中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

有馬記念(GI)回顧

2014-12-28 20:38:24 | 回顧
【馬場状態】Aコース使用。今年は9月開催がない為、最終週でも内側の馬場がしっかりしている。通気性を良くするため、馬場に穴を開けており、例年より脚が深く潜る馬場状態で時計が掛る。

7.0 - 11.8 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 13.6 - 13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9=2:35.3

 史上最多タイのGI7勝目を女傑ジェンティルドンナが引退レースで決めた。この中間は、坂路2本で輸送も考慮されたソフトな仕上げ。その分、長距離輸送でも馬体はフックラしていた。下見どころでは頭を上下させる面は見られたが、発汗は見られず許容範囲だった。レースでは、抜群の発馬を決めてスーッと先団へ。最初の3、4角の下り坂では前に壁を作れずにハミを噛んでしまう。しかし、正面スタンド前ではなだめることに成功し、エピファネイアを見ながらの3番手に落ち着く。1,000㍍通過が63秒0と歴史的な超スローペース。その後も13秒台のラップが続く緩い流れでもがっちり手綱を抑えて折り合いに専念。前のヴィルシーナとエピファとの差が広がっても動じない。あくまでも己との戦いだ。3分3厘で馬なりのまま前との縮め、4角で少し気合いを付けてスパートを開始させる。直線を向き、スッと左手前に替えると馬場を強く叩きつけて加速。坂下でエピファに馬体を併せて、坂上で一瞬の脚で交わす。ゴール前で後続に迫られても危なげなく振り切った。完璧なレース運びだった。初の中山コースを屈することはなかったし、何より折り合い・コース取り、スローの瞬発力勝負で脚を溜められたことが良かった。引退が惜しまれる素晴らしいレースだった。

 本命視したトゥザワールドが2着入線。この中間はコースと坂路を併用し、絶好の動きを見せていた。下見どころでも馬体を大きく見せて気配は絶好だった。レースでは6番枠から発馬で行き脚がつかず一瞬ヒヤッとする。直後に少ししごいてポディションを取りに行く。その分、3、4角の下り坂から直線入口にかけて頭を上げて行きたがる素振りを見せる。それでも、すぐに落ち着きを取り戻した。7番手から前に壁を作り、脚をタメることに成功した。向こう正面でフェノーメノに被され、3角でゴールドシップが動いても慌てない。流れを考えれば、ビュイックのこの判断は素晴らしかった。馬込みで我慢させて仕掛けたのは4角から。外めへ持ち出すのではなく、あくまでも馬込みの中で進路を探る。直線を向き、馬込みの中でもゴチャつくことなくトップスピードを維持。ジェンティルが抜け出した馬3頭分のところから突き抜ける。一瞬の脚でジワジワと詰め寄り、2着に差してきた。ビュイックの素晴らしいコース取りには感心させられるし、決して早仕掛けになることなく、馬込みの中でジッと我慢させたのが功を奏した。今回のように馬込みでタメたほうが良いタイプだ。

3着のゴールドシップは、予想以上のスローペースに泣いた1頭。展開のカギを握る1頭だっただけに位置取りに注目していた。14番枠発走から手綱をしごいて先団を窺う。すぐ横のエピファが脚力の違いでスーッと先団へ取り付いたのに対し、スブいゴールドは無理をしない。下り坂の3角でスーッと手綱を引いて中団の馬込みに潜り込む。出して行って中途半端に外を回らされるのを嫌ったのだろう。道中は馬込みの中で折り合いに専念をする。流れが落ち着いた1,2角~向こう正面でもアクションはない。一気に動いたのは3角から。捲って4角では先団までポディションを上げる。しかし、これだけペースが遅いと前々で運んだ組や、インで我慢していたタイプは、そこからもう1枚の脚を使える。その為、直線を向いてもなかなか前と差は詰まらない。ジリジリと伸びたが、3着が精一杯だった。自身も33秒台の脚を使っているように、この流れの中で良く頑張っている。ペースと枠順に完全に泣いた。もっと急流であれば差し切っていただろう。

