中、スムーズな競馬ができた差はあったとしても、最後の脚力は紛れもない本物だった。やや重で1分58秒4は極めて優秀。休養前の宝塚記念2着は、道中は17番枠から中団外めを進む。先行馬がバテた3角で馬群が凝縮し、そこから抑え切れない手応えで大外を進出。直線入り口では早めに先頭へ立つ。天皇賞はこれで押し切れたが、今回は直後のAムーンにマークされる。直線で抜け出すも、すぐさま迫られ馬体を併せる。だが、そこから左手前に替え、もうひと踏ん張り。ゴール前で僅かに屈したが、底力を十二分に見せ付けた内容だった。力の要るタフな条件になったのは、欧州血統のこの馬には向いた。直線で舌がハミを越しながらよく頑張った。3走前の天皇賞・春1着は、攻めで首をうまく使った重心の低いフォームで昨秋より明らかに良化していた。それがDWで6ハロン77秒台の猛時計に繋がった。道中は縦長の速い流れを中団から悠然と追走。折り合いもスムーズで流れの落ち着いた3角の上り坂で前との差を詰め、下り坂で早めのスパート。4角で一気に先頭へ躍り出ると自身は11秒1-11秒3の強烈な脚を発揮。食い下がる先行馬を突き放し、迫るエリモ、トウカイの猛追を振り切っての戴冠だった。転厩し坂路追いを取り入れた結果、フォームが柔らかくなった。前走時の攻め馬など過去にはない動きだった。府中2400㍍はダービーVと同じ条件。先行して底力を存分に発揮できる。中3週のローテに加え、一度使われた上積みもあるはずだ。


ウオッカ
エリザベス女王杯を右寛ハ行で取り消した。その後は患部を湿布で冷やした。16日から馬場入りを開始させた。最終追いの動きには注意が必要だ。前走の秋華賞3着は、宝塚記念8着以来の実践。普段から掛かり気味に時計を出す気性で、好仕上がりだった。16番枠から中団を伺うも、首を左右に振り行きたがる。仕方なく後方にポディションを下げ、折り合いに専念する道中。その甲斐あって向こう正面ではピタリと折り合う。流れの落ち着いた残り700㍍あたりで外めを引っ張り切りの手応えで進出。4角で満を持して手綱が放たれるも、内回りでコーナーワークにぎこちなさを見せる。鞍上が右手綱を引いて必死に内へ誘導する。直線を向いて右手前のままグンと加速し、一気に差し切ろうかの勢い。だが、残り1F地点で左手前に替えると上位馬と同じ脚色になり、伸びあぐねてしまった。久々の影響も多分にあったろう。休養前の宝塚記念8着は、下見どころでは耳をキョロキョロと動かし、少し集中力を欠く面が見られた。2番枠からダービーと同じように前に馬を置きたかったが、雨馬場で他馬が外めに持ち出したために、ポッカリ前が開いてしまう。スタンド前でモロに掛かり、更にインティライミと接触するアクシデントが。本来なら息を入れるはずの1角でも前に壁を置けず。3角手前までずっと折り合いを欠いていた。そして、先行馬のバテた3角で積極的に押し上げる競馬。直線でインを突くも、そこから抵抗するスタミナは残っていなかった。雨馬場で1000㍍通過57秒5の乱ペースを、道中であれだけ掛かっては勝負にならなかった。ダービーのように壁を作りたかった。3走前mの東京優駿1着は、下見どころから17頭の牡馬に臆することなく落ち着き払った姿。フサイチホウオーが発汗でテンションが上がっていたのとは対照的。発馬直後は中団のインで我慢。初距離だけにスタンド前は口を割って行きたがる。だが、1角で平静を取り戻す。その後は至極順調に運び、3角では痺れるほどの手応え。ここで勝利を確信するほどだった。直線で前残りを図るアサクサキングスを一完歩毎に力強い末脚で迫り、ガァーッと伸びる伸びる。最後は3馬身の差を付ける圧勝。上がり3ハロンは驚異の33秒0。決め手を生かせる流れで存分に力を発揮した。64年ぶりの牝馬によりダービー制覇。ポテンシャルの高さは疑いようがない。しかし、前向き過ぎる気性で折り合いに難点がある。前走で抑える競馬をしたことで折り合いは付きやすいはずだが、一度叩かれてデキが上向いたことで行きっぷりが良過ぎる危険性もある。大トビで内回りの前走は4角でコーナーワークにぎこちなさを見せ、スピードに乗り切れなかった。ダービーV時の府中2400㍍は勿論、歓迎。右手前で爆発力を発揮するタイプ。右回りより左回り向き。内枠を引き、スッと前に壁を作れれば。


