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2022年は客観的な予想を心がけます。

売上減に歯止めをかけるには…

2011-02-23 00:57:16 | Weblog
 JRAの売上減に歯止めが掛らない。平成7年にあった約4兆円の売上は、平成21年には約2兆5千億円まで激減している。対比で表すと約62.5%。民間会社なら間違いなく責任問題に発展している。JRAは特殊法人のため、そのあたりへの意識が薄いのではと思う。年間数千億円の大金を国庫納付金として納めている超優良法人ではあるが、このままでは未来は暗い。

週刊競馬ブック正月号恒例の土川理事による年頭挨拶では、売上減の歯止め策として、今年の4月より導入される5重勝単勝式への期待が寄せられている。だが、果たしてそうなるだろうか。

今の馬券別シェアを見ると、全体の約4割が3連単で占められている。3連単は最も的中確率の低い馬券であり、少額で楽しむことができる。そうすれば客単価の下落と、回転資金の悪化を招く。買い始めは魅力的な高配当目当てに買い続けるだろうが、当たらなければ次第に離れていってしまう。これで5重勝単勝式が導入されればどうだろうか?始めは話題性と魅力的な高配当目当てに売上は上がるだろうが、当然的中率は極端に低く、次第に売上が落ちるだろう。更に客単価下落にも拍車がかかる。大事なのはリピーターを増やすことである。それを第一に考えるべきだ。

今週の週刊競馬ブックの一筆啓上というコラムの中で、石川ワタル氏が『単勝の魅力はもっと広く世間に宣伝されるべき』とあるが、全くの同感である。単勝と複勝は他の馬券に比べて控除率が5%低く、ファンにとってはお得な馬券である。それを知らないファンは多いと思う。石川氏のコラムにもあったが、これはコマーシャルで大々的に唄うべきである。著名人を起用するよりは、よっぽど効果があるだろう。単勝と複勝は地味な馬券であるものの、もっとも的中率が高い。的中する喜びは何にも代えがたいものがあり、これで儲けることができれば尚、競馬に対して熱中するファンが増えると思う。

私の周りには、『競馬は難しい』、『競馬場は汚い』というイメージを持つ人が圧倒的に多い。しかし、一歩競馬場へ来てみると、生の競走馬の迫力、綺麗で広大な競馬場に圧倒される者がほとんどである。東京競馬場へ足を運ばれたことがある方はご存知さろうが、本当に今の競馬場は綺麗である。

競馬総人口はピーク時に比べて103%(平成21年と7年で比較)とむしろ増えている。それに対して開催競馬場入場人員はピーク時に比べて52%(平成21年と平成7年で比較)と、約半数まで落ち込んでいる。総人口が増えたのは電話投票会員が大きく寄与している。確かに電話投票は、手軽に馬券を買えて便利なツールである。しかし、真の競馬の魅力は、競馬場でしか分からない。JRAは電話投票会員を増やすのではなく、開催競馬場への入場人員増策を考えるべきである。

①単勝、複勝の控除率をコマーシャルを通して大々的にアピールする
上記でも述べたが、他の馬券に比べて控除率が低く、ファンにとってはお得な馬券である。的中率が低く、客単価下落を招く3連単のシェアを少しでも下げ、的中率の高い単勝、複勝のシェアを上げることが重要である。また、過去のレースVTRを実況付きで放映してはどうか。ナリタブライアンVSマヤノトップガンの阪神大賞典、スペシャルウィークVSグラスワンダーの有馬記念などは、たまらないだろう。

②スターホースの海外競馬参戦防止を
ウオッカ、ディープインパクトなどが出走したレースの多くは、不況下のなかでも売上が昨対をクリアしていた。ファンはスターホースを望んでいる。近年はドバイ、香港などへ遠征して国内レースへの出走を回避する有力馬が相次いでいる。これでは、国内GIレースの盛り上がりが欠けてしまう。何としても国内レースへ出走できるよう、努力すべきである。

③開催競馬場入場人員増加への策を
競馬総人口がピーク時よりも増えているのに、開催競馬場人員はピーク時の約半数。真の魅力は競馬場でしか味わうことができない。最初は競馬がきっかけでなくてもいい。どんな理由でもいいので、競馬場へ足を運んでもらえる策をもっと考えるべきである。

④午前中からレースが盛り上がるような策を
どうしてもお昼前のレースは盛り上がりに欠ける傾向がある。競馬場へもお昼前から足を運ぶファンが多いように思う。思い切って1~3Rの控除率を下げて『午前中キャンペーン』を打ち出してはどうか。単勝、複勝の控除率は更に引き下げ、その資金を午後に活用すれば売上は上がるように思う。

⑤全レース、パドック、調教映像の公開を
これはかなりの労力を要するだろうが、レース前の調教公開、JRAホームページ内のレース結果のページで、そのレースのパドック映像を流してはどうか。パドックで大事なのは、横の比較よりも縦の比較。それを実現するためには、これしかない。調教も同様で、コアなファンはより馬券を買いたくなるはずだ。


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2 コメント

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Unknown (Jr.)
2011-02-23 22:26:34
>>競馬総人口はピーク時に比べて103%(平成21年と7年で比較)とむしろ増えている。


これ、知りませんでした。それでも売り上げはガンガン下がっているのは、景気はもちろん、3連単の発売による客単価の低下も原因なんでしょうね。

PATでは馬券しか買えませんが、競馬場に行けば、馬券以外にもグッズに食事、施設周辺での観光など経済効果につながるわけですし、競馬場への入場誘導するようなことをしなきゃですよね。クラブケイバ自体は間違った路線ではないんですが・・会員カードみたいなのを作って、入場回数に応じて景品出したり、新規の友達を連れてきたらなんかサービスしてみたり(もうやってる?)してほしいなあ。

賛否あるかもですが、ジョッキーをもっとタレント化させても良いと思うんです。競馬場を飛び出して、いろんなメディアでジョッキー各人の個性をアピールして、ファンを作って、その人たちを競馬場に流す、というのはありだと思うんですよ。競馬場の中でずっとアピールし続けても意味がないです。外に出ないと。

ジャンクスポーツがなくなったのが結構痛い。。
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どうも! (のり)
2011-02-23 22:56:02
Jr.さん毎度です!

>競馬場への入場誘導するようなことをしなきゃですよね。

これが一番重要ですよね。一度競馬場に足を運べば競馬の魅力を分かってもらえると思います。今は分煙も進んで過ごしやすい環境になってますし。

>ジョッキーをもっとタレント化させても良いと思うんです。

競馬界にも祐ちゃんや遼くんのようなスターが出てきてほしいです!!
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