15番枠を引いたジャスタウェイ。好発を決めるも無理に前を取りに行かずにスーッと手綱を引いてポディションを下げる。下手に取りに行くと外々を回らされる可能性があるだけに仕方ない。しかし、勝ちに行くならもう少し気迫を見せてほしかったのも確かだ。向こう正面までは後方から3番手から前のゴールドシップを見ながらの競馬。問題は3角からの仕掛けである。これは福永の騎乗ミスと言わざるを得ない。ゴールドッシップが一気に動いたのに対して、仕掛けが遅れる。しかも4角では右手綱を引いて馬込みの中を狙う素振りを見せ、無理と判断してからは左手綱を引いてウインバリアシオンの外めへ進路を切り替える。加速が必要な3分3厘でまったく加速ができていない。この流れでは致命的だ。直線を向き、大外からグーンと凄い脚で差してくるも、脚を完全に余した。不完全燃焼の引退レースとなった。福永の騎乗からは残念ながら気迫が伝わってこなかった。

ジャパンCを圧勝したエピファネイアは、13番枠から好発を決めて自然と先団へ。3、4角の下り坂では少し行きたがる素振りを見せるも、正面スタンド前ではスッと落ち着く。ヴィルシーナが作る緩いラップを少し離れた2番手から追走する。前走とは違って13秒台が続く超スローペースでも妙に折り合っている。向こう正面でもそれは変わらない。4角で自然とバテたヴィルシーナを交わして先頭に躍り出る。直線でジェンティルドンナとの叩き合いを演じる。坂上までは我慢できたものの、ゴール前で捕えられてしまった。今回は妙に落ち着き過ぎていた点と、この馬は一貫したハイラップでこそ脚力を生かすタイプか。超スローのヨーイドン向きのタイプではなかった。

ワンアンドオンリーはジョッキーの判断ミスが最後まで響いた。3番枠から手綱をしごいてインを狙いに行くも、すぐにトーセンラーに僅かの差でポディションを取られてしまう。ここでの位置取りの差が最後まで響いた。6番手のインに潜り込めたものの、超スローペースで馬込みにびっしりと包まれてしまう。何もできない道中。そして、決定的だったのは3、4角の位置取りだ。残り3ハロンを切った直後にトーセンとジェンティルの間に進路はあった。しかし、モタモタしている間にそのポディションにトーセンが入る。すぐにトーセンのインに進路を切り替えるも、うまく取れずに後方まで下がってしまう。流れを考えればここで万事休す。直線は何もできないまま、直線は手綱を追うのをやめてしまった。明らかな騎乗ミスである。






















有馬記念(GI)最終結論

2014-12-28 13:05:39 | 最終結論
第59回有馬記念(GI)
◎トゥザワールド
〇エピファネイア
▲ゴールドシップ
△ジャスタウェイ
×ワンアンドオンリー
×ヴィルシーナ

 グランプリ有馬記念。トゥザワールドの激変に期待する。前走の菊花賞16着は最初の3、4角の下り坂で勢いが付き、ガツンと掛ってしまった。フットワークからしてもステイヤータイプではなく、余計にきつかった。武器はスピードの持続力と一瞬の脚だ。今週の弥生賞1着では、三分三厘で馬なりでグーンと加速し、一気に先頭へ躍り出て押し切る横綱相撲で解消した。その次の皐月賞1着は、17番枠発走で1角までにいい位置を取りたい心理が働き、出して行った分、掛ってしまった。それでも直線で先頭に立って勝ち馬と追い比べまで持ち込んだ手応えに酔いしれず、どこまで我慢できるかがポイントだ。脚力抜群で馬なりでいいポディションが取れる。スーッと先団のインを確保したいところ。レースは、ヴィルシーナが離し気味に逃げるが、1~2角まではそれほどピッチは上がらない。残り5~6ハロンからの持続力を要求される流れになるだろう。その流れをどこまで我慢できるか。我慢できれば一瞬の脚で坂上で突き抜けられる。今冬の中山開催は、9月開催がなかった分、まだまだ内の状態も良い。この中間は、コース、坂路を併用し熱心な乗り込み。最終追い切りの動きも抜群だった。デキは絶好調だ。戴冠へ。


