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2022年は客観的な予想を心がけます。

スプリンターズS(GI)最終結論

2007-09-30 01:34:16 | Weblog
◎ローエングリン
○サンアデュ
▲キングストレイル
△スズカフェニックス
×アイルラヴァゲイン
×アグネスラズベリ
☆アストンマーチャン
【見解】
土曜日の中山の馬場は若干、時計が掛かっている。恐らく1分8秒ほどの決着となるだろう。持ち時計のない組にとっては有り難い。
馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れた馬が大半を占める今回の電撃GI。調教内容には神経を尖らしたが、久々のスズカフェニックス、プリサイスマシーン、ペールギュント、コイウタなどは調教で良い動きを見せ、力を出し切れそうだ。
本命は関東馬のローエングリン。前走の宝塚記念18着は雨馬場にもかかわらず、18番枠からテンにガンガン飛ばす。前半3F33秒5で5Fが57秒5。これは明らかなオーバーペースで三分三厘でバテて当然のレースだった。度外視。3走前の中山記念1着がロケットスタートから平均ペースを刻み、向こう正面で加速して後続になし崩しに脚を使わせる。三分三厘で少し息を入れ、直線で二枚腰を使って押し切る芸当を見せた。決め手はないが、抜群のスピード性能を誇る。どうしても道中に力む癖があり、中距離では乗り難しい。この距離ならその心配はいらない。雨馬場の前走で楽にテン3F33秒5を刻んでいるし、05年のCBC賞では楽に4番手に取り付いている。この距離でもスピード負けはしない。四位に乗り替わるにはプラスだし、中間は長めを入念に乗られて仕上がり良好。遅咲きのスプリンター誕生へ。

スプリンターズS(GI)展望

2007-09-29 00:08:19 | Weblog
【スズカフェニックス】
前走の安田記念5着は、電撃戦で攻めの競馬をした直後だけに折り合いに専念する形。だが、少しでも気を許せばガツンと行きそうな気配の道中。馬群が固まり終始、外めを通らされる。直線も大外へ持ち出さざるを得ず。かなりのロスがあったうえに、エアシェイディと馬体を接触する激しい攻防。それでも怯むことなく突き進む。長く脚を使い、一完歩毎に鋭く迫るも、平均ペースで内有利の馬場では厳しいものがあった。前々走の高松宮記念1着は、下見どころで外めを気分よく周回。デキの良さは明らかだった。道中は好発から馬場のいい外めを追走。馬場が重く、ペースも緩かったため追走に苦労することなく3角では早めにポディションを上げる意欲的な内容。4角でプリサイスマシーンに早々並びかけると、直線も大外を一頭だけ違う脚色で駆け抜け、決め手の鋭さを発揮して圧勝した。鋭い決め脚が武器だが、実はテンに行ける脚もある。それを我慢させて終いの爆発力に生かしている。折り合いに不安のあるタイプで、マイルでは余計な神経を使ってしまう。スプリント戦ならその不安は皆無。急坂に屈しない脚力があり、中山も問題ない。あとは馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れた点。最終追いはこの馬らしい迫力満点の動きだった。

【ペールギュント】
前走のCBC賞6着はトップハンデの58㌔を背負い、道中は好位の外めを積極的に追走。だが、重馬場が自然と体力を消耗させる。直線入り口では勝ち負け圏内にいたが、伸び切れなかった。上位馬はこの馬より3㌔以上軽かった。4走前の高松宮記念2着は、初のスプリント戦だったが、大外枠から中団で流れに乗る。最終週で内の馬場状態が悪く、終始良いところを通れた。三分三厘で大外から手綱を押して仕掛ける。直線で一瞬の脚で迫った。以前は中距離で詰めの甘さを露呈していたが、スプリント転向後はタメての一瞬の脚が使えている。馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れたが、最終追いの動きを見る限り、何とか動ける態勢か。中山コースは一瞬の脚を生かすには絶好の舞台だろう。

【プリサイスマシーン】
トビが大きく、四肢を目一杯伸ばした走法を見る限り、中距離タイプ。だが、スタートセンスが抜群で、どんな距離でも器用に立ち回る。鞍上曰く、左回りではコーナーワークにぎこちなさが残る。右回りに替わるのは歓迎材料だ。ベストは1400㍍だが、好位でうまく脚をタメられれば、阪急杯のように一瞬の脚で迫れる。

