中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

阪神大賞典(G2)回顧

2012-03-18 20:12:47 | 回顧
13.3 - 12.3 - 13.3 - 13.6 - 12.4 - 12.7 - 12.3 - 13.9 - 13.2 - 12.2 - 13.2 - 12.1 - 12.0 - 11.9 - 13.4=3:11.8
(64.9-64.3-62.6)

昨年の4冠馬に土をつけたのはギュスターヴクライだった。1番枠から気合いを付けて好位を取りに行く。これは大人しい気性だからこそできるもの。急がせても掛ることなく好位のインでしっかりと折り合う。1角からは馬任せで無理をさせずにポディションを落とす。3角手前から進出を開始させるも、4角で前が壁になったために一旦我慢する。これが功を奏した。直線で追い出しを開始すると粘り強い脚で突き抜ける。一旦は怪物に並ばれたが、そこから粘り腰で振り切った。まったく折り合いに不安のないタイプで鞍上もロスなく上手く立ち回った。

 怪物オルフェーヴルは波乱の今年緒戦となった。前哨戦とあって万全の仕上げではなかったが、それでも直前の坂路では絶好の動きを見せた。間隔が開いたこともあってか下見どころからテンションは高かった。大外12番枠発走から好発を決めると、前に壁を作ることができずに3番手へ。本来なら最初の4角で内側に切れ込んで前に壁を作りたかったが、少頭数で行くタイプ不在だったため内に潜り込めない。池添は必死に手綱を引っ張っていたが、ナムラクレセントが外から被せてきた時にガツンとハミを取ってしまう。正面スタンド前では抑え切れずに前へ行ってしまう。1角ではコーナーワークにぎこちなさを見せて外へ膨れてしまう。2角からはナムラクレセントに馬体を併せに行く。向こう正面中盤からは大きく外へ膨れ、左手前のまま3角を迎えたために上手くコーナーを回れずに外へ大きく逸走してしまう。それは故障したかと思うほど。右手前に替えてからはスッと馬群に取り付こうとする。3,4角はいつものオルフェーヴルの脚でグーンと一気に捲る。直線を向き、一旦は単独先頭に躍り出ようとするも、内へ切れ込んで最後は脚が上ってしまった。本来なら競走中止でもおかしくないケース。それを盛り返して勝ち負けまで持ち込むのだから化け物である。凄すぎる。

 ナムラクレセントは馬体を10キロ絞り、走れる態勢は整っていた。発馬では行き脚はつかなかったが、最初の4角でハナを奪う。正面スタンド前からは他馬を引き離す。誤算だったのはオルフェーヴルが掛って競りかけてきたことである。2角からびっしりと馬体を併せられ、ペースアップ。3角でオルフェーヴルが逸走してからは他馬もピッチを上げて競りかけてくる。かなり誤算の多い競馬となったが、最後まで粘りを見せてくれた。

 

スプリングS(G3)回顧

2012-03-18 17:27:07 | 回顧
12.9 - 12.1 - 12.5 - 12.4 - 12.2 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 12.4=1:50.7
(37.5-36.8-36.4)

 季節外れの寒波を苦にすることなくグランデッツァがクラシック戦線の主役に躍り出た。暮れのラジオNIKKEI杯以来の実践。中間は攻め量が物足りず6キロ減。これは歓迎できる内容ではなかった。発馬では躓いたゼロスと接触するアクシデントがあった。その後は無理に押すことなく馬任せ。すぐに迎える1角まではかなりの外めを通らされたが、2角からは上手く中団まで控えることに成功した。3角から外めを通ってジワッと進出を開始する。4角では2着馬に馬体を併せに行き、一気に仕掛ける。直線を向き、手前を替えずにモタつく間にライバルに突き放される。坂上で左手前に替えてからは一完歩ごとにグイグイ伸びて差し切った。14番枠発走で無理に押してポディションを取りに行くのではなく、焦らずにじっくり乗ったMデムーロの手綱捌きもお見事。まだ、坂を上がってくる時にトモが付いてきていないし、手前を替えるのに時間を要する。それでも差し切るのだから強いのひと言。中3週で再度の長距離輸送が控えるだけに、更に馬体が減ると心配に。