アドマイヤムーン
前走の天皇賞・秋6着は、中間は休み明けながら明らかな攻め不足。それでも、気の勝ったタイプで馬体は仕上がっていた。道中は12番枠から中団馬群の外めを進む。前のダイワメジャーを見ながらの競馬。だが、馬群が固まったためにかなり外々を通らされるロスの多い競馬。直線も大外へ持ち出すしかなかった。しかも、勢いに付きかけた坂上で内側から寄られる不利があって完全にバランスを崩す。立て直してジリジリと脚を使うも、残り1F地点で左手前になり、ゴール前は脚色が鈍って内へモタれてしまった。久々で攻め不足、全体的にロスの多い競馬で、大きな不利。さすがのGIホースもこれでは勝てない。休養前の宝塚記念1着は、上がり3ハロン36秒9の消耗戦を制した。この中間は、前走の香港戦で減った馬体を回復させるために帰厩が遅れた。急仕上げは否めなかったものの、最終追いではマイルから飛ばして終い11秒6と抜群の動きを披露。何とか間に合った。6番枠から好発を決めると、スッと馬場のいい外めへ。引っ張りきりの手応えで、前のMサムソンを見ながらの競馬。乱ペースに惑わされることなく淡々と後方を追走。3角でサムソンが早めに進出するも、慌てずに仕掛けを待つ。残り600㍍標識からジワッと大外を進出すると、直線入り口ではサムソンの1馬身後方まで迫る。そこから、満を持して追い出すも、さすがは2冠馬だけに相手も必至に食い下がる。坂上の残り80㍍のところでようやく抜け出し、タフなレースに終止符を打った。晴・雨を問わない強靭な末脚はお見事だった。一瞬の爆発力はワールドクラス。ただ、府中の長い直線だと脚の使いどころが難しく、距離も少し長い印象。一度使われた上積みは
相当あるはずだが。


ドリームパスポート
メイショウサムソンと共に昨年のクラシックを賑わせたドリームパスポートがここから復帰する。骨折前の阪神大賞典2着は、3000㍍の長丁場でテンから折り合いを欠く。1周目の4角までは好位のインで我慢できたものの、スタンド前で我慢できずに前へ。しかも、外からアイポッパーにプレッシャーをかけられる苦しい形。4角手前で早め先頭に立ち、ゴール前の坂上でも先頭をキープ。首の上げ下げで僅かに屈したものの、道中でかなりのロスがありながらこの着差。負けて強だった。前々走の有馬記念2着は、予想外の12キロ増。見た目には気にならなかったが、やや腹回りに余裕があったか。道中は発馬直後に中団のインに控え、脚をタメる作戦。Aメインが引っ張る淀みない流れだったが、2番手以下は団子。そのため、レースが動いた三分三厘から直線の残り1ハロン地点まで、馬込みに包まれて仕掛けることができず。ようやく坂上でスパートすると、一瞬のギアチェンジで猛追するもゴール前で甘くなってしまった。昨年のこのレースはディープの2着。下見どころで、力強いトモの踏み込みと馬体の張り。そして、小刻みな歩様が目立ち、唸っていた。道中は好発を決めるとスッと好位のインへ。このあたりはトモの発達が大きく影響している。一見、インの経済コースを立ち回り、脚をタメるのに最適なレース運びと映るが、連続開催の最終日で内の馬場は壊滅状態。逆に不利だった。直線入り口、逃げ馬の内へ進路を取り、坂を上り切った残り2ハロン地点で外目へ持ち出そうとするが、外のトーセンシャナオーに被されて内へ弾かれてしまう。並みの馬ならそこで戦意を喪失するところ。だが、この馬は盛り返し、ゴール直前まで先頭で粘る大健闘を見せた。一瞬の切れ味は極上。前々で競馬ができるのも強みだ。脚が長続きしないのがネック。ここは骨折明けで、いきなりのGI。牧場では、栗東坂路の2倍もの勾配を誇るところで乗り込まれてきたとか。最終追いに注目。


インティライミ
前走の京都大賞典1着は、10㌔減だった前走から2㌔増。僅かでも増えていたのは好材料だった。レースでは好発を決め、一旦は先頭へ立とうかの勢い。少なくとも一年前のインティライミならそこから掛かってハナに立っていただろう。だが、この日は顎をグッと引き、鞍上と人馬一体となり完璧な折り合いを見せる。発馬後300㍍のホームストレッチでアルナスラインの直後に控え、脚をタメる。その後は後方のインでひたすら我慢の競馬。緩急の激しくなった三分三厘でも慌てることなく手綱は動かない。直線に入り、ライバルのポップロックが仕掛けても動かない。馬群に突っ込むのではなく、あえてロスを承知で大外へ。ようやく残り300㍍のところで手綱が放たれると、グングンと重心が低く手先の軽いフットワークで急追。ゴール前では他馬が止まって見えるくらいの豪脚で一気に差し切った。前々走の朝日チャレンジC1着は、2ヶ月半ぶりの実践となった今回。宝塚記念当時の唸るような動き、とまではいかなかったが、仕上がりは良かった。発馬直後は手綱をガッチリ抑え、後方で我慢させる。今冬の暴走癖とは雲泥の差。佐藤哲と完璧な意思疎通を見せる。ペースアップした3角でも動かず、ジッと末をタメる。4角でようやくアクションを開始させ、直線は大外へ。入り口で左ステッキが入り、加速を開始。瞬時に先団へ取り付き、坂上では次元の違う脚で一気に抜き去った。休養前の宝塚記念6着は、下見どころから二人引きの厩務員を引っ張り、顎をグッと引いて抜群の気合い乗り。凄まじい集中力だった。発馬直後から重心の低いフォームで鞍上との呼吸はピタリ。だが、ゴール版付近で内かたウォッカに寄られ、更に前のカワカミが外へ膨れたために手綱を引っ張る大きな不利。外のダイワメジャーとも接触した。そして、直後の1角ではウオッカ、ダイワに進路を阻まれた。普通ならここで終わってしまうものだが、中団馬群のなかで集中した走りを続ける。三分三厘でも抜群の手応え。直線に期待を持ったが、そこからのひと踏ん張りがなかった。度重なる不利にも動じなかった精神力は高く評価したい。不利なく中団を進めていれば上位争いしていたことは間違いなかったろう。佐藤哲も「一発狙っていただけに残念」と。ダービー後の放牧先で蹄を痛め、一度は引退まで考えられたほど。復帰してからも背筋痛を患い、ハミに頼った走りになっていた。それが今冬のAJCC。しかし、宝塚記念時から唸るような攻めを見せるようになり、今秋からは抜群の切れ味を手に入れた。5歳にして本格化を迎えた。前走後は目標をここ一本に絞り、一週前に長めからビッシリ追われてきた。決め手はここでも通用する。


