中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

土曜日予想

2007-06-29 21:43:42 | 最終結論
阪神11R 灘S
◎メガトレンド
○リスキーアフェア
▲セフティーステージ
△アドマイヤスバル
×ラバグルート
×スマートストリーム
【見解】
久々のメガトレンドを本命視。休養前は準オープンの出走体系に惑わされ、使いたいレースに使えなかった。休養前の2戦は度外視できる。トビが大きく、ダッシュ力に欠けるタイプ。1角までが勝負。スムーズに先手が奪えれば、11月の京都1000万戦圧勝のように力を発揮できる。先週除外され、ここは早くから和田竜騎手を確保。3ヵ月半ぶりだが、4週連続でDW、CWで6ハロンからビッシリ追われ、週2回の攻めを消化。仕上がりは万全だ。押して押して前へ。


阪神10R 舞子特別
◎ネバーチェンジ
○グリューエント
【見解】
ネバーチェンジを本命視。前走の500万戦は最後方からタメる作戦。直線で大外へ持ち出すも、なかなかエンジンが掛からず。ようやくゴール前で勢いが付いたものの、とき既に遅かった。前々走のはなのき賞4着は4角で大きな不利があった。度外視。3走前の雪割賞4着は折り合いを欠いてタメることができなかった。前走で福永が息を入れることを覚えさせた。今なら、1ハロンの距離延長と阪神に替わるのは大歓迎だ。テン乗りの石橋がうまく乗れば。

第48回宝塚記念(GI)回顧

2007-06-25 23:13:52 | 回顧
【馬場】Aコース。朝方から霧雨が降り、3時過ぎからは激しい降雨。内側が荒れはじめ、外を通る馬がほとんど。タフな馬場となった。

12.1 - 10.5 - 10.9 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 12.7 - 13.0 - 12.3 - 12.2 - 12.4=2:12.4

【展開】ローエングリンがハナ。押してもAメインは行けなかった。2ハロン目から10秒5-10秒9-11秒9と速めのラップを刻み、1000㍍通過は57秒5。馬場を考えれば明らかなオーバーペース。縦長の展開だが、後続もかなりの速いペースでの追走。有力どころは中団の内から、ウオッカ→サムソン→ムーン→ポップロックの順。先行馬のバテた3角で一気に馬群が凝縮。大外からサムソンが抑え切れない手応えで進出し、ワンテンポ遅らせてムーン、ポップと続く。ここで先行馬は全て壊滅。最後は有力馬同士のタフな叩き合い。

 海外での武者修行を終え、ひと回り大きくなったアドマイヤムーンが、上がり3ハロン36秒9の消耗戦を制した。この中間は、前走の香港戦で減った馬体を回復させるために帰厩が遅れた。急仕上げは否めなかったものの、最終追いではマイルから飛ばして終い11秒6と抜群の動きを披露。何とか間に合った。6番枠から好発を決めると、スッと馬場のいい外めへ。引っ張りきりの手応えで、前のMサムソンを見ながらの競馬。乱ペースに惑わされることなく淡々と後方を追走。3角でサムソンが早めに進出するも、慌てずに仕掛けを待つ。残り600㍍標識からジワッと大外を進出すると、直線入り口ではサムソンの1馬身後方まで迫る。そこから、満を持して追い出すも、さすがは2冠馬だけに相手も必至に食い下がる。坂上の残り80㍍のところでようやく抜け出し、タフなレースに終止符を打った。晴・雨を問わない強靭な末脚はお見事だった。鞍上の岩田も冷静だった。

 2冠馬メイショウサムソンは底力を存分に発揮させたレースだった。道中は17番枠から中団外めを進む。先行馬がバテた3角で馬群が凝縮し、そこから抑え切れない手応えで大外を進出。直線入り口では早めに先頭へ立つ。天皇賞はこれで押し切れたが、今回は直後のAムーンにマークされる。直線で抜け出すも、すぐさま迫られ馬体を併せる。だが、そこから左手前に替え、もうひと踏ん張り。ゴール前で僅かに屈したが、底力を十二分に見せ付けた内容だった。力の要るタフな条件になったのは、欧州血統のこの馬には向いた。直線で舌がハミを越しながらよく頑張った。

 3着のポップロックは過去最高と言っていいほどのデキ。道中は無理せず後方を進む。前のAムーンを見ながらの競馬。大きなトビながら馬場を苦にせず、楽な手応えで追走。Aムーンが動いた三分三厘で連れて進出。だが、反応の違いで突き放される。直線で大外からジワリと追い上げるも、力の差を見せ付けられる格好となった。ゆったりの競馬が合うだけに、もう少し距離があったほうがいいか。

 4着のアドマイヤフジは道中、無理せず後方を進む。これはペースを察知した鞍上の好判断。無理せず馬の行くに任せた道中。三分三厘で手応えは良くなかったが、バテた先行馬を捌いて外めへ。直線でジワジワ追い上げ、見せ場を作った。今は発馬で行き脚がつくようになったし、今なら流れに乗りやすい2500㍍あたりがベストなのかも。

 ファストタテヤマは年齢を重ねたことで中距離がベストになった。本来なら雨馬場を苦にするタイプだが、この日は全く問題なかった。むしろ、雨馬場で消耗戦になったのはステイヤー戦を中心に使われてきた本馬にとって幸いした。中距離で流れに乗れれば、まだまだやれる。

 カワカミプリンセスは課題の発馬で行き脚がついたのは良かったが、その後に鞍上の武幸が制御し切れずに外へフラつき、インティライミの進路を妨害してしまう。3角ではバテた先行馬が早々と脱落。いつも違い、4角では押し出されるように先頭へ。そこから直線で抵抗する脚は残っていなかった。前走でマイルの速い流れを経験したことで、発馬と勝負どころの反応は予想以上に良くなっていた。だが、今回はそれが裏目に出てしまった。昨年までの後方からズブさを見せて根性で伸びる戦略だったら、上位争いに加わっていただろう。鞍上の騎乗ミス。

