中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

函館スプリントS、ラジオNIKKEI賞展望

2006-06-30 00:19:59 | 見解
 華やかなGIシリーズも先週の宝塚記念で終了。いよいよ夏競馬本番を迎える。今週は〝残念ダービー〟として名高く、今年から名称変更とともにハンデ戦になった『ラジオNIKKEI賞』と、サマースプリントSの第一弾『函館スプリントS』が行われる。両レースとも、なかなかの好メンバーが集まって馬券的妙味がある。予想のほうは2週連続で大きく儲けることができ、好調が続いている。この調子を長く持続できるように頑張りたい。

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 ハンデ戦に替わったこともあってか、今年は牝馬の参戦が目立つラジオNIKKEI賞。小回り1800㍍の多頭数ということで、毎年乱ペースになりやすく、昨年など先行馬壊滅の典型的なレースだった。今年の中心はトウショウシロッコか。前走の白百合S3着はHペースの縦長の展開を後方から鋭く伸びた。直線で馬群をうまく捌けていればもう少し際どかった。その時の2着馬がソリッドプラチナム。レースレベルも高い。皐月賞9着も4角までいい手応えで進め、直線で窮屈な場面があった。鞍上の談話にもあるように、外へ出せていればもう少し際どかった。スプリングS当時はソエで状態が今ひとつだったとのこと。前走同様、速い流れになれば。牝馬のステラマドレード の前走の500万戦1着は開幕週だが、雨の影響で緩い馬場。慌てることなくジックリ中団で乗られると、ワンテンポ遅らせた仕掛けでズブズブの展開を制した一戦毎に競馬を覚え、馬格のない小柄な馬で51キロはプラス。この中間は中4週で坂路を熱心に。アマノトレンディーの前走は裂蹄明け。発馬で後手を踏み、外枠のため終始、外目を通らされたし、道中なし崩しに脚を使わされたのも痛かった。それでも勝ち馬からコンマ2秒差なら上々。3走前のアーリントンC3着が勝負どころでスブさを見せながら、渋太い脚で粘りを見せた。時計勝負や切れ味勝負では分が悪いが、雨で時計の掛かる馬場なら勝負になる。内枠を引いて好位を追走できれば。タマモサポートは前走の青葉賞が大外枠発走のために内へ潜ることができず、終始、外を通らされる破目に。距離が長かったし、折り合いも欠いた。度外視の一戦。前々走のスプリングS4着は皐月賞1、2着馬が出走した高レベルレース。道中は後方で折り合いに専念し、直線で前が塞がる不利がありながらジワジワ伸びた。距離短縮は勿論、歓迎だし、流れが速くなる小回りコースも向くだろう。ソングオブウインドは前走が直線で早めに抜け出す形。それでも、ラスト1ハロン12秒1と大崩れせずにまとめたのは立派。芝ではまだ底を見せていない。ブロンコーネはオークスで故障馬の煽りを受ける不利があったし、Hペースの底力勝負で距離適性が問われた。3走前の未勝利戦が速い流れを好位から押し切る強い内容。発馬を決めて好位を奪えれば。ニシノアンサーは前走がHペースの離し逃げを2番手から追いかける形。しかも、外から早めに競られる苦しい展開。それでも大崩にしなかったのは収穫。小回り1800㍍で他馬が早めに競りかけてくると厳しいが、うまく息を入れられれば。


 サマースSシリーズ第一弾の函館スプリントS。シリーズ優勝馬には5000万円のボーナスが出ることもあって例年以上に粒が揃った。中心は牝馬では初となる同一レース3連覇の偉業に挑むシーイズトウショウ。前走のCBC賞は久々で追い不足。それでも、中京最終週の荒れ馬場を好位から力強く抜け出した。やはり地力がある。ここ2年は中5週からの参戦だったが、今年は中2週。滞在競馬でも気になる材料だ。タニノマティーニは前走のテレビ愛知OPが久々のスプリント戦。勝負どころでズルズル後退しながら2着まで盛り返したのは高く評価したい。スプリント2戦目で前進を。シンボリグランは安田記念が珍しく好発を決めると好位での競馬。最後は伸び負け(6着)の形だったが、収穫は多かった。3走前の高松宮記念はクチ向きの悪さを見せて直線半ばまで追えず。そこから鋭い脚で迫るも、スローの前残りの競馬では万事休す。勿論、スプリント戦に替わるのは歓迎のクチ。この中間は気性面で成長を見せているとのこと。ダイワパッションは疲れが出て大敗した桜花賞からの復帰戦。鉄砲駆けするし、52㌔は有利。1200㍍で真価を。古豪キーンランドスワンの巻き返しが怖い。折り合えば過去の実績が示す通りGI級。乗り難しいが、侮れない存在だ。プリサイスマシーンは使い込めないのがネックだが、芝・ダート、短・中距離を問わないユーフリティープレイヤー。初のスプリント戦となった高松宮記念で楽に好位へ取り付いたように、この距離への適性もある。先行策を取るためにも内枠を引きたい。