 ディープブリランテはひと叩きして8キロ馬体を絞ってきた。好発を決めて最初の50mは理想的に運べたが、ゴール版を過ぎてからはガツンと掛ってしまう。ここで岩田は手綱をグッと絞って控える。1角から向こう正面まではずっと行きたがる。前走よりは抑えは利いたが、ここでかなりの体力を消耗する。それでも余力を残しているため4角で馬場のいい大外へ持ち出す。ここで勝ち馬に馬体を併せられたが、直線を向くと一瞬の脚で一気に後続を引き離す。だが、坂上で脚色が鈍るとゴール前で差されてしまった。依然として折り合い面の課題は解消されていない。掛って体力を消耗しながらも4角では一瞬の脚を見せてくれた。間違いなく世代屈指のもの。大トビで不器用さに欠けるだけに馬込みに揉まれる心配をしたが、行き脚が抜群に速いだけにその心配はなさそうだ。好位で折り合いえるか。これが皐月賞制覇への課題だ。

 ロジメジャーは道中、中団のインをロスなく追走する。上手く経済コースを立ち回るが、三分三厘はズブさを見せる。ステッキが入るも反応は良くない。それでも、4角で盛り返すと直線は粘り強い脚で伸びる。4着馬とハナ差の争いを制した。4角の荒れ馬場を苦にせずポディションを上げられた脚力は本物だし、決して恵まれたものではない。

 サトノギャラントは久々でも乗り込み入念で仕上がっていた。道中は急がせることなく後方からの競馬。1角で少しバランスを崩すところはあったが、その後は折り合いも順調。直線も外から伸びてはいるが、1,2着馬に突き放された。じっくり運んで終いを生かすタイプだけに府中コース向きだし、良馬場向き。

 アルフレードは久々で気合い乗りが今ひとつ。暮れの朝日杯FSは唸るような気配だった。道中は妙に折り合いが付き過ぎていたし、ガツンと来るところがなかった。道悪も良くはなかった。

 マイネルロブストは道悪が響いた。グンと重心を沈めて前傾姿勢で走るタイプ。それだけに道中は何度もノメッていた。良馬場で。

若葉S回顧

2012-03-18 17:25:37 | 回顧
12.6 - 11.8 - 13.1 - 12.7 - 12.8 - 12.7 - 12.3 - 11.9 - 11.9 - 12.6=2:04.4
(37.5-50.5-36.4)

2年連続の3冠馬誕生へワールドエースが前哨戦を危なげなく飾った。この中間は中5週とゆったりしたローテで攻めもそれほどビシビシやられていない中で8キロ減。これは皐月賞へ向けて嫌な材料だ。発馬で行き脚がつかず道中は後方からの競馬。ハミをグッと噛みグンと重心を沈めたフットワーク。気を許せばガツンと掛ってしまうため、下手には仕掛けられない。向こう正面でも折り合いに四苦八苦。3,4角は外めを回って仕掛けるが、反応は鈍い。直線で大外へ持ち出すとスッと左手前に替えて急追する。道悪の前残りの競馬のため、2着馬も簡単にはバテない。坂上でエンジンが掛るとグーンと凄まじい伸び脚で一気に差し切ってしまった。ゴール前は首をしなやかに使った素晴らしい瞬発力を見せてくれた。

 メイショウカドマツはトモが緩いため今回も発馬でトモに重心が掛って行き脚はそれほど良くはなかった。それでも気合いを付けてスーッとハナへ立つ。道中は2,3番手に絡まれることなくマイペースの逃げ。残り800mからスパートを開始させるも、4角から直線にかけては手応えは悪く直線は馬群に飲み込まれそうになる。頭の高いフットワークながら懸命な粘りを見せ、何とか2着をキープした。スパッと切れる脚がないだけに道悪で時計の掛る馬場は向いた。

フィリーズレビュー(G2)回顧

2012-03-18 17:24:17 | 回顧
12.2 - 10.7 - 11.4 - 11.8 - 11.9 - 11.9 - 12.9=1:22.8
(34.3-11.8-36.7)

久々でも乗り込み十分で仕上がっていたアイムユアーズが前哨戦を制した。4番枠から行き脚はそれほど良くはなかったが、手綱をしごいて好位のインを取りに行く。かなり押していたので馬にスイッチが入ってもおかしくはなかったが、2ハロン目から手綱を抑えるとすんなりと折り合う。乗り手の指示に従順なところを見せた。3角からジワッとポディションを上げると、4角でも手応え十分。脚力に余裕があるからインの狭いところに入っても包まれることなく突破できる。直線入口で先頭に並びかけると、坂下で単独先頭に躍り出る。さすがにラスト1ハロンは苦しくなって脚色は鈍ったが、Nピンナの左ステッキに応えて懸命の粘りを見せて勝利を手にした。この日は前日の雨を含んだかなり力の要る馬場。前半から先行争いは激化し、先行馬総崩れの厳しい展開。これを正攻法で押し切ったのだから強いのひと言。今回で急がせる競馬をしたし、本番は1ハロン距離が延びてペースもまったく違ったものになる。乗り手に従順な気性ならこなせるか。