ヴィクトリー
前走の菊花賞16着は、10㌔増。レース前はゼッケンの下が白くなり発汗が目立った。少し太め残りだったか。18番枠から最初の上り坂で4番手へ。ここでブレーキが利けばよかったのだが、次の下り坂で勢いが付いて抑えが利かず、2番手までポディションを上げてしまう。1周目のスタンド前で右手綱を引いて強引に内へ入れる。だが、それでも折り合うことができず、左右に首を振って嫌々をする。結局、4角手前まで鞍上との呼吸は合わず、4角では手綱を目一杯押しても前に進んでいかず。直線はバテる一方だった。この中間は連日に渡って岩田が調教に跨り、折り合いを付ける稽古をしてきたが、それを生かせなかった。前々走の神戸新聞杯3着は、春先は攻めで嫌々する場面が見られたが、この中間は併せ馬で前に馬を置いてチップを被る稽古ができるまでに成長した。だが、発馬直後から抑え切れない感じで馬群を縫って前へ。結局は5番手のインまでポディションを上げた。ハミをグッと噛み、力みながらの道中。決してスムーズとはいえない。向こう正面では岩田が立ち上がるほど。更に逃げ馬がペースを落とした3角では口を割って行きたがるところを鞍上が懸命になだめる。直線でスムーズに馬場の3分どころに持ち出し、坂上ではAキングスの直後まで迫る。だが、相手が手前を替えて踏ん張りを見せられると、突き放されてしまった。休養前の東京優駿9着は、発馬で痛恨の出負け。皐月賞はそこからスッとハナへ立てたが、今回は鞍上が控える競馬を選択したことで、無理に行くことなく後方に抑えた。その分、1角までに他馬との差ができた。この決断が裏目に出た。行く気になったヴィクトリーは制御に逆らって前へ。だが、縦長の馬群となっていたためにハナへは立てず。仕方なく、アサクサの作るスローの流れに合わせざるを得なかった。33秒台の脚が求められる流れでは成す術なく馬群に沈んだ。4走前の皐月賞1着は、発馬直後に大外枠からスッと好位へ。だが、気分良く走らせることを考えた鞍上は、手綱を緩めて1角で迷わず前へ。2角では11秒6と加速し、果敢にハナを奪う。ここで後続を大きく引き離す形になる。その後も12秒3を3F続け、決して緩めず。4角を回りきった時点で後続とはかなりの差。直線で2着馬との激しい叩き合いで一旦は鼻っ面を並べられる。だが、ゴール直線で左手前に替えてもう一伸び。根性で振り切った。向こう正面ではスッと左手前に替えたが、3角からゴール手前までずっと右手前のまま。2角で突き放した時に他馬の競りかけがなかったことは恵まれたが、着差以上に強さを感じさせる内容だった。前走はとにかく距離が不向きだった。勿論、600㍍の距離短縮はプラス。ただ、決め手では一線級に劣る。理想は平均ペースの淀みない流れ。これを先行して35秒台で粘れる競馬が理想。持続型の中距離タイプで、中山コースが理想。


コスモバルク
前走の天皇賞5着は、逃げ馬不在のため果敢にハナへ。以前の掛かり癖は見せることもなく、制御の利いた道中。2番手のデルタのプレッシャーはあったものの、きれいな平均ペースの流れを刻む。だが、直線を向くと大きく外に膨れ、それを立て直して内側へ切れ込む滅茶苦茶な騎乗。ハングリー精神は認めるが、権威あるレース。本当に残念でならない。
今回から松岡に乗り替わる。外へ膨れる癖をどう抑えるか。