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宝塚記念(GI)回顧

2006-06-27 22:52:16 | 回顧
【馬場状態】やや重。だが、朝からの雨で実質は重馬場。ノメりやすく、後方馬は土の塊を受けたり、切れ味が削がれた。道悪の巧拙がポイントに。

12.8-11.3-12.1-11.9-12.1-12.7-12.4-11.9-11.3-12.3-12.2

【展開】バランスオブゲームが果敢にハナへ。道悪巧者らしく、馬場に脚を取られることなく軽快な逃げを打つ。4角から直線にかけて11秒9-11秒3と加速して後続を引き離す。ほとんどの馬が馬場にノメって最後はズブズブ。勝ち馬だけ別格の強さ。

これが世界制覇を目指す馬の強さだ。ディープインパクトが詰めかけた7万人の期待に見事に応えて優勝。凱旋門賞への奏功レースとしては申し分ない内容であった。レース前から落ち着き払い、無駄な動きが一切ない。この辺りはサラブレットとして完成の域に突入している証だ。初めてとなる雨のなかでの戦い。フットワークが大きく、切れ味を持ち味とする同馬にはプラスにならない材料。道中は好発を決め手スッと後方2番手へ。2200㍍だけあって折り合いはスムーズ。いつものように3角の下り坂から進出を開始させる。4角で他馬が馬場を気にして失速するなか、スッと加速して一気に先団へ。直線で懸命の抵抗を見せるBOゲームを捕らえて、あとはこの馬の独壇場。最後は鞍上の武豊騎手がガッツポーズをする余裕ぶり。この馬場でもラスト1ハロン12秒2とバテてないし、上がり3ハロン34秒9は傑出している。どんな言葉を当てはめても足りない強さ。歴史的名馬に雨など関係なかった。堂々、日本の誇りとしてロンシャンで戦ってほしい。

 叩き2戦目でナリタセンチュリーが見事に変わり身を見せた。道中はジッと後方待機。長距離戦後だけあって折り合いはスムーズ。道悪にも脚を取られることはなかった。勝負どころの3角の坂。他馬が馬場に苦しむなか、抜群の手応えで内々を回る。これは同じ道悪だった京都記念と同じ。勝ち馬の強さは別格だったが、しっかりと最後まで伸び続けた。この中間は3週続けてビシッと追われ、最終追いはCWで6ハロン77秒台の猛時計を出していた。息の長い末脚は晴・雨を問わない。秋も注目。

 まさに〝道悪の鬼〟だ。伏兵バランスオブゲームが3連単波乱の演出をした。大外枠発走からスッとハナへ。馬場を気にして慎重な競馬ではなく、2ハロン目から11秒3-12秒1-11秒9-12秒1と淀みないラップを刻む。この馬場を苦にしない同馬だからこそできる芸当だ。3角で息を入れると、4角から直線にかけて再び加速する。一旦は後続を引き離して〝夢〟を見るも、勝ち馬に打ち砕かれてしまった。それでも、グランプリGIで見せ場を作ったのは立派。道悪でハナを切れれば、相当渋太い。

 マイル路線から矛先を向けてきたダイワメジャー。この中間は中2週で最終追いを南Wで豪快に。道中はスッと好位へ取り付く。道悪も手伝ってか、懸念された折り合いはスムーズだった。勝負どころで2番手へポディションを上げる。だが、逃げ馬が加速した4角で手応えが怪しくなると、直線はアラアラ一杯に。そのまま流れ込む形となった。1ハロン距離が長かったか。1600~2000㍍の右回りで最大の力を発揮するだろう。

