中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

中山記念(G2)

2012-02-26 09:27:07 | 最終結論
中山11R 中山記念
◎フィフスペトル
○フェデラリスト
▲ネオサクセス
△トゥザグローリー
×レッドデイヴィス
×ダイワファルコン

 中山1800mの適性を考慮しフィフスペトルを本命視する。前走のマイルCS2着は、シルポートの作る平均ペースの流れを最内枠を利してスッと3番手のインに取り付く。3ハロン目からは手綱をがっちり抑えて手応え十分に追走する。4角の下り坂も慎重し下り直線へ。直線入り口でも手綱は持ったままの絶好の手応え。残り330mから満を持してスパートを開始させる。一瞬の脚でグーンと突き抜けると勝ち馬と馬体を併せて激しい追い比べに。僅かに屈したが、正攻法の強い競馬だった。底力とスッと前々に行ける先行力が武器。3走前の京成杯1着は、縦長の一環したハイペースの流れを好位の外めから追走する。4角からジワッと助走を開始し、外から2着馬に被されるが脚が残っているためグーンと加速して狭いところを突破する。ラスト1ハロンから単独先頭に躍り出ると、最後まで脚色は鈍らず11秒8としっかり踏ん張って差し切った。強い。一瞬の脚を生かすなら中山コースは最適だし、距離延長も全く問題ない。久々でも乗り込みは入念。

 フェデラリストの充実ぶりが凄い。前走の中山金杯1着は、12番枠から好発を決めると、少し気合いを付けて中団を取りに行く。道中はエーシンジーラインの作る緩い流れを中団の外めからの追走。至極スムーズな追走。残り800メートルから外めを通ってスパートを開始させる。直線で末脚を爆発させるための3,4角の助走は申し分ないもの。4角では前を射程圏内に入れ、しかも手応えは抜群。直線を向くと、坂上でスッと左手前に替えてグーンと加速。2着馬は渋太かったが、一瞬の脚で差し切った。前半からゆったりとした追走で脚をタメたれたのは良かった。他馬がトップスピードに入る三分三厘を馬なりのまま加速できるのは脚力の優れている証拠だ。首を水平に使った走りから繰り出す一瞬の脚力が武器。今回は久々に経験する一貫した底力勝負の流れになる。そこで脚を残せるかに課題はあるが、クリアできる能力の持ち主だ。

 ネオサクセスが穴。前走の中山金杯9着は、15番枠から行き脚がつかず道中は離れた最後方からの追走。4角でも馬込みを捌くのに苦労し、直線は大外へ。しかも、仕掛けが完全に遅れエンジンが掛ったのは坂下からだった。前々走のように3,4角で助走できれば一瞬の脚は使える。その意味では少頭数というのは歓迎だし、少し時計の掛る馬場で追い込みでも届くのはプラス。一発ある。

 トゥザグローリーにとって久々の1800mへの対応が鍵となる。近走は中距離を中心に使われ、前走ではかなり前半の行き脚が鈍かった。次走でドバイのレースも控えており、道中は後方から折り合いに専念する形になるだろう。課題の折り合いは問題ないが、シルポートの作る淀みない流れで3,4角でズブさを見せないかの懸念はある。勿論、底力はNO.1・前走の日経新春杯1着は、3番枠からトモに重心が掛り直後に躓いたこともあって出脚は良くない。これは前走の有馬記念が超スローだったことも影響していた。少し気合いを付けて中団へ。少頭数でも行き脚がつかなかったことが幸いし、前に壁を作ることができた。道中は背中を柔らかく使い、それによって首をしなやかに使った収縮の利いた走りでタメを作ることができた。好調時のグローリーが見せる姿だ。流れが緩んだ3角の上り坂は抑えるのに苦労するほどの行きっぷりだったが、それ以外は至極順調。4角の下り坂も慎重に下る。4角で接触するアクシデントはあったが、動ずることはない。直線で馬場の3分どころに持ち出し、満を持してスパートを開始させる。斤量差もあってか、スパッとは突き放せない。残り100メートル地点で馬体を併せ、最後は地力の違いで差し切った。鞍上の福永が完全に手の内に入れている。前々走の有馬記念3着は、発馬を決めてスッと先団へ。前走のジャパンCが前に壁を作れずに掛っているだけに無理に手綱を押すことなく、1周目の4角で意図的にグッと抑えてポディションを落とす。その後も手綱をグッと抑えて1角では後方までポディションを下げる。戦っている相手はまさに己といったレース運び。向こう正面では顎をグッと下げた首をしなやかに使った走りをする。これは前走のジャパンC時には見られなかったもので、収縮の利いた走り。3,4角は外めに持ち出すのではなく馬込みのなかに突っ込んで行く。直線入口では前にびっしりと壁ができて進路はない。坂下で左手綱を引いてオルフェーヴルの外めに進路を見出す。他馬も脚を温存した瞬発力勝負の流れで狭いところを割ってこれるのは一瞬の脚力が優れていないとできない芸当だ。ここで右手前に替えるとステッキに反応してグングン加速。ゴール前で左手前に替えてもうひと伸びするも、僅かに届かなかった。最後の末脚は勝ち馬を凌ぐものだったし、勝ち馬より頭ひとつ分重心の高い走りをしながら伸びるのだから大したものだ。