【サンアデュ】
前走の阪急杯1着は、4番枠から好発を決めると、抑え切れない手応えでハナへ。腕っ節に定評のある川田が何とかなだめて我慢、我慢。三分三厘で内のGキャストを前に行かせ、2番手から仕掛けどころを待つ。引っ張り切りの手応えのまま直線を向くと、川田が手綱をシェイクさせてハミをかける。そして、残り1ハロン地点で渾身の右ステッキが注入されると、抜群の脚力で一気に後続を突き放す。最後までその脚色が衰えることはなく、スプリント戦としては圧倒的な差となる5馬身をつけて圧勝。勝ち時計1分7秒1はビリーヴと並ぶレースレコード。前々走の北九州記念7着は、発馬直後は3,4番手に取り付くことができたが、鞍上がうまく誘導できず、3角でゴチャついてポディションを落とす。それでも、最後まで集中して走り続けていた。揉まれなければ相当に強い。今回は人気を背負い、マークされる立場。外からか被された時の不安はある。

【アストンマーチャン】
前走の北九州記念6着は抜群のスピード性能で発馬直後に馬なりのままハナへ。だが、外から2頭が競りかけ、それを避ける形で手綱を引いて控える。その後は何か鞍上と呼吸が合わない感じで、ドンドンと外から来られる。4角で手綱を動かし慌てて仕掛けるも、馬場のいい外めへは持ち出せない。仕方なく直線で馬場の悪い内めを通り、一旦は抜け出すかの勢いだったが、最後は力尽きた。スムーズさを欠いたうえに、馬場の悪いところを通らされた影響も大きかった。仕方なし。休養前の桜花賞7着は下見どころからイレ込みが激しく、返し馬ではモロに掛かっていた。レースでも案の定、外枠から抑えが利かずに暴走し、末をなくした。前走で楽々とハナへ立てたスピード、気性を考えると間違いなくスプリンター。被されることなくスムーズな競馬をしたいので、外枠がほしいところ。普通の馬ならスプリントの外枠は不利なのだが、この馬はスピードの絶対値が違うので逆にプラスとなる。スムーズな競馬ができれば、終いの脚力も驚異。鞍上は中舘。

【アグネスラズベリ】
前走のセントウルS9着は北海道遠征からの中1週で20㌔減。腹、腰回りの筋肉が落ちてしまった。不利な大外枠から道中は、中団の外めを追走。だが、4角での反応がいつも以上に悪く、直線もズルズルと後退してしまった。度外視。前々走のキーンランドC2着はレース13日前に熱発。万全のデキになかった。道中もテンから外々を回され、4角では馬6頭分も外に膨れる。だが、直線で立て直すと、一完歩毎に鋭い脚を使って追い込む。僅かに勝ち馬には及ばなかったものの、コース差を考えれば負けて強しの内容だった。前々走の函館スプリントS1着は2番枠から道中は中団のインを追走。終始、手綱のアクションに余裕がなかったが、これはいつものこと。4角で気合いを付け、直線もインに。少しゴチャついたが、最内に進路を見つけると、狭いところを一瞬の脚で一気に突き抜けた。

【クーヴェルチュール】
前走のキーンランドC1着は道中、逃げ馬を行かせて2番手の外から。終始、スムーズな折り合いで、4角で楽な手応えのまま先頭へ躍り出る。直線でスッと左手前に替え、突き抜ける。最後はAラズベリの強襲に遭うも、何とか振り切った。前々走のアイビスSD3着は2ハロン目から9秒9-10秒7-10秒5と超ハイラップを刻む流れを残り500㍍から先頭で果敢に競馬。だが、いくら直線競馬とはいえテンのオーバーペースが響き、ゴール前で甘くなったところを差されてしまった。とにかく気性が前向きで、スプリント向きの先行力を備える。前走は軽めの調教に終始したが、この中間は2週続けて坂路で48秒台。唸るような気配だ。この動きなら中山の急坂も克服しそうだが…

【キングストイレイル】
前走のダービー卿CT1着は、2番枠から抑え切れない行きっぷりで好位のイン追走。終始、抜群の行きっぷり。他馬の手綱が激しく動いた4角でも抑えるのに苦労するほど。直線で瞬時の脚で抜け出すと、頭の高い走法で押し切った。とにかく強かった。初のスプリント戦となるが、テンに行く脚を備えており、頭が高くて一瞬の脚を生かすタイプ。嵌るかも。絶好のデキ。

