中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

東京優駿(GI)回顧

2011-05-29 22:35:09 | 回顧
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◎10番人気ウインバリアシオンで馬連○-◎3,360円本線的中!

【馬場】Cコース。午前中から降雨が続き、午後から本降りに。芝のレースを使う毎に内が傷んで外差しが利く馬場に。

12.7 - 11.3 - 12.8 - 13.1 - 12.5 - 13.0 - 13.2 - 12.8 - 12.6 - 12.3 - 12.2 - 12.0=2:30.5

 逃げ馬不在でオールアズワンがハナ。各馬、馬場を気にして積極的に動くことはせず。最後は後方で脚を温存した上位2頭が他馬を突き放す形に。しっかりとした決め手と道悪を苦にしない2頭で決まり、3着以下は皐月賞に続いて平凡。

 距離、道悪を苦にせずオルフェーヴルが2冠を達成した。この中間は坂路で抜群の動きを披露。馬体も4㌔戻し、最高のデキだった。5番枠から好発を決めると、無理に押すことなく馬任せでスーッと後方に控える。1番人気を背負い、雨で前が残る心理の働く馬場。馬の力を信じて我慢した池添騎手の判断は素晴らしかった。道中は離れた後方から5番手の位置取り。課題だった折り合いは完璧で至極スムーズな道中。馬群は縦長となり、前とはかなり離されていたが3角でも慌てず。4角手前から手綱をしごいてようやくスパートを開始する。4角は馬場のいい大外へ進路を求める。だが、サダムの外めのスペースに突っ込むも、外のナカヤマナイトに被されてモロに馬体を接触される。その後もナカヤマが右ステッキで馬体を接触させてくる肉弾戦。ただでさえ怯むケースだし、不良馬場を考えればここで戦意を喪失してもおかしくない。だが、そこからグーンと凄まじい末脚でラスト1ハロン地点から早くも先頭へ。最後は内へヨレて苦しくなったが、2着馬の追撃を振り切った。素晴らしい勝負根性と一瞬の切れ味。道悪も全く苦にしなかった。強いの一言。それにしても柴田善騎手の直線での騎乗はいかがなものか。いくら大レースの勝負どころとはいえ、強引すぎると思う。(JRAホームページの、レース結果⇒東京優駿⇒全周パトロールビデオの残り40秒から再生してください)

 本命を打った10番人気のウインバリアシオンが2着に来てくれた。攻めは抜群の動きを見せてくれていたが、馬体が4㌔減っていたので正直、ヒヤヒヤしていた。レースでは1番枠から好発を決め、スーッと後方に控える。1角に差しかかるところで折り合を欠く懸念をしたが、スムーズにコーナーに突入し、その後も折り合いはピタリ。これは戦前に予想したとおり、道悪を気にして馬が慎重に走っていた効果だろう。馬群はかなり縦長になり、それを離れた後方4番手の位置取り。3角から手綱をしごいてスパートするも、ズブさを見せる。4角から直線入口にかけても、まだ後方から3番手の位置取りで万事休したかと思われた。だが、直線でスッと右手前に替えるとグーンと掻き込みの強いフットワークでグングン伸びる。勝ち馬を差し切ろうかの勢いだったが、最後は苦しくなって内へモタれてしまった。それでも、直線で見せてくれた末脚は地力強化を印象づけるものだったし、道悪は得意だった。強かった。聞けば、まだ裂蹄は完全に完治していたいとのこと。体質も秋になればもっと強化されていると思う。これからが本当に楽しみだ。

 ベルシャザールは陣営の努力が実ったレースだった。課題だった馬体は16㌔戻り、下見どころでは2人引きで唸るような気配で落ち着いていた。7番枠から出脚の速さで先行するが、鞍上がグッと手綱を抑える。1角までは頭を上げて行きたがったが、1角からは6番手のインに潜り込み、スムーズに折り合いを見せる。少しでも気を許せばガツンと掛ってしまいそうな雰囲気だったが、前に壁を置いていたために我慢させる。3角から馬場の3分どころに持ち出し、4角でかなり手綱が動く。直線はそれほど頭を上げることなく粘りに粘る。上位2頭には突き放されたが、3着を確保した。馬体を戻し、しっかりと折り合えた。切れる脚がないだけに、本来なら小回りコースでこそだろう。

 ナカヤマナイトはポンと好発を決めると、無理に手綱を押すことなく馬との呼吸を大事にして中団へ。流れが落ち着いた2角から向こう正面にかけては、無理することなくポディションを落として行く。終始、折り合いはスムーズ。馬群の外めを通り、4角から直線にかけては大外へ持ち出す。直線入口で前のサダムが膨れてきたことで少し手綱を引っ張る不利があるも、立て直しす。内のオルフェーヴルを外から被せ、馬体を併せに行く。一瞬は勝ち馬より先に抜け出しあわやのシーンも。だが、ラスト1ハロンから苦しくなって左手前に替えると、完全に脚が上がってしまった。まだトモが非力で過酷な馬場は可哀そうだった。トモがパンとすれば距離もこなせるだろう。

 昇り馬クレスコグランドは6番枠から手綱をしごいて行くも、ハミを取らずに後方からの競馬になってしまう。前々走で道悪の2400㍍を勝っているが、この時も道中で全くハミを取っていない。実は道悪は下手なのである。向こう正面でも手綱は動き通し。鞍上はずっとハミを取らせようと手綱をシェイクさせるが、なかなか反応がない。ズブさを見せまくっていたが、最後まで粘り強く差してきた。パンパンの良馬場でやらせてあげたかった。スタミナ満点で秋の飛躍を目指す。

 サダムパテックは道中、やはり行きたがってハミに頼った走りをしていた。この道悪では道中のスタミナの消費が余計に応える。直線入口では内から張られたし、その直後には外のオルフェーヴルとも接触した。その時には抵抗する脚が残っておらず、最後は苦しくなって内へモタれてしまった。折り合いを気にしなくていい2000㍍以下がいいだろう。

 オールアズワンは果敢にハナを切った。攻めでも単走では良い動きをするタイプ。どうやら周りに馬がいるとダメなタイプ。道中は全身を使った良い走りをしていたし、軽快な逃げだった。4角では何度か手前を替える若さを覗かせたが、直線入口まであわやのシーンを作った。視界は明るい。

 

ダービー、ゴール版前で観戦しました!!