フェブラリーS(GI)回顧

2012-02-20 00:34:12 | 回顧
12.2 - 10.9 - 11.6 - 11.9 - 12.1 - 12.4 - 12.0 - 12.3=1:35.4
(34.7-24.0-36.7)

苦労に苦労を重ねテスタマッタが悲願のGIタイトルを手にした。大外16番枠発走。好発を決めて鞍上の岩田は無理に出して行くことなく馬任せで馬群の最後方に取り付く。折り合いに課題のある同馬にとり、何よりも前半の走りが命運を握る。案の定、行きたがる素振りを見せ岩田が立ち上がって抑えるほど。3,4角も立ち上がり懸命になだめる。幸い前に壁を作ることに成功し、タメはできた。4角から直線にかけて大外へ持ち出すと、鞍上の左ステッキに応えてグングン加速。バテた先行馬を楽々と捕える。ラスト1ハロン手前から単独先頭に躍り出ると、そこからもうひと伸び。メリハリのある競馬で初のタイトルを手にした。一時はオープン特別でも足踏みするほどスランプに陥ったが、鞍上の岩田が最大限の能力を引き出した。

 末脚鋭いシルクフォーチュンは発馬で行き脚がつかず最後方からの競馬。鞍上の藤岡康は無理に挽回することなく馬任せでの追走。フォーチュンの特性を熟知した好騎乗だ。もし焦って急がせたらガツンと掛ってなし崩しに脚を使わされただろう。流れの落ち着いた3角から馬群の最後方まで取り付く。直線で大外へ持ち出すと、グングン加速。一気の末脚で伸びる。最後は勝ち馬と脚色になってしまったが、持ち味をフルに発揮した。

 ワンダーアキュートは12キロ増。長距離輸送でどのくらい馬体減りがあるのか分からない中での調整。陣営としても苦労しただろう。以前なら長距離輸送でイレ込んでいたが、前走の東京大賞典時からホライゾネットを着用したことで落ち着いていた。歴戦のマイラーが揃ったGIだけに好発を決めて手綱を押して出してくが、好位に取り付くのが精一杯。道中は中団からの追走で終始、手綱は動いていた。直線で大外へ持ち出し懸命に末脚を伸ばしたものの、後方待機組2頭にあっさりと交わされた。流れを考えればもう少し後ろからでもよかった。追走に脚を使わされる展開のなかで末を伸ばせたのは収穫だし、充実している証拠。やはり1800m以上向きであるのは確か。

 ダノンカモンはひと叩きしてグンと上向いていた。得意の芝部分での発馬で好発を決めると、前半から速いラップが刻まれる中、楽に好位の外めへ。3角からは外から押し上げて行くトランセンドを目標にしがらの追走。直線を向いて持ったまま前のトランセンドの出方を窺う。だが、トランセンドが予想以上にモタつく。残り350m地点から見切りを付けて追い出しを開始するが、すぐに外から出し抜けを食らう。そこから懸命に末脚を伸ばすが、追い比べで見劣ってしまった。早めに抜け出すとソラを使う分、追い出しを我慢せざるを得なかったしトランセンドのズブさは誤算だった。もう少し前半から緩いペースで流れ、早めにトランセンドが抜け出す展開が理想だった。目標にされた分、難しかった。


 エスポワールシチーは好発を決めて先行争いに加わったが、武豊が無理に抑え過ぎた。好位の馬込みからの追走になり、4角でもゴチャついて頭を上げていた。直線を向いても狭いところに入り追い出しを我慢させる。残り350mから追い出しを開始させるも、ジリ脚で伸び切れなかった。エスポワールシチーの良さはスピードの持続性だ。控えてメリハリのある競馬で末脚を生かすタイプではない。確かにレースは先行馬には厳しい展開だったが、それでも持続性を生かすべきだった。残念だ。

 タガノロックオンは平安Sで折り合いの不安を露呈。この日も道中はハミにモタれて力みながらの追走。それでも、我慢は利いていた。タメが利いた分、直線はジリジリと伸びた。

 1番人気のトランセンドは予想以上のズブさ。確かに160mはベストではないのは確か。行き脚がつくのに時間が掛るのは想定どおりだったが、それ以上にズブかった。2ハロン目の途中から好位に取り付いたが、3角から手綱は動き4角は重心の高い走りで推進力がない。その分、直線は伸びることができず馬群に沈んだ。年齢を重ねたことでズブさが増したか。

フェブラリーS(GI)予想

2012-02-19 11:42:27 | Weblog
東京11R フェブラリーS
◎トランセンド
○ダノンカモン

ワイド 11-15 一点勝負

 連覇を目指すトランセンドを本命視する。マイル戦では行き脚がつくのに時間を要するタイプだが、15番枠なら揉まれずに内の出方を見ながらハナを奪える。エスポワールシチーがガンガン飛ばし、3ハロン目からようやく息を入れられた昨秋の南部杯。本来なら3,4角で脚をタメたいところだったが、エスポワールに息を入れさせてもらえなかった。本来なら馬群に沈むケース。実際にトランセンドは直線でズブさを見せて一旦はダノンカモンに交わされる。だが、そこから粘り腰を見せて差し返したのだ。抜群の勝負根性と二枚腰。今回も同じエスポワールシチーとの兼ね合いがポイントになるが、武豊鞍上なら南部杯のような超ハイペースは考えづらい。すんなりとハナに行ける公算は高い。久々になるが、中間はポリトラックで山のように攻め馬を積み、質、量ともに申し分ない。最終追い切りは坂路でサッと流す程度だったが、馬場が重かったのであんなものか。連覇へ。