 本命視したインティライミだったが、残念ながら力をフルに発揮することができずに終わってしまった。下見どころから二人引きの厩務員を引っ張り、顎をグッと引いて抜群の気合い乗り。凄まじい集中力だった。発馬直後から重心の低いフォームで鞍上との呼吸はピタリ。だが、ゴール版付近で内かたウォッカに寄られ、更に前のカワカミが外へ膨れたために手綱を引っ張る大きな不利。外のダイワメジャーとも接触した。そして、直後の1角ではウオッカ、ダイワに進路を阻まれた。普通ならここで終わってしまうものだが、中団馬群のなかで集中した走りを続ける。三分三厘でも抜群の手応え。直線に期待を持ったが、そこからのひと踏ん張りがなかった。度重なる不利にも動じなかった精神力は高く評価したい。不利なく中団を進めていれば上位争いしていたことは間違いなかったろう。佐藤哲も「一発狙っていただけに残念」と。重心の低いフォームで道悪は大歓迎。本命にして良かった。

 64年ぶりに牝馬によるダービー制覇のウオッカ。並み居る古馬を抑えて堂々、1番人気に。だが、下見どころでは耳をキョロキョロと動かし、少し集中力を欠く面が見られた。2番枠からダービーと同じように前に馬を置きたかったが、雨馬場で他馬が外めに持ち出したために、ポッカリ前が開いてしまう。スタンド前でモロに掛かり、更にインティライミと接触するアクシデントが。本来なら息を入れるはずの1角でも前に壁を置けず。3角手前までずっと折り合いを欠いていた。そして、先行馬のバテた3角で積極的に押し上げる競馬。直線でインを突くも、そこから抵抗するスタミナは残っていなかった。雨馬場で1000㍍通過57秒5の乱ペースを、道中であれだけ掛かっては勝負にならなかった。ダービーのように壁を作りたかった。牝馬だけに瞬発力勝負が向くのだろう。激戦続きでこの消耗戦。しかも、4角から直線にかけて鞍上が強引に内へ引っ張る騎乗。馬の精神、肉体的負担が心配だ。10月7日の大一番へ向けて課題が山積み。

トウカイトリックは案の定、道中の手綱が動きっぱなし。向こう正面では早くもステッキが入る場面が。しかも、インを通ったために三分三厘でバテた先行馬の煽りをモロに受けてしまう。それでも、直線で諦めずに最後まで集中した走りを見せていた。距離短縮が続いたが、次走で距離が伸びれば積極的に買いたい

 コスモバルクはデキは最高潮だった。最終追いは掛かることなく引っ張り切りの手応えでフィニッシュ。だが、レースでは先行馬壊滅の流れに巻き込まれ、4角で外から捲られて万事休す。

 ダイワメジャーは16㌔減。下見どころでは発汗が目立ち、元気がなかった。聞けば、阪神競馬場の出張馬房が道路近くにあり、騒音で前夜から飼い葉が上がってしまったらしい。昔から阪神競馬場の出張馬房が劣悪なのは有名な話。早期改善をしないと関東馬に示しがつかない。道中は例によって好位を追走するも、4角で早々と手応えがなくなり、ゴール前は歩いていた。展開が厳しかったにしろ、止まり過ぎだ。喘鳴症が再発したのか。

 アドマイヤムーンは走る方向に気が向いていない。ショック療法が必要か。神戸新聞杯の精神的ショックが残っているのか。

第48回グランプリ宝塚記念(GI)

2007-06-23 22:06:40 | 最終結論
◎ インティライミ
○ ポップロック
▲ ウオッカ
△ カワカミプリンセス
×ダイワメジャー
×アドマイヤムーン

【見解】
 宝塚記念史上初となるフルゲートによる一戦。GI馬7頭が集結し、その他にも近3年のダービー2着馬が出走するなど、豪華絢爛。盛り上がること間違いない。
 今夏の阪神開催は異様なほどの高速決着が続く。これは明らかに宝塚記念を意識して作られたもので、競走馬の脚元にかかる負担は相当だ。直前の雨でソフトな馬場になったほうが馬のためにはいい。
 展開面を考えるとハナはB着用のアドマイヤメイン。ペースメーカーの役割を果たすだろう。これが逃げればテンから緩みない流れになる。2番手以下も53㌔のアサクサキングスに、マイソールサウンド、ローエングリン、シャドウゲイトと早めに動きたいクチが揃い、後続も速い流れでの追走となる。それを3角過ぎからシャドウが動き、連れて外からメイショウサムソンが進出。人気を背負うアドマイヤムーンも触発されたように動くだろう。高速馬場を考えても、皆が前へ前へと意識が動くのは当然。狙いはその直後、もしくはワンテンポ遅らせた仕掛けのできる馬。
 本命は完全復活を遂げたインティライミ。前走の金鯱賞3着は休み明けで攻め不足。道中は緩みない流れを好位追走。3角で他馬が早めに競りかけるなか、逃げ馬がバテた煽りを受けて位置取りを落とす。そこから直線で内を突いて盛り返してきた。流れを考えれば4角で脚をタメられたことが幸いしたかに見える。だが、この馬は三分三厘で除々に加速して持ち味を発揮するタイプ。決してスムーズな競馬ではなかった。思い起こせばディープ世代のダービー2着馬。厳しい流れを4角で早めに動き、ラスト1ハロンまでディープを脅かした走りは記憶に新しい。それは将来を約束されたものだった。だが、その後は競走馬にとって致命的な爪の病で一時は引退の危機に陥った。更に昨秋からは気性難で全く力を発揮できない日々が続いた。それがメンコを付けた前走で折り合うことに成功。一筋の光明を見出した。そして、佐藤哲を背にしたDWでの最終追いが圧巻だった。顎をグッと引き、シャープな脚捌きで唸るような気配。余力残しの手応えで6ハロンから78秒5-12秒2は文句なし。筒一杯だった昨秋の天皇賞とは雲泥の差だった。完全復活を遂げた今、ダービー当時のロングスパートを披露する時がやってきた。メイショウサムソンをマークし、ワンテンポ遅らせた仕掛けができれば。35秒台中盤で上がってこられる展開は理想的だ。