東京優駿(GI)最終結論

2011-05-29 00:41:09 | 最終結論
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東京11R東京優駿(GI)芝24000㍍
◎ウインバリアシオン
○オルフェーヴル
▲クレスコグランド
△トーセンラー
×コティリオン
×ロッカヴェラーノ

 ここに来て急激に力を付けているウインバリアシオンを本命視する。弥生賞前まではトモが薄く、裂蹄を起こしていたため、頭の高い走りをしていた。だが、ここに来てトモに実が入り、首を上手く使った走りができるようになった。それが今週の攻め馬だ。馬なりでサッと流す程度だったが、トモの踏み込みが力強く迫力満点の動きだった。弥生賞と今回のブックのフォトパドックを見比べると、トモの張りが全然違う。前走の青葉賞はテンに折り合いを欠きながらも、直線でスムーズに加速すると、一気の末脚で押し切った。小回りコースだと手前を替えるのが下手でズブいために伸び切れない。長くいい脚を存分に発揮するには府中コースが合っている。確かに前走は超スローでテンに脚を温存できたが、トモに実が入った今なら底力勝負でも対応できるはずだ。道悪の適性はやってみないと分からないのが正直なところだが、蹄の形がコップ型で、道悪で下を気にしながら走れば逆に折り合いが付く可能性はある。行きたがる気性だけに最内枠で前に壁を作って走られるのはプラス材料。一気に世代の頂点へ。

金鯱賞(GⅡ)予想

2011-05-27 21:51:28 | Weblog
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12.5 - 11.0 - 12.3 - 12.1 - 11.4 - 11.6 - 11.6 - 11.3 - 11.8 - 12.2=1:57.8

◎キャプテントゥーレ

上記は今年の大阪杯のラップ。逃げるキャプテントゥーレに、エイシンフラッシュのペースメーカーを務めたトーホウアランが途中から競りかけてくる展開。5ハロン目から11秒4-11秒6-11秒6-11秒3と一気に流れが速くなり、結果的にレコード決着を誘発した。本来なら先行馬壊滅の流れだが、これをゴール前の坂上まで粘ったキャプテントゥーレは立派のひと言。1,3着馬はその後の天皇賞1,2着馬。2000㍍はベストだし、小回り平坦の京都内回りも申し分ない。ピッチ走法で道悪は苦にしないし、むしろ他馬が気にするなら願ってもない条件。人気のルーラーシップはかなりの大トビで馬込みに入れない弱点がある。ましてや京都内回りで道悪。海外遠征明けを考えると地力断然も2番手評価まで。

東京優駿(GI)調教診断!

2011-05-25 23:14:58 | 調教診断

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ウインバリアシオン】◎ 赤丸急上昇
CWで2頭併せを6ハロンから。一週前に安藤勝を背に終いサッと流し、直前は終始馬なりで。以前はトモが甘くて頭の高い走りだったが、ここにてトモに実が入り、ストライドに迫力が出てきた。首も上手く使えるようになった。赤丸急上昇。

ロッカヴェラーノ】○ 順調
武豊を背に坂路を単走で。前脚を高く投げ出すフットワークで登坂。重馬場で半マイル53秒9-13秒0。追って頭が高く、最後は手応えにも余裕がなかったが、大トビで坂路は走りづらそうだった。この馬なりに順調か。

リベルタス】▲ 上昇ひと息
四位を背にCWで3頭併せの内を6ハロンから追走。最後は手綱が動いて突き放されてしまった。トモはよく伸びているが、前脚の運びが重くてトモの良さが生かされてない。時計は及第点だが、大幅な上昇とはいえない。

ユニバーサルバンク】○ 迫力ひと息
福永を背にCWで3頭併せの内を6ハロンから追走。直線でハミを掛け直され、ステッキまで入るが、逆手前のままでズブい。ゴール前で馬なりの相手に何とか併入に持ち込んだ。追って重心が沈むのはいいが、迫力はひと息。時計的には重馬場で6ハロン67秒6-12秒0なら及第点。

ベルシャザール】▲ 課題クリアできず
後藤を背に坂路で2頭併せ。道中は手綱をがっちりと抑えて脚をタメることに専念。これは皐月賞でなし崩しに脚を使わされた敗因を踏まえてのもの。だが、実践同様に頭を上げて掛ってしまう。ゴール前で手綱を緩められるとグイッと先着したものの、頭がかなり高くトモ運びも頼りなかった。まだまだ課題はクリアできていない。

フェイトフルウォー】◎ 抜群の集中力
田中勝を背に南Pで2頭併せの内を5ハロンから追走。3,4角は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。直線でスッと右手前に替えられると、首を上手く使いスナップの利いた柔らかい走り。終始、手綱を抑えたままで貫録の先着。集中力に富んだ素晴らしい動きだった。

ノーザンリバー】○ 動きだけは文句なし
ピンナを背に坂路を単走で。掻き込みの強く、完歩の小さいピッチ走法でいかにもパワータイプ。首も水平に使えて集中力を感じた。動きだけは文句なし。

ナカヤマナイト】◎ 動き文句なし
柴田善を背に南Wで2頭併せの内を6ハロンから追走。道中からグンと重心を沈め、四肢を柔らかく伸ばした抜群の行きっぷり。直線でスッと左手前に替えると、余裕残しのまま先着を果たした。この中間は3週続けてコースで意欲的に乗られ、長めから追われている。デキは文句なし。あとは天気だけ。

トーセンレーヴ】○ 闘争心に溢れ
ウィリアムズを背に坂路を単走でサッと。首をリズミカルに使った闘争心に溢れる動き。グンと重心を沈めて、前脚もよく伸びており連闘明けの疲れはなさそうだ。

トーセンラー】○ 動き豪快
蛯名を背にCWで2頭併せの内を6ハロンから追走。右手前のまま馬体を併せ、ゴール前で気合いを付けられるとグーンと重心を沈めて豪快に先着。大きなフットワークで首も柔らかく使えていた。とても430㌔台とは思えないフットワークだ。まだ前捌きに対してトモが付いてきていない面はあるが、これは秋まで成長待ち。長距離輸送を控えてもこれだけ意欲的にやられているのに好感が持てる。

デボネア】○ 仕上げ抜かりなし
佐藤哲(レースはデットーリ)を背に坂路を単走で。重馬場の坂路をテンからガンガン飛ばしたために最後はアラアラ一杯に。まだトモが緩いために重心が高く、最後の決め手に欠ける感はある。この中間は2週、1週前にコースで長めから意欲的に追われ、攻めを強化。大一番を前に抜かりない仕上げだ。

ショウナンパルフェ】○ 良いデキ
三浦を背に南Wで3頭併せの内を6ハロンから追走。追って頭が高くなるし、前脚の完歩も小さいが、6ハロンで80秒台を切りラスト1ハロンを12秒6で締めたのは立派。素軽さはひと息だが、デキはかなり良い。

サダムパテック】▲ 追われてフラつき
岩田を背に坂路で2頭併せ。半マイル51秒4は優秀だが、これは馬場の内めを回ってのもの。ラスト1ハロンで気合いを付けられると、内へフラつき右ステッキと左手綱で矯正されていた。トモが甘く重心の高い走り。それだけに重い馬場が余計に応えたか。

コティリオン】○ 
小牧を背に坂路を単走で。首を水平に使いスピード感十分の走り。ゴール前で鞍上が指示して手前を替えた時に内へモタれたが、問題ない動き。前重心の走りで、ノメる馬場は微妙かも。

クレスコグランド】○ 動き力強く
坂路を2頭併せ。ずっと手綱が動きっぱなしでズブい。直線は内へモタれるのを矯正しながらだった。それにもう少し前脚が伸びてほしかったが、スナップが利いて全体的に力強いフットワークだった。順調。

オルフェーヴル】◎ 堂々の先着 
池添を背に坂路を2頭併せ。馬体を併せた時にややモタれたが、力強い四肢のアクションで堂々の先着。ドリームジャーニーの全弟で、四肢のアクションが素早いためにピッチ走法に見えるが、実はフットワークが大きく回転が速い。半マイル52秒3-12秒5も文句なし。

オールアズワン】○ 上積み見込め
ジョッキー騎乗で栗Pを6ハロンからびっしりと。四肢を目一杯に伸ばした力強いストライド。首もよく使えていた。2週続けてびっしりと追われ、上積みが見込める。

エイシンジャッカル】○ 順調
川田を背に栗Pを2頭併せで6ハロンから。前脚を高く突き上げたフットワークで貫録の先着。四肢がよく伸びていた。順調。

東京優駿(GI)徹底研究!