カンパニーは雨でぬかるんだ馬場に泣かされた。道中は後方待機で末脚を温存。終始、内々を通ってロスのない競馬。直線も最内を突くも、内へモタれて伸びきれず。やはり、切れ味が身上の馬だけに良馬場でやりたかった。鞍上によれば『1600㍍を使ったばかりで、道中はハミを噛んでいた』とのこと。

コスモバルクは滞在競馬にもかかわらずマイナス10㌔。やはり、海外遠征で起きたトラブルは小さくなかった。道中はハナへは行かずに好位へ控える。だが、1~2角で抑えきれずに前へ行ってしまう。この形で道悪競馬では万事休す。力を出し切れなかった。

 リンカーンは道悪で力を出し切れなかった。道中は1番枠から好位を追走。だが、直線で全く反応しなかった。鞍上によれば『道悪はからっ下手』とのこと。

アイポッパーも道悪に…。既に勝負どころで筒一杯に。良馬場でこそのタイプだけにきつかった。

ハットトリックは道中、前目に取り付くなど意欲的な競馬。だが、勝負どころでズブさを見せて、直線も見せ場なく。やはり、良馬場でこそ。テンの追走には◎。秋の天皇賞、マイルCSで。

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宝塚記念(GI)最終結論ほか

2006-06-25 10:33:18 | 最終結論
 現地観戦予定だった宝塚記念だが、諸事情により観戦できなくなってしまった。気合いが入っていただけにとても残念だ。

◎ディープインパクト
○ハットトリック
△ナリタセンチュリー
×リンカーン

【見解】
王者ディープインパクトに死角はない。懸念されていた雨もどうやら小雨程度で済みそう。中距離に替わるが、勿論、追走に苦労すことはないし、神戸新聞杯の内容からも対応できる。勝負どころからの〝衝撃〟を堪能したい。馬券的には相手探し。筆頭には安田記念で本命視したハットトリック。直線半ばで仮策に接触するアクシデントがなければ、間違いなく好勝負していた。好発を決めて中団に付けられたのは収穫。課題の距離だが、天皇賞・秋の内容とエンジンの掛かりの遅いタイプ。3角の下り坂で加速できれば問題ないだろう。ナリタセンチュリーの復活に期待したい。前走の天皇賞・春の行きっぷりは、とても久々とは思えないもの。なし崩しに脚を使わされたのも影響した。今回、実績のある京都外回り2200㍍。GIでも通用する決め手を持っている。この中間は3週連続熱心に追われて意欲的だ。ゼンノロブロイを一気差しした末脚に期待したい。リンカーンはこの距離で発馬を決めて流れに乗れることが鍵。好位へ取り付ければ不発はない。
3連単 ⑧→⑤⑦①→⑤⑦①の6点勝負。


京都9R 洛東特別
◎エイシンコテング
○クンダリーニ
▲マルブツブリザード
△フュノンガルン
×マチカネタマカズラ
×コアレスパレード
☆パパラチア

【見解】
未勝利を脱したばかりのエイシンコテングを狙う。前走の未勝利戦は、中京の最終週に加えて朝からの雨で最悪の馬場コンディション。道中も馬場の悪い中団のインを走り、直線も馬場の三分どころを通らされる。それでも、粘り強い脚で最後まで伸び続けたのは評価できる。勝ち時計が平凡なのは馬場を考えれば仕方なし。叩き2戦目で前進を期待。

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宝塚記念(GI)展望・3

2006-06-23 23:06:39 | 見解
 日曜日はバイトの予定だったが、急遽、宝塚記念を現地観戦することになった。ディープの走りを見るのは3回目。今年最後の関西圏での競馬をたっぷりと堪能してきたい。
 さて、気になる日曜日の天気だが、週中はびっしりと傘マークが付いていた。しかし、ここにきて土曜日が〝曇〟で当日が〝曇のち雨〟となっている。このパターンだと日曜日も降らない可能性もある。雨を極端に嫌がる馬もいるので最後まで神経を使いそうだ。
 注目の枠順も確定して、決戦の日が刻一刻と迫ってきた。展開面の鍵を握るのはコスモバルクだ。この馬が、折り合いを懸念してスローに落とすのか、淀みない流れの大逃げを打つのか、それによって大きく流れが変わってくる。後者になれば先行馬にとっては非常に厳しくなる。ただでさえ、ディープが勝負どころで早めに仕掛けるのだ。前半からキツいペースで走らされれば、最後バテバテになるのは必至。そうなればハットトリック ナリタセンチュリーカンパニーあたりの差し脚が生きるだろう。
◎ディープインパクト
たとえ雨が降ろうが、これは決まりである。
馬券のことを考えれば相手は極力絞らなければならない。天候との相談になるが、差し馬と底力に富んでいる馬たちを中心に狙いたい。