有馬記念(GI)展開予想

2014-12-27 22:39:04 | Weblog

【展開予想】
ひと叩きしてデキが万全になり、絶好の2番枠を引いたヴィルシーナのハナは間違いない。徹底先行型不在の今回。2番手以下の出方が鍵を握る。13番枠を引いたエピファネイアだが、脚力で自然と先団へと取り付くだろう。それくらい今回のメンバーで先行型が少ない。コーナーが苦手な同馬にとって小回りコーナー6回の中山2,500㍍はきついコース設定。発馬直後の下り坂も重なり、3、4角~正面スタンド前は確実に折り合いに専念してくるだろう。それをマークするのはゴールドシップ。徹底マークでくるだろう。その直後にはジャスタウェイジェンティルドンナは好位のインで折り合いに専念をする。2角まではジェンティルドンナが離し気味に逃げ、2番手以下はエピファネイアが蓋をする格好で落ち着くのではないか。残り1,000㍍から急流の流れになり、持久力が要求される流れ。エピファネイアの仕掛けどころとゴールドシップの仕掛けどころが明暗を分ける。







有馬記念(GI)スペシャル!

2014-12-27 21:33:46 | 見解
1枠1番トーセンラー
引退レース。京都の下り坂を利してスパッと末脚を生かすタイプ。前走のマイルC4着はさすがに時計が速過ぎた。コーナー6回の中山コースが向くタイプとは思えないが、良馬場で競馬ができるのは何よりだろう。タフなレースは昨春の天皇賞2着で克服できている。強く脚を叩きつけられる硬い馬場なら、どんな展開でも力は出せる。無欲の一発を狙う。

1枠2番ヴィルシーナ
前走のエリザベス女王杯11着は、一頓挫明けで万全のデキではなかった。その分、レースでも積極的に運べなかった。ここは何が何でもハナを奪う。単騎逃げは確実だが、有力どころが早めスパートを仕掛けてくる可能性が高い。楽なペースは望めそうにない。

2枠3番ワンアンドオンリー
前走のジャパンC7着は、10番枠からスッと好発を決めると、1角手前で中団のインに潜り込む。今秋はカリカリしている面があり、この日も行きたがる素振りを見せて少し力みながらの追走。そして致命的だったのは3角で故障馬の煽りを受けて外へ膨れてしまったことだ。このロスは相当あった。前々走の菊花賞9着は、レース前からカリカリして発汗が目立っていた。レースでも外枠から内へ潜り込めず、終始、外々を通らされて前に壁を作れずモロに掛ってしまった。最初の4角の下り坂で勝負が決したと言ってもよかった。利気味は1角以降も抜けなかったし、4角の下り坂から外めを通って早めに動く横綱相撲。これでは持つはずもなかった。弥生賞、皐月賞当時はトモが付いていけずに最後方からの競馬が続いていたトモがパンとしたダービー時からポディションを取れるようになったが、今秋はそれが仇になっている。発馬からグッと行きたがるのを我慢させて、後方で控えるべきだ。弥生賞、皐月賞当時は、3分3厘でズブかったが、パンとした今ならスーッとマクッて直線で強烈な脚が使えるはず。距離は少し長い印象はある。

2枠4番ジェンティルドンナ
前走のジャパンC4着は、3番枠から馬なりで好位のインに取り付く。馬なりでポディションを取れるのは、トモの蹴りが強いからこそだ。道中は行きたがるのをなだめながらの道中。ムーアとの相性は抜群で、スムーズに折り合えていた。折り合いに慎重になった分、3、4角で一瞬流れが落ち着いたところで前との差が広がったのは痛かった。直線を向き、エピファネイアの直後まで迫ってスパートを開始させるも、そこから伸びずバテずでジリ脚だった。雨上がりの滑る馬場も影響したか。スッとポディションを取れる脚力と一瞬の末脚が武器だ。大トビでパンパンの良馬場が必須。その意味では最終週でも、馬場状態が保たれている今の中山は歓迎だ。ここも好位のインでひたすら我慢だ。ここが引退レース。この中間は少し稽古が手緩い印象がある。