2011-05-22 20:37:01 | 見解
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トーセンラー
前走の皐月賞7着は、16番枠からコーナーワークで自然と後方の位置取りに。縦長の隊列だったものの、流れはスロー。後方勢にとっては辛い展開になったし、4角から直線にかけてズブさを見せて馬込みに突っ込むことができず右手綱を引いて大外へ持ち出すロスが。そこからは激しく内へモタれ、鞍上が強引に矯正して追う始末。最後はまともに追えていなかった。それでも追いこんできているのだから脚力は示した。中間は宮城県の山元トレーニングセンターで被災し、調教過程に狂いが生じたのも事実。そのなかで良く頑張っている。前々走のきさらぎ賞1着はリキサンマックスがガンガン飛ばし、離れた2番手以下はスローの流れ。これを道中は後方から馬任せで追走し、前のオルフェーヴルを見ながらの競馬。残り1000㍍標識を通過した3角手前から外めを通ってジワッと進出開始。3角の下り坂からは少し手綱を動かして決して手応えは良くなかったが、5番手までポディションを上げられたし、下り坂を利して加速することはできた。直線を向き、しばらくは右手前のままで反応は今ひとつ。残り300㍍地点で左手前に替えると、鞍上の懸命な手綱捌きと左右のステッキでグンと重心を沈めて伸びる。馬場を強く叩きつける大きなフットワークで一完歩毎に凄い脚を使った。追えばどこまでも伸びる感じで差し切ってしまった。オルフェーヴルを上回る決め手だった。前々走の福寿草特別3着は、中弛みの流れを道中は馬任せで中団の外めを追走。終始、折り合いもスムーズでペースの上がった三分三厘では外めを通ってジワッと加速。直線入口では早くも先頭に並び、一気に差し切ろうかの勢い。だが、追ってからの伸びが案外で、追い比べで見劣り後ろからも差されてしまった。前々走のエリカ賞3着は、超スローの流れの中でテンは行きたがる仕草を見せたが、ペースの遅さを考えれば仕方ないもの。道中は3番手のインで我慢させる。少頭数の割に三分三厘で馬込みに包まれてスパートすることができなかったし、直線も前が詰まって追えなかった。消化不良のレースだった。ズブくて一瞬の加速力よりは、追って長く脚を使うタイプで、グンと重心を沈めてフットワークが大きい点にも好感が持てる。とても430㌔台のフットワークではない。距離延長はプラス出る公算が大きい。直線の長いコースなら存分に力を発揮できる。問題は左回りという点だ。前走は激しく内へモタれた。左回り2度目と馬具などで工夫があれば。

コティリオン
前走のNHKマイルC2着は、発馬でフワッとした出方。折り合いに不安がる分、鞍上も手綱をしごいて前に行くことはせず、馬任せで最後方追走。かなり離れたところを追走していたし、3角入口では躓いていた。それでも、4角から直線にかけて大外へ持ち出すと、グーンと瞬時の脚で末を伸ばす。勝ち馬同様に舌がハミを越すアクシデントがあり、最後は左手前に替えて懸命に伸びてきたが、僅かに届かなかった。折り合いに不安がある分、マイルGIの速い流れで競馬がしやすかったし、この速い時計で大外から一気に追い込んできたのは立派だ。前々走の毎日杯2着は、3番枠から道中は後方にインに潜り込む。3角手前までは折り合えたが、3角入口で頭を上げて行きたがってしまう。鞍上は前に壁を作って何とかなだめる。3,4角は極端に流れが緩んで馬群がギュッと固まる。直線入口はなかなか前が開かず手綱を抑えたまま。残り300㍍地点で馬場の3分どころに進路を見出し、スパート開始。そこから左ステッキに反応してグーンと加速。グンと重心を沈めて一完歩毎にグイグイ迫る。脚勢は圧倒的に上回っていたが、僅かに届かなかった。以前から決め手には光るものがあったが、ここ2走は更に決め手が強化されている印象。何といっても追ってからグンと重心が沈む点が良い。ここでも通用する。問題は一にも二にも折り合い。前走から距離が一気に800㍍延びるし、道中は12秒台後半のラップが並ぶ展開が予想される。それでも、前走のようにフワッと乗ればこなせる雰囲気はある。その代償として道中の位置取りが後ろになる危険性は高い。直線で馬込みを割ってこられれば。

オルフェーヴル
前走の皐月賞1着は、ポンと好発を決めて馬任せでポディションを取りに行く。今まで前に馬を置いて息を入れさせることを教え込んできただけに折り合いはピタリと付いた。向こう正面では後方馬群のインに潜り込み、経済コースを立ち回る。終始、引っ張り切りの痺れる手応え。4角まではインに潜り込ませ、直線は馬場の3分どころへ。坂下で少し気合いを付けると、グーンと凄い脚で先団へ。坂上で前から3馬身圏内まで迫り、ラスト1ハロン地点で単独先頭へ。そこから左手前に替えるとグングン後続を突き放す。凄い瞬発力で圧勝した。懸念された内へモタれる癖も見せず、本当に気性面で成長した。前々走のスプリングS1着は、5番枠からいつもより少しだけ出して行く。気を許せばガツンと行ってしまう気性だけに慎重に運ぶ。道中は馬群から取り残されることなく、中団馬群の直後に取り付き、前のリベルタスをマークする。3角から外を通って少しずつポディションを押し上げる。4角では早めに先団に並びかける。かなり馬群の大外を通らされた。直線で左ステッキが入ると一気に先頭に並びかけたものの、急に内側に切れ込んでしまう。坂上からは鞍上が懸命に手綱をしごき後続の追撃を何とか振り切った。3走前のきさらぎ賞3着は、発馬を決めて道中は縦長のスローの流れを中団の外め追走。終始、引っ張り切りの手応えで気を許せばガツンと掛ってしまう雰囲気。3角手前で勝ち馬が動いた時も手綱をガッチリと抑えて我慢させる。4角でスパートを開始させると、手綱をしごいて慌ててスパート。直線を向き、前との差はまだ10馬身以上。一完歩毎にグイグイと伸びてきたものの、明らかに仕掛け遅れだった。4走前のシンザン記念2着は、1番枠から発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。3角手前では掛り気味に中団のインまでポディションを押し上げる。4角ではハミを掛け直され、馬場の脚を取られてバランスを崩すなど、決して手応えは良くない。それでも、直線でエンジンが掛るとグンと重心を沈めて鋭い脚で追い込んできた。兄のドリームジャーニーとは違い、追ってから長くいい脚を使え、鞍上のゴーサインに対して瞬時に反応できる瞬発力も持っている。以前は折り合いに難があったが、陣営と鞍上の努力でそれが解消。距離が延びても今なら大丈夫だろう。楽しみな2冠目だ。