 抜け出すとフワッとするダノンカモン。今回は前々にトランセンド、エスポワールシチーという絶好の目標がいる分、競馬はしやすい。芝部分のスタートは得意とし、行き脚は抜群。3,4番手から競馬ができる。前走の根岸Sは馬込みに包まれ、直線で出したい時に出せなかった。中2週になるが、2週続けてコースで長めから追われて攻めを強化。悲願のタイトルはすぐそこ。
 

ダイヤモンドS(GⅢ)予想

2012-02-17 16:55:23 | 最終結論
東京11R ダイヤモンドS
◎トウカイトリック
○オウケンブルースリ
▲コスモヘレノス
△マイネルキッツ
×スマートロビン
×ギュスターヴクライ

 復調気配を感じるトウカイトリックで高配当を狙う。前走の万葉S6着は、発馬から気合いを付けて中団のインを取りに行く。1周目の正面スタンド前まではリズム良く運べたが、1角では空馬に絡まれて位置取りは悪くなり、勝負どころでも空馬の影響はあった。前々走のステイヤーズS3着は、発馬で行き脚がつかず最後方からの追走。道中は離れたところから折り合いに専念する形。2周目の1角から気合いを付けて馬群の後ろまでポディションを上げる。向こう正面から勝負どころにかけてはインに潜り込む。直線で外めに持ち出すと、先に抜け出した1,2着馬には届かなかったが、最後まで集中して伸び続けた。とにかく折り合いに不安はなく、距離は延びれば延びるほどいいタイプ。坂を2回上る府中3400mのスタミナ勝負は歓迎。前走同様に発馬を決めて前半からある程度の位置で折り合いに専念できれば長くいい脚を使える。何より気配が絶好だ。今週の坂路では馬場が重かった影響で時計は平凡だったが、ゴール前でステッキを入れられると力強いフットワークでグイッと先着。最後まで集中した走りを見せてくれた。鞍上は頼もしい石橋脩。

 オウケンブルースリの前奏ジャパンC10着は、発馬で行き脚がつかず1角で鞍上が立ち上がるほどの大きな不利があった。レースも前半から超スローペースでズブい同馬にとっては辛い展開となってしまった。最後は大外へ持ち出して伸びてはいるものの、位置取りと展開に泣いた。攻めの良さが実践に生きるタイプ。今週の坂路では馬場が重かった影響とレッドデイヴィスとの併走だったため遅れたが、首を上手く使いスナップの利いた走りでいい頃のブルースリの走りだった。腰の状態は良いのだろう。距離は延びれば延びるほどいいタイプで、この距離ならじっくりと構えて長くいい脚を使える。久々でも力を出せる仕上り。

フェブラリーS(G1)徹底研究!

2012-02-15 15:17:18 | 見解
トランセンド
前走のジャパンCダート1着は、16番枠から気合いを付けてハナを奪いに行く。やや強引だったため1角の入りで他馬に迷惑を掛ける。2角からは一気にペースを落とす。道中は終始、内へモタれて首を外へ向けていた。勝負どころからは舌がハミを越し、外からエスポワールシチーに競りかけられる。直線を向き、他馬を振り切って突き放す。最後は脚が止まりながらも逃げ切った。道中でペースを落とせた割にはラスト1ハロンは13秒2を要し、勝ち時計も平凡。評価はしづらい。前々走のJBCクラシック2着は、発馬から無理することなくジワッと2番手に取り付く。無理にスマートファルコンに競りかける意思はなかった。道中は3,4馬身離れた2番手からの追走。向こう正面に入ってもペースを緩ませることのない一貫した流れ。これを離されずに追走する。3,4角で早くも手綱が動いてズブさを見せる。4角ではステッキが入り、スマートファルコンに突き放されてしまう。一時は5馬身の差を付けられたが、最後まで粘り強い脚を発揮して迫る。僅かに及ばなかったが、底力のある脚を見せた。3走前の南部杯1着は、エスポワールシチーが作るハイペースの流れを押して押しての先行策。2ハロン目に突入しても手綱の動きは忙しい。ようやく3ハロン目から落ち着く。2番手に取り付いたが、エスポワールシチーは3角から4角にかけてペースを落とそうとしない。その分、4角から手綱が動き始め、直線はダノンカモンに被されて馬群に沈みかけてしまう。だが、ラスト1ハロンから驚異の粘りを見せて盛り返す。最後まで諦めない走りで差し切った。芝のスタートは得意ではないし、マイルではハナに立つのに時間が掛る。ベストは1800m。2番手からでも競馬はできるし、何より粘り強い。ズブさを見せても最後は必ず伸びてくる。二枚腰が武器。ここもトウショウフリークの出方次第だが、ハナにこだわるだろう。ひと息入ったが、長めから意欲的に追われて乗り込み入念。