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宝塚記念(GI)展望・2

2006-06-20 23:00:35 | 見解
 どうやら週末は雨模様。ディープインパクトにとっては初の道悪。トビが大きくて推進力があり、切れ味で勝負するタイプ。マイナスになることはあってもプラスに働くことはないだろう。少しは他馬にもチャンスが生まれるか。長期休養明けを叩かれたナリタセンチュリー。晴・雨兼用の鋭い決め手はGI馬のそれ。京都外回り2200㍍はベスト舞台だ。課題は長期休養明け2戦目で力を取り戻しているか否か。この中間はCWで速い時計を2本計時。最終追いもビシッとやれれば、一応の態勢は整ったと見ていいか。バルクが平均ペースで飛ばし、それを目標にディープが3~4角で仕掛ける。ダイワ、リンカーンあたりも強気の競馬が予想される。そうなればこの馬が漁夫の利を得ることができる。リンカーンは底力、実績はデープに次ぐもの。有馬記念では不利さえなければ先着したいた。この距離は若干短いが、底力の要求される展開で。ハットトリックで好配当を、と思っていたが、如何せん雨に弱い。この馬の決め手を生かすにはパンパン馬場でこそ。カンパニーは極悪馬場の大阪杯を制して驚いた。それでも、決め手を生かすにはパンパン馬場。恵みの雨と感じているのがバランスオブゲームだ。他馬が馬場に脚を取られるなか、最後まで脚色が衰えなかった中山記念は本当に強かった。ダイワメジャーも2000㍍の皐月賞馬。スピードで押し切るタイプで京都は相性がいい。自在に動けるこの距離もいいが、道悪は未知。コスモバルクは折り合いに不安のある分、道悪でやる気を削がれて、逆に良いかもしれない。

 最終追い切り、馬場、枠順を見て結論を出したい。その他にも土曜メイン『大阪スポーツ杯』、日曜福島の『テレビ福島OP』も予想していく。

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宝塚記念(GI)展望・1

2006-06-17 20:02:09 | 見解
 昨夜はクロアチア戦をテレビ観戦。〝絶対に負けられない戦い〟であったが、結果は何とか引き分けに持ち込んだ。以前から言われている決定力不足だが、かなり深刻な印象を受けた。次は世界王者ブラジル。「2点差以上での勝利」が絶対条件だけに現実的に考えれば絶望的といえよう。だが、思えば野球のWBCも崖っぷちからの優勝であった。最後まで信じたい。
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 金杯から始まった06年だが、早くも上半期を締めくくる宝塚記念(GI)を迎える。今年は出走登録馬13頭と少数なのは寂しい限りだが、何と言ってもディープインパクトが出走する。10月に行われる凱旋門賞への壮行レースとして負ける訳にはいかない。その他にも、前走のシンガポール国際Cを制し、地方所属馬として初の海外GI制覇の偉業を成し遂げたコスモバルク、GIで善戦を続けるリンカーン、04年の皐月賞馬ダイワメジャー、昨年のマイル王ハットトリックなど、少数精鋭のメンバーが出揃った。阪神競馬場の馬場改修工事のため、京都競馬場で行われる今回。締めくくるに相応しいレースを期待したい。

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ディープインパクト
果たして今回もどんなパフォーマンスも見せてくれるのか。前走の天皇賞1着は、フワッとした発馬で後方から。これは好発を決めて掛かった菊花賞の反省を生かしたもの。その甲斐あって、懸念された折り合いも後方2番手でピタリ。向こう正面で除々に外目へ持ち出すと、3角でスッと鞍上が軽くアクションを起こすと、瞬時に反応して馬なりのまま一気に先頭へ。後半4ハロンを11秒3→11秒0→11秒2→11秒3と、他馬では決して真似できない破格ラップで駆け抜けての圧勝。しかも、テンから淀みない流れのなかでのもの。あのマヤノトップガン持つレコードを1秒更新したのも頷ける。凄い脚が長く使えて、鞍上のアクションにも瞬時に反応する。最近では調教駆けしなくなったように実践と稽古を使い分ける頭の良さ。すべてを兼ね備えたサラブレットの理想型だ。2200㍍に替わるが、神戸新聞杯、ダービーの走りから勿論、不安材料にはならない。今回も3~4角からのロングスパートで押し切る。天皇賞の疲れは中間の調整過程を見れば皆無。不安は雨だけ。