サダムパテック
前走の皐月賞2着は、例によって発馬でトモに重心が掛り後方からの競馬に。直後に無理に手綱を押すことなく馬任せで進めて行く。4番枠ということで2角ではコーナーワークで自然とポディションを上げて行く。だが、向こう正面に入ってからはレースの流れが落ち着いたために掛って行きたがってしまう。だが、それは一瞬で解消し中団のインで経済コースを立ち回る。4角から直線にかけてもインを突く。坂下で鞍上が手綱をしごいてスパートするも、狙っていた進路をオルフェーヴルに取られる。立て直してプレイの外に進路を見出し、懸命に末脚を伸ばす。だが、勝ち馬は一瞬にして馬込みを突破したのに対し、同馬は追って重心が高くなる弱点があるために加速力に差が出る。ラスト1ハロン地点で決定的な差を付けられる。そこからジリジリと末脚を伸ばしてきたが、時既に遅かった。完敗。決め手の差が出た。前々走の弥生賞1着の10㌔増は、本番を意識しての仕上げもあってのもの。レースでは課題の発馬をクリアはできたものの、直後に両サイドと接触し、更には内へ切れ込んできたターゲットマシンに進路をカットされる不利があった。ここで馬にスイッチが入ってもおかしくなかったが、鞍上の岩田Jが手綱を抑えて懸命になだめる。ゴール版前で左手前に替えた時にスピードが乗ってポディションを押し上げたが、掛るほどではなかった。1角からは5番手の外めで折り合いに専念する。鞍上との呼吸はピッタリで、スムーズな誘導。向こう正面中盤では外から掛ったオールアズワンに被されても動じない。三分三厘でも手応え十分で慌てない。直線入口でスパートを開始させると、坂上で右ステッキが2発。ここで内へモタれて右手綱で矯正しながらの追いになったものの、首を水平に使った推進力ある走りで差し切った。まだ他馬に比べると出脚は鈍いが、その後に落ち着いて誘導ができれば距離はこなせることが分かった。前々走の朝日杯FS4着は、発馬で行き脚がつかず最後方からの競馬。直後に鞍上が手綱を押してポディションを取りに行ったことで馬にスイッチが入ってしまい、中団の直後まで押し上げられたもののモロに掛ってしまう。しかも、三分三厘では馬群の大外を通って早めに仕掛ける強気の競馬。直線で一旦は先頭に躍り出ようかの勢いだったが、坂上で脚色が鈍ってしまった。4走前の東京スポーツ杯1着は、例によって発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。朝日杯と同様に直後に手綱を押して行った分、向こう正面から3角にかけて頭を上げて行きたがってしまう。それでも、4角手前からは馬込みのなかで我慢をさせ、直線は馬場の5分どころへ持ち出す。左手前でグングンと先団へ取り付き、残り200㍍地点で早くも先頭に躍り出る。そこで右手前に替え、もうひと伸びして後続をちぎってしまった。まだトモが緩く、発馬が安定しないし追って重心が高い。道中の折り合いにも不安を残す。前走も勝負どころの加速力が明暗を分けた。2ハロンの距離延長は歓迎とはいえないだろう。テンは折り合いに専念するハンデもある。


デボネア
発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。道中は無理することなく後方から3番手の位置取り。縦長の割にペースが落ち着き、後方勢にとっては辛い流れ。4角から直線にかけて各馬が内外にバラけたため、ぽっかりと空いた馬場の5分どころへ突っ込む。ズブくてジリジリとしか伸びなかったが、何とか4着を確保した。外枠発走に加えて発馬で行き脚がつかず、できるレースが制限されてしまった。その中で最後まで伸び続けたのはダービーに向けて大きな収穫といえるだろう。前々走の弥生賞3着は、4番枠から好発を決め、馬任せで中団のインに潜り込む。首を上手く使った迫力あるフォームは大物感を漂わせる。終始、インの経済コースを立ち回りロスのない誘導。三分三厘で前がゴチャつき、手綱は抑えたまま。4角で前のルーズベルトが外へ膨れてできた僅かな隙間を見逃さず、インに突っ込む。直線を向くと、前のアッパーイーストまでもが外へ膨れてインがぽっかりと開く。そこからスルスルと脚を伸ばしてきたが、僅かに劣った。初めて経験する瞬発力勝負の流れに対応できたのは大きな収穫だ。3走前の京成杯2着は、好発を決め、大きなフットワークで中団馬群を追走。首を水平に使った無駄のないフットワークでスムーズな折り合い。底力が要求される流れを、しっかりと力強い脚を使って伸びた。前走で瞬発力勝負にも対応できたが、本来はハイペースの差し馬。底力は相当なもの。距離延長は望むところだ。ここは逃げ馬不在でスローの公算が高いのは痛いが、発馬後に直線のある府中2400㍍ならある程度の位置で競馬ができるはず。

ウインバリアシオン
前走の青葉賞1着は、4番枠から超スローの流れを後方のインに潜り込む。あまりにも流れが緩いために1角から終始、掛り通し。そのために道中は前に壁を作って後方のまま3角から4角にかけて外めに持ち出す。直線は大外ブン回しではなく、加速したまま外めへ持ち出す。馬群に邪魔されることなくグングン加速。追って頭の高いのは相変わらずだが、一瞬の決め手で差し切った。前々走の弥生賞7着は、発馬で右にヨレてポディションを悪くしてしまった。その後は後方に控えて折り合いに専念。三分三厘で大外を通って進出するも、4角で内から来られた時に外へ膨れる。ここで鞍上は右手綱を引いてブレーキをする形に。スピードに乗り切れなかったし、直線もジリ脚だった。まだ、手前の替え方が上手ではない。きさらぎ賞も4角を左手前で走って外へ膨れていた。その点、直線が長くコーナーが緩やかな府中ならその心配はいらない。ズブいだけに歓迎だ。ここも後方待機からの一瞬の決め手勝負で上位を狙う。

ダノンバラード
2番枠から好発を決め、コーナーワークで一旦は先行争いに加わるかの勢いだったが、無理することなく好位のインに控える。終始、折り合いもスムーズでロスなく立ち回る。直線で何度も手前を替えていたし、追って頭が高くてジリ脚だったが、何とか踏ん張った。恵まれた感は否めない。前々走の共同通信杯9着は、テンに少し行きたがっていたし、スローの流れを考えると外々を通らされたロスも大きかったが、それにしても追ってからの反応がさっぱり。重心が沈むところがなかった。ここもスッと先行できるだろうが、立ち回りの上手さでどこまで。