ポップロック
前走の天皇賞・秋4着は、ひと叩きされてCWで中身の濃い攻めを消化。デキは万全だった。14番枠から先行策を狙ったが、行きがつかず後方からの競馬。道中も大トビで2000㍍のスピード対応に苦しみ、手綱のアクションに余裕がない。馬群に取り付くのに精一杯の感で、4角ではステッキが入るも反応が鈍い。直線を向いてもジワジワとしか脚を使うことができず、4着に詰めるのが精一杯だった。明らかな距離不足。有力どころの凡走に助けられた面もあった。前々走の京都大賞典2着は、予定したい豪州遠征を断念し、ここへ。久々だったが、好仕上がり。3番枠から無理することなく中団のインへ。さすがは歴戦の古馬だけに折り合いは完璧。終始、経済コースを通り直線も最内に進路を取る。残り300㍍のところから仕掛けを開始。鞍上の左ステッキに応えてグイッと突き抜ける。だが、勝ち馬にゴール前で豪脚を使われては万事休す。切れ味で劣ってしまった。2000㍍の前走は追走に苦しんだ。大トビで広いコースでこそのタイプ。2ハロンの距離延長は大歓迎で、府中2400㍍は最適条件。一瞬の切れ味では劣るが、長くいい脚を使える。上がりの掛かる展開を後方から差す。


フサイチパンドラ
前走のエリザベス女王杯2着は、攻め強化によるテンションの高さを懸念したが、落ち着き払った姿。道中は無理することなく馬の行く気に任せ、外めの5番手追走。折り合いを欠くことなく気持ち良さそうな走り。残り4F手前の下り坂で手綱を緩めるとグーッと加速。4角で3番手までポディションを上げる。直線を向き、メンバー最速の上がり33秒9の末脚で迫るも、勝ち馬には着差以上の内容で完敗。だが、自身は中距離の上がりの掛かるを得意とするタイプ。それがメンバー最速の切れを使い、瞬発力勝負の流れに対応してきた。ここは一線級相手で、切れ味、底力共に劣る。逃げても札幌記念のような楽なペースは望めない。


チョウサン
前走の天皇賞・秋8着は、特徴的な前脚のフットワークで道中は無理することなく最後方からの追走。鞍上は「ノメり通しで、グリップが利かなかった」と。前々走の毎日王冠1着は、道中は後方で折り合いに専念する形。緩みない流れでスムーズな折り合い。前のブライトトゥモローを見ながら4角で痺れる手応え。坂上で外めへ持ち出し、鞍上の懸命なアクションに応え、粘り強く伸びる。ゴール前100㍍で左手前に替え、もうひと伸び。底力に満ちた末脚だった。展開が向いたことは確かだが、差し馬も厳しい流れを追走している。それでいて自身ラスト1ハロン11秒5としっかり踏ん張っている。決してフロックではない勝ち方だ。前走は馬場に泣いた。とにかくパンパンの高速馬場が理想。前々走の内容なら世界相手でも通用する。流れは速くなってほしい。楽しみだ。

マイルCS(GI)最終結論

2007-11-18 09:28:23 | 最終結論
京都11R マイルCS (GI 芝・1600㍍)
◎フサイチリシャール
○ダイワメジャー
▲カンパニー
△アグネスアーク
×スズカフェニックス
×スーパーホーネット
【見解】
 主役不在のマイルCS(GI)。出走メンバーを見渡すと差し、追い込み脚質のタイプが多く、徹底先行型は不在。極端なペースにはならない。後ろの組なら33秒台前半の切れ味が要求される。逆に先行馬は早めに抜け出せられるアドバンテージがある。
 本命は復活の兆しを感じさせるフサイチリシャール。前走のスワンS2着は、スプリント寄りの速い流れを好位の外め追走。終始、楽な手応えのまま追走し、4角の下り坂で早めのスパート。直線入り口で内から突進されても臆することなく、グイグイと突き抜ける。最後、一頭になってフワフワしたところを差されてしまったが、久々に集中した走りを見せてくれた。負けて強しの内容だ。今週の坂路追いでは最後まで脚色が乱れることなくグイッと先着。ゴール前の脚力は惚れ惚れするものだった。デキは間違いなく良い。ここは先行馬有利の展開。前に馬を置いて好位から折り合えれば、2歳チャンプになったディスタンス。復活できる。

マイルCS(GI)調教診断

2007-11-16 08:31:05 | 調教診断
マイルCS(GI)展望はこちら

【アグネスアーク】○ ゴール前でソラ使うも、順調
DWで終い重点。直線でスッと左手前に替えると、回転の速いピッチ走法でリズミカルな走り。ゴール前で逆手前に替え、舌がハミを越し、ソラを使ったとのはいつものこと。攻め駆けするタイプではない。この中間は1週前に空馬に遭遇するアクシデントはあったものの、順調。前走以上に馬体をフックラ見せている。

【エイシンドーバー】○ 久々も動き軽快
ルメールを背に坂路で併せ馬。ピッチの利いた回転の速いフットワークで真一文字に登坂。最後までその脚色は衰えることなく、半マイル51秒1-12秒7。併走馬を子ども扱いした。久々だが、9月25日から時計を出され、速い時計を4本消化。いきなりかた動ける態勢だ。