 同厩舎のウオッカばかりが注目を集めているが、ポップロックも負けていない。前走の目黒記念は585を背負い、入れ替わりの激しい流れを我慢。直線で前が壁になっても慌てず、直線半ばで満を持して追い出し完勝。2着馬とは7㌔差あり、休み明けで仕上がり途上だったことを考えれば文句なしの内容だった。昨年暮れの有馬記念では直線で立て直す不利がありながら2着。追ってから渋太い脚が持ち味で、底力もある。2200㍍は若干短いが、行かせれば前に行く脚もあり、対応できる。そして、何と言っても底力の要求される流れになるころがいい。鞍上には天才・武豊。先週のディアチャンス、目黒記念のポップロックのレースぶりを見ても、仕掛けどころが絶妙。仕掛けのタイミングが明暗を分ける今回、これほど頼りになる男もいない。

 ウオッカは激戦続き。今年は早くも5戦目を迎える。この中間は息を整える程度の調整で上積みは望めない。51㌔は有利だが、前走とは比較にならないほど厳しい流れが予想される今回、初の古馬相手だけに決して楽ではない。凱旋門賞を考えれば休んでほしかった。

宝塚記念(GI)調教診断

2007-06-22 15:07:53 | 調教診断
インティライミ、復活を告げる動き

【スウィフトカレント】○ 頭高いも脚捌き軽快
坂路で単走。楽な手応えのままゴール前で少し気合いを付けられると、実践同様、頭が高くなる。その分、全体的な迫力は今ひとつだったが、脚捌き自体は軽快。前走後はこの厩舎にしては珍しく、短期放牧へ出さず自厩舎で調整。坂路で入念に乗り込まれてきた。

【ウオッカ】○ いい意味で平行線
前走同様、四位を背に坂路を単走で。終始、引っ張り切りの手応えのままラストは12秒1。見た目にそれほどスピードを感じさせないのは、大きなストライドのため。この中間は激戦後の中3週で、息を整える程度の調整。いい意味で平行線。

【マイソールサウンド】○ シャープな脚捌きで好調キープ。
DWで単走をビシッと。ゴール前で気合を付けられると、シャープな脚捌きで迫力ある動きを披露。8歳でもまだまだ元気だ。

【マキハタサイボーグ】△ 脚色に余裕なく
和田を背に坂路を単走で。ゴール前でハミをかけ直され、右ステッキが入ると左へ寄れる。その後、立て直して見せムチでフィニッシュ。脚色に余裕がなかったし、全体的な時計も今ひとつ。強調できない。

ポップロック】◎ 攻め強化で万全
武豊を背にCWでインセンティブガイと併走。鞍上との呼吸はピタリで、闘争心にも溢れた動き。前脚をピンと張り出し、脚捌きも軽快だった。この中間は7日後に早くも時計を出し、13日、17日にはCWで5ハロンから速めを出している。攻め強化で態勢は万全。

【アドマイヤムーン】○ 推進力ある抜群の動き
DWでマイルから意欲的にやってきた。馬場の大外を周り、ゴール前でステッキが入ると、重心をグッと沈めて推進力ある抜群の動きを披露。ただ、6月6日に帰厩して19日で迎える大一番。ビシッとやられたのはこの一本のみで、急仕上げは否めない。

カワカミプリンセス】◎ 弾むような動きで上積み十分
DWで本田を背に単走で。直線で前の馬が邪魔になり、進路を切り替えるアクシデントはあったが、追われると弾むような豪快な動きを披露。この中間は6ハロンから4本時計を出し、攻めを強化。馬体を戻しつつだった前走から大幅な上積みを見込める。フックラした馬体にも好感が持てる。

インティライミ】◎ 唸るような闘争心
佐藤哲を背にDWで単走。顎をグッと引き、集中力に富んだ走り。シャープな脚捌きで切れ味抜群だった。唸るような闘争心。余力残しで6ハロンから78秒5-12秒2。文句なし。

【アドマイヤフジ】○ ピッチの利いた回転の速い脚捌き
坂路を単走で。ピッチの利いた回転の速い脚捌きで登板。最後、頭が高くなったのは不満だが、力強い脚捌きを評価したい。

【アドマイヤメイン】△ 終いバタバタで
川田を背にCWで併走。長めをテンからビシビシ飛ばし、最後は筒一杯になり、何発もステッキが入るも最後は歩いてしまった。意欲的に追われてことは評価できるが、

ダイワメジャー】◎ 東の横綱、堂々先着
南Wで2頭併せの内。直線でスッと左手前に替えると、グングン加速して持ったままの手応えで少し気合いを付けられると、併走馬を圧倒。中2週でも攻めてきた。昨秋はソフトな仕上げをしてきただけに、長距離輸送も含め、下見どころでの気配には一応の注意を払いたい。

【トウカイトリツク】○ 軽快な脚捌きで好調キープ
幸を背に坂路を単走で。相変わらず脚捌きの速いフットワークで真一文字に坂路を登坂。使い詰めでも疲れは皆無。

【ファストタテヤマ】○ 脚捌き軽快
Bコースでサッと流した。脚抜きのいいコースとはいえ、脚捌きの軽い動きで好調キープ。8歳馬でもまだまだやれる。

【シャドウゲイト】○ 馬体フックラ、いい感じ
阪神競馬場での調整。最終追いは田中勝を背に本馬場で。終始、楽な手応えで軽快な脚捌き。気持ち良さそうに走っていた。海外遠征の疲れは無さそう。

アサクサキングス】◎ 豪快なアクション健在
福永を背に坂路を単走で。前脚を高く突き上げた豪快なアクションでラストは11秒9。手応えもまだ余裕があった。一週前に50秒3-13秒0を出し、万全の態勢。

コスモバルク】◎ 引っ張り切りの手応えでフィニッシュ
19日に阪神ダートで5ハロンから単走で。これまではテンに掛かってバテてしまうことが多かったが、この日は最後まで引っ張り切りの手応えのままフィニッシュ。昨年は輸送トラブルで万全には程遠いデキだったが、今年は違う。

【メイショウサムソン】○ 坂路調整どう出るか
石橋を背に坂路を単走で。軽快な脚捌きも、ラスト1ハロン地点で左後肢が横にブレ、左へ寄れる。それ以外はいい動きだった。天皇賞後はなかなか疲れが抜けず、調整に苦労していたが、距離の短い坂路でオーバーワークを回避してきた。DWで追われたのは1週前。その前後2本は坂路でのもの。一応は態勢が整ったと見ていいか。

【ローエングリン】○ 力強い脚捌きで仕上がり良好
北Cで単走。引っ張り切りの手応えのまま力強い脚捌きでフィニッシュ。帰厩して日は浅いが、アバラがうっすら浮き太め感は全くない。


宝塚記念(GI)徹底研究!