ナカヤマナイト
道中、2着馬と併走する形で中団馬群のなかを追走。4角から直線にかけては大外へ持ち出すが、ロスの多い誘導ではなくスムーズに持ち出せた。だが、追ってからの反応が今ひとつで、攻め馬と同様に前脚の出が硬く、前に進んで行かない感じだった。このあたりが久々か。5着を確保できたが、最後は完全に脚が上がっていた。前々走の共同通信杯1着は、発馬直後から無理することなく、馬任せで後方に控える。終始、馬群にインをロスなく立ち回る。流れが緩いだけに道中は痺れる手応え。3~4角でも馬群はギュッとひとひと塊。鞍上の柴田善Jは大外ではなく、最内に進路を求める。しばらく進路がなかったが、坂上で逃げたディープサウンドが外へ膨れてできた最内を見逃さなかった。一気にスパートしてインに突っ込む。スローで各馬も脚をタメているためになかなか渋太い。それでも、一完歩毎に力強く伸びてゴール前でギリギリ差し切った。流れを考えれば経済コースを通った恩恵と坂上での一瞬の好判断が功を奏した。狭いところ割ってきた勝負根性は高く評価できる。3走前のホープフルS2着は、中弛みの流れを道中は離れた4番手で折り合いに専念。向こう正面まではインに潜り込んで脚をタメ、流れが落ち着いて馬群がギュッと凝縮した3角から外めを通ってジワッと進出開始。4角で一気に先団の直後まで取りつき、直線は大外へ。直線入口の脚色では一気に差し切ろうかのものだったが、並んでから相手に食い下がられ、最後は追い比べで見劣ってしまった。3走前のベゴニア賞1着は、逃げ馬不在で果敢にハナを主張。3ハロン目からは単独先頭に立ち、3,4角はマイペースの逃げで息を入れる。たっぷりタメて直線で二の脚で後続を突き放す。首を水平に使った柔らかい走りで余裕のフィニッシュ。折り合いに不安がなく、立ち回りも器用なタイプ。このメンバーなら先行することもできる。パンパンの良馬場なら。

ベルシャザール
前走の皐月賞11着は、スプリングSで減った馬体(12㌔減)を今回も戻すことができず2㌔減。発汗が目立ち、精神的な弱さを覗かせた。発馬でトモに重心が掛り、それほど出は良くなかった。直後に手綱をしごいてポディションを取りに行ったことで掛り気味になってしまった。3角手前からがっちりと手綱を抑えたことで後続に蓋をする形に。3,4角はたっぷりと息を入れられたものの、追って頭が高く直線はジリ脚だった。本来のデキになかった。前々走のスプリングS2着は、前走ほどではないにしろ、発馬はそれほどよくなかった。直後に手綱を押して前へ。しかし、手綱を押したことで馬にスイッチが入ってしまい、折り合いを欠く。懸命に鞍上がなだめて3角からは3番手のインに潜り込む。4角では馬群に揉まれて嫌がる仕草を見せる。その分、直線入口ではハミを掛け直されるなど、手応えが悪い。直後にステッキが入り加速し始めたところで今度は外からオルフェーブルに寄られて怯んでしまう。並の馬なら馬群に沈んでしまうケースだが、立て直して渋太く伸びてきた。決して切れる脚はないが、バテずに渋太い脚を見せてくれた。揉まれた経験は本番に生きる。前々走の共同通信杯4着は、発馬でトモを落として出脚がつかず。そこからジワーッと馬群の外を通ってポディションを上げて行く。ここで脚を使わされたのは否めない。3角手前からは4番手の外めで我慢。だが、スローの流れで終始、馬群の外めを通らされてロスの多い競馬。直線でハミを掛け直されるも、反応は案外だった。前半のロスも合わせて勿体ないレースだった。大型馬で決して切れる脚はないタイプ。平均ペースの緩みない流れで底力勝負を得意とする。追って頭が高いが、並ばれてからは渋太い。トモが緩くハミに頼って力みながら走るため、どうしても道中で無駄なスタミナを消費してしまう。この状況下では距離延長はプラスとはいえない。いかにハミを外してりリラックスして走られるか。長距離輸送で馬体が一気に減ってしまう精神面でも課題を残す。当日の落ち着きと馬体増は好走の絶対条件になる。

フェイトフルウォー
前々走の皐月賞12着は、開幕週の14番枠でポディションを取りに行くまでに脚を使わされたうえにゴチャついて折り合いを欠いてしまった。その後は中団の外めから追走するも、直線は伸びずバテずといった感じだった。前走の京成杯1着は、12番枠発走から好発を決めて気合いを付けて先団へ。1角で3番手のインを確保し、そこからは手綱を抑えて折り合いに専念する。終始、経済コースを通り無駄のない追走。折り合いもしっかり。3角でもレースの流れは緩まず11秒9-12秒1と緊張感ある流れ。ここで鞍上の田中勝Jは慌てず、手綱を抑えたまま脚をタメる。直線を向いても前が壁になり進路を探る。坂下でジャービスの左側に進路を見出し、一気のスパート。一瞬の脚で突き抜けた。長く脚を使うよりは一瞬の脚で突き抜けるタイプ。ある程度お位置で競馬したいところ。

クレスコグランド
前走の京都新聞杯1着は、発馬で前の馬が寄れたために左手綱を引いてその後に立て直して前へ。だが、ゴール版の前でまたしてもルイーザシアターが壁となって手綱を引っ張る不利が。その後に気合いを付け直して1角に入って行くが、ここでもゴチャついて手綱を抑えるアクシデントがあった。お世辞にも綺麗な誘導とはいえない。2角からは6番手のインに控える。ここからの折り合いはスムーズ。3,4角からは流れが落ち着いたために馬込に包まれて仕掛けるタイミングを躊躇している感じ。4角で手綱をしごいてスパートを開始するも、どうも追いが甘く直線でも手綱を引っ張って立て直すロスがあった。そこからグンと重心を沈めて一完歩毎にグイグイと伸びる。鋭い決め手でスローの瞬発力勝負を制した。前々走のムーニーバレーRC賞1着では、道悪で終始ノメりながら強いダノンフェニックスの追撃を振り切っている。1戦毎に強くなっている。テンにある程度先行できるし、追って重心が低く長く脚を使える点に好感が持てる。初の長距離輸送、左回り、一戦毎に馬体が減っているなかでの中2週と厳しい条件は揃っているが、不気味だ。

優駿牝馬(GI)回顧

2011-05-22 17:56:07 | 回顧
【馬場】Bコース。直前に激しい降雨があったが、馬場自体はしっかりしていた。

12.9 - 11.2 - 11.8 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 12.8 - 12.2 - 12.5 - 11.8 - 11.5 - 12.0=2:25.7

【展開】逃げ馬不在。大外のピュアブリーゼが果敢にハナを主張する。2ハロン目から11秒2-11秒8と2角までが少し速い攻防で縦長の展開に。1000㍍通過が60秒7と馬場を考えれば締まった流れ。雨の上滑りする馬場と地面が硬い馬場を考えてもある程度の位置にいないと厳しい展開。最後は底力勝負。