 ビウイッチアスは武豊の好判断で2着に差してきた。ポンと5番枠から好発を決めると、スーッと先行争いへ。だが、内外の先行各馬の出方を見た鞍上は即座に手綱をがっちり抑えてポディションを下げる。その後は中団のインで脚をタメる。4角では内へモタれてコーナーワークにぎこちなさを見せる。直線に入っても内へモタれるのを矯正しながら追い出す。インを突き、一旦は勝ち馬に迫る脚色だったが、坂上で脚色は鈍ってしまった。速い流れで脚をタメることはできたが、依然として折り合いに不安を残す。

 プレノタートは下見どころからテンションは高かった。発馬後から手綱をがっちりと抑えて道中は離れた最後方からの追走で折り合いに専念する。その甲斐あって折り合いは付いた。4角で馬群の外めに取り付くと、4角から大外を通って直線へ。鞍上のステッキに応えて一完歩毎にグイグイ伸びる。最後は僅かに届かなかったが、目立つ伸び脚を見せてくれた。展開が向いたことは確かだが、馬場を問わない決め手は魅力的だ。

 イチオクノホシは馬体、精神的にもギリギリだった。ピンと糸を張り詰めた状態で、いつ糸が切れてもおかしくなかった。レースへ行っては後方のインで我慢し、末脚を生かす競馬をしたが勝負どころから内へモタれてしまう。直線へ入ると顎が上がり坂上で脚が止まってしまった。ベストは左回りか。

 ラシンティランテは前走よりデキは上向いていたし、課題だった前半の折り合いも完璧。理想的に直線で外めに持ち出せたが、そこから伸び切ることはできなかった。まだトモが緩く、坂も力の要る馬場も向かない。トモも強化待ち。

 

弥生賞(G2)回顧

2012-03-18 17:20:42 | 回顧
12.5 - 11.0 - 12.7 - 13.5 - 13.4 - 13.1 - 12.3 - 11.9 - 11.5 - 12.0=2:03.9

(36.2-52.3-35.4)

力の要る馬場を味方にコスモオオゾラが大舞台へのチケットを手に入れた。道中は5番枠からスーッと好位に取り付く。2角から一気に流れは緩んだが、前に壁を作って折り合うことに成功する。3角でも絶好の手応え。勝負どころの4角でも馬込みでジッと我慢させて仕掛けどころを伺う。直線で満を持して追い出しを開始させると、一瞬の脚で抜け出す。坂上で右手前に替えてもうひと伸び。スッと好位に取りつけられる器用さと、時計の掛る馬場で一瞬の脚を生かせたのが大きかった。

 休み明けのトリップは一度のチャンスで皐月賞への権利を手にした。2番枠から発馬はトモに重心が掛って煽ったが、すぐに行き脚がついて先団へ。最内枠の逃げ馬メイショウカドマツが発馬で行き脚がつかなかったため、一頭分だけ進路を開けてハナへ行くように促す。道中は3,4番手のインで折り合いに専念する形。レースは2角から一気に流れは緩み、トリップ自身も頭を上げて行きたがる素振りを見せるが、前に壁を作っているため何とか我慢。勝負どころの3,4角も馬込みに包まれていたためジッと我慢する。直線を向き、理想的に馬場の2分どころに持ち出すと、一瞬の脚で抜け出す。勝ち馬にはあっさり差されて、後続にも詰め寄られた。緩い流れをインで理想的に立ち回れただけに不満の残る内容。

 アーデントは馬任せで中団のインからの追走。流れの緩んだ向こう正面こそ行きたがったが、前に壁を作ってタメはできた。勝負どころの3,4角は馬込みに包まれたために動けず、4角では後方までポディションを落とす。直線を向き、一瞬の脚で追い込むも、僅かに届かなかった。折り合いに不安のあるタイプで、どうしても急がせる競馬ができない。まずは己との戦い。勝負どころで待たされた不利はあったが、タメた恩恵とコース利もあった。