2007-06-18 10:25:06 | Weblog
 
 ウオッカ
64年ぶりの牝馬による日本ダービー制覇を成し遂げた歴史的女傑が、今度は古馬の厚い壁に挑む。前走の東京優駿1着は、発馬直後は中団のインで我慢。初距離だけにスタンド前は口を割って行きたがる。だが、1角で平静を取り戻す。その後は至極順調に運び、3角では痺れるほどの手応え。ここで勝利を確信するほどだった。直線で前残りを図るアサクサキングスを一完歩毎に力強い末脚で迫り、ガァーッと伸びる伸びる。最後は3馬身の差を付ける圧勝。上がり3Fは驚異の33秒0。勝ち時計2分24秒5も優秀。決め手を生かせる流れで存分に力を発揮した。強過ぎた。前々走の桜花賞2着は逃げ馬不在でペースが落ち着中、掛かったアストンが動き、連れてダイワも進出。それを好位の外めから前を見るように追走。ここまでは完璧だった。だが、4角でジワッと進出し、直線で仕掛けを開始させたとことで、ダイワに左手綱を引かれプレッシャーをかけられる。そこで少し外へ膨らむ。そして、立て直して伸びかけたところで、馬体をぶつけられて怯んでしまう。これで万事休す。完全に消化不良の競馬だった。3走前のチューリップ賞1着は道中、中団の外めを追走するも、口を割って行きたり鞍上が必死に抑える。3角手前でようやく折り合い、4角でジワッと進出を開始し、痺れる痺れる手応えでダイワスカーレットに並びかけると、牝馬離れした豪快なフットワークでグイグイ加速。着差はクビだったが、手応えには歴然とした差があった。牝馬離れした馬体に加えて雄大なフットワーク。最後の決め手を生かすにはマイルよりも中距離が向いている。それにしても、前走の3角での手応えには驚いた。ここは一線級の牡馬相手になるが、51㌔の恵量で凱旋門賞を意識する馬。負けられない。

カワカミプリンセス
前走のVマイル10着は休み明けの一戦。帰厩当初は理想の馬体重から30㌔近くも減っていたとのこと。調教も本数こそこなしていたものの、ビシッと追われたのは1回だけ。状態が懸念されたが、下見どころでは筋肉が盛り上がり、グイグイ引っ張る抜群の気配。発馬で後手を踏み、仕掛けて中団へ。だが、そこで内から突進してきたアグネスラズベリと接触する不利が。外に弾き飛ばされてしまう。その後は後方でジッと我慢。直線で追い出しを開始するも案の定、反応が鈍い。外へ出すにもジョリーダンスが被せて出せない。残り1F地点では立て直して大外へ持ち出すチグハグな競馬。これでは勝てない。全く良いところがなかった。休養前のエリザベス女王杯は1着降着。下見どころからテンションが高く、折り合い面で不安を残したが、道中は縦長の速い流れを後方からの競馬。前のフサイチを見る形。3角の下り坂でフサイチが動き、マークする形で外を連れて進出。直線で馬場のいい大外ではなく、真ん中を突く。狭いところを鞍上の懸命な左ステッキに応え、抜群の反応で突き破る。だが、この時にヤマニンシュクルの進路をモロに妨害してしまった。それでも、追われてからの脚は、この馬の強さを象徴するもの。強い競馬だった。追われてからの反応は鈍いが、エンジンが掛かれば底力ある末脚を発揮する。前走でマイルの速い流れを経験したのはプラスに働く。仕掛けてからの反応が良くなるだろう。勿論、3ハロンの距離延長は歓迎。前走後11日で時計を出し、30日、6日とDWで6ハロンから時計を出している。牡馬相手でも。

ダイワメジャー
前走の安田記念1着は海外遠征明け。直前の攻めを強くしたために、下見どころでは少しテンションが高い。だが、レースへ行くと、コンゴウの作る平均ペースの流れを3番手のインで折り合いに専念。終始、抑え切れないくらいの行きっぷり。直線を向き、坂上で馬場の3分どころへ持ち出す。ノーステッキで鞍上が懸命に手綱をしごき、ジワリジワリと差を詰める。2着馬が想像以上に渋太かったが、ゴール前できっちり捕らえた。マイルを先行して34秒4の脚を使えているように、昨春より数段力を付けている。並んだら抜かせない勝負根性も健在だった。前々走のドバイ戦はスローで馬群がギュッと固まり、その外をずっと通らされた。直線は苦手の瞬発力勝負になり伸び切れなかった。3走前の有馬記念3着はAメインの作る縦長の平均ペースを離れた2番手追走。マイル戦の後だけに、折り合いに専念する形。距離が距離だけに、道中に下手な動きはできない。仕方なく直線勝負に持ち込むも、勝ち馬にスケールの違いを見せつけられた。4走前のマイルCS1着は道中、淀みない流れを例によって2番手へ。終始、スムーズなレース運びでフワフワしながら抜群の手応え。残り800㍍の下り坂で外目を回って進出を開始。4角で左ステッキが手綱に絡まるアクシデントがあったが、すぐに解消。直線で猛追するダンスダンスインザムードに並びかけられるともう一伸び。どこまで行っても抜かせない着差以上の強さだった。スピードの破壊力が満点で、先行して押し切る形。昨年の有馬記念で2500㍍を克服し、2200㍍は問題ない。ここはAメイン、Aキングスがおり平均ペースは必至。この馬向きの展開だ。昨年は4着だったが、当時よりも数段力を付けている。馬体を併せて勝負根性を引き出せれば。

