おおとりは空に (講談社文庫) | |
津本 陽 | |
講談社 |
活劇的で、リアルな表現が得意な津本陽さんですが、この物語はぐっと抑えて、静かな筆致です。
徳川幕府の大老、井伊直弼の物語ですが、あの桜田門外の変の場面など半ページでさらりと流しています。
刺客の刃に倒れたのが46歳だったんですねー。
なんと安政の大獄の執政を貫いた剛胆な直弼の別の一面が細やかに描かれています。
直弼は、裏千家11代玄々斎宗室との深い縁があって、「茶湯一会集」という茶道では名著といわれる教本を書いた「宗観」でもあったのです。
千利休さんが堺の町衆魚問屋に生まれてからの生涯、そのお茶会でどんなお道具が使われたか、こうまで細かく記録されているかという見事な記述えす。
お茶とは、お茶に対する心構えも、淡々と、述べられています。
お茶の教本つぃても価値が高いんではないでしょうか?
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