【ローエングリン】
前走の宝塚記念18着は18番枠からスッと楽にハナへ。だが、雨馬場にも関わらずガンガン飛ばし、1000㍍通過が57秒5。これでは三分三厘でバテて当然。度外視。前々走のマイラーズC12着は、逃げ馬が縦長のスローに落とす異質な流れを4番手追走。道中はリズム良く折り合っていたが、直線を向いて成す術なく後退。苦手の瞬発力勝負で持ち味を発揮できなかった。前々走の中山記念1着はロケットSからハナを奪う。中盤の向こう正面で流れを緩めることなく、11秒6-11秒3と加速。後続になし崩しに脚を使わせ三分三厘で息を入れる。そして、直線で再び加速させ、差を広げる。さすがに最後は筒一杯になってしまったが、何とか振り切った。どうしても力む癖があり、距離が長いと最後まで息が持たない。この距離なら道中の力みを気にしなくて良いし、初のスプリント戦となった05年のCBC賞では、楽に4番手に取り付いているように追走に戸惑うこともない。中団で脚をタメ、最後の脚力を生かせれば面白い存在だ。馬インフルエンザの影響で帰厩は遅れたが、急ピッチに乗り込まれている。


スプリンターズS(GI)調教診断

2007-09-28 00:28:13 | 調教診断
【アイルラヴァゲイン】○ 追って頭高いも、シャープな脚捌き
松岡を背に南Wで単走を5ハロンから。直線でスッと左手前に替え、ゴール前で軽く気合いを付けられ、シャープな脚捌きを披露。だが、追ってからもう少し重心が沈んで欲しかった。中2週で息を整える程度の調整。

【アグネスラズベリ】○ スピード感に溢れる動き
Bコースを単走で馬任せのまま6ハロンから。例によって頭は高いが、前捌きにひと頃の硬さがなく、スピード感に溢れた動き。20㌔減の前走から中2週だが、デキ自体は悪くない。

【アストンマーチャン】○ 坂路調教の申し子
坂路を単走で。ラスト1F手前で口向きの悪さを覗かせたが、ピッチの利いた抜群の脚力で登坂。少し気合いを付けられただけでラスト12秒7。少し癖のあるタイプで、テン乗りの中舘がどう乗るか。

【アンバージャック】○ ずっと左手前のままで追走先着。
坂路で3頭併せの大外を追走。ゴール前でハミをかけ直され、ずっと左手前のままだったが、G前で先着を果たした。手前を替えていればもっと伸びていただろう。デキ自体は決して悪くない。気分次第。

エムオーウィナー】◎ テンから飛ばし、ラストもしっかり
坂路を単走で。2F目から12秒0-11秒8とグングン加速。ラストはステッキがビシビシ入る。頭は高かったが、ピッチが利き、前脚をピンと前に張り出した脚捌きで12秒8と踏ん張った。中2週でも攻めを強化。

【オレハマッテルゼ】△ 頭が高く、全体の迫力今ひとつ。
坂路を単走で。ラスト1Fは前の馬が邪魔になり、左へ進路を変更すると共に左手前に。多少口向きの悪さはあったが、これはいつものこと。頭が高く、全体の迫力は今ひとつ。

キングストレイル】◎ 引っ張りきりの手応えで追走先着
北村宏を背に南Wでサンデーストリーム(古馬1600万下)の内追走。直線は抑え切れない抜群の行きっぷりで楽々と先着。脚捌きも迫力満点で文句なし。充実一途。

クーベルチュール】◎ 闘争心に溢れた活気ある動き
坂路で併せ馬の予定が、直線でアッサリ交わしてしまい、単走に。全体の時計が48秒2と破格で、尚且つ余力が残っていたのだから恐れ入る。グイグイと鞍上を引っ張る感じで闘争心に溢れていた。文句なし。

コイウタ】◎ 四肢を目一杯伸ばした迫力ある動き
吉田隼を背に南Wの2分どころをシャーベットトーン(古馬オープン)の外追走。目一杯の相手に対し、馬任せのまま並びかけると、四肢を目一杯伸ばした迫力ある動きで突き放した。米遠征以来、3ヶ月ぶりの実践でもデキは万全。

【サンアデュ】○ 馬任せで脚捌き軽快
生野(レースは川田)を背に坂路を馬任せで。前脚を突き刺すフォームからラスト1Fできっちり左手前に替え、回転の速いフットワークでフィニッシュ。ラストは13秒2を要したが、馬任せで問題ない。あとは長距離輸送でのイレ込み。

スズカフェニックス】◎ 弾む弾むGI馬の底力
坂路を単走で。チップを蹴り上げ、弾むようなダイナミックなフォームで抜群の動きを披露。馬インフルエンザで帰厩が遅れ、急仕上げは否めないが、この動きなら力は出せるはず。