シャドウゲイト
前走のシンガポール戦1着は好発を決め、好位の外めへ。終始、前のコスモバルクを見ながらの競馬。終始、抜群の手応えで4角では堂々、横綱競馬で早めにバルクに並びかける。直線で突き放せなかったものの、渋太い脚で海外GI勝利を飾った。前々走の大阪杯2着は発馬直後にスッとハナへ。1角で息を入れてスローの逃げに持ち込む。向こう正面で除々にピッチを上げ、3角からスパートを開始させる。直線でMサムソンに一気に来られ、飲み込まれそうになるが、そこから粘り粘って最後まで接戦に持ち込んだ。時計勝負では強豪馬相手に分が悪いのは確か。前走、4走前の中山金杯圧勝を見ても分かるとおり道悪は歓迎だ。梅雨時期のGIは待ってました。好位で大丈夫。

アドマイヤメイン
前走の金鯱賞1着はテン3F33秒9の流れを2番手追走。しかも、向こう正面で11秒7-11秒6とペースアップし、三分三厘で他馬に早めに絡まれる苦しい展開。休み明けで仕上がり一息の状況では余計に苦しかった。前々走の有馬記念9着は香港戦から中1週の強行軍では厳しかった。昨秋の菊花賞3着は発馬直後から飛ばしに飛ばし、大逃げの形。これで後続各馬の仕掛けを封印できた。その後、1角から向こう正面まで息をたっぷり入れ、3角の下り坂で再びペースアップ。本来なら、このままゴールまで突っ走るのだが、直線入り口で12秒5と余力を残し、ラスト1F12秒2の二枚腰を使う芸当を見せた。豊マジック炸裂の瞬間だった。ダッシュ力はないが、大トビで一度エンジンが掛かれば速いペースを刻める。スタミナがあるだけに本来ならもう少し距離があったほうがいい。だが、前走で速いペースを経験し、阪神芝・2200㍍は発馬直後に長いホームストレッチがある。1角までにハナを奪える公算が高い。

スイープトウショウ
前走のヴィクトリアM9着は苦手の関東圏での競馬。しかも、発走前に係員にステッキを振るわれる。レース前に厳しい条件だった。しかも、中間の調整も思うように進まず。先行馬有利の条件だったとはいえ、最後の伸び脚には不満が残った。ここは一昨年制した舞台。ただ、当時の勢いがないのは確か。関西圏の競馬でどこまで。

スウィフトカレント
前走の金鯱賞2着は1000㍍通過57秒6の速い流れ。しかも、三分三厘で他馬がAメインに早めに競りかける展開を後方で我慢。三分三厘でジワリと余裕十分に外めへ持ち出す。直線で鋭く一瞬の脚で追い込むも、ゴール前で頭が高くなりのびを欠いてしまった。昨秋の天皇賞・秋2着はインティライミの作る縦長の速い流れを後方追走。坂を上がり、満を持して追い出されると、一瞬の爆発力で一気にダイワメジャーに追い付く。だが、そこでフワッとして最後は同じ脚になってしまった。有馬記念、ジャパンCは見せ場なく終わっているが、距離が長かったり、展開が向かず、激戦の疲れもあった。一瞬の爆発力はGI級。折り合い面の不安や、最後は気を抜く面があるなど注文の多いタイプだが、通用する決め手を持っている。1ハロンの距離延長は歓迎できないが、Aメイン、Aキングスのいるここなら、速い流れが期待できる。直線の短いコースは歓迎。叩き2走目で上積みも望める。

インティライミ
前走の金鯱賞3着は久々の一戦。課題だった折り合いも付き、好位で我慢の利いた走り。Aメインを目標に動いた3角~4角手前でも慌てずジックリ。インで我慢する。逃げ馬がバテた4角で軽く手綱を引っ張るも、逆に脚をタメることに。直線でインを突き、ジワジワ伸びて3着。休養前は気持ちばかりが焦り、暴走していた。放牧を気にリフレッシュできた様。一昨年のダービー2着後に放牧先で蹄葉炎を発症。一時は引退寸前にまで追い込まれた。そこから奇跡の復活を遂げたが、気性難も災いしてスランプに陥っている。叩き2戦目でどこまで変われるのか。正直、前走3着の内容ではGIでは厳しい。厳しい流れだったダービーを正攻法から勝負にいった姿に戻れるのか。

アサクサキングス
前走の東京優駿2着は発馬直後に手綱を押してハナへ。スタンド前は位置取り合戦でゴチャついたが、1角から実にスムーズな流れ。3ハロン目から12秒3-12秒6と息を入れる。その後、向こう正面で12秒1-12秒1と少しペースアップして後続を引き離す。再び3角で息を入れる絶妙な騎乗で後続を誘惑。それでも、馬群が固まらなかったのはフサイチにマークが集中していたのと、向こう正面でペースを上げたことが大きい。直線で二の脚を使い、突き抜ける。直線半ばまでは逃げ切り濃厚かと思われたが、勝ち馬の決め手にやられてしまった。トビが大きく、ダッシュ力に欠ける。前々走のマイル戦や小回り2000㍍の好位競馬で他馬に歩調を合わせる競馬は合わない。前走のように、手綱をしごいてでもハナへ立ったほうがいいタイプ。調教の動きを見ても分かるとおり、フットワークの雄大さは際立っている。ここは古馬の一線級相手で、Aメインという強力な同型馬がいる。若手の川田を起用し、何が何でもハナへ行くだろう。この馬は2番手で大丈夫。外枠を引ければ。鞍上は福永に決まった。