3枠5番ラキシス
前走のエリザベス女王杯で悲願のGI初制覇。道中は12秒台後半の緩いラップが続くスローの流れを中団のインから追走する。終始、インの経済コースを立ち回るロスのない立ち回り。前のヌーヴォレコルトをマークする絶好の位置からの追走。直線を向き、馬3頭分外めへ持ち出す。トビが大きい分、ヌーヴォレコルトに差を広げられたが、一完歩ずつ確実に差を広げてゴール前できっちりと差し切った。経済コースをうまく立ち回った鞍上の騎乗が光った。トビが大きく、エンジンの掛りの遅いタイプ。小回り中山コースが向くとは思えない。前走も牝馬限定でコースロスなく立ち回れたのが大きかった。ここでは見劣りする。

3枠6番トゥザワールド
好位のインで我慢させて一発を狙う。スピードの持続力と一瞬の脚が武器である。スッと馬なりでポディションを取れるし、3分3厘の仕掛けてからの反応は抜群。まさに中山向きの脚質といえるイスラボニータに差された皐月賞は、17番枠から1角までポディションを取りたい心理が働き、出して行った分で掛ってしまった。その前の弥生賞にしても、3分3厘で馬なりのまま先頭を奪ったが、仕掛けが早かったのも事実。手応えに酔って早めに動いてしまうケースが見受けられたが、本来は好位のインで前に壁を作って一瞬の脚を生かしてもらいたいところ。ここは6番枠を引き、ビュイックがどこまで我慢されられるか。それにより、坂上で抜け出せる可能性は十分だ。デキは絶好。

4枠7番ラストインパクト
前走の金鯱賞1着は、中締まりの一貫した厳しい流れを4番枠から馬なりで中団のインに取り付く。エアソミュールを見ながらインの経済コースを立ち回る。背中を柔らかく使った収縮の利いた走りで末脚をタメる。3分3厘でサトノノブレスが仕掛けに行っても慌てない。ジッと我慢させて直線はスムーズに大外へ。これは脚力が残っているからこそスムーズにポディションが取れる。坂下で右手前に替えると、一歩早めに抜け出したサトノノブレスをゴール前できっちりと差し切った。前々走の京都大賞典1着は、馬なりでポディションを窺い、向こう正面入口で3番手に付ける。向こう正面でトゥザグローリーが飛ばして縦長の展開になるが、無理に追い掛けることなくジッと我慢させる。直線を向き、満を持してスパートを開始させると、一完歩毎にジワジワと詰め寄る。2着馬もかなり渋太かったが、何とかゴール前で差し切った。前脚の可動域が広くなり、決め手が強化されている。これでトモがパンとすれば凄い馬になる。ここも前走同様に仕掛けをワンテンポ遅れさせれば、一発あっておかしくない。

4枠8番メイショウマンボ
攻めでは集中力満点で鋭い動きをしているが、レースへ行くとどうしても突っ張った走りで集中力を感じない。ここも相手が強い。

5枠9番ウインバリアシオン
昨年の2着馬。宝塚記念時に屈腱炎を発症。前走の金鯱賞は手加減しながら走っていた。ひと叩きしてどこまで変われるか。

5枠10番フェノーメノ
前走のジャパンC8着は、16番枠発走。好発を決めて馬なりでポディションを窺う。コーナーワークの差で自然と中団後ろまで下がる。折り合い重視の道中。直線を向き、ハミを掛け直されるも、ジリジリとしか伸びず物足りない走りだった。2着馬とは小差。じっくり構えて長くいい脚を生かすタイプ。ジャパンCは少し時計が速過ぎた。ここも上がりの掛る持久力戦になればチャンスはあるか。昨春の同じ舞台だった日経賞が残り6ハロンからペースアップする本番に似た流れを長く脚を使って押し切っている。デキには不満を残すも、流れは向きそうだ。


