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2022年は客観的な予想を心がけます。

フェブラリーS(GI)回顧

2011-02-20 22:45:30 | 回顧



12.6 - 11.2 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.9 - 12.3=1:36.4

 確かな地力強化を示すトランセンドの勝利だった。久々の一戦となったが、中間は早い時期から時計を出し始め、完璧に仕上がっていた。下見どころでも落ち着き十分で、気配は抜群だった。発馬直後に手綱を押してハナを奪いに行くが、芝とダートの切れ目で馬が戸惑って飛び跳ねる。ダートに差しかかってからも、外から掛ったセイクリムズンとマチカネニホンバレが競りかけてきたために11秒2-11秒9と息を入れることができない。息を入れたい3角からは外からマチカネにびっしりと被されてプレッシャーをかけられる。直線を向くと一旦はマチカネに先着を許す苦しい展開。だが、坂を上がってから二の脚を使い、再び突き放す。最後までしっかりとした脚取りで逃げ切った。不慣れなマイルのスピード勝負で道中もびっしりマークされながら、直線で二の脚を使った芸当はGI馬にふさわしい内容だった。強い。

 地方の雄フリオーソが底力を発揮して2着を確保した。課題だったスタートの芝部分。戸惑いは隠せず、行き脚がつかず、後方からの競馬になってしまった。道中もマイルのスピードに対応できず手綱を動かしながらの追走。流れが若干落ち着いた3角で馬群に取り付くも、外々を回るロスの多いコース取り。直線に入っても、内へモタれて右手綱を引きながらの誘導でステッキが使えない。残り1ハロンを切ってもまだ中団あたり。残り100㍍手前で右ステッキが入ると、ようやく末脚にエンジンが掛り、グーンと物凄い脚。重心の低い推進力に富んだ走りで2着に追い込んできた。2000㍍ならスピード勝負にも対応できるが、マイルでは勝手が違った。能力で差してきた。強い内容だった。

 池江泰郎先生にとって最後のGI。バーディバーディは渾身の仕上げ。生涯最高のデキで大舞台に挑んだ。スタート地点が芝だったため、いつものようにスッと先手は奪えず、手綱を押して前へ。2ハロン目でようやく行き脚がつくも、ここ2走が積極的な競馬で末をなくしているだけに深追いせず6番手で控える。三分三厘で外めにポディションを移し、少しずつ加速。直線で理想的に外めへ持ち出し、坂を上ってからグンと加速。一気に差し切ろうかの勢い。だが、ゴール前で勝ち馬と脚色が一緒になり最後はフリオーソにも差されてしまった。現時点で上位2頭とは力差がある。明け4歳馬、ここからの地力強化に期待したい。

 ダノンカモンは前走時に比べてテンションが高かった。好発を決めてスーッと前目のポディションを取れたが、ダートに差しかかってから頭を上げて中団までポディションを落としてしまう。その後は同じ位置取りで脚を温存。直線で外めへ持ち出し、一完歩毎にジワジワと末脚を伸ばす。上位馬とは決め手の差が出てしまったが、相手なりの堅実走法を発揮した。

 マチカネニホンバレは大外枠発走からから手綱を押して先団へ。500㌔を越す大きなフットワークでジワッと逃げるトランセンドに迫る。積極果敢な競馬で3角に入って外からびっしりとマークする。一旦トップスピードに入るとその持続力は凄い。それを維持したまま直線入口でも手応え十分。一時は勝ち馬を交わす見せ場を作ったが、ラスト1ハロンで脚色が鈍ってしまった。大トビでいかに道中でスピードに乗るかがポイント。前走はそれができなかった。コーナー4回の競馬よりは2回が合っている。

 休み明けのクリールパッションは仕上がりひと息の印象で太めも残っていた。芝部分の発馬で行き脚がつかず、手綱を押して中団を取りに行く。ダート部分では頭を上げて追走にも苦労。それでも、直線は脚を見せた。叩いて前進あるのみ。

 シルクメビウスは前日輸送でも落ち着いた印象だった。発馬直後から馬任せで無理せず後方に控える。マイルのスピード勝負に戸惑うことはなかったが、道中はハミを噛んで力んでいた。その分、直線では重心が浮いて推進力に欠ける走りだった。左回りと長距離輸送では…

 久々のダート戦となったライブコンサート。発馬直後は手綱を押して前へ。ダートとの切れ目部分で飛び跳ねはしたが、ダートに入ってからは馬任せでスムーズな追走。戸惑うことはなかった。だが、内枠のため馬込みに包まれて三分三厘でも何もできない。直線に入るまで全く加速できず、インを突いて一瞬の脚で差してきた。ダートは全く問題なかったし、もう少し積極的な競馬をすべきだった。

 オーロマイスターは久々の一戦。中間は一頓挫あったし、コースで長めから追われても馬体を絞り切れなかった。課題だった折り合いはマイルのスピード競馬と最内枠発走でクリア。道中は本当にリラックスできていたが、ライブコンサート同様に包まれて動けず。直線は一瞬の脚を示したが、勿体ないレースだった。折り合いに不安があるだけに余計に下手な仕掛けができなかった。やはりマイルが合う。馬体が絞れれば逆に折り合いを欠く危険性はあるが、嵌ればGIでも通用する。

 セイクリムズンは好発を決めてしまい、モロに掛ってしまった。距離が1ハロン長いだけに前に壁を作って脚をタメたかったが、発馬の良さが仇になってしまった。外からマチカネに張られたのも余計に応えた。

 ダイシンオレンジは時計の掛る競馬が合っているクチ。マイルは1ハロン短いし、仕方ない。


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