 ソルレヴァンテは逃げを打った前走とは違い、テンから控える競馬。馬込みで揉まれる競馬にも怯むことなく、すんなりと折り合う。流れの緩んだ向こう正面ではハミを噛むところはあったが、超スローを考えれば仕方ないところ。3,4角で馬群がギュッと凝縮しゴチャつく。自身も外へ膨れて右手綱を引きながらの誘導。その分、直線を向くまでに加速できなかったが、立て直して直線はジワジワ伸びた。初めての控える競馬でも対応できたのは収穫。

 エキストランドは15番枠から無理に急がせることなく後方に控える。下手に中団を狙っていたら馬群の外めを通らされていただけに鞍上の好判断だ。だが、レースは向こう正面から4角にかけて超スローペース。馬群はギュッと凝縮し、馬込みに入り込むスペースはない。仕方なく3角から外めをマクッて進出を開始し直線も大外から末脚を伸ばしたが、ゴール前は脚色が同じになってしまった。超スローで外を通るロスは想像以上に大きい。今回は外枠が仇になったし、大トビで器用さに欠ける点も不利だった。

  フェノーメノは悔やまれる内容だ。中間は攻め馬で絶好の動きを見せて仕上りは万全だった。発馬後に左手綱を引いてスッと控えるように指示を出す。だが、果敢に飛ばす予定だったメイショウカドマツの行き脚がつかなかったためにレースは超スローに。道中は馬込みの中で抑える競馬になり、ゴチャつく間にどんどんと位置取りが後ろになってしまう。三分三里の勝負どころでもゴチャついて仕掛けられない。減速したまま進路を見出す機をうかがうが、何せ流れはスローでゴチャついているためにスペースがない。結局、直線を向いて減速したまま大外へ持ち出す最悪のパターンに。大きな完歩でグイグイと猛追するも、完全に脚を余した。

 アダムスピークは発馬後から掛って先団へ。1角でも行きたがったため、内田博は前に壁を作って折り合いに専念させる。レースの流れは超スロー。向こう正面で極端に流れが緩んだためにモロに掛る。3,4角でもハミを噛んで力んだいたし、4角ではゴチャついて他馬と接触してバランスを崩す始末。これでは力を発揮できない。久々で気負っていた。叩いて落ち着きが増せば。

弥生賞(G2)、中日新聞杯(G3)

2012-03-04 13:55:14 | 最終結論


中山11R 弥生賞
◎ブリスアウト
○フェノーメノ
▲アダムスピーク
△メイショウカドマツ
×サイレントサタデー
×エキストランド

 1戦1勝のブリスアウトを狙う。前走のメイクデビュー1着は、ポンと好発を決めると抑え切れない手応えでハナを奪う。終始、引っ張り切りの痺れる手応えで力みながらの道中。持ったまま坂上からスパートを開始させると、グーンと大きなフットワークで伸びる。ラスト2ハロンを10秒9-11秒4と軽く流して逃げ切った。強い競馬だ。キャリア1戦で揉まれる競馬とテンに脚を使わされる展開も未経験。距離もコーナー4回も中山も初めて。確かに不安材料は多いが、それを覆す魅力が同馬にはある。この中間は中3週ながら22日、26日、29日にWで5ハロンから意欲的に追われている。最終追い切りでは引っ張り切りの手応えで古馬の格上を煽った。収縮の利いた走りで追ってから弾けそうな気配だった。絶好の動きだ。これなら控える競馬でも切れる脚を使える。
 
中京11R 中日新聞杯
◎ダンツホウテイ
○ヒットザターゲット
▲ダノンスパシーバ
△ダノンバラード
×マイネルスターリー
×スマートギア

 チークピーシーズ着用で集中力が増したダンツホウテイを狙い撃つ。前走の小倉大賞典4着は、発馬で行き脚がつかずスーッと後方に控える。道中は折り合いに専念し、3角から大外をマクッてスパートを開始させる。馬群が固まったためにかなり大外を回らされる。直線は大外からジワジワ伸びたが、差し切れなかった。メリハリのある競馬で活路を見出した。再度、控える競馬で終いを生かす競馬ができればここでも通用する。新中京コースは長い直線に加え、直線半ばに西日本一の坂が控える。芝の草丈も中山、阪神よりも長く、かなりタフなコース設定。実際に土曜、日曜の午前の競馬を見る限りは時計も上がりも掛っている。ここはシンメイフジが飛ばし、エーシンジーラインが続き淀みない流れは確実だ。開幕週でも差しは届く。