6枠11番サトノノブレス
ワンペースのタイプ。スパッと切れる脚はないが、スッと先行して正攻法の競馬で押し切るタイプ。その意味では中山2,500㍍向きの脚質といえる。前走の金鯱賞2着は、中締まりの厳しい流れを中団外めからの追走で4角で早めに動く。直線で早めに先頭に立つも、ワンテンポ仕掛けを遅らせた勝ち馬に差されてしまった。陣営は控える競馬も示唆しているが、これは吉と出るかもしれない。2角まで我慢させて向こう正面から動いて行くステイヤーの走りをすれば一発ある。

6枠12番デニムアンドルビー
前走のジャパンC11着は、ひと叩きしてデキは絶好だった。しかし、レースでは発馬からずっと行き脚がつかずに最後方からの競馬。縦長の一貫した流れになった為、向こう正面では先頭からかなりの差を広げられてしまった。これでは、勝負にならなかった。前脚の出が硬く、ゴトゴトしていた。攻め馬を強くやり過ぎて硬くなっていたのではないか。残念だった。スローの瞬発力勝負の流れをじっくり構えて末脚を生かすタイプ。東京コース向きであることは間違いない。ここは残り6ハロンからのタフな流れが予想され、この馬向きの流れにはなりそうにない。


7枠13番エピファネイア
前走のジャパンC1着は、本格化を告げる圧勝劇だった。ひと叩きして落ち着きを増した中間。レースでは4番枠からスッと好発を決めると、馬なりで先団へ。1角からは行きたがるのを鞍上が懸命になだめる。雨上がりの良馬場に加えて、12秒前後のラップが続く一貫した厳しい流れでも行きたがる脚力。凄まじいものだ。流れが一瞬落ち着いた4角は引っ張り切りの凄い手応え。ダービー時のウオッカを彷彿とさせるもの。直線を向き、馬なりのまま先頭に立つと、坂上の残り2ハロンからスパート開始。グーンと凄まじい脚力で後続を突き放す。11秒5-11秒8でまとめてしまった。最後は流す余裕があった。強すぎる内容だった。前々走の天皇賞・秋6着は、休み明けで中間は発汗が目立っていた。レース当日もチャカチャカしていた。レースでは5番枠からフワッとした発馬で行き脚がつかない。二の脚でポディションを取りに行くも、直後のコーナーに入ると頭を上げてモロに掛ってしまう。馬込みに揉まれてガツンと掛ってしまう。直線でスムーズに馬場の3分どころへ持ち出せたが、ジリジリとしか伸びず。ゴール前は脚が止まってしまった。あれだけ掛れば仕方ない。大トビで不器用。コーナーが苦手で必ずと言っていいほど掛ってしまう。今回の中山2500㍍は発馬直後に下り坂とコーナーが待っている外枠ということで乗りにくいのは間違いない。ジョッキー心理としては前走と同じくスッと先行したいところだが、出して行くと掛ってしまうというジレンマ。馬込みに入れない気性だけに、外を回らされるのは間違いない。能力は1枚も2枚も上だが、掛かる上に外を回らされては、隙はある。

7枠14番ゴールドシップ
言わずと知れたグランプリ3勝馬。花道を飾れるか。時計を要する持久力戦で無類の強さを発揮する。スパッと切れないし、時計勝負では伸びない。暮れの中山2,500㍍の舞台設定はこの馬のためにある。14番枠を引き、岩田騎乗。発馬後の行き脚はつかないが、直後の下り坂と正面スタンド前を利用して積極的に前へ行くことが予想される。積極果敢なのはいいが、それが仇となる可能性も考えないといけない。理想は後方待機から3角から捲るステイヤーの走りだろう。エピファを強く意識するあまり、自身がタフなレースを強いられる。直線で攻め馬は動いたとはいえ、休み明けは間違いないところ。