 3連勝でエリンコートが樫の女王に輝いた。4番枠からポンと好発を決めるも無理することなく手綱をがっちりと抑えて中団へ控える。2角から馬群は縦長になり、それをインで脚をタメる。終始、折り合いはスムーズ。流れが落ち着いた3角から少しずつ気合いを付けてポディションを上げて行く。4角では先頭から5馬身のところまで迫る。直線を向いてスーッと右手前に替えると掻き込みの強いフットワークでグングン伸びる。だが、残り300㍍地点から左手前に替えると、右ステッキに反応して内へモタれてスピードリッパーと接触してしまう。その後も立て直しながらで前のピュアブリーゼをなかなか交わせない。左ステッキで矯正しながら必死に前を追う。ゴール前は右手綱を引きながらの誘導でまともに追えなかった。それでも差し切ったのは立派のひと言。着差以上に強い競馬だった。行儀の良い競馬ではなかったが、勝ち時計も優秀で決して恵まれた勝利ではなかった。

 18番枠のピュアブリーゼは発馬後から手綱をしごいて果敢にハナを主張する。2ハロン目から11秒2-11秒8と速いラップを刻む。向こう正面に入ってからも極端に緩めることなく馬群は縦長に。1000㍍通過は60秒7。3角で若干息を入れて直線へ。強靭なスタミナを生かして粘りに粘る。最後は差されてしまったが、3着馬の追撃を振り切ったのは立派。決して恵まれた2着ではない。持ち味を十分に発揮したレースだった。

 3着のホエールキャプチャは発馬でトモに重心が掛りフワッとした発馬。直後にインに切り込み馬込みの中に入れる。道中は縦長の淀みない流れを後方のインからの追走。すぐ後ろにはマルセリーナがいる展開。流れが緩んだ3角でも鞍上は慌てずに手綱を抑えたまま。このあたりはマルセリーナの出方を見ながらで仕掛けどころが難しかった。4角でジワッとポディションを上げるが、4角から直線にかけて馬群が凝縮したためにインではなく外めに進路を選んでしまう。そこで勝ち馬とは少し離されてしまう。ラスト1ハロンで左手前に替えると末が鈍り、前の馬と脚色が一緒になってしまう。距離が少し長かった。

 1番人気に支持されたマルセリーナは発馬を決めて手綱をがっちりと抑えて後方からの競馬。その甲斐あって道中は何とか折り合うことに成功。少しでも気を許せばガツンと掛ってしまいそうな痺れる手応え。レースの流れは縦長の淀みない流れになる。ここで折り合いに不安を抱える弱点が最後の最後で出てしまう。4角から直線にかけて残念ながら馬込みに突っ込むのではなく大外へブン回す。桜花賞を強烈な決め手で快勝し、鞍上としては大外を回しても勝てるだけの自信があったのだろう。直線は一完歩毎にグイグイと迫るが、ラスト100㍍で末脚が鈍ってしまった。とても残念な騎乗だった。距離も少し
長かった。どうしても前半を折り合いに専念しなければならない分、途中で動くことができず他力本願の分が出てしまう。直線もインは馬込みが密集してしまう分、外を回される危険性が高い。その弱点が出たレースだった。

 5着のスピードリッパーは発馬でゴチャつき、1角まで頭を上げて掛ってしまう。その後は首を水平に使った走りで中団の外めを追走する。流れの緩んだ3角から早めに動いて行き、4角で先頭の直後まで取り付く正攻法の競馬。直線を向いてスッと反応し、逃げ馬を早々と捉えるかの手応え。だが、ここで外のエリンコートに突進され一気に手応えが悪くなる。並みの馬ならここで戦意を喪失するところだが、立て直して最後は根性で伸びてきた。凄い精神力で、スムーズなら勝ち負けになっていた。首を上手く使えるフォームで、半兄がポップロック。距離が延びて良さが出た。

 マイネイサベルは17番枠から出して行った分、1角まで掛ってしまう。その後は中団馬群のなかで折り合うことができた。その後も大きなフットワークで気持ち良さそうな追走姿。だが、4角から直線にかけて馬込みを嫌って直線へ入るのに大外へ膨れてしまったのは不満。直線はジリジリと伸びてきたものの決め手の差が出てしまった。

 アカンサスは道中、後方から2番手の競馬で折り合いに専念する。道中の折り合いはスムーズ。直線までじっくりとタメた分、直線は馬群を縫うように伸びる。4角から直線で大外へブン回すのではなく、馬込みに突っ込んだのが良かった。タメが利いた分、伸びた可能性もあるが道中である程度出したところからの末脚が見てみたかった。

 メデタシは道中の折り合いがスムーズでインの経済コースを立ち回れた。それでも直線で伸び切れなかったあたりは距離が長かったか。

 グルヴェイグは道中の追走姿は首を水平に使った大物感満点。だが、追い出されるとフットワークが小さくて硬い。前に進んで行く感じがなかった。これからだ。
 

ヴィクトリアマイル(GI)回顧

2011-05-15 20:14:28 | 回顧
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【馬場】今週からBコース。中間に降雨があったが、土日ともに晴天が続き、絶好の馬場。

12.0 - 10.6 - 10.9 - 11.1 - 11.3 - 11.6 - 12.0 - 12.4=1:31.9
(44秒6-47秒3)

 見事なまでの前傾ラップ。気合いを付けたブリンカー着用のオウケンサクラがハナを叩き、2ハロン目から10秒6-10秒9とガンガン飛ばす。3角に入っても勢いは衰えず4ハロン目が11秒1。一頭飛ばす形となり、後続勢もかなりのペースでの追走。底力を要求される流れ。

 ひと叩きし、3冠馬アパパネがブエナビスタの猛追を振り切った。16番枠から道中は中団の外めを追走する。逃げ馬が飛ばす超ハイペースの流れに戸惑うことなく余裕十分で追走。終始、馬群の外めを通らされたし、4角から直線にかけて大外へ持ち出される。すぐ後ろのブエナビスタにマークされるきつい展開。ブエナより坂上で加速力の違いで一歩先に抜け出す。最後は詰め寄られたが、何とか振り切った。底力を要求される流れで力をフルに発揮できた。外々を通らされてこの内容だから強いのひと言。

 昨年の年度代表馬ブエナビスタは久々の一戦。中間の攻め馬では気負って掛ったりしていたが、下見どころでは落ち着き十分だった。返し馬では前脚の出が硬かった。レースでは、ゲートはすんなりと出たが、二の脚がつかず自然と後方からの競馬に。道中はすぐ前のアパパネをマークする形。4角から直線にかけて大外へ持ち出す。坂上で左ステッキが入った時に僅かに外へ膨らむ。そこで勝ち馬とは差を広げられる。一完歩毎に力強く差を詰め、末が鈍ったゴール前で急追したが僅かに届かなかった。久々の実践と距離不足のマイル戦を考えれば十分すぎる内容だった。