ワンダーアキュート
前走の東京大賞典2着は、不得手の長距離輸送でも落ち着きを見せていた。4番枠から気合いを付けての先行策。スマートファルコンの作る淀みない縦長のラップを積極的に追走する。3,4角はファルコンから2馬身圏内を追走し、直線へ。左手前に替えてから一完歩毎にジワリジワリと迫り、残り100mからは馬体を併せ、ゴール前は激しい首の上げ下げに。差し切ったかに見えたが、ハナ差及ばず。正攻法の競馬で勝ちに等しい内容だった。前々走のジャパンCダート2着は、発馬で躓きあわや落馬寸前。その後の行きっぷりも今ひとつで、道中は後方のインに取り付く。3,4角では馬込みに包まれて最後方近くまでポディションを落とす。外めに持ち出すこともできず、直線は馬群のなかに突っ込む。ラスト1ハロンから左ステッキに応えて馬群を縫うように伸びる。勝ち馬には突き放されたが、ゴチャつきながらも最後まで伸びた点は評価できる。スッと先行できて長く脚を使える。課題は久々のマイル戦に対応できるかの点。引き続き長距離輸送だけに当日の落ち着きもポイントになる。

エスポワールシチー
前走の平安S2着は、久々だったがほぼ仕上がっていた。15番枠から少し気合いを付けて先団へ。本来ならもうひとつ前のポディションを取りたかったが、この枠では仕方なし。1角からは4番手の外めに取り付く。向こう正面で3番手までポディションを上げ、3角までは手応え十分に運ぶ。だが、4角での反応が鈍い。ハミを掛け直されても反応が鈍い。直線を向き、懸命に手綱をしごくも勝ち馬との差は縮まらない。最後は脚が止まってしまい、勝ち馬に突き放され後続にも迫られた。前哨戦として及第点だろうが、GIを意識するなら物足りない内容だ。前々走のジャパンCダート3着は、6番枠から気合いを付けて先団へ。外のトランセンドがハナを主張したために1角からは手綱を抑えて2番手に落ち着く。レースは向こう正面で流れが落ち着き、3角からペースアップする流れ。3角からトランセンドに競りかけていき負かしに行く。だが、直線入口での反応は鈍く、手前を替えてからの完歩が小さく突き放されて最後は2着馬にも差された。身のこなしの柔らかいフットワークから繰り出すスピード性能が武器。スピードの持続性を生かすには府中のマイルは歓迎だ。だが、ここ2走は完歩の小ささが目立ち、追ってからの反応は今ひとつ。1週前追い切りでは武豊を背に坂路で追われたが、完歩の小ささが目立った。


ヒラビクキング
前走の平安S1着は、久々の実践になったが、最終追い切りで抜群の動きを披露。仕上がっていた。脚抜きの良い不良馬場で、発馬後すぐに迎える1角。11秒9-11秒2という速いラップが刻まれる。これを少し気合いを付けただけでスッと2番手に取り付く。気合いを付けながらだった前走とは違い、楽に良い位置を取れた。向こう正面に入ってもレースの流れは緩むことない。ヒラボク自身は気合いを付けながらの追走。再びペースの上がった3角からはズブさを見せる。4角からはエンジンが掛り、手応えを残したまま勝ち馬に馬体を併せる。直線で大きなフットワークで逃げ馬を捕え、単独先頭に躍り出る。外からエスポワールシチーが猛然と追い込むが、自身も簡単にはバテない。最後は2着馬の脚色が先に鈍り、突き放した。向こう正面でも息の入らない厳しい流れを先行し、4角で自ら動いてねじ伏せる横綱相撲。しかも、直線では2着馬をも突き放した。強い。初のマイル戦で久々の左回り。課題は多い。それでも、スッと先行できるスピード性能と追ってからひと脚使える点は魅力。大きなフットワークだけに広い府中向きだし、何より今の充実ぶりが凄い。大型馬だけに叩いた効果は絶大だし、1週前追い切りも文句なし。伏兵とは呼ばせない。

グランプリボス
はこの中間からコース追いを敢行し攻め強化。デキは急上昇していた。16番枠から煽り気味の発馬で行き脚はつかず。直後に手綱をしごいて中団の外めからの追走。3角で故障馬の煽りを受けて少し手綱を引っ張るシーンはあった。3角は中団の外めを絶好の手応えで立ち回る。4角から直線にかけて馬場の5分どころへ持ち出す。一瞬の脚で一気に突き抜ける。坂上で先頭へ立ったところで内へモタれるも伸びは鈍らない。最後は首の上げ下げで僅かに屈したが、強い競馬。3角で不利を受け、大外を通って自ら勝ちに行く内容だった。コース追いを敢行したことでデキは急激に上昇していた。1週前追い切りでもポリトラックコースで豪快な動きを見せてくれた。問題は初ダートへの適性。これに関しては前脚をたぐるようなフットワークをしており適性はありそうだ。

テスタマッタ
前走の根岸S3着は、3角手前までは我慢できていたが、3角がガツンとハミを取ってしまい、そこから外めを通ってモロに掛った。それでも、直線は大外から最後まで伸びて勝ち馬とは小差。負けて強しの内容だ。前々走の東京大賞典3着は、発馬後に手綱を引っ張り、その後は馬任せでスーッと先団へ。完璧に折り合って理想的に1角へ入れた。向こう正面でもぴたりと折り合い、スマートファルコンに競り勝ていく。直線は上位2頭にスッと引き離されてしまい、自身は伸びずバテず。折り合い面の課題を克服できたが、この内容を見る限り2000mは長い。3走前のジャパンCダート12着は、発馬で気難しさを出して最後方からの競馬。2角までは我慢できたが、向こう正面でレースの流れが緩むと、ハミをガツンと噛んでモロに掛ってポディションを上げてしまう。その分、4角で手応えがなくなり直線は馬群に沈んだ。4走前の武蔵野S7着も、テンから頭を上げてモロに掛ってしまった。一にも二にも折り合い次第。気分良く運べれば最後は強烈な決め手を発揮できる。その意味ではGIの激流は歓迎。マイル向き。