8枠15番ジャスタウェイ
前走のジャパンC2着は、海外遠征明けで仕上がり途上のなかでの一戦。万全のデキではなかった。レースでは1番枠から好発を決めて少し外めにポディションを動かしながら、スーッと中団へ。前のジェンティルドンナを見ながら折り合い重視の道中。非常に収縮の利いた走りで脚を溜める。向こう正面では少しノメるようなところも見られたが、至極順調。悔やまれるのは、マークしていたのが折り合い重視のジェンティルだった点だ。前のエピファはノーマークだった。脚が残っているだけに直線入口でスムーズに馬場の外めへ持ち出す。そこからはジワジワ伸びて2着を確保した。仕上り途上の中で善戦したと言えるが、最後は脚が止まっていたのも事実。昨秋の天皇賞圧勝に見られるように、ベストは1,800~2,000㍍であるのは間違いない。じっくり構えて末脚を生かすタイプ。中山コースは今冬にポディションを取りに行って快勝した中山記念で実績がある。しかし、今回は2,500㍍だし、外枠もあって積極的にはいかないだろう。折り合い重視の道中になるのではないか。


8枠16番オーシャンブルー
アテにならないタイプ。一昨年の2着馬ではあるが、ひと叩きしてデキは上向いているが、大外枠を引き、道中の位置取りが難しい。最後方へ控えて一発を狙う。

有馬記念(GI)調教診断!

2014-12-25 21:13:42 | 調教診断

皆様、大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?久しぶりに調教解説を更新してみました。ブランクありますが、お読み頂けますと幸いです。

ヴィルシーナ】○ 意欲的に追われ
1週前をCWで7ハロンから意欲的に消化。最終追い切りは、CWで2頭併せの内を6ハロンから追走。3,4角は折り合いスムーズでリラックスした追走。直線で馬なりのまま馬体を併せると、ラスト1ハロンから目一杯に追われる。スパッと切れる感じはないが、一完歩毎に確実に伸びて貫録の先着を果たした。トモの蹴りは力強いが、前脚の出が短く思ったほどの切れがないイメージがある。引退レースとはいえ、この中間はかなり意欲的。一頓挫明けを叩かれてデキは万全だ。

ウインバリアシオン】○ 迫力満点のストライド
中2週の詰まったローテの為、1週前は坂路でサッと流し、最終追い切りはCWで3頭併せの内を6ハロンから追走。3、4角を逆手前で走っていたのはいただけないが、ラスト1ハロン手前から手綱をしごかれ、ステッキを入れられると自らハミを取る。頭の位置は高いが、四肢を目一杯に伸ばした迫力あるのストライドで先着を果たした。集中力に富んでいたし、決して力に陰りは見られない。

エピファネイア◎ 迫力満点
川田を背にCWを単走で6ハロンから。引っ張り切りの抜群の手応えで、鞍上との呼吸はぴたり。直線で軽く仕掛けられると、四肢を目一杯に伸ばした迫力満点のストライド。一度トップスピードに乗ってしまえば、長くいい脚を持続できる。下手に抑えるよりは、おもいきって逃げた方がいいのでは。

オーシャンブルー】○ いい状態をキープ
最終追い切りはCWで単走を6ハロンから。掻き込みの強いフットワークでグングン加速。若干トモは甘いが、全身をスムーズに使った動きだった。中2週の詰まったローテで最後びっしりやれたのは何より。叩いた上積みはありそう。

ゴールドシップ◎ デキ万全
岩田を背に坂路で2頭併せ。馬場の内めを通ったとはいえ、半マイル52秒1-12秒8は優秀。特にラスト1ハロンから軽く促されると、スッと左手前に替えて自らハミを取りグーンと加速。頭の高い走法ではあるが、回転の速いフットワークで併走馬を突き放してしまった。攻め駆けしない同馬からは考えられない動きだった。腕っ節の強い岩田は、まさにベストパートナー。本番が楽しみになるデキだ。