【タマモホットプレイ】△ 攻め不足懸念
馬インフルエンザの影響で9月10日に帰厩。時計を出したのが22日と最終追いの2本。しかも、57秒3-12秒6と終い重点。軽い。

【プリサイスマシーン】○ 四肢を目一杯伸ばし、併走馬を圧倒
南Wで2頭併せの外追走。直線でスッと左手前に替え、抑え切れない感じで並びかける。そこから追われると、四肢を目一杯伸ばした動きで突き放した。久々でも仕上がっている。

【ペールギュント】○ 左ステッキに応え、グイッとひと伸び。
DWで2頭併せの外追走。楽な手応えのまま並びかけ、ラスト1Fで追い出されると、鞍上の左ステッキに応えてグイッとひと伸び。併走馬を突き放した。脚捌き自体はシャープだったが、もう少し首を使えるといいが。

【メイショウボーラー】△ 終い重点もラストの伸び、今ひとつ
坂路を単走で。終い重点でラストを伸ばされたが、追われてからの反応は今ひとつ。終い重点だけに不満大。

ローエングリン】◎ 顎をグッと引き、脚捌きシャープ
北Cコースで2頭併せの外追走。直線で馬任せのまま顎をグッと引き、シャープな脚捌きで併走馬を圧倒。1週前にも7ハロンからの長目を追われ、馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れた分を取り戻している。

神戸新聞杯回顧

2007-09-26 20:58:10 | 回顧
2007/09/23 4回 阪神 6日目 晴(良)
11R サラ系3歳 神戸新聞杯(G2) ○混 牡・牝○指(馬齢) 芝2400


【馬場】A→B1週目。(芝コース)野芝約10~14cm。フサフサ

12.5-10.8-12.2-11.7-11.6-12.5-12.8-12.8-12.4-11.4-11.4-12.6=2:24.7

【展開】Gキリシマがハナ。それをHソルタンが突っつく形で1000㍍通過58秒8の緩みない流れ。3角手前で、ようやくソルタンが控えて流れが緩む。4角で一気に後続との差が詰まる。中団勢はテンからある程度の脚を使わされ、流れの緩んだ三分三厘で前を追い掛ける苦しい流れ。勝ち馬は最後方待機から嵌った。

 我慢に我慢を重ねた勝負どころ。その成果が現れたゴール前。2歳王者・ドリームジャーニーが仁川の地で復活を遂げた。ダービー以来の実践だったが、気性の勝ったタイプで仕上がっていた。道中は発馬直後から折り合いに専念する形で最後方の追走。だが、元々は行きたがる気性で、武豊も手綱を短く持ち、神経を尖らせる道中。向こう正面でフェザーを交わし除々にポディションを上げ、三分三厘で前との差を詰める。他馬の手綱が激しく動く4角でも引っ張り切りの手応えのまま、慌てずジックリ。先頭から5馬身のところまで迫る。大外を通る形になったが、スムーズに持ち出しているため決してロスではない。これが豊マジック。残り320㍍でハミをかけなおし、右ステッキが一発。しかし、右手前のままで内へモタれて満足に追えない。懸命に左手綱を引き立て直す。坂上でようやく左手前に替えるとグンとひと伸び。混戦に終止符を打った。テンに息を入れることを覚え、2400㍍でも切れる脚が使えた。鞍上の手綱捌きも抜群だった。ただ、展開に恵まれたことは確かだ。本番もこの形になれば強いが。3000㍍でも鞍上の技量なら克服できそう。

 馬インフルエンザの影響で帰厩が遅れたアサクサキングス。明らかな攻め不足だったが、この日は10㌔減。連日の猛暑の影響があったか。13番枠から例によってジワッと先行策。無理することなく、縦長の淀みない流れを4番手から。長手綱で長距離戦では理想的な姿。道中の雄大なフットワークは迫力満点だ。離し逃げのGキリシマがペースを落とした3角で一気に差を詰める。残り3Fの4角で先頭へ並びかけると、持ったままの手応えで直線へ。そこから追い出されると、11秒4とビュッと加速。後続を突き放す。G前の坂上、外からDジャーニーに一瞬にして並ばれる。だが、そこから左手前に替えてもうひと踏ん張り。最後の最後まで粘り切った。3着のヴィクトリーを苦しいなかでも突き放した最後の粘りは高く評価したい。テンにある程度の脚を使い、自ら前を追いかける苦しい立場。それでいて、ラスト3Fから11秒3-11秒4という脚を使って最後の粘り。一番強い競馬をしたのはこの馬だろう。長距離適性は十分。あとは反動に気を配るだけ。