 レディアルバローザは4番枠から気合いを付けて先団へ。ライバル2頭より前々で競馬したい意図があったのだろう。道中は超ハイペースの流れを3番手のイン追走。いくら経済コースを立ち回れたとはいえ、かなりのペースで追走していた。直線は坂上で内から抜け出してきたグランプリエンゼルに内から張られる。それに臆することなく末脚を伸ばし、直線半ばで早めに先頭へ立つ。そこから粘りに粘ったが、ゴール前で上位2頭に差されてしまった。正攻法の強い競馬だったし、充実期を迎えている。いつもどおりに後方に控えていたほうがよかった。

 グランプリエンゼルは下見どころで外めを落ち着き十分で周回し、気配は目立っていた。課題だった折り合いも名手ウィリアムズの誘導で見事に折り合えた。終始、インの経済コースをロスなく立ち回る最高の競馬。直線もインを突き、3着馬と馬体を接触させても怯むことなく脚力を示した。折り合い次第でマイルもこなせることが分かったし、高速決着にも対応できた。

 アニメイトバイオは鼻出血明けで半年ぶりの実践。24㌔増でボリュームある馬体になっていた。道中は2番枠から無理することなく後方から2番手の追走。すぐ外のブエナビスタと馬体を併せる形での追走。引っ張り切りの手応え十分の追走。直線は馬込みに突っ込み、坂上では右手綱を引いて進路を探す。坂を上り切ってからジワジワと伸びて上位争いに加わった。久々でこれだけやれれば十分。叩いて。

 本命を打ったエイシンリターンズは8㌔減。久々で馬体が増えてほしかっただけにがっかり。下見どころでは覇気に欠けていた。レースでは手綱をしごいて離れた2番手を追走したが、前半の800㍍が44秒6の超ハイペースで4角でアラアラ一杯で直線は馬群に沈んでしまった。


ヴィクトリアマイル(GI)予想

2011-05-15 13:35:04 | 最終結論
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東京11R ヴィクトリアマイル(GI 芝・1600メートル)
◎エイシンリターンズ
○グランプリエンゼル
▲ブエナビスタ
△アプリコットフィズ
×レディアルバローザ
×カウアイレーン
☆オウケンサクラ

 マイル適性とデキの良さでエイシンリターンズを狙う。前走のターコイズS7着は、中山マイルで11番枠発走。好位の外めに取り付くのに少し脚を使わされた。それでも、三分三厘で早々と手応えが怪しくなり直線で伸び切れなかったのは状態が下降線を辿っていたのが大きい。2走続けての長距離輸送で6㌔減。本来のデキにはなかった。前々走のユートピアS1着は、4番枠からポンと好発を決めて先団へ。すんなりした流れでスッと流れに乗り、4角で前2頭との差を縮める。坂上でグーンと凄い脚で加速し、残り300㍍地点で逃げ馬に馬体を併せる。早めに先頭へ立つ形となり、気を抜かないか心配だったが、最後までしっかりとした脚取りで伸び続けた。直線半ばで200㍍を10秒台後半の脚を使い、最後は11秒7の脚で踏ん張ったのは凄い。テンにある程度の脚を使っているにもかかわらずだ。高いマイル適性を示したレースだった。4走前のローズS3着は、久々で馬体を増やして好仕上がりだった。レースでは、中弛みの流れをテンは無理せずに後方から。流れが落ち着いた4角手前から外めを通ってジワッとポディションを上げる。ここから直線入口にかけて流れが落ち着いたために馬群の大外を通らされる。直線で一瞬の脚を生かして伸びてきたが、最後は上位2頭に差されてしまった。この2頭は最後まで仕掛けを我慢していた。結果的に仕掛けが速かった。回転の速いピッチ走法で、一瞬の脚に優れている。久々の一戦になるが、コースで入念に乗り込まれ、一週前追い切りは抜群の動きだった。気性的にポン駆けも利く。マイル適性なら強敵2頭より遥かに上だ。

 グランプリエンゼルは折り合いに難のあるタイプ。前走の阪神牝馬S7着はテンから鞍上と喧嘩し、リズムが合わず。直線も前が詰まってまともに追えず、追い自体も甘かった。師も騎乗に納得はしていなかった。前々走の六甲S10着でもテンに折り合いを欠いてしまった。府中のマイルだけに今回も折り合いが最大のポイントになるが、そこは名手ウィリアムズの手綱捌きに期待したい。攻めにも跨り、癖は把握しているはず。折り合えれば抜け出す脚力を持っている。イン有利の馬場も味方する。



ヴィクトリアM(GI)調教診断!

2011-05-12 00:27:00 | 調教診断

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アプリコットフィズ】◎ 不気味
南芝で5ハロンからサーッと。道中は頭を上げて舌がハミを越すなど、気性難は相変わらず。それでも、直線で少しだけ手綱を緩められるとグーンと加速して併走馬を瞬時に突き放してしまった。1週前追い切りも四肢を目一杯に伸ばしたストライドで抜群の動きを披露。前走時は震災の影響で調整が難しかった。いつもとは違い、この中間はコースでやられている点にも好感が持てる。不気味だ。


エイシンリターンズ】◎ 抜群のスピード感
この中間は4月16日から時計を出し始め、2週、1週前追い切りではCWで6ハロンから意欲的に追われ、負荷を掛けられた。最終追い切りは坂路で半マイルから。大雨の不良馬場で無理はしなかった。手先の軽いキビキビとしたフットワークで余裕残しのままフィニッシュ。この馬場でラスト1ハロン12秒6は優秀だし、スピード感十分の動きだった。1週前はCWでピッチの利いた回転の速いフットワークで抜群の動きを披露。久々の一戦だが、乗り込み入念の万全のデキ。胸を張って東上へ。

ブエナビスタ】△ 動き今ひと息で
不良馬場のCWを単走で6ハロンから。一週前追い切り同様にテンにハミを噛んで行きたがる。馬場の影響もあるだろうが、いい頃に比べると完歩が小さく最後はステッキが入るほど反応が鈍かった。トモの蹴り自体は力強いが、スピード感はひと息だった。海外遠征明けで攻め本数も不足しており、急仕上げは否めない。昨年は馬体減に悩まされたが、今年は気負いが見られる。

アパパネ】○ 貫録の先着
蛯名騎手を背に坂路で2頭併せ。テンから飛ばして最後まで力強い動きで貫録の先着。ピッチの利いた回転の速いフットワークが目に付いた。この中間はプール調教と坂路のみでコースで一度もビシッと追われていないのは気になる。

ワイルドラズベリ】○ 意欲的に追われ
CWを単走で7ハロンから。長めから意欲的に追われ、テンからガンガン飛ばす。その分、最後はアラアラ一杯でフットワークがバラバラになってしまったが、この不良馬場で6ハロンから80秒を切ったのは優秀だ。中5週だが、この中間は3週続けてコースで意欲的に追われている。一戦毎に馬体が減っているだけに、馬体回復と落ち着きが最大のポイントに。

レディアルバローザ】○ 動き柔らかい
福永を背にDPで6ハロンから。ゴール前で少し気合い付けられると、前脚をピンと張り出した柔らかいフットワークで駆け抜けた。トモの蹴っぱりも十分で目下の充実ぶりを象徴していた。