サトノノブレス】○ この馬なりに順調
池添を背にCWで2頭併せの内を6ハロンから。馬体を併せたままラスト1ハロンから追われると、力強いフットワークで貫録の先着。抜け出すとフワッとしたし、トモが甘く重心の高い走り。スパッと切れる印象はないが、前脚のアクションは豪快で大トビである。この馬なりに順調だ。

ジェンティルドンナ】○ やや手緩い
坂路で2頭併せ。馬なりのままラスト1ハロンで軽く促されると左手前に替える。軽くしごいただけで先着。大トビでスピード感はないが、見た目以上に時計が出るタイプ。この中間はやや手緩い印象あり。上積みまではどうか。

ジャスタウェイ】○ 上積み相当
福永を背に坂路で2頭併せ。前脚を高く突き上げて弾むようなフットワーク。ラスト2ハロン地点と、手前を替えた瞬間に躓いたが、全体的にはリラックスしてスピード感十分の走り。自らハミを取った集中力に富んだ走りだった。1週前にゴールドシップを子供扱いし、2週続けて中身の濃い稽古を消化。乗り込み量も十分だ。海外遠征明けを叩いた上積みは相当だ。
皆様、大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?久しぶりに調教解説をしてみました。ブランクありますが、よろしければお読み頂けますと幸いです。


デニムアンドルビー】○ 良い状態をキープ
CWで3頭併せの中を6ハロンから追走。終始、引っ張り切りの手応え。収縮の利いた走りで重心が低い。放てばグーンと弾けそうな感じだった。全体的な時計は地味だが、中身は濃い。良い状態をキープしている。

トゥザワールド◎ 豪快なストライドで併走馬を突き放す
とにかく意欲的な中間。最終追い切りはビュイックを背にCWで2頭併せの内を6ハロンから追走。リラックスした3、4角の追走姿。直線で馬体を併せたままラスト1ハロン追われると、四肢を目一杯に伸ばした豪快なストライドで併走馬を突き放してしまった。頭の位置は高いが、最後まで集中した素晴らしい走りだった。トビが大きく、回転の速いフットワーク。この中間は3週続けてコースで意欲的に追われ、土日は坂路で時計を出している。万全のデキだ。

トーセンラー】○ 良い状態をキープ
1週前に本馬場で追われ、最終追い切りは武豊を背に坂路で2頭併せ。大きなフットワークで狭い坂路では走りづらそうなくらい。馬場を強く叩きつけるフットワークでグングン加速して、ゴール前で先着を果たした。叩き3走目だが、良い状態をキープしている。

フェノーメノ】▲ 迫力今ひと息で
南Wを単走で6ハロンから。いい頃は引っ張り切りの手応えで収縮の利いた弾むようなフットワークをしているが、今秋はそれが鳴りを潜めている。この日も手応えは今ひとつでガツンと来るものが感じられなかった。

メイショウマンボ】○ 決してデキ悪くない
2週続けてコースでびっしりやられ、直前は坂路でサッと。頭の位置は高い走りだが、自らハミを取って集中力はあるし、手首の返しの強いフットワークに好感が持てた。今秋は結果を残せていないが、決してデキは悪くない。

ラキシス】○ 絶好調
Cデムーロを背に坂路で2頭併せ。グンと重心を沈めた推進力に溢れた動き。手首の返しが強く大きなフットワーク。ゴール前で先着を果たした。絶好調だ。

ラストインパクト◎ 軽い飛ぶような走り
CWを単走で6ハロンから。トモが若干甘く、重心の高い走りだが、父ディープインパクト譲りの軽い飛ぶような走り。前脚の可動域が大きく、一完歩が大きい。これでトモがパンとしてくれば凄い馬になる。

ワンアンドオンリー】○ 状態キープ
坂路で2頭併せ。折り合いはしっかり付いていたし、集中力に富んだ走り。前脚を高く突き上げ、力強いフットワークで先着を果たした。攻め駆けしないタイプだけに合格点。叩き4走目だが、まだまだ状態はキープできている。