健康楽園。

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ニュールンベルグのマイスタージンガー。

2013-04-08 | 聴けた!imaging.
上野の森は、ここのところの低気圧襲来ですっかりソメイヨシノは散ってしまいました。しかしイチヨウザクラは満開です。
東京春音楽祭「東京オペラの森」も佳境に入って来ています。今年は、ワーグナーとヴェルディの生誕200年にあたります。
昨日は、音楽祭のメインイベントともいえるワーグナーの「ニュールンベルグのマイスタージンガー」公演でした。バイロイト音楽祭に出場しているバリバリの現役歌い手をタイトルロールに招聘し、贅沢な演奏会式公演でした。チケットは完売。満員御礼です。
ワーグナーのオペラの中ではとりわけ判り易く、まとまった素晴らしい作品だと思います。仕立て屋、パン屋、靴屋など、伝統のマイスター制度を引き継ぐ職人たち、庶民の歌劇であることが、親しみを増してくれます。
職人たちの仕事からおおいに商業都市として栄えているニュールンベルグ。成功した親方が、歌合戦を催し、その優勝者に全財産と娘を与えるという物語。でも娘に最後の決定権はゆだねられています。横恋慕するメックメッサーが狂言回しで、騎士ワルターが娘エバと結ばれるという筋書きですが、歌のマイスターが出現してくる、その詩と歌が生まれてくるところが霊感に満ちていて、そのメロディーたるや、まことに心に響きます。
歌合戦に勝利するための歌が生み出されるところは、ワルターが、朝に見た美しい夢を思い出しながら出来てくるという幻想的な音楽発生になっています。「朝はバラ色にかがやきて、大気は花の香にふくれ、、、、、、」
口ずさめる、とても甘美な旋律です。
そして、この懸賞の歌を、子供として、マイスターの歌として認めるための洗礼を行うというんですから、、、、。
歌に対する思い入れが並じゃーーないです。
騎士ワルターが詩をつくり歌をつくりました。この新曲の生みの親はザックスとエバが名づけ親だと記憶されるだろう。
「聖なる朝の夢解きの曲」と名付けて マイスターを讃えましょう。この歌がつつがなく成長せんことを、、、、、!!
と、歌い切ったのが、テノール、クラウス フロリアン フォークト。
シルクのようにきめ細やかで柔らかい歌声。
このように、音楽 歌が讃えられ 大切にされる歌劇っは、ほかに知りません。
ワルターとエバの愛を縦糸に、マイスターを讃えドイツを賛美する人たちを横糸に構成されてた歌劇。
素晴らしい音楽に酔いました。
来年からは、指環4部作を順番に登場させていくらしい。
いまから楽しみです。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白そう (MU)
2013-04-10 08:57:48
私ははずかしながらワーグナー ほとんど聴いたことがありません。観た事も(^_^;)

壮大、にきにぎしい、こってり
…などなど勝手なイメージを持っていました。

『ルードウィヒ~神々の黄昏』に描かれたワグナーのイメージも相俟っているのでしょう。

だからマイスタージンガーがそのような内容だとも知らなんだ(^_^;)

しかし今回、しゃっちーさんの上手な解説にすっかり観てみたくなりました

食わず嫌いと一緒で観ず嫌い、聴かず嫌いはいかんね。

福岡にはハンガリー歌劇団の椿姫が来ます。

行こうかどうするか迷い中

自分でも意外な事にこの悲恋が大好きなんです。

私、案外ロマンチストか?(笑)

今回もまた教えられました。ありがとう。
返信する
MUさんへ。 (しゃちほこ。)
2013-04-11 06:04:32
たしかに一緒に行ったワグネリアンはこの前日にも6時間のパルシファルを鑑賞していて、さすがに眠くなって、眠ってもいいのではないかと言っていました。
この作品は、判り易い上に、メロディーがわかりやすく自分でも歌いたくなる 歌える旋律です。
それなのに「トリスタンとイゾルデ」よりも後につくられた後期のオペラ。
前奏曲から、いろんな祝典で使われますから、ポピュラーだし、楽しい。
ワーグナーには珍しいわかりやすさ、オススメですよ。
私は、カラヤン指揮のcdで楽しんでました。

ラ トラヴィアータ!!!
こちらも素晴らしいですね。華やかで悲しい!!
私も大好きです。
返信する
重厚長大 (ろみ)
2013-04-11 15:46:44
ワーグナーは、長くて重いイメージがありましたが、マイスタージンガーはイタリアオペラ風で楽しめそうですね♪
来年からは指環4部作なのですね!

最近音楽と縁がなくなってます・・・(今城巡りにはまってます)
でもこうして拝読してますと、とても刺激されます!^^
返信する
ろみさんへ。 (しゃちほこ。)
2013-04-12 05:42:44
マイスタージンガーはハッピーエンドですし、晩年に近いワーグナーとして集大成のような充実ぶりです。
ナチスが、ドイツ国民の意識集約向上に利用したともいわれているのがわかる気がします。
高揚感が素敵ですし、人生社会讃歌のような面も感じられて、まさに民族オペラ。
日本にもこんな音楽があればいいのに!!!!!
とも、どうしても感じてしまう素晴らしさです。
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