【カンパニー】◎ 力強いフットワーク、前走より良化
福永を背に坂路で馬任せのままサッと。首を上手く使い、力強いフットワークが印象的で、ラスト1Fは12秒4。前走時よりも全体にシャープさが出てきた。叩かれた上積みが望める。

【キングストレイル】○ 引っ張りきりで絶好の動き
山本康(レースは岩田)を背に南Wで5ハロンから2頭併せの内、追走。引っ張りきりの手応えのまま、両前脚を高く突き上げた相変わらず絶好の動き。今が充実期だ。

【コイウタ】○ 軽いフットワーク、デキ万全
吉田隼を背に坂路で終いサッと。ピッチの利いた抜群の脚力で軽々と登坂。余裕残しで24秒6-12秒0。2週前、1週前に速めを出し、この中間は意欲的。叩き3走目でデキは万全。

【ジョリーダンス】○ 四肢を気持ちよく伸ばし、大差先着
南Wで2頭併せの内。楽な手応えのまま、ラスト1Fを伸ばされると、四肢を気持ちよく伸ばしたフットワークで大差先着。休み明けだった前走時もまずまずだったが、更に良化している。

【スーパーホーネット】◎ 雄大なフットワークでグイッと先着
小林慎(レースは藤岡佑)を背にDWで2頭併せの内。大きなフットワークで見た目はそれほどスピード感がないが、ゴール前で軽く追われるとグイッと先着。迫力満点だった。余力残しで80秒1-11秒9。今が充実期。

【スズカフェニックス】○ 終い要すも、迫力十分
武豊を背に坂路で目一杯に。テンから飛ばしたためにゴール前は脚が上がり気味だったが、チップを高く蹴り上げるトモの踏み込みは迫力があった。この日は粘っこい馬場。ラスト1Fは13秒0を要したが、半マイル51秒4なら優秀。

【ダイワメジャー】◎ 不安払拭、今秋一番の動き
前走で受けたアクシデントを考慮し、一週間馬場入りを控えてきた。不安一杯の最終追いだったが、杞憂に終わった。南Wで2頭併せの内を追走し、直線で四肢を豪快に伸ばし、首をグッと下げた重心の低いフォームで先着。5ハロンから61秒3-12秒4。

【トウショウカレッジ】◎ 頭高いも、迫力満点の脚捌き
池添を背に坂路で単走。例によって頭の高い走法だが、脚捌き自体は迫力満点でラスト1Fは12秒1。日曜日にも半マイル50秒0-12秒1と快時計を出し、文句なし。

【ピカレスクコート】○ 左へモタ気味も、好時計
秋山を背に坂路で一杯に。ゴール前は左にモタれ気味だったが、筒一杯になりながらもラスト1Fを12秒9と踏ん張り、全体も50秒7と好時計。1週前にも51秒5-12秒6を出し、デキはいい。

【ピンクカメオ】○ 先着許すも、力強い動き 
坂路で2頭併せの内。力強い脚捌きで、ゴール前で僅かに先着を許したものの、動き自体は相変わらず。秋2走は結果を残せていないが、デキ自体はいい。

【フサイチリシャール】◎ 最後まで脚色衰えることなく、グイッと先着
鮫島良(レースはペリエ)を背に坂路で2頭併せ。半マイルはエラーだったが、力強いフットワークで最後まで脚色は衰えることなくグイッと先着。前走時から動きがガラッと変わってきており、ここも注目

【マイネルシーガル】○ 長めを意欲的にやられる
後藤浩を背に南Dで3頭併せの大外を6ハロンから追走。終始、鞍上の手綱はピクリとも動かない。四肢を力強く伸ばした集中力に富んだ走り。この中間もプールと馬場を併用した意欲的な調教。

【ローエングリン】○ 悔いのない仕上げ
テンからガンガン飛ばしたためにラスト1Fは13秒5を要したが、6ハロンから78秒0と速い時計。ここが引退レース。悔いのない仕上げだ。

【ローレルゲレイロ】○
藤田(レースは和田竜)を背に坂路でビシッと。例によって頭は高いが、相変わらずシャープな脚捌きでグングン加速。半マイル51秒1-12秒2なら文句なし。

マイルCS(GI)展望

2007-11-15 23:06:34 | 見解
カンパニー
前走の天皇賞秋3着は、仕上がりは良好だった。道中は6番枠からスッと後方に下げる。馬場の良いギリギリの所を選び、馬群のインで我慢。福永のスムーズな誘導で、直線もロスのない馬場の3分どころへ。だが、前のバルクが外へ膨れ、狙っていた外側の進路を諦め、その内側の進路を突くも、今度はバルクが内側へ切れ込む。仕方なく強引に手綱を引いて外へ誘導する。そこからピッチの利いた回転の速い脚捌きでグンと加速。残り1F地点では勝ち馬に迫るかの勢いだったが、ゴール100㍍手前で筒一杯となり、最後は突き放されて2着馬にも差された。少し2000㍍は長かった。前々走の関屋記念1着は、緩みない流れを後方のイン追走。4角から直線入り口にかけてスムーズに大外へ持ち出すと、ピッチの利いた回転の速いフットワークでグングン加速。一頭だけ離れる苦しい競馬だったが、上がり3F33秒3の切れ味で圧倒した。とにかく強かった。昨秋は精神面でのイラつきが見られたが、今季はそれも解消。心身ともに充実している。2000㍍の前走でゴール前失速。前々走で見せた決め手を生かすには、京都のマイルは申し分ない舞台だ。

