追憶の作家たち文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
借りることはめったに無いけれど、早く返さなくてはいけないという気持ちが働くので、すぐに読み始める。「追憶の作家たち」名古屋大学病院近く「手児奈」の伊藤さんから(面白いから読んでみなさいよ。)とお借りした本。
宮田毬栄さん1936年東京生まれで、早稲田の仏文を卒業、中央公論社に入社する。先輩について作家さんからの原稿集め仕事から、成長していく過程が生き生きと描かれている。日本で女性最初の文芸誌「海」の編集長になった方。
松本清張・西條八十・埴谷雄高・島尾敏雄・石川淳・大岡昇平・日野啓三との、出版社社員として、また個人としての交流がとても面白い。
特に松本清張さんとの、ぶつかり合いというか、逆に教育されてしまうところが可笑しいし、一方、文学賞を巡っての三島由紀夫との確執、怨念まで発展していく様子は凄まじい。相手を認めないというこてはこういうことなのか!
若い頃共産党員だった日野啓三さんの章に、私の尊敬する浅野素女さんがヒョッコリ出てくる。1991年に「愛人」を書いたマルグリット・デュラスへのインタビューをする記事の場面。この「M・デュラス、記憶の迷宮にあるもの」を日野さんが読んでデュラスの言葉の素晴らしさに打たれる。
しかし、宮田さんにしろ浅野さんにしろ、真っ直ぐに生きる魂は呼び合うのだろうか。
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