 皐月賞馬のヴィクトリー。春先は攻めで嫌々する場面が見られたが、この中間は併せ馬で前に馬を置いてチップを被る稽古ができるまでに成長した。だが、発馬直後から抑え切れない感じで馬群を縫って前へ。結局は5番手のインまでポディションを上げた。ハミをグッと噛み、力みながらの道中。決してスムーズとはいえない。向こう正面では岩田が立ち上がるほど。更に逃げ馬がペースを落とした3角では口を割って行きたがるところを鞍上が懸命になだめる。直線でスムーズに馬場の3分どころに持ち出し、坂上ではAキングスの直後まで迫る。だが、相手が手前を替えて踏ん張りを見せられると、突き放されてしまった。道中のスムーズさを欠いてのものだけに強さは示したが、菊花賞を意識するなら黄色信号だ。今回はテンに淀みない流れになったが、本番では道中に13秒台が連発する。そこで我慢できるかは、この内容では不安大。

 ホクトスルタンは無理することなく8番枠から前へ。だが、前に馬がいると追いかける習性のあるタイプ。本来なら息を入れたい2角で、鞍上の抑えが利かない感じで直後の2番手へ。自身も1000㍍通過、推定59秒0の淀みないラップを刻む。ようやく3角手前で息を入れることに成功する。4角までは3番手以下の追随を待つ感じ。直線で再び加速するも、Aキングスに楽々と並ばれる。ここまでかと思われたが、そこから粘り強い脚を使う。坂上では再び突き抜けるかの勢い。さすがに最後は力尽きたが、向こう正面序盤までスムーズさを欠いて、最後のあの粘り。マークが薄くなり、直線が平坦になる菊花賞。鞍上には横山典…

 トーセンマーチは発馬直後に手綱を押して前へ。だが、行ききれずに中団から。終始、手綱のアクションに余裕がない感じ。ペースの落ち着いた3角でも気合いを付けながらの追走。しかも、仕掛けを開始させたい4角では馬群のなかでゴチャつき、ポディションを落とす。バテたMキーロフを捌き切れずに残り2Fまで追えない。ようやくそこから追い出させるも、ジワジワとしか伸びなかった。こういうタイプだけに、距離が伸びるのは歓迎のクチ。外枠を引けば。急仕上げ気味だけに、攻め強化に注目。

 タスカータソルテは1番枠から道中はスムーズに中団のイン追走。終始、理想的な運びから伸びを欠いてしまった。力不足は否めない。

 ヒラボクロイヤルは道中、後方2番手から折り合いに専念。三分三厘で外めをジワッと加速。直線で一瞬は伸びたものの、最後は脚が上がってしまった。久々で攻め不足とはいえ、展開が恵まれたのでもう少し粘って欲しかった。

フサイチホウオーはダービー時よりも落ち着きがあり、道中の折り合いもマシなほうだった。4角ての手応えも十分。それでも、追い出してからの反応がサッパリ。いくら何でも負けすぎ。ここまで負けるのは決め手の問題ではなく、内臓面でどこかに不安があることは間違いない。ノド鳴りなどの症状があるのかも。

ローズS(GⅡ)回顧

2007-09-19 00:11:22 | 回顧
【馬場】(芝コース)野芝約10~14cm。Aコース2週目。フサフサ。

12.9 - 11.1 - 11.6 - 12.4 - 12.4 - 12.1 - 11.2 - 11.0 - 11.4=1:46.1

【展開】Dスカーレットが押し出されるようにハナ。手綱をガッチリ抑えてペースダウン。他馬も競りかけることなく超スローの展開。有力どころでは、レインダンスが好位からダイワを伺い、それをベッラが見る形。切れ味勝負。

 熱発でオークスを回避し、桜花賞以来、5ヶ月ぶりの実践。それでも、ダービー馬ウオッカを下したダイワスカーレットの実力は本物だった。下見どころから落ち着き十分で、好仕上がり。好発を決め、外2頭を見ながら押し出されるようにハナへ。一瞬は行きたがる素振りを見せるも、すぐに鞍上の指示に従い、ペースを落とす。1000㍍通過60秒4の超スローでもスムーズな折り合い。4角まで他馬に競りかけられることなくジックリと脚をタメる。直線を向いて持ったまま、迫るレインダンスを振り返る余裕ぶりを見せる。ようやくラスト1ハロン手前で追い出しを開始。坂上で迫るレインを二の脚で突き放す。最後は手綱を抑える余裕ぶりで完勝した。テンに折り合えたし、復帰戦としては申し分ない内容。ただ、展開に相当に展開に恵まれたのは確か。まだ、勝負は終わっていない。