リンカーン
前走の天皇賞は2着だったが、従来のレコードをコンマ4秒更新する健闘ぶりだった。下見から気合い乗り満点の好気配。道中は好発を決めてスッと中団馬群のなかを追走。ディープが動いた3角で除々にポディションを上げていくと、4角で外目へ持ち出して仕掛ける。一旦は勝ち馬に迫るかの脚色だったが、最後は力の違いを見せ付けられてしまった。ただ、相手が悪かっただけで内容は文句なし。折り合いに心境を見せて過去2年の雪辱を果たした。前々走の日経賞1着はラスト5ハロンから12秒8→11秒9と一気に速くなる持続ある流れ。各馬が早めに仕掛けるなか、同馬はワンテンポ置いた仕掛け。直線で早めに抜け出したBトルネードを余裕綽々で差し切った。昨年の有馬記念3着では直線で致命的な不利。それがなければディープに先着していた。昨年のこのレースはTDシチーの作る淀みない流れを4角で早めに動き、自ら勝ちに行く強気の競馬。さすがに最後甘くなって差されたが、見せ場十分だった。本来、ゆったり競馬できる2400㍍以上の距離がほしいのは確かだが、底力、実績はメンバー屈指。そして、何より鞍上(横山典騎手)と手が合う。仕掛けどころを間違えない。


コスモバルク
前走のシンガポール国際Cで念願の海外GI制覇。これは地方所属馬初という快挙だった。道中は重たい馬場に脚を取られることなく2番手追走。前半はやや行きたがったが、その後はスムーズ。直線入り口で内へモタれるも、そこから左ステッキで立て直して懸命に末脚を伸ばす。最後は後続にコンマ3秒差を付ける圧勝だった。前々走の日経賞8着は向こう正面で掛かったとはいえ止まり過ぎ。3走前の有馬記念4着は道中、好位のインと絶好の位置からの追走。課題だった折り合いも付き、スムーズな競馬。勝負どころの3~4角で積極的に仕掛けると、直線入り口で先頭へ踊り出る。最後は抵抗できないままに勝ち馬に交わされたものの、積極的な内容は評価できる。切れる脚がないだけに、早めの競馬は正解だった。メンバーを見渡す限り、ハナを奪って平均ペースの流れに持ち込める。それとも、大逃げでディープの仕掛けを難しくさてはどうか。検疫の影響で帰国が遅れただけに仕上がりもポイント。

シルクフェイマス
前走の天皇賞11着は距離適性外の3200㍍で勝ち馬が早めに絡む展開ではやむなし。前々走の大阪杯は不得手の道悪。それでも、平均ペースの流れに持ち込み、ゴール前まであわやのシーンを演出。不利な条件でも良く頑張った。3走前の京都記念4着は連続開催の最終週の荒れ馬場で、先行馬には辛かった。今季は折り合いが付いて昨年のような不発がない。ベストの2200㍍で好位から粘り強い脚を発揮する。中間に球節の骨膜炎で順調さを欠いている。最終追いに注目。

ハットトリック
前走の安田記念13着では本命を打った。ドバイ遠征明けだったが、乗り込み十分で仕上がっていた。道中は好発を決めると、中団のインで末脚を温存。終始、経済コースをうまく立ち回って手応え抜群。直線もロスを避けて僅かな進路が開いている最内を突く。だが、ヨレた逃げ馬の煽りを受けて仮策に接触する大きな不利。手応えが残っていただけに悔やまれる敗戦だった。2走前、3走前は馬場やコースが向かず本来の力を発揮できなかった。昨年のマイルCS1着では上がり33秒3の強烈な末脚で一気の差し切り勝ち。決め手の素晴らしさを見せ付けた。今回のポイントは初の2200㍍への適性。超スローでスタミナを問われなかったとはいえ、2000㍍の天皇賞・秋が、大外を回ってメンバー最速の上がり32秒6を使っている。また、エンジンの掛かりの遅いタイプだけに、勝負どころの下り坂を利用して加速できる淀の外回りは大歓迎のクチ。2200㍍でも狙ってみたい馬だ。

