東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~扶桑社このアイテムの詳細を見る |
リリーフランキーさんて、全く知りませんでしたし顔さえも浮かんできません。彼の幼年時代から自伝的にオカンとの繋がり、そして時々オトンが現れます。
先日、北九州の方に会いまして、両親のことそちらではオトン・オカンと呼びますかって聞いたんですが、そんな呼び方しませんという返事でした。以前、青森の方は確か母親のことをオカンと呼んでいた気がします。東北では今でもオカンなんでしょうか?
物語は小倉での生活、15歳の時にオカンの元を離れて下宿するころから始まります。「食堂の隅にある小部屋、閉院した病棟、親戚の家、いつもどこかで気兼ねをしていて、お互いその場所を自分の家だと感じたことはなかった。」253ページ、のような極貧の生活ぶりが描かれますが、ひたむきさ、堅実さが感じられて、不思議に暗い印象ではありません。明るさを感じさせるエピソードが散りばめられています。オカマが「触っときなさい!うまいこと作ってあるやけん。ほらあ。」154ページなんて爆笑です。
オトンは「オトンの生活は和了れる千点よりも、和了れない役満の方に魅力を感じて駆け抜けてきた。」258ページ、のような男ですから家には寄り付きません。
武蔵野美術大学に進学した主人公の東京タワーの見える下宿にオカンを呼んで共同生活が始まります。2度目の手術を経てもオカンは明るく、下宿に訪れる友人・仕事仲間にせっせと食事を作って上げるのです。主人公とオカンの細やかな感情のやりとりが見事に描かれています。オカンの尽きること無く降り注ぐ主人公への愛情が胸をつきますし、その愛情が病魔によっていやおうもなく犯されていくのに涙腺が刺激されてしまいます。「笹塚のキッチンでのなすびの味噌汁」361ページが食べられなくなってしまいます。オカンの遺書には「決しておごることなく、人の痛みのわかる人間になっておくれ!」421ページとなっていました。
新しい出会い、素晴らしい感動を紹介して下さった市川さんに感謝します。
3月ももう中旬です。春はもうすぐそこ・・・ですね
私も、「東京タワー」読みました感動的ないい本でした~親子の愛情が、独特の世界観で描かれてますよね
でも、きっとこの本は男性が読んだほうが胸にグッとくるでしょうそんな気がします。うちの旦那様も後半のくだりは泣き通しだったと言ってましたよ~
各章の始めの部分が、少し教訓的で固かったたかなーと思います。
確かに、男と女では、感動の種類が異なるのではないかとも思いますが、オカンを引き取ってからの物語の進行は、闘病もあって、涙無しでは読めなかったです。
ご主人様に宜しくお伝えください!!