アグネスアーク
前走の天皇賞秋2着は、腹が巻き上がっていたが、当日は増減なしの430㌔。バネの利いたトモが印象的だった。道中は中団馬群のなかを追走。直前の勝ち馬を見る形。スムーズな折り合いを見せ、4角で気合いを付けて直線へ。入り口でエイシンとシャドウの間にできた隙間を積極的に狙いに行く。それが功を奏し、坂上で鞍上の右ステッキが入ってグンと伸びる。だが、そこで内のエイシンデピュティに寄られ、外のシャドウゲイトと挟まれてしまう。完全にバランスを崩して本来なら戦意を喪失してしまうケース。だが、そこから立て直して根性の末脚を発揮。最後は頭を上げてジリ脚になりながらも、ゴール前でカンパニーを差した。430㌔台の小柄な馬体で、エンジンが掛かり出してから挟まれる大きな不利。それを克服してのものだけに勝負根性は対したものだ。前々走の毎日王冠は、道中、後方の外めを追走。速い流れでスムーズな折り合い。ちょうど勝ち馬の外。4角で内からエイシンデピュティに張られ、狙っていた進路を取れず大外へ回るロス。それでも、長くいい脚を使い、ゴール前100㍍のところで外へ膨れ気味になりながらも懸命の追い込みで2着に来た。430㌔の小柄な馬体だが、トモのバネはしっかり。決め手はGI級だ。逞しい勝負根性も売り。この中間は前走以上にフックラ。前走、1週前追い切りの後遺症は心配。

ダイワメジャー
前走の天皇賞・秋9着は、14番枠で内の速い馬を見ながら無理に行くことなく、好位の外めへ。年を重ねたことで昨年ほどの行きっぷりがない。手綱を押して好位を取りに行った。三分三厘でも下手に動くことなく直線へ。入り口でハミをかけ直し、良い感じでスッーと進出するも、そこで内から突進されて体勢を崩す大きな不利が。そこから懸命に左ステッキが入るも、今ひとつの伸び。ゴール前でAムーンと馬体を接触して完全に戦意を喪失した。力を出し切れなかった。前々走の毎日王冠3着は、残念ながら秋緒戦を飾ることができなかった。道中は緩みない流れを、インから好発を決めて4番手追走。無理に競りかけることなく余裕十分の追走。目標を前のコンゴウリキシオー一本に絞り、3角でジワッと差を詰める。3、4角中間で馬体を併せ、4角では抑え切れない手応えで抜き去る。直線の坂上でハミをかけ直し、仕掛けを開始。坂を上った残り300㍍地点では左ステッキ2発が注入される。だが、伸びるどころか外へ膨らんでしまい、反応が鈍い。そこから右→左→右と何度も手前を替え、必死の粘りを見せるも、最後は差し馬2頭に交わされてしまった。かなりの乱ペースを早めに追いかける形。いくらGI4勝馬とはいえ、休み明けでこの流れでは厳しかったか。休養前の宝塚記念12着は、16㌔減。前日入厩で阪神の出張馬房でイレ込み、デキが下降線だった。4走前の安田記念1着は、直前の攻めを強くしたために、下見どころでは少しテンションが高い。だが、レースへ行くと、コンゴウの作る平均ペースの流れを3番手のインで折り合いに専念。終始、抑え切れないくらいの行きっぷり。直線を向き、坂上で馬場の3分どころへ持ち出す。ノーステッキで鞍上が懸命に手綱をしごき、ジワリジワリと差を詰める。2着馬が想像以上に渋太かったが、ゴール前できっちり捕らえた。マイルを先行して34秒4の脚を使えているように、昨春より数段力を付けている。並んだら抜かせない勝負根性も健在だった。以前よりゲートをモッサリ出るようになり、テンに行けなくなっている。揉まれ弱いだけに、内枠に入ると辛い。鞍上は積極策を示唆。前走でバランスを崩した影響でこの中間は一週間、馬場入りを控えてきた。最終追いは動いたが、心配機能の面で心配。実績はNO.1。

スーパーホーネット
前走のスワンS1着は、プラス10㌔と前走から更に成長。下見どころで顎をグッと引き、抜群の気配。だが、レースではスプリント色の強い流れになり、道中は手綱を押しながら後方を追走。4角の下り坂で外めを通り、仕掛けを開始。直線で大外へ持ち出し、抜群の脚力で一完歩毎にグイグイ伸びる。ゴール前で計ったように差し切った。メンバー最速の上がり33秒9。決して楽な追走でないのに最後の決め手。急激な成長を遂げた。前々走のポートアイランドS1着は、6番枠から好発から楽な手応えのまま好位追走。直線でノーステッキのままグンと加速。坂下でステッキが入ると後続を突き放す。最後までその脚色は衰えることなく、上がり33秒8の切れで差し切った。とにかく今季はデキが充実。決め手の鋭さが増している。1ハロンの距離延長は歓迎だし、晴・雨兼用。相手強化でも楽しみ。