 オークス以来の実践となるベッラレイアは18㌔増とひと夏越して理想の馬体に。胸前の逞しい筋肉がひと際目立っていた。道中は1番枠から超スローの流れを中団のインから前のダイワ、レインを見る形。時折、首を左右に振る仕草を見せるが、顎をグッと引き、重心の低いフォームで手応え十分の追走。そのまま直線を向くも、狙っていた進路をレインに奪われる。残り300㍍手前で右ステッキが入り、左手綱を引いて僅かな隙間を狙うも失敗追い出せないまま、坂上で最内に進路を切り替えて猛追するも、この流れで仕掛けは明らかに遅かった。最後は勝ち馬と手応えに差はあったが、展開と直線の攻防、何度も手前を替えていた点を考慮すると、本番で逆転できる可能性は十二分にある。

 レインダンスは馬場と展開を考慮し、道中はダイワを見る形で好位のインを追走。折り合いも付き、緩い流れで十分に脚をタメることに成功。直線を向き、ダイワに進路をカットされ、一度立て直すロスはあったものの、そこからハミをかけ直され、ステッキが入ってダイワを差し切るかの勢い。だが、坂上で右手前に替え失速。ゴール前で再び左手前に替えるも、差は縮まらなかった。休み明けだった上位2頭に、夏場を2戦使った強みを生かしたものの、ゴール前で若さを見せてしまった。逆に言えば、本番で逆転できる余地が少しは残っているということ。

 ピンクカメオは久々だったが、抜群の気合い乗りと力強い後肢の踏み込みが印象的で、さすがはGI馬と思わせるものだった。道中は中団の外めを追走し、ジックリと脚をタメる。4角で除々に加速し、直線でスッと左手前に替える。そこから良い感じの脚力を見せたが、ラスト1ハロン手前で右手前に替えてからが案外の伸び脚。伸びずバテずだった。NHKマイルCを制した左回り巧者なのか。

セントライト記念(GⅡ)回顧

2007-09-18 22:05:59 | 回顧
【馬場】Bコース2週目。野芝のみ約8~10cmで高速馬場。

12.0-10.7-11.6-12.1-12.7-12.7-12.4-12.2-11.8-11.9-11.9=2:12.0

【展開】内からAサイダー、Nヘブン、Tモンジューの激しい先行争い。1角まで緩みない流れ。2角から向こう正面にかけて12秒7-12秒7と先行勢が息を入れたことで馬群がギュッと凝縮。三分三厘から再びペースアップし、後方勢は外々を通らされる。急緩急で、脚をタメた馬が有利。

 南半球産のロックドルカンプが無傷の4連勝で10月21日に堂々、西下する。好発を決め、道中は馬なりのまま好位のインへ。入れ替わりの激しい流れに戸惑うことなく、道中の折り合いもスムーズ。ペースアップした3角で慌てることなくジッと我慢。インで一瞬はズブさを見せるが、4角では抜群の手応えに。直線でスムーズに馬場の3分どころへ持ち出すと、全身を目一杯伸ばしたダイナミックなフォームで、坂上でも脚色が衰えることはなく、ラスト1ハロンを推定11秒8で駆け抜けた。遅生まれで、現状は3歳春。キャリア3戦でこの強さ。テンに行く脚があり、長くいい脚が使える。野芝の高速馬場にも対応できた。見通しは鮮やかなほど、明るい。

 ゴールデンダリアは惜しかった。ダービー以来の実践だったが、山のように攻めを積まれ好仕上がり。道中は1番枠から無理することなく後方のインを追走。終始、引っ張りきりの手応えで脚をタメる。だが、向こう正面でレースの流れが落ち着いたことで馬群が凝縮。インを突くことができなくなる。仕方なく、3角で大外を通って仕掛けを開始。だが、4角では更に大外へ振られ、直線入り口では馬8頭分、外を回される。直線を向き、坂下で左ステッキが入ると、急激に内へ切れ込む。坂上で凄まじい一瞬の脚を発揮し、一気に勝ち馬の1馬身後方まで迫る。だが、そこから再び内へモタれてしまい、逆に突き放されてしまった。スムーズなら逆転もあったろう。道中のロスと坂上で見せた一瞬の脚は、本番を楽しみにさせるものだった。