カンパニー
前走の安田記念11着は向こう正面で急に外へ切れ込んだザデュークの煽りを受けて躓く大きなアクシデント。落馬寸前の大きな不利だった。3~4角でも手綱を引っ張る不利があった。これではこの着順でも致し方ないところ。また、中間に細菌に感染するアクシデントで若干の攻め不足。それが長距離輸送を挟んでのプラス8㌔に現れていた。前々走の大阪杯1着は道悪、強風という悪条件。それを後方のインでギリギリまで脚をタメる。そこから勝負どころで外目へ持ち出して乱戦に終止符を打った。最後まで衰えなかった集中力は高く評価できる。この馬もポイントは2200㍍への適性。だが、スタミナ馬場の大阪杯を克服した辺り、1ハロンの距離延長は大丈夫。中間の攻め過程に注目。


ダイワメジャー
前走の安田記念4着は流れが向かなかった。本来は平均ペースの淀みない流れを早めに先頭へ立って押し切る競馬が得意。しかし、この日はハナへ立ったMボーラーが折り合いに専念したために、流れが落ち着いてしまった。それに、最内枠発走でスムーズに自ら動くことができず、直線の瞬発力勝負に。ラスト1ハロン地点までは懸命に抵抗したものの、最後は決め手の差がモロに出てしまった。今回は2200㍍になるが、皐月賞勝ちがあるし、距離が伸びてむしろ自ら動きやすい分、プラスに出る可能性も。早めに押し切る競馬で活路を見出す。

バランスオブゲーム
前走の安田記念17着は好位追走するも、後ろからのプレッシャーや他馬と接触するアクシデントがあって全く力を出し切れなかった。前々走の中山記念1着が圧巻の内容。道悪だったが、意を決してハナへ立つと、平均ペースの軽快なラップを刻む。他馬が悪戦苦闘するなか、同馬は最後まで脚色が衰えることなく、後続に5馬身差を付ける圧勝だった。パンパンの良馬場での時計勝負では辛い面があるが、梅雨期だけに、雨が降って馬場が渋れば一気に浮上する。

トウカイカムカム
前走の天皇賞5着は道中、好位のインで経済コースを通って脚をタメる。勝負どころで馬込みに包まれて位置取りが悪くなったが、直線で外目へ持ち出して伸びた。このメンバー相手に善戦できたのは大きな収穫だったろう。今回は2200㍍になるが、実績はあるし、勝負どころをスムーズに捌いてどこまで。

アイポッパー
前走の目黒記念2着は道中、中団のインで末脚を温存。終始、経済コースを立ち回る。だが、直線ではゴチャついて前が開かず。ようやく直線半ばから追い出されると、今度は外からSツイスターに寄られる不利。そこから鋭い伸び脚で猛追するも、クビ差届かなかった。緩い馬場、勝ち馬との斤量差、直線の不利を考えれば負けて強の内容といえよう。前々走の天皇賞4着でも、勝負どころでバテ馬の煽りを受けて後方まで位置取りを下げる不利。そこからの伸び脚は目立っていた。良馬場なら切れる脚を使える馬。京都2200㍍は準OP在籍時に、超スローとなった古都SでHロマンス、Sセンチュリー、Aセレソンらを差し切っている。晴れることを願う。

ナリタセンチュリー
前走の天皇賞12着は1年2ヶ月ぶりの実践。いきなりのGIの長丁場ではガソリン切れは仕方ない。叩いて果たしてどこまで変わり身を見せるのか。晴・雨兼用の鋭い決め手はGIでも通用する。Zロブロイが秋GI3連勝を飾った直前の京都大賞典で、大外から目の覚めるような末脚で差し切ったのは今でも脳裏に焼きついている。京都外回りはベスト舞台。あとは仕上がりだけ。

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エプソムC(GⅢ)回顧

2006-06-13 22:45:15 | 回顧
2006/06/11 3回 東京 8日目 雨(重)
11R サラ系3歳以上 エプソムC(G3) ○国際□指(別定) 芝1800
【馬場状態】C→C。連続開催の最終週の馬場に加えて、梅雨で重馬場。かなりの極悪馬場で前へ行かないと不利。