スズカフェニックス
前走のスプリンターズS9着は、馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れ、仕上がり途上だった。道中も手綱に余裕がなく、追走に手一杯の感。抜群の手応えで進出した高松宮記念とは雲泥の差。直線でも全く反応がなかった。鞍上も「一度もハミを取らなかった」と。道悪も大きく影響した。休養前の安田記念5着は、電撃戦で攻めの競馬をした直後だけに折り合いに専念する形。だが、少しでも気を許せばガツンと行きそうな気配の道中。馬群が固まり終始、外めを通らされる。直線も大外へ持ち出さざるを得ず。かなりのロスがあったうえに、エアシェイディと馬体を接触する激しい攻防。それでも怯むことなく突き進む。長く脚を使い、一完歩毎に鋭く迫るも、平均ペースで内有利の馬場では厳しいものがあった。3走前の高松宮記念1着は、下見どころで外めを気分よく周回。デキの良さは明らかだった。道中は好発から馬場のいい外めを追走。馬場が重く、ペースも緩かったため追走に苦労することなく3角では早めにポディションを上げる意欲的な内容。4角でプリサイスマシーンに早々並びかけると、直線も大外を一頭だけ違う脚色で駆け抜け、決め手の鋭さを発揮して圧勝した。道中の追走を考えればマイルのほうが競馬はしやすいが、ただでさえ折り合いに不安のあるタイプ。前走でスプリント戦を使われた後だけに後方からの競馬になりそう。2開催の後半で外差し馬場になっているのは有り難い。決め手は現役屈指。

エイシンドーバー
前走の安田記念10着は、中団馬群からの追走。だが、馬群が固まったために動くに動けない展開。直線でも手綱をジッと持ったまま残り2Fを切った坂上でスパート。そこからジワジワと長く脚を使って追い込むも、位置取りの差も大きく影響して差し切れなかった。前々走の京王杯SC1着は、Mスケルツッィの作る緩みない流れを好位追走。直線を向いて逃げるスケルツィとの差はかなりなったが、力強い脚捌きで一完歩毎に迫り、長く脚を使って差し切った。33秒台の切れを要求される展開では辛いが、前半から淀みなく流れ、自身が34秒台半ばで差せる展開なら。久々でも坂路を中心に入念に乗り込まれ、動きも久々を感じさせない絶好のもの。ルメールの手綱捌きも注目。

ピンクカメオ
前走の秋華賞14着は、後方追走から4角でゴチャつく不利はあったものの、いかにも不満の残る内容だった。前々走のローズS4着は、抜群の気合い乗りと力強い後肢の踏み込みが印象的で、さすがはGI馬と思わせるものだった。道中は中団の外めを追走し、ジックリと脚をタメる。4角で除々に加速し、直線でスッと左手前に替える。そこから良い感じの脚力を見せたが、ラスト1ハロン手前で右手前に替えてからが案外の伸び脚。伸びずバテずだった。今春のNHKマイルC1着では、雨馬場で先行馬がいい位置を取ろうと、テンから激しい攻防が繰り広げられる展開を最後方追走。極力ロスを避け、外を通るのではなく最短距離を通る。直線でも他の差し馬が仕掛けても、尚もワンテンポ遅らせた仕掛け。満を持して大外へ持ち出すと、先行馬がバテたラスト100㍍のところを豪快に差し切った。鞍上の巧みなペース判断とコース取りも光ったが、自身も桜花賞時の栗東でのトレーニングが奏功し、動きが良化。馬体も絞れていた。牝馬離れした筋肉質のボディーを持ち、いかにも流れの速いマイルで活躍しそう。2ハロンの短縮は勿論、歓迎。上がりが掛かってほしい。

フサイチリシャール
前走のスワンS2着は、久々に福永とのコンビ。最終追いはDWで意欲的にやられた。道中は14番枠から内の馬を見ながら好位の外めを追走。集中した走りで迫力ある追走姿を久々に見た。4角でスッーと加速して入り口で内から寄られる不利はあったものの、力強いフットワークでグンと加速。少し内へモタれたが、最後までその脚色は衰えなかった。勝ち馬の決め手が凄すぎただけで、正攻法の競馬で強い内容だった。前々走のセントウルSは出負けして流れに乗れず、今季はチグハグな競馬が続いていた。ベストは1400㍍だが、速い流れを好位から押し切りたいタイプ。GIの激流は歓迎だ。前走は負けて強しの内容だし、引き続きパドックから集中した姿が見られれば面白い存在だ。