ローズS(GⅡ)予想

2007-09-15 23:36:47 | 見解
阪神11R ローズS
◎ダイワスカーレット
○レインダンス
▲ベッラレイア
△サブプライムユー
×ザレマ
【見解】
秋緒戦を迎えるダイワスカーレット。前走の桜花賞は、テンに掛かってアストンマーチャンを追いかけながら、直線で抜群の瞬発力を発揮してウオッカを完封させた。3着以下を突き放した内容は圧巻だった。ここも逃げ馬不在で押し出されるようにハナへ立つだろうが、阪神外回りはトビの大きなこの馬にはピッタリ。1ハロンの距離延長も何ら問題ない。
レインダンスの前走は3,4角を逆手前で走りながらの圧勝。回転の速いピッチ走法から繰り出す切れ味が武器。右回りに替わって更なる前進が期待できる。

セントウルS(GⅡ)回顧

2007-09-12 11:54:17 | 回顧
【馬場】開幕週のAコース。野芝のみ約10~14cmで高速馬場。

12.2-10.5-10.7-10.9-11.1-11.7=1:7.1

【展開】発馬直後に行く馬がおらず、アイルラヴァゲイン、サンアデュが抑え切れずに前へ。内のGキャストも加わり、3頭横並び。入りの1ハロン12秒2は遅い。2ハロン目からSアデュがハナへ立つ形。残り3.5ハロンでGキャストが仕掛け、4角まで流れは緩まない。開幕週のスプリント戦、内枠、前有利の条件だが、決して楽な流れとは言えない。

 僅か数ヶ月前までは普通のダート馬だったサンアデュが、僅か2ヶ月で芝のサマースプリント王の座を射止めた。戦前の陣営の策略とは裏腹に、4番枠から好発を決めると、抑え切れない手応えでハナへ。腕っ節に定評のある川田が何とかなだめて我慢、我慢。三分三厘で内のGキャストを前に行かせ、2番手から仕掛けどころを待つ。引っ張り切りの手応えのまま直線を向くと、川田が手綱をシェイクさせてハミをかける。そして、残り1ハロン地点で渾身の右ステッキが注入されると、抜群の脚力で一気に後続を突き放す。最後までその脚色が衰えることはなく、スプリント戦としては圧倒的な差となる5馬身をつけて圧勝。勝ち時計1分7秒1はビリーヴと並ぶレースレコード。揉まれずに運べたとは良かったが、最後の脚力は紛れもなく本物だ。前捌きが硬く、お世辞にも良いフォームといえないが、次走のGIでも楽しみが膨らむ内容。

 久々を使われたカノヤザクラは額面どおりに良化。前走同様、発馬直後の行き脚は今ひとつだったが、今回は仕掛けて前へ行くのではなく、中団のインに控え、うまく前に馬を置いてタメを作る形に。直線を向いて追い出すと鞍上のゴーサインに反応せず、一旦は3,4着馬に放される。だが、坂上でジワジワと差を詰め、ゴール前で差し切った。勝ち馬のパフォーマンスが派手過ぎて地味に映ったが、自身は良い脚を使っている。タメる形が合っているし、落ち着きがあった。

 1番人気に推されたキンシャサノキセキ。久々だったが、スッキリとした仕上がりで動ける態勢にあった。発馬で半馬身の出負けするも、二の脚で楽に中団へ取りつく。道中はハミをグッと噛み、持って行かれる感じだったが、いつもよりはマシ。4角から直線にかけては痺れる手応えで、上手く馬場の3分どころに持ち出す。だが、追ってからの反応が案外でジリジリとしか伸びない。結局、2着馬にも差されてしまった。三分三厘の手応えを考えれば不満の残る内容。坂のあるコースでは今ひとつなのか。

 4着のアルーリングボイスはトモの肉づきが良化し、迫力ある馬体になった。道中は3番枠から4番手のインを追走。終始、勝ち馬を見ながらスムーズな競馬。4角から直線にかけては、どこに持ち出すか選択肢があるほどの手応え。攻めの競馬でインを突くと、一旦は単独2番手へ押し上げる。ゴール前で僅かに脚色が鈍ったところを差されたが、正攻法の競馬で中身は濃かった。

 5着のアイルラヴァゲインは好発から抑え切れない感じで先団へ。確たる逃げ馬不在で、押し出されるように3頭横並びの外。3角でようやく抑えが利き、3番手で脚をタメる。手応えを残したまま、直線を向くが、追い出してからの反応がない。最後は完全に脚が上がってしまった。鞍上曰く『掛かったのが誤算だった』と。この中間は夏負けの影響もあったよう。レース前のイレ込みも相変わらずだった。