12.6 - 11.1 - 11.4 - 11.8 - 12.5 - 12.7 - 12.0 - 11.9 - 13.2

【展開】ニシノデューが例によってハナ。向こう正面から11秒1-11秒4-11秒8と淀みない流れを演出。3角で息を入れて、4角から12秒0-11秒9と加速。ラスト1ハロンは極悪馬場の影響で13秒2の根比べ。

連続開催の最終週。加えて朝から雨が降りしきる不穏な天候。当然、馬場は最悪のコンディション。そんな悪条件を物ともしない逞しい勝負根性で、トップガンジョーが重賞ウィナーの仲間入りを果たした。下見どころから気合乗り十分の好気配。道中は好位追走。道悪にも脚を取られることなくシッカリとした脚取り。直線で早めに抜け出すと、マチカネキララとの根競べ。ラスト100㍍地点でライバルを競り落としての勝利。持久力満点の走りだった。馬場状態を察知してロスない立ち回りをした鞍上の好騎乗も光った。

単勝2番人気に推されたグラスボンバー。道中は後方追走。馬場を考えると決して有利とはいえない位置取り。4角で外目へ持ち出すと、ジワジワと衰えることなく伸び続けた。最後は苦しくなった分だけ内へモタれて2着だったが、悪条件に屈しない根性は高く評価。道悪は得意なのだろう。

単勝160円の圧倒的1番人気の支持を受けたマチカネキララ。道中は1番枠からスッと好位のインへ。終始、内の経済コースで脚をタメる。直線で馬場のいい外目へ持ち出して、勝ち馬との併せ馬。懸命な粘りを見せるも、ゴール前で失速して3着に甘んじた。道悪が応えたか。斜尻で腰に甘さが残る歩様。トモに力強さが出れば。

紅一点のデアリングハート。懸念された馬体減りもなく、イレ込みもなかった。道中は内枠から折り合いに気を使いながらの先行策。1800㍍でも折り合っていた。だが、如何せん道悪。一旦は勝ち馬に出し抜かれたものの、最後まで粘り強く応戦してマチカネキララに迫った4着は評価したい。良馬場でこそ。切れる脚がないが、スピードを生かす競馬で。
ニシノデューは向こう正面で11秒1-11秒4-11秒8の速いラップで離しての逃げ。馬場を考えれば明らかにオーバーラップで失速も当然のところ。だが、3~4角で12秒5-12秒7と息を入れることに成功。再び直線で加速する変幻自在の逃げは見せ場十分だった。

クラフトワークは休み明けだが、気合乗りは良かった。それでも万全の仕上げではなかった。発馬で後手を踏み、慌てずジックリの道中。だが、この道悪でバランスを崩したとのこと。次走以降で。

本命視したコンラッドも道悪に泣かされた一頭。切れる脚を使うだけに、これでは…。休み明けでも好気配ではあった。

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CBC賞(GⅢ)回顧

2006-06-13 22:42:01 | 回顧
2006/06/11 2回 中京 8日目 曇(稍)
11R サラ系3歳以上 CBC賞(G3) ○国際□指(ハンデ) 芝1200
【馬場状態】B→B。最終週。内の馬場はかなりの荒れ具合。それに雨水が加わって更に悪化した。

11.8 - 10.5 - 11.0 - 11.4 - 12.0 - 12.3

【展開】大外テイエムチュラサン、ギャラントアロー、ウインレジェントの激しい先行争い。テン3ハロン33秒3-35秒7の前傾ラップ。これを好位から踏ん張った上位2頭は強い。

牝馬で57㌔。更には雨水を含んだ最終週の荒れ馬場。だが、名牝シーイズトウショウには全く関係なかった。道中は速いペースで引っ張る前3頭を見ながらの競馬。外枠発走から終始、馬場のいいところを通る。直線でも馬場のいい大外へ。前で粘るワイルドシャウトをゴール手前で捕らえると、そのまま押し切った。久々でも牧場から乗り込まれて好仕上げ。並みの牝馬なら音を上げる条件でも結果を出す所は、さすがの実力馬。小回り平坦はベスト舞台。大好きな函館で今年も大暴れしてくれそうだ。

ワイルドシャウトは筋骨隆々の逞しい馬体。道中は速い流れを好位追走。4角でポディションを上げていくと、直線半ばで先頭へ躍り出る。最後はシーイズの底力に屈したが、馬場の悪いところを通りながらよく頑張った。馬力型だけに時計の掛かる馬場は向いた。今後は速い時計決着が課題となるが、夏場の函館、札幌あたりは時計が掛かる。