ダノンカモン
前走の根岸S5着は、中団馬群からの追走。道中は前に壁を作って折り合いに専念する。直線を向き、外めに持ち出そうとするも、びっしり被されて出口がない。残り250mから馬場の3分どころに進路を見出し追い出しを開始するも、上位馬には届かなかった。動きたいときに包まれたのは痛かった。砂をかぶっても集中力を切らさなかったのは収穫だ。前々走のジャパンCダート5着は、スッと好位の外めに取り付くも、向こう正面で流れが落ち着いたために馬群の外めを通らされる。4角で早くもステッキが入るが反応は鈍い。直線を向いても反応は鈍く、伸びずバテずだった。距離が長かったか。3走前の武蔵野S2着は、好発を決めて先団へ。頭を上げてフワフワする場面もあったが、順調な道中。直線を向き、一旦は突き抜けたがゴール前で末が鈍って差されてしまった。4走前の南部杯2着は、好発を決めてスッと先団へ。前2頭が飛ばしたために無理することなく好位の外めに落ち着く。3角から外めを通って早めに進出を開始させると直線入口では前を射程圏内に入れる。直線を向き、首を水平に使ったフットワークでグンと伸びる。ラスト1ハロン過ぎから外へ膨れたことで末が鈍り、手前を替えて懸命に粘りを見せるが、勝ち馬に差し返されてしまった。芝のスタート部分を得意とし、府中マイル戦なら前走よりいい位置を取れる。抜け出すと気を抜く分、前にトランセンド、エスポワールシチーといった目標がいるのは歓迎。気を抜かなければ。

シルクフォーチュン
前走の根岸S1着は、例によって最後方からの追走。道中はじっくりと末脚を温存させる。しっかりとタメて直線は大外へ。一完歩毎に回転の速いフットワークでグングン加速。ゴール前できっちり差し切った。3走前の武蔵野S9着は、スッと後方に下げる。3角手前までは少しハミを噛んで掛り気味。発馬が安定しないし、追い込み一辺倒で他力本願なタイプだが、南部杯のように発馬を決めれば馬込みからでも追走できる。テンにある程度脚を使っても終いを生かせるのは南部杯で証明済み。GIの速い流れは歓迎だ。

トウショウカズン
左回りだと外にモタれる面がる。前走の根岸S2着の直線も、外へモタれるのを矯正しながらの追いだった。前々走の大和S1着は、直線でアドバンスウェイに被され、残り1ハロン地点まsで追い出しを待たされた。更に逃げ馬も壁になって、まともに追えたのは正味50m。それで差し切ってしまうのだから地力は高い。スッと先手を取れるスピード性能が武器。1400mを掛り気味に先行するタイプで1ハロンの距離延長は鍵になるが、GIの速い流れは歓迎。

共同通信杯回顧(G3)

2012-02-12 23:48:24 | 回顧
12.9 - 11.9 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.1 - 10.9 - 11.0 - 11.7=1:48.3

(37.3-37.4-33.6)

ゴールドシップは3番枠から気合いを付けてポディションを取りに行く。鞍上としてはイン有利の馬場とスロー必至のメンバー構成でディープブリランテが先行している以上、テンから置かれたくはなかった。その甲斐あって4番手のインを取れたものの、出して行っている分だけ行きたがる素振りを見せる。それは許容範囲の程度だったし、ペースアップした4角からはむしろズブさを見せる。坂上で右ステッキが連打されても反応は鈍い。ようやくラスト1ハロンからエンジンが掛るとグングン加速する。ゴール前で左手前に替えてもうひと伸びすると、どこまでも突き抜けそうな手応えを残しながらフィニッシュした。ペースを考えれば、いつもどおり後方に構えていたら間違いなく差し損ねていただろう。鞍上のファインプレーだ。

 ディープブリランテは残念な結果となってしまった。2番枠から3,4度手綱をシェイクさせて先手を奪うと、今度は手綱をがっちり抑えてペースを落とす。先行馬不在のメンバー構成なだけに自然とハナに立たされ、前に壁を作れずに掛ってしまう。3角までは行きたがる素振りを見せて力む。4角からハミを取り自然とペースアップすると、直線は大きなフットワークで一旦は後続を突き放す。だが、ラスト1ハロンからテンに掛った代償で脚色は鈍り、勝ち馬にあっさりと差されてしまった。大トビで行きたがる気性で、それほど瞬発力はないタイプと見る。いかにもパワータイプ。行きたがる気性は事前に把握しているのだから、何故発馬後に手綱を押したのか?先行馬不在でスローは必至なだけに、押せば掛るのは分かっている。出して行っているのなら中途半端に抑えず、飛ばして後続になし崩しに脚を使わせる手もあった。折り合いを意識するなら、発馬後に手綱を押すべきではなかったし、意図的に発馬を遅らせる手もできた。岩田の手綱から明確な意思を感じ取ることができなかった。

京都記念(G2)回顧

2012-02-12 23:09:33 | 回顧
12.6 - 11.7 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.2 - 12.4 - 12.0 - 11.3 - 11.8 - 12.4=2:12.4