 オレハマッテルゼは手綱を押して中団を伺う2ハロン目のところで、外からドッと来られて手綱を引っ張る不利。何か鞍上との呼吸が合っていない印象で、良い所が全くなかった。本来ならもっと行きっぷりのいいタイプ。

 アグネスラズベリは北海道遠征から帰厩して中1週での参戦。その影響もあって20㌔減。腰からヒ腹にかけて発汗があり、寂しく映った。不利な大外枠から道中は、中団の外めを追走。だが、4角での反応がいつも以上に悪く、直線もズルズルと後退してしまった。サマースプリント王を目指して強豪軍が裏目に出た。仕切り直し。

 

朝日チャレンジC(GⅢ)回顧

2007-09-12 11:53:06 | 回顧
【馬場】Aコース。野芝のみ約10~14cmで、開幕週の高速馬場。

12.3-11.4-13.2-12.7-12.5-12.1-11.6-11.2-11.4-11.6=2:0.0

【展開】確たる逃げ馬不在で、ヤマトマリオンがハナ。3ハロン目から13秒2-12秒7-12秒5と緩い流れ。残り5ハロン地点からジワッとTサポートが尻を突っつき、ペースアップ。1番人気のインティライミはギリギリまで我慢、4角で一気に仕掛ける。33秒台の脚が要求される瞬発力勝負。

 待ち望んでいた2年4ヶ月ぶりの美酒。苦労に苦労を重ねたインティライミが、世界の強豪たちへの挑戦権を手に入れた。2ヶ月半ぶりの実践となった今回。宝塚記念当時の唸るような動き、とまではいかなかったが、仕上がりは良かった。発馬直後は手綱をガッチリ抑え、後方で我慢させる。今冬の暴走癖とは雲泥の差。佐藤哲と完璧な意思疎通を見せる。ペースアップした3角でも動かず、ジッと末をタメる。4角でようやくアクションを開始させ、直線は大外へ。入り口で左ステッキが入り、加速を開始。瞬時に先団へ取り付き、坂上では次元の違う脚で一気に抜き去った。これまでは瞬発力勝負を苦手としてきたが、今回で違った一面を見せてくれた。道中で我慢することを覚え、どんな流れにも対応できるようになった。使った上積みは大きいはずだし、秋のGI路線を賑わしてくれる存在になるだろう。

 ブライトトゥモローは休み明けにしては本数が不足気味だったが、意外に仕上がっていた。発馬直後に手綱を押すも行き脚がつかず後方からの競馬。手綱をガッチリ抑え、直前のインティライミをマークする形。折り合いもスムーズでしっかり脚をタメる。ペースアップした3角でもジッと我慢し、インティが動いた4角で連れて仕掛けを開始させるも、ズブさを見せて引き離される。直線でもなかなか反応せず。ようやく坂上でエンジンが掛かると、猛烈な末脚で急追。僅かに届かなかったが、最後の脚は次に繋がるものだった。急仕上げを使われ、勝負どころの反応も良くなるだろう。

 タマモサポートはこの中間、馬インフルエンザを発症しビシッと追った最終追いのみ。万全とはいえなかった。道中はヤマトマリオンの2番手から。緩いペースだったため折り合いに四苦八苦。鞍上がなんとかなだめる。残り5ハロンから我慢し切れずに逃げ馬の尻を突っつく。4角で先頭へ並びかけ直線へ。だが、追ってから舌がハミを越し、伸び切れない。最後は決め手勝負に屈した。折り合いに課題のあるタイプで、速い流れで持続力を生かしたいタイプ。流れも向かなかったし、デキも本物ではなかった。

京成杯オータムH(GⅢ)予想

2007-09-08 22:31:43 | 見解
◎グレイトジャーニー
○ストーミーカフェ
▲カンファーベスト
△キングストレイル
×タガノデンジャラス
×デンシャミチ
【見解】
グレイトジャーニーを本命視。前走の新潟記念8着は道中、3番枠から後方のインでジッと我慢。相変わらず重心の低いフォームで手応え十分の追走。直線を向き、馬場の真ん中から左ステッキが放たれると、一瞬は鋭い脚を発揮する。ラスト1ハロン地点まではいい感じで来たが、そこから脚が上がってしまった。前々走の関屋記念9着は発馬で出負けし、大外枠から鞍上がテンに仕掛けたためになし崩しに脚を使わされる形になってしまった。持ち味は速い流れのなかでの一瞬の切れ味。中山マイルはダービー卿CT快勝の舞台。鞍上もその時と同じ佐藤哲三。癖を把握している何とも心強いパートナー。中1週ながらこの中間はCWでビシッとやられてきた。復活を確信。