サクラメガワンダー
前走のカシオペアS1着は、緩みない流れを3番枠から手綱を押して好位追走。前半でそこそこ追走に脚を使ったものの、3角の上り坂で脚をタメる。4角でも引っ張り切りの手応え。直線で馬群を割ってあっさりと抜け出す。ラスト1Fは完全に一頭になったため、頭を上げてフワフワする。その分、思ったほど切れなかったが、着差以上に強かった。ハミに敏感なタイプで、2,3走前は小回りのコーナー4個の競馬で位置取りが厳しかった。不思議とペリエが乗るとスムーズに好位が取れる。ベストは4戦3勝の1800㍍だが、マイルでも前半を乗り切れれば。輸送の短い京都は歓迎。

ローエングリン
ここが引退レース。過去には天皇賞・秋で鞍上の暴走で馬が滅茶苦茶になった。その精神的ショックは大きく、その後のレースでは他馬が近寄ると戦意を喪失するケースが目立った。しかし、昨夏の関屋記念で出負けしたことがきっかけて控える脚質転換。道中で息を入れることを覚えた。スタートのセンスは現役NO.1。スプリンターズSで見せ場を作っただけに、ここも待機策で一発を。

コイウタ
前走の富士S8着は、スプリント後だけあって道中は折り合いに専念。自然と位置取りは後方になった。中団馬群から直線を向きスパート。だが、追ってからの反応が今ひとつで、ジリ脚。ゴール前は完全に伸び負けした。前々走のスプリンターズS11着は、スプリントの速い流れに戸惑うことなく好位追走。だが、肝心の追ってからの反応が全くなく、馬群に沈んでしまった。4走前のヴィクトリアM1着は、生涯最高のデキで大仕事をやってのけた。一週前に南Wで64秒0-11秒9を出し、最終追いでは坂路でピッチの利いた抜群の動きを披露。陣営もデキの良さに太鼓判を押し、自信を持っていた。道中はアサヒの作る平均ペースの流れを好位追走。前々走の敗因を胸に刻み、鞍上は慌てず脚をタメることに専念。直線で逃げ馬が馬場の4分どころを通る異様な雰囲気のなか、その内目のギリギリ馬場の良い所を通る。残り2ハロン手前で仕掛けを開始させると、一瞬の脚で先団へ。逃げ馬も11秒2と速い脚を使っていただけに捕らえるのは容易ではなかったが、残り100㍍のところで追い付き、突き放した。勝ち時計は1分32秒5。高速馬場を考えても優秀だし、残り400~200㍍のところでは10秒台の脚を使っている。テンも速かったし、最後の決め手は強烈だった。

ローレルゲレイロ
前走の富士S10着は、16番枠から好発を決めてスッと楽な感じで好位。だが、ペースの上がった4角での行きっぷりが今ひとつ。直線でも反応は鈍く、ゴール前100㍍では完全に戦意を喪失していた。頭の高い走法で、どうしてもゴール前で甘くなる。発馬とスピード力には長けたものがあるが。

マイネルシーガル
前走の富士S1着は、好発を決めて掛かったオレハ、シンボリがHペースを作る展開を3番手のイン追走。オレハが11秒2と加速した4角から直線入り口の残り3~2F間で、仕掛けて早めに追いかける展開。この間には坂も存在し、想像以上に苦しい競馬。坂を上りきった残り300㍍地点で先頭へ並びかけると、そこから完全に抜け出す。一頭だけになり、ソラを使ってもおかしくない場面だったが、鞍上の右ステッキに応え、最後まで集中した走りでラスト1Fを12秒0としっかり踏ん張り、押し切った。先行馬総崩れの流れでの勝利。強い。前々走の京成杯AH3着は、久々の一戦。5番枠から発馬直後に挟まれてリズムを崩す。その後は中団を追走し、三分三厘で前の馬群が固まったために馬6頭分、外を通らされる。直線でジワジワと立て直して追い込むも、全体的にロスの多い競馬で届かなかった。及第点の一戦だ。春先から馬体が成長。先行して押し切る体力が付いてきた。この中間もプールとWを併用。1週前に5ハロンから時計を出し、最終追いは長めから意欲的にやられてきた。楽しみな一戦だ。

キングストレイル
前走のスワンS6着は、8番枠から掛かり気味の追走。少しでも気を許せばガツンと行ってしまいそうな気配。3角手前で横の馬がフラついた煽りを受けて内に押し込められる苦しい競馬。結果として終始、馬場の悪いインを通らされ、直線でジリジリとしか伸び切れなかった。前々走のスプリンターズS4着は、発馬で行き脚がつかず。だが、後方から抑え切れない手応えでグングンと進出。4角では中団まで押し上げる。だが、大外枠発走だったため、かなりの大外を通らされる。直線で大外からジワリと追い上げるも、この馬場で外々を通らされたロスは想像以上に大きかった。3走前の京成杯AH1着は、2番枠から抑え切れない行きっぷりで好位のイン追走。終始、抜群の行きっぷり。他馬の手綱が激しく動いた4角でも抑えるのに苦労するほど。直線で瞬時の脚で抜け出すと、頭の高い走法で押し切った。とにかく強かった。抜群の行きっぷりと頭が高く、一瞬の爆発力で押し切るタイプ。GIの激流は歓迎だ。乗り難しいだけに、テン乗りの岩田がどう乗るか。