古豪リミットレズビッドは休み明けで仕上がり途上の感だったが、地力で3着まで押し上げた。道中は中団外目の馬場のいいところを追走。終始、前のシーイズも目標にしながら。4角でも大外へ持ち出して理想的な競馬で伸びてきたが、上位2頭が強かった。叩いて次走。

カシマフラワーは道中の追走に余裕がなく、4角で早くもステッキが入る苦しい展開。それでも、直線で口向きの悪さを覗かせながらジワジワ伸びてきた点については評価したい。

シンボリエスケープは休み明け。発馬で若干の後手。仕掛けて中団のイン追走。本来なら掛かってなし崩しに脚を使うパターンだが、折り合いは付いた。それでも、終始、内の荒れたところを通らされ、外目へ持ち出す機会がない。直線も最内を最後まで集中して伸びてきたが、馬場差にやられた。惜しい競馬。次走注目。

アグネスラズベリは終始、余裕のない追走で伸び切れなかった。鞍上によれば『行きっぷりが本来のものじゃなかった』とのこと。パンパンの良馬場でこそだろう。

本命視したカネツテンビーも道中は馬場のいいところを選び、直線で大外へ持ち出したが、切れ味は今ひとつ。やはり、この馬も良馬場でこそだろう。

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日曜日の予想

2006-06-10 23:34:19 | 最終結論
“府中でノビノビ、豪脚復活へ”

東京11R エプソムC(GⅢ 芝1800㍍、別定)
◎コンラッド
○デアリングハート
▲ニシノデュー
△ペールギュント
×マチカネキララ
×タイガーカフェ
☆クラフトワーク

【見解】
前日段階では1番のマチカネキララが単勝100円台の圧倒的支持を集めている。確かに末脚の強烈さは認めるところだが、抜けた力とは思えない。本命はコンラッド 。前走の中山金杯は後方の位置取りのまま動けず。ようやく勝負どころで外目へ持ち出すと、鋭い伸び脚で強襲。僅かに届かなかったが、脚を余す惜しい競馬。この馬の欠点は気の弱いところ。馬込みからの競馬では力を出し切れない。その点、広い府中に替わるのは勿論、大歓迎だ。スローペース必死なだけに中団あたりに付けて、直線で外目へ持ち出せれば。末脚復活。相手には好枠を引き、先団から折り合って粘るデアリングハート、単機逃げでうまく息を入れられればニシノデューの残り、ノド手術で復活を期すペールギュントなどを。無印の馬へも流したい。

“好枠を生かして末脚勝負に賭ける”

中京11R CBC賞(GⅢ 芝1200㍍、ハンデ)
◎カネツテンビー
○アグネスラズベリ
▲シーイズトウショウ
△ゴールデンキャスト
×ワイルドシャウト
×プレシャスカフェ
☆リミットレスビッド

【見解】
7歳牝馬カネツテンビーを本命視。前走のテレビ愛知OP9着は発馬で後手を踏み、慌てた鞍上が仕掛けたために掛かってなし崩しに脚を使う展開。4角で早めにポィションを上げるも、この馬本来の競馬ではなかった。また、フケもあったとこのこと。タメればCBC賞2着のような切れる脚を使える。乗り慣れた津村騎手になるし、ハンデ戦で上位馬とは差がある。最終週で内の馬場が荒れ始め、外差し馬場へと変貌している。絶好の大外枠を生かして外から差し切る!

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湘南S予想

2006-06-10 07:23:32 | 最終結論
◎ガブリン
○スクールボーイ
▲スプートニク
△ホッコーソレソレ
×ニホンピロキース
×アクレイム

【見解】
関西馬ガブリンを狙い打つ。前走のフリーウェイS7着は発馬でやや後手を踏み、テンに鞍上が抑えるのに苦労。折り合いを欠いた。直線入り口でも内へモタれるなど、気難しさを覗かせた。ラスト1ハロン地点で立て直して外目へ持ち出されると、そこから鋭い末脚で伸びてきた。展開不向きで届かなかったものの、見せ場を作った。今回は騎手、海外遠征明け2戦目で上積みが望めるし、陣営も馬具などで工夫してくるはずだ。真っ直ぐ追えれば間違いなく芝でも通用する。

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