(36.3-60.4-35.5)

厳寒期の淀。一度も緩むことのない一貫した流れを押し切ったのはトレイルブレイザーだった。3番枠から好発を決めると、スーッと馬任せで3番手に取り付く。前2頭が飛ばし、緩むことのない一貫した流れ。向こう正面では馬場のいい外めへ誘導する。3角で一旦はインに潜り込むが、4角からは外めへ持ち出して早めにスパートする。4角で堂々先頭に躍り出ると、直線は有力どころを置いて突き放す。ラスト1ハロンから2,3着馬が外から迫るが、ラスト100mから右手手前に替えてもうひと踏ん張り。ゴール前は2着馬よりも脚勢は上回っていた。鞍上としては、瞬発力勝負だけは避けたかったための早仕掛け。厳しい流れを正攻法で押し切ったのだから強いのひと言。底力勝負は望むところだ。天皇賞が楽しみになった。

 ダークシャドウにとっては先々が不安になる内容だった。1番枠からコーナーワークを利して1角からは4番手に取り付く。レースは2角からも緩むことなく縦長の淀みない流れ。実績のない距離だけに道中は手綱をがっちり抑えて控える競馬。そのため、勝ち馬が積極的に運ぶ3角手前でも手綱を抑えてポディションを落とす。4角からジワッと進出を開始させるが、外へ膨れ気味で右手綱を引きながらの誘導で馬場に脚を取られてトモを滑らせるシーンもあった。その分、直線は思ったほど弾けずゴール前は勝ち馬と同じ脚色になってしまった。折り合いに気を使う分、2000m以下のほうが競馬はしやすい。

 ヒルノダムールは久々を叩いて16キロ馬体を戻してきた。大外枠発走から馬任せ。1角から内に潜り込むことができず、道中はずっと外めを通らされた。最後方でジッと我慢し、仕掛けたのは4角から。直線入口で一旦は2着馬に馬体を併せ、ラスト1ハロンまでは競りかける。だが、そこから苦しくなって手前を替えてしまい、頭が高くなってしまった。58キロを背負っていた分もあるだろうが、物足りない内容。

 トーセンラーは久々で万全のデキとまではいかなかった。道中は馬任せで後方から。グンと重心を沈めた低い走りで脚をタメる。4角の下り坂からジワッと仕掛けを開始するが、バテた馬を捌くのに手間取り、手綱を引っ張るシーンがあった。そこで減速したのは痛かったし、直線も伸びずバテず。休み明けと不利はあったものの、物足りない内容。

京都記念、共同通信杯

2012-02-12 07:51:15 | 最終結論
京都11R 京都記念
◎ダークシャドウ
○ウインバリアシオン
▲ヒルノダムール

 瞬発力、底力勝負、どしらも対応できるダークシャドウを狙う。前走の天皇賞2着は、直線で前が詰まり手綱を引っ張る大きなロスがあった。その分、勝ち馬に外から早めに抜け出され最後は狭いところに入って馬も嫌気を差していた。負けて強しの一戦。今回は1ハロンの距離延長になるが、折り合いに不安のあるタイプではないし、じっくりと構えれば問題ない。久々になるがこの中間は3週続けて負荷の掛るウッドで5ハロンから意欲的に追われてきた。元々体質に弱いところを抱えているタイプだけに、ビシビシ攻められている点には好感が持てる。


東京11R 共同通信杯
◎ストローハット
○ディープブリランテ
▲ゴールドシップ
△コスモオオゾラ

 ディープブリランテにとってここが試金石。ここは先行馬不在でスローペース必至。依然として折り合いに課題を残し、前に壁を作るのは難しい。大きなフットワークで大物感は感じるが、デビュー戦でスローペースで運びながらラスト1ハロンを12秒5も要したのがどうしても引っ掛かる。

 スロローハットの前走は久々で10キロ増。ハミにモタれるところがあり、中団のインからロスなく運びながら伸び切れなかった。ひと叩きして1ハロンの距離短縮で前々走の脚力を再現できれば。



京都記念(GI)展望

2012-02-08 21:52:57 | 見解
ヒルノダムール
前走の有馬記念6着は、久々で乗り込みは入念だったが、馬体を戻しながらの調整で466キロ。ベストより少し細かった。下見どころでは少し気負っていた。3番枠から好発を決め道中は後方のインからの追走。歴史的な超スローペースでも道中の折り合いは完璧。前を行くブエナビスタを徹底マークする。だが、マークしていたブエナビスタが3角でまさかのズブさを見せる。ヒルノ自身もここで手綱をしごいてスパートを開始させるも、馬込みに包まれて動くに動けない。直線を向いても捌きに苦労し手綱を押しては引く形。ゴチャついたままゴール版を迎えてしまった。勿体ないレースとなった。昨春の天皇賞・春1着は、中間はレコード駆けの反動を見せることなく1週前に7ハロンから意欲的に追われ、最終追い切りは坂路で抜群の動きを見せ、デキは最高潮だった。レースでは2番枠からスーッと好発を決め、馬任せで先団へ。直後に迎えた下り坂を慎重に運ぶ。一つ目の難関をクリアすると、その後は好位のインで脚をタメる。正面スタンド前から入れ替わりの激しい流れになるも、気にせずヒルノのリズムを第一に考えて自然とポディションを下げる。ここでの判断が最後に勝利を大きく引き寄せることになった。経済コースをぴったりと立ち回り、3角手前で少し気合いを付けてポディションを上げるも、一気には行かせず再び手綱を抑える。3,4角の下り坂で仕掛けたくなるところだが、手綱はジッと持ったまま。4角で満を持してスパートすると直線は馬込みを割って抜け出す。バテた先行馬を交わしたところで2着馬に猛追されるが、そこで右手前に替えてもうひと踏ん張り。ゴール前で馬体を併せられたが、そこから粘りに粘って押し切った。凄い勝負根性だ。馬の力も素晴らしいが、鞍上のペース判断が素晴らしかった。追って頭が高い分、長く脚は使えないが一瞬の末脚はかなりのもの。折り合いにまったく不安がないタイプでインで脚をタメて一瞬の脚を生かせれば。