アニメイトバイオ】○ 鼻出血明けどこまで
3月11日に帰厩後、週1本ペースで時計を出されてきた。最終追い切りは南Wで後藤を背に3頭併せの中を5ハロンから。まだ、いい頃のバネの利いた弾むようなフットワークには達していない。鼻出血明けでどこまで。

カウアイレーン】○ グンと重心を沈め
南Wで2頭併せの内を6ハロンから。直線入り口で馬体を併せたもの、あっさりと突き放されてしまった。それでも、この馬場で6ハロン82秒2は優秀。最後は時計を要したが、グンと重心を沈めて四肢もよく伸びていた。

オウケンサクラ】○ 動き力強く
不良馬場の坂路を単走で。最後は筒一杯になりながらラスト1ハロンを12秒9で踏ん張ったのは立派だ。ブリンカー着用で最後まで集中して走れていた。力強いフットワークは健在だ。

コスモネモシン】▲素軽さひと息で
南Pを単走で5ハロンから。首を水平に使った走りには好感が持てるが、直線で手前を替えてからの反応は案外で、素軽さに欠ける動きだった。本来はもっとスピード感に溢れている。

ショウリュウムーン】○ モタれ気にならず。
不良馬場の坂路を単走。直線半ばで左手前に替えた時に少し内へモタれたが、気になるほどではなかったし、掻き込みの強いフットワークが目に付いた。この後に長距離輸送も控えており、この程度で十分だ。

愛知でおいしいうなぎ屋さんです

池袋でオススメのランチ(毎週行ってます)

NHKマイルC(GI)回顧

2011-05-08 22:34:38 | 回顧
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愛知でおいしいうなぎ屋さんです

池袋でオススメのランチ(毎週行ってます)

【馬場】Aコース。前日の降雨の影響なく高速馬場。外も伸びる。

11.9 - 10.7 - 11.3 - 11.8 - 11.9 - 11.3 - 11.4 - 11.9=1:32.2

 逃げ馬の兼ね合いがポイントだったレース。好発を決めたフォーエバーマークがダッシュ力の違いでハナへ。何が何でもハナを主張していたリキサンマックスはマイルGIでハナを切れるほどのダッシュ力がなく、すんなりした流れ。3ハロン33秒9と締まった流れだが、3,4角で流れは落ち着いた。直線で底力と瞬発力を要求される流れに。

 名手ウィリアムズの手綱捌きで2歳王者グランプリボスが見事に復活して見せた。ここ2走はテンにガツンと掛ってなし崩しに脚を使わされた反省を生かし、中間はウィリアムズを背に前に壁を作って折り合いに専念させる稽古を積んできた。その成果が本番で生きた。発馬後はガツンと掛って中団まで一気にポディションを押し上げる形となったが、2ハロン目で前のプレイとへニーハウンドが壁になったことで脚をタメることができた。少しでも気を許せばガツンと掛ってしまいそうな気配で、3,4角は痺れる手応え。脚力に余裕がある分、直線で右手綱を引いて外めに持ち出しても瞬時に反応。坂上から一気に末を伸ばして早め先頭に。抜け出してから舌を出していたが、最後まで粘り強い脚で押し切った。勝ち時計も優秀で、底力が要求される流れで結果を出した。強かった。

 コティリオンは発馬でフワッとした出方。折り合いに不安がる分、鞍上も手綱をしごいて前に行くことはせず、馬任せで最後方追走。かなり離れたところを追走していたし、3角入口では躓いていた。それでも、4角から直線にかけて大外へ持ち出すと、グーンと瞬時の脚で末を伸ばす。勝ち馬同様に舌がハミを越すアクシデントがあり、最後は左手前に替えて懸命に伸びてきたが、僅かに届かなかった。折り合いに不安がある分、マイルGIの速い流れで競馬がしやすかったし、この速い時計で大外から一気に追い込んできたのは立派だ。

 リアルインパクトは急仕上げだった前走を叩き、この中間は絶好の動きを見せた。1番枠で最初の一完歩が合わず。手綱をしごいて中団を取りに行く。この形だと掛る危険性があったが、掛ることなくスムーズな追走。4角までを経済コースをぴったりと立ち回る。直線入り口から手綱をしごいて馬込みに突っ込むが、前が壁になって手綱を引っ張る。そこから何とか狭いところを突破して、攻め同様に前脚を高く突き上げたフットワークで伸びてきたが、勝ち馬の決め手に屈した形だ。確かに直線で前が詰まる不利はあったものの、経済コースを立ち回れた恩恵もあった。

エイシンオスマンはポンと好発を決め、スーッと先団へ。外のフォーエバーマークが果敢にハナを主張したために2ハロン目から手綱を抑えて2番手に控える。ここで馬とリズムが合わずに掛ってしまう。流れの落ち着いた3,4角も頭を上げてフワフワしてしまう。外から被されていたし、かなり厳しい競馬。並みの馬なら馬込みに沈むケース。だが、直線入口で脚力十分でクリアンサスを振り切る。そこから逃げ馬を目標に懸命に粘り腰を見せて先行馬で最先着を果たした。強行軍と再度の長距離輸送を挟みながら8㌔増は充実している証拠。マイル向きのスピードと底力を兼ね備えている。

 プレイの皐月賞は大外枠に泣かされた。8番枠の今回は発馬後に少し手綱をしごいただけで好位を取れた。終始、折り合いもスムーズで直線入口でも手応え十分。決め手で上位馬とは見劣ったが、一貫した厳しい流れで懸命に末脚を伸ばした。決して切れる脚はないが、底力がある。中山マイル向きのタイプ。

 オメガブレインは18番枠で腹を括って後方2番手からの競馬。横山典騎手らしい競馬。4角まではインぴったりに立ち回り、直線は馬込みを回避して大外へ。坂上から直線半ばまでは左手前で内へモタれて伸び切れなかったが、ラスト1ハロンからは右手前に替えて鋭く追い込んできた。現時点では中途半端に中団から競馬するよりは後ろから行ったほうがいい。

 へニーハウンドは前走同様に発馬でトモに重心が掛って行き脚がつかず。二の脚で一気に先団まで押し上げるも、頭を上げてモロに掛ってしまう。3,4角でようやく折り合うことができたが、直線は坂上で脚が上がってしまった。まだ行きたがるところがあり、マイルは長い印象だ。攻めで抜群に回転の速いフットワークを見ると、やはりスプリントでこその逸材だ。大きいところを狙える。

 フォーエバーマークはダッシュ力の違いで強力な同型を制してハナを切れたようにスピード性能に長けている。一貫した流れで引っ張り、直線も二の脚で懸命に抵抗してみせた。桜花賞同様、見せ場を作った。ハナへ立てばかなり強い。条件が合えば逃げ切れる脚力を秘めている。

 アイヴィーリーグはテンに掛って行きたがっていたし、直線は内から外から来られて馬が怯んでいた。今回はキャリアの浅さが出た。素質はあるだけにキャリアを積めば。


ダンスファンタジアはマイルでも長い。前から言っているが、回転の速いピッチ走法だけにスプリント戦でこそのタイプ。

岩手県三陸海岸沿いにある三陸鉄道
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