ファストタテヤマ
前走の天皇賞10着は道中、後方での待機策。流れの落ち着いた3角でギュッと馬群が固まり、外めを通って進出するも手応えは良くない。直線で鞍上の懸命な左ステッキが入るも、それに応える余力は残っていなかった。鞍上曰く「最近は3000㍍を越す距離は良くない」とのこと。前々走の大阪ハンブルグC1着は超スローの流れを後方で待機。歴戦の古馬だけあって折り合いはピタリ。馬群がひと塊のため終始、外めを通らされて直線も大外へ。激しく内へモタれるのを矯正しながら鋭い伸び脚。展開、通ったコースを考えれば着差以上の内容。格の違いを見せた。年齢を重ね、2000㍍のスピードには対応できず、長距離戦はスタミナ切れ。注文の多いタイプだが、嵌ればまだまだ鋭い脚を使える。ベストは2400㍍の緩い流れ。今回は1ハロン短く、ペースも速くなりそう。長距離戦の後だけに余計、追走に苦労しそうで…。

アドマイヤムーン
前走のQエリザベス3着は、発馬直後に中団を伺うも、外枠のため行けず。仕方なく後方に控える。だが、ペースは前半の800㍍50秒0という超スロー。後方2番手から三分三厘で大外を我慢し切れずに進出を開始。直線で懸命に脚を伸ばすも、前の馬も楽をしており、最後は脚色が同じになってしまった。仮策が外されイン有利の馬場に加え、超スロー。仕上がり過ぎで461㌔のギリギリの馬体も影響したろう。仕方ない敗戦といえる。前々走のドバイ戦1着はスローで馬群がひと塊の競馬。それを中団から脚を温存。得意の直線勝負の流れとなり、強烈な末脚を発揮して一気に突き抜ける。最後は2着馬に詰め寄られるも、3着以下を大きく引き離す快勝だった。3走前の京都記念1着は道悪の消耗戦。中団から積極的に追走し、三分三厘でも抜群の手応え。直線で馬場の6分どころを悠然と抜け出す。雨馬場にも脚を取られることなくしっかり駆け抜けた。昨年の香港C2着は、凱旋門賞2着馬プライドとの対決。道中は後方2番手で折り合いに専念し、馬群の固まった4角で馬込みのなかに突っ込む。プライドに一瞬は突き放されたが、ゴール前で凄まじい末脚を発揮して追い込んだ。クビの上げ下げで屈しただけで、内容は互角だった。昨秋の天皇賞・秋のように、縦長のHペースだと追い込み切れないが、スローで流れが落ち着き、そこからの追い比べなら鋭い決め手を発揮する。鞍上には岩田が跨る。前走後は山元TCに放牧へ出され、6月8日に帰厩。今では太いくらいの体つきとか。裏を返せば、放牧先では馬体回復を念頭に置かれ、厳しい調教を課されていないことが推測される。帰厩後も終い重点の攻めが続く。仕上がりには疑問符が付く。

ポップロック
前走の目黒記念1着は585のトップハンデを背負い、アドバンテージの作る緩い流れを5番手のイン追走。この日は前の止まらない馬場で、向こう正面でMオウテが動き、Aタイトル、Gウインドなどが早めに動く入れ替わりの激しい展開でも、慌てず騒がず我慢。直線でもインを突く。だが、先行馬が前を塞ぎ出られない。坂を上り切ったところで外めへ持ち出し、グイッとひと伸び。着差は僅かだったが、2着馬とは7キロ差あったし、どこまで行っても差されない手応えだった。海外遠征明けでも地力の高さを示した。前々走のドバイ戦6着は、発馬で行き脚つかず後方からの競馬。1角で他馬と接触する不利もあり、流れに乗り切れない。仕方なく直線勝負に徹し、グイッと鋭い伸びを見せるも最後は内へモタれてしまった。岸本助手によれば「メルボルンC当時のガツンと来るデキにはなかった」とのこと。3走前の京都記念2着は道悪で行き脚つかず。馬も雨の影響か尾っぽ振るなどレースに集中していない。道中はAムーンをマークする形。三分三厘で瞬時の加速力の差で引き離されるも、直線でエンジンが掛かってから猛追。ゴール前、勝ち馬が手綱を緩めたとはいえ、勢いは明らかにこの馬のほうが上だった。4走前の有馬記念2着は申し分のない馬体の張りでデキの良さを覗わせた。道中は最内枠発走から手綱を押し、前へ。終始、前のダイワを見ながらの競馬。ペースアップした三分三厘でも絶好の手応え、直線入り口で内の狭いところを突く。だが、馬群を割ることができず、立て直して外目へ。そこから鋭い脚で追い込むも2着が精一杯で、勝ち馬には子ども扱いされた。大きなトビでスッとは反応できないが、エンジンが掛かれば切れる脚を使える。正直、距離はもう少しあったほうがいい。距離短縮をユタカマジックで克服できないか。

メイショウサムソン
昨年の2冠馬が息を吹き返してきた。前走の天皇賞・春1着は、攻めで首をうまく使った重心の低いフォームで昨秋より明らかに良化していた。それがDWで6ハロン77秒台の猛時計に繋がった。道中は縦長の速い流れを中団から悠然と追走。折り合いもスムーズで流れの落ち着いた3角の上り坂で前との差を詰め、下り坂で早めのスパート。4角で一気に先頭へ躍り出ると自身は11秒1-11秒3の強烈な脚を発揮。食い下がる先行馬を突き放し、迫るエリモ、トウカイの猛追を振り切っての戴冠だった。前々走の大阪杯1着は59㌔を背負い久々。転厩緒戦で仕上がりはほぼ万全。道中はシャドウゲイトの作る緩急ある流れを中団で折り合いに専念。この辺りは本番を意識してのもの。内回りの残り600㍍標識から手綱を押して進出開始。直線入り口でシャドウに並びかけるも、想像以上に粘られ交わせない。ゴール前で懸命に手綱をしごいてダービー以来のV。前々走の有馬記念5着は馬体を絞ることができず4㌔増。やはり腹回りには余裕があった。道中は例によってダイワメジャーの直後、3番手から。しかし、ダイワが折り合いに専念したことで予想外に流れが緩くなる誤算が生じた。三分三厘でペースアップし、4角でダイワとともに先頭へ躍り出る。一瞬はあわやのシーンを演出したが、その後はジリジリとしか伸びず。昨年は好位から早めに押し切る競馬で2冠達成を果たしたが、これだと人気を背負った場合に前後の有力どころを気にしなくてはならないし、マークもきつい。前走のように中団から早めに動いて長く脚を使う戦法が合っているのだろう。この距離は歓迎だし、ペースは速ければ速いほうがいい。前走の天皇賞組は、エリモエクスパイア、アイポッパー、ネヴァブションがリタイア。自身も疲れが出て、この中間は坂路調整中心でオーバーワークを回避。これがどう影響するか。