ダークシャドウ
前走の天皇賞2着は、中2週の間隔の詰まったローテーションを懸念されたが、叩いて上向いていた。7番枠からそれほど出脚は良くなかったが、直後に気合いを付けて中団を取りに行く。道中はブエナビスタの外に位置し、超ハイペースに戸惑うことなく、むしろ掛るくらいの行きっぷり。前走とは違い、レースの流れに乗って自ら勝ちに行く正攻法の競馬。残念だったのは4角から直線にかけての入口。前のミッキードリームとトゥザグローリーの間のスペースは空いていたが、ベリーはミッキーとアーネストリーの間の進路を狙う。このスペースはミッキードリームに締められる形となり、行き場をなくしたシャドウは手綱を引っ張りバランスを崩す大きな不利を受ける。そこから立て直して大外へ持ち出すロスも発生する。結果として外のトーセンジョーダンに出し抜けを食らう形となり、ゴール前はトゥザとトーセンの間の狭いスペースを割る。最後はステッキに反抗して尾を振っていたように馬自身も相当なストレスを感じる競馬になった。着差が着差だけにもったいないレースだった。負けて強し。毎日王冠1着は、久々になるが、この中間は負荷の掛るWコースで入念に乗り込まれ下見どころでは身のこなしの柔らかい姿が目に付いた。今春のエプソムC時は大阪杯激走の反動で腰に不安を抱え、負荷の少ないポリトラックでしか追えなかったのとは雲泥の差だ。レースでは発馬後から無理することなくスッと後方に控える。レースの流れは超スロー。これを道中は後方3番手から追走する。気負うことなくリラックスした追走姿で鞍上との呼吸はピタリ。3,4角でも流れは一向に速くならなかったが、鞍上は無理することなくジッと我慢する。直線を向いて右手綱を引いてシンゲンの外めに進路を求める。だが、外のミッキードリームに締められる。立て直して追い出すと坂上で今度は前のアクシオンがフラついたために一瞬手綱を引っ張るシーンはあった。正味1ハロンから追い出しを開始した時にはまだ中団より後ろ。そこからグーンと豪快な末脚で差し切った。底力、瞬発力勝負、どちらでも対応できる決め手を持つ。元々、体質の弱いところはあるが、この中間はウッドで入念に乗り込まれ体調面での不安はない。

ウインバリアシオン
前走のジャパンC5着は、下見どころで例によって落ち着き十分の周回。12番枠から例によって手綱をがっちりと抑えて後方に控える。折り合いが付き、外めを通りながら脚をタメる。3角で流れは緩み、馬群がギュッと凝縮したところで外めを通って一気に捲る。残り900㍍付近から先頭に並びかけると、4角から11秒2-11秒0と一気にレースのピッチは上がる。坂上で逃げ馬を突き放して単独先頭に躍り出たが、最後はさすがに脚が上がってしまった。3角から一気の脚を使い、さらに4角からは11秒2-11秒0-11秒6(推定33秒8)の脚を使っている。それでいてラスト1ハロンも大きくバテずに粘ったのだから強いのひと言。長く脚を使っている。前々走の菊花賞2着は、下見どころではリラックスした姿で馬体を大きく見せ、デキの良さを窺わせた。レースではトモに力が付いたことで発馬を決めたが、無理することなくスッと控えて最後方に控える。安藤勝の腹を括った騎乗。道中の折り合いは完璧で、大きなフットワークで気持ち良さそうに追走する。3角の上り坂でレースの流れが極端に緩み一気に馬群は凝縮して自然と前とのポディションを縮める。ここでも安藤勝の手綱は持ったまま。4角で馬場の3分どころに進路を求め、初めて手綱が放たれる。直線入口でバテたベルシャザールを捌くのに少し苦労したが、そこからは一完歩毎にグイグイ伸びる。勝ち馬の派手な瞬発力には敵わなかったが、長くいい脚を使って追い込んできた。脚長でトモがパンとした今は折り合い面にまったく不安はない。一瞬の脚力は相当なもの。