アドマイヤフジ】
前走の目黒記念3着は発馬直後に好位へ。これは当日の馬場状態を察した鞍上が取った好判断。向こう正面から入れ替わりの激しい競馬になってもインでジックリ我慢。4角では痺れる手応え。直線の坂上で堂々先頭へ躍り出ると、ラスト1F地点まで踏ん張るも、最後は脚が上がってしまった。だが、久々だったことを考えれば申し分ない内容だし、道中の行きっぷりは良かった。休養前は有馬記念好走の反動があった。汗をかく時期になり、ようやく3歳時の馬体重まで落ち着いてきた。以前は勝負どころでズブさを見せていたが、前走はそれを見せなかった。底力のある馬。ようやく順調にGIを使えるようになった。

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宝塚記念(GI)展望

2007-06-18 10:21:57 | Weblog
【コスモバルク】
前走のシンガポール戦2着は発馬直後にスッと前へ進出。2頭並んでハナを切る形。終始、手綱を緩めたら行ってしまいそうな手応え。4角で外からシャドウゲイトが競りかけられた時の反応が今ひとつ。直線で完全に出し抜けを食らい、一旦は4番手まで下がる。万事休したかと思われたが、そこから根性を出して2着に盛り返した。立派なレースだった。前々走の大阪杯8着は例によって好位追走するも、三分三厘で力なく脱落。本調子になかったか。3走前の有馬記念11着は強行軍のローテが響き、太め残りの上にイレ込んでしまった。速い脚はないが、平均していい脚を使うタイプで、一昨年の有馬記念でディープと小差の競馬をしているように、デキが万全なら通用する力はある。あとは海外遠征明けでどこまで持ち直せるか。

【トウカイトリック】
前走の目黒記念10着は後方を追走するも、終始、手綱のアクションに余裕がなく追っ付け通し。ペースアップした3角ではズブさを見せる。直線で大外に持ち出すも、内へモタれて満足に追えず。昨年暮れから3000㍍以上のレースを使われ続けてきただけに2500㍍のペースに戸惑ってしまった。小柄な馬だが、秘めるスタミナは相当。長距離向きだけに、更に300㍍短縮のここは苦戦必至。雨で時計が掛かれば。

【マイソールサウンド】
往年の力は望めない。展開も向かなくて。

【ローエングリン】
前走のマイラーズC12着はコンゴウリキシオーが作る〝乱〟ペースに惑わされた。スローで尚且、上がりが速く、レコード決着。完全にリズムを崩された。前々走の中山記念1着はロケットスタートから平均ペースの緩みない流れを作り、向こう正面でも緩めない。三分三厘で早めにシャドウゲイトに来られるも、直線で再び突き放す。ハナへ立ってスピードの持続力を存分に生かせた。一時は精神面の脆さからスランプが続いていたが、昨年の関屋記念で出負けして後方からの競馬を試したことが幸いし、控えて息を入れることを覚えた。その甲斐あって、今では前へ行っても踏ん張れるようになった。ここもハナを切れればいいが、如何せん同型が多すぎて。


マーメイドS(GⅢ)回顧

2007-06-18 00:48:30 | 回顧
【馬場】Aコース。開幕週で高速馬場。

12.6 - 10.9 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 11.8 - 11.9 - 12.1 - 12.5 - 12.1=1:58.4

【展開】シェルズレイがハナ。掛かり癖があるだけに、本来なら息を入れる1角から制御できず、11秒6-11秒5-11秒4とグングン飛ばす。ここで後続とは10馬身以上の差。馬場を考えても前半1000㍍58秒0は速い。後続は三分三厘から動き出すも、勝ち馬はインでジッと我慢。仕掛けどころがポイントとなったレース。

 準オープンを卒業したばかりのディアチャンスが、53㌔の軽ハンデと武豊の強烈なバックアップを受けて初重賞制覇を飾った。発走前は鞍の下の発汗が目立つ。だが、レースへ行けばシェルズレイの作る速い流れを5番手でスムーズに流れに乗る。併走していたライラプスが動き出した残り4~3F地点でも慌てずジックリ。インで我慢する。仕掛けを開始させたのは直線に入ってから。先行馬が膨らんでできたインを突く。鞍上の右ステッキに応えてグンと加速。残り1F地点で逃げ馬の外めへ持ち出し、左ステッキが放たれる。この時、内へ寄れてヒヤリとしたが、すぐに左手綱を引いて修正。そこから、もうひと伸びして後続の追撃を封印させた。レース運びに安定感がある。2000㍍も全く問題なかった。

 2着のサンレイジャスパーは発馬で半馬身の出負け。そこから中団やや後ろへ。その後はスムーズに追走し、残り5F地点からジワリと手綱を押して気合いを付ける。残り3F地点では手綱をしごいてミスベロニカに被せに行く。4角では馬体が激突。それに怯むことなく、鞍上から左ステッキが。肉弾戦を制して直線でジワリジワリと加速。勝ち馬には及ばなかったが、得意の暑い時期にきっちりと変わり身を見せた。

 3着のソリッドプラチナムは例によって後方2番手から。ジックリと脚をタメて直線勝負の形。後ろにいたスプリングドリューが進出を開始させた三分三厘でも動かず。鞍上はあくまでも、この馬の末脚を信じる。ギリギリまで追い出しを我慢し、直線は大外へ。前脚をピンと伸ばしたストライドで、グングン加速。猛烈に追い上げるも届かなかった。開幕週の高速決着のなか、よく追い込んでいる。