トレイルブレイザー
前々走のジャパンC4着は、スッと3番手のインに取り付く。終始、インの経済コースを立ち回るロスのない競馬。道中の折り合いもスムーズで3角からウインバリアシオンが動いた時も無理に追いかけない。直線もインを突き、少し待たされるところはあったが、前が開いてからは伸びずバテずといった感じで4着に入線した。スパッとは切れないが、首を水平に使った重心の低い走りでバテないスタミナはある。本来は4角で早めに動いて粘り込みを図りたかった。前々走のアルゼンチン共和国杯1着は、11番枠からスーッと好発を決めて馬任せで1角からは好位に落ち着く。道中はスムーズな折り合いを見せ、レースのピッチが上がった3角から余裕十分の手応えのまま進出を開始する。4角からは馬群の外めを通らされる。直線の坂上から早々と先頭に立つ。一頭になってもフワッとすることなくしっかりと駆け抜け、GI馬オウケンブルースリの猛追を凌いで押し切った。残り6ハロンから速くなる持久力勝負の流れを正攻法で押し切る強い競馬だった。55㌔のハンデも向いたが、底力を感じさせる強い競馬だった。33秒台の瞬発力勝負になると厳しいが、スッと先行して長く脚を使えれば。早め早めの競馬で押し切りたいところ。

トーセンラー
前走の菊花賞3着は、この日は8㌔増。小柄な同馬にとって心強い材料だった。レースでは1番枠から気合いを付けて中団を取りに行くが、行き脚がつかず後方の位置取りに。最初の下り坂では、少し下の緩い最内を避け、3分どころを通る。正面スタンド前では前のオルフェーヴルの後方にぴったりと張り付き、徹底マークする。3角手前で一瞬、手綱が動いてズブさを見せるが、すぐに落ち着く。下り坂から大外へ持ち出し、いつでも仕掛けられるポディションに移る。オルフェーヴルと共に4角で早めに動いて行くが、馬なりでポディションを上げた勝ち馬に対し、ラーは手綱を動かしても一瞬にして3馬身の差を付けられてしまう。直線はジリジリと伸びて何とか3着を確保した。自ら勝ちに行く強い競馬だったが、4角での動きが勝ち馬との地力の差を印象付けた。前々走のセントライト記念2着は、久々の実践でも走れる態勢は整っていた。2番枠から気合いを付けて中団を取りに行くが、ゴール版前でゴチャついてしまう。1角では外に膨れるロスもあった。その後は縦長のハイペースの流れを中団のインから脚をタメる。3角から馬場の3分どころへ持ち出し、助走を開始させる。大トビで不器用なタイプ。小回りの中山で外へ膨れて思うほど加速できない。直線でインを突くとスパッとは切れずジリジリとしか伸びなかった。広い京都外回りコース向きで、じっくりと構えれば昨冬のきさらぎ賞のように切れる脚を使える。

きさらぎ賞(G3)回顧

2012-02-05 23:25:47 | 回顧
13.1 - 11.5 - 11.9 - 12.5 - 12.7 - 11.6 - 11.3 - 11.3 - 11.1=1:47.0
(36.5-36.8-33.7)

ディープインパクトを彷彿とさせる大きなフットワークで断然人気のワールドエースがクラシック戦線に名乗りを上げた。9番枠からスッと馬任せで後方に控える形。前走は折り合いを欠いただけに、前半は前に壁を作って折り合いに専念する。超スローだけに行きたがるところを見せたのは当然で、許容範囲。4角の下り坂から外めを通ってジワッとポディションを上げて行く。直線も大外へ持ち出すと、右ステッキが1発入った際に外へ膨れる。すぐに立て直して左手前に替えるとそこから楽な手応えでグーンと加速。前脚を大きく投げ出すフットワークで一気に突き抜ける。最後は2着馬に詰め寄られるも、余力残しで差し切った。ディープブリランテ、ジョワドヴィーヴルとディープ産駒に共通する前脚を大きく投げ出したフットワークは大物の証。まだキャリア3戦で折り合いに不安を残すが、一戦毎に抑える競馬を覚えさせる過程は昨年の3冠馬オルフェーヴルと同じ。今後が楽しみだ。

 ヒストリカルは発馬で両サイドの馬と接触した。ここでガツンと掛ってもおかしくなかったが、後方で抑えることに成功した。道中は離れた後方から追走する。4角で手綱をしごいてスパートを開始するもズブさを見せてワールドエースに離されてしまう。直線で大外へ持ち出すと左ステッキに反応したグンと加速。一瞬の切れで3着以下を突き放したが、勝ち馬には及ばなかった。馬込みに入れない気性は今後の課題。

 ベールドインパクトは発馬後に2,3回気合いを付ける。その後は手綱を抑えて内の出方を見ながらの競馬。スローの流れで大外枠発走のため前に壁を作れない。4角の下り坂で抑え切れない感じで先頭に並びかける。直線でスッと左手前に替えて抜け出す。上位2頭の決め手にあっさり屈し、最後はバテて脚が止まってしまった。メリハリのある競馬をしたいところ。

 ジャスタウェイは道中で舌がハミを越していたし、フワフワして集中力を欠いた。その分、仕掛けてからズブさを見せていたし、左手前に替えてからは内へモタれた。叩いて集中力が増すことに期待したい。

 ローレルブレットはズブさのあるタイプで瞬発力勝負は不得手。流れを見越して鞍上は積極策に出た。京都外回りの瞬発力勝負で決め手の差が出た。

 マジカルツアーは発馬後に頭を上げて嫌がる仕草を見せたが、その後は至極順調。揉まれる競馬は初めての経験だったが、道中は折り合っていた。追ってからもそれなりの脚を見せてくれた。軽い走りをするタイプで、経験を積んで行けば。

 マイネルアトラクトは切れる脚に欠けるだけに瞬発力勝負では辛かった。