 ミスベロニカにとってはいい経験となった。発馬直後から掛かり気味に好位を追走。ここで体力を消耗させる。向こう正面でようやく折り合うも、三分三厘で外からサンレイジャスパーに被される。そして、4角では馬体を激突され、更に直線で外からプレッシャーをかけてくる。これでは、キャリア3戦の若駒では太刀打ちできない。先輩・佐藤哲三の洗礼だった。この厳しい競馬を経験したことは、必ずベロニカの今後に繋がってくるはずだ。注目。

阪神10R 三宮特別

2007-06-15 21:57:46 | 見解
阪神10R 三宮特別
◎ビンチェロ

【見解】
前走に引き続きビンチェロを本命視。その白百合S3着は、好発から道中はオースミダイドウの作る緩い流れを好位追走。終始、折り合いもスムーズ。4角ではスーッと痺れる手応えで進出。それは直線での爆発を期待させるものだった。だが、追い出すと激しく内に刺さり、鞍上が懸命に右手綱を引きながらの追い。結局、ゴールまでその状態が続き、消化不良の競馬だった。それでも、勝ち馬からコンマ2秒差なら高く評価できる。前々走のプリンシパルS6着は、4ハロン目で抑え切れずにハナへ立ってしまい、そこで脚を使ってしまう。直線で懸命な粘りを見せるも、ゴール前で脚が止まってしまった。レースへ行って若さが残る現状だが、右回りに替わり、折り合いに不安のないマイル戦になるのは大きな強みだ。単・複勝負。

CBC賞(GⅡ)回顧

2007-06-12 12:40:12 | 回顧
【馬場】Bコース最終週。朝方まで雨が残り、重馬場。内は壊滅状態になり、道中から皆、外を通る。

12.0 - 10.6 - 11.3 - 11.5 - 11.8 - 11.9=1:09.1

【展開】アドマイヤ、ナカヤマ、フサイチが横一線で競る形。内目の馬場が悪く、内、外、離れた展開。三分三厘で後方勢が差を詰め、直線は内からブラック、アグネスが伸び、外からナカヤマ、ミスティックの追い上げ。

 JRAのテレビCMに出演のタレント馬ブラックバースピンが、サラブレットの本業である〝競馬〟で脚光を浴びた。前日からの激しい降雨。雨は上がり、眩いばかりの日差しが照りつけたとはいえ、重馬場。加えて最終週ということもあり、内の馬場は壊滅状態。ほとんどの馬が道中から外目を通るのには納得がいく。しかし、この馬だけは違った。発馬で半馬身出負けすると、鞍上は腹を括って馬場の荒れているインへ。経済コースとはいえ、体力の消耗は激しく、普通の馬ならスタミナ切れするところ。ところが、4角で鞍上のアクションに瞬時に反応。グッと加速し、直線は馬場のいい5分どころへ。ピッチの利いた回転の速いフットワークでグイグイ伸びて半馬身差の勝利。着差は僅かだが、荒れた馬場を通った4角までを考えれると、それ以上の内容だ。ピッチ走法で頭が高くハミに頼った走り。1200㍍がベスト。北海道シリーズも楽しみにさせる内容だ。
 
 ナカヤマパラダイスは道中、11番枠から3頭横並びでハナを争う展開の外を追走。終始、馬場のいいところを通る。直線で右手前に替え、伸びかけたところでFリシャールと接触する不利。そこから逆手前になり、ジワジワと差を詰めて猛追するも僅かに届かず。不利を考えれば惜しい内容だった。

 アグネスラズベリは道中の手綱のアクションに余裕がない。それでも、直線でギリギリ馬場のいい4分どころを頭の高い走法で詰めてきている。荒れ馬場でも難なく克服した。これはDWでビシビシ攻められている成果か。

 ミスティックエイジは勝ち馬とは対照的で大トビのストライド走法。小回り中京の電撃戦はいかにも忙しかった。最後方追走から直線は最大外へ。そこからメンバー最速34秒1の強烈な脚で追い込むも届かず。馬場のいいところを通れた恩恵があるとはいえ、ロスは大きかった。復活しているし、スプリントの流れに慣れれば。

 アルーリングボイスも得意のスプリント戦で復活。道中は後方3番手から直線は馬場のいい大外へ。そこからグイグイ伸びて僅かのところまで差を詰めてきた。骨折明け2戦目は不慣れな条件。やはり、この距離でこそ。まだ、強い攻めができていない現状。坂路でビシビシやれるようになれば。

 ペールギュントはトップハンデの58㌔を背負い、道中は好位の外めを積極的に追走。だが、重馬場が自然と体力を消耗させる。直線入り口では勝ち負け圏内にいたが、伸び切れなかった。上位馬はこの馬より3㌔以上軽かった。仕方なし。

 アドマイヤホクトは好発から楽にハナを奪い、軽快なスピードを見せるも、直線で伸び切れず。爪を痛め復帰が遅れた影響もあったろうし、荒れ馬場も向かなかったか。

 マイネルアルビオンには注目。充実した攻めを積み、デキは万全。最内枠発走から積極的な競馬で先行する。だが、重馬場+荒れた内目を通らされノメる。直線は伸び切れなかったが、4角までの走りは良かったし、本来はもう少し控える。夏競馬に向けてデキは上向いている。

 フサイチリシャールは浅いB着用。手綱を押してハナへ。しかし、小回り中京でコーナーワークにぎこちなさを見せる。直線でナカヤマパラダイスと接触して盛りかえる力は残っていなかった。58㌔で小回り、重馬場と走れる条件はなかった。鞍上も操作し切れていない。

ブリリアントS予想

2007-06-09 09:06:53 | 最終結論
東京11R ブリリアントS
◎ボンネビルレコード

【見解】
地方から転厩3戦目を迎えるボンネルビルレコードを。前走のかしわ記念4着は距離不足のマイル戦でも惑うことなくスムーズに中団追走。三分三厘でズブさを見せるも、最後まで集中して走り続けたことは高く評価したい。坂路調教の効果でトモが逞しくなり、成長が期待できる。今回は実績のある中距離戦になるし、前走でマイルの速い流れを経験できたのも強み。ここは順当に。