エロティック・ジャポン | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
フランス人女性として日本のエロスを見てのサプライズ。冒頭から「パンティ愛」という表題で始まります。
1993年9月 使用済みパンティの自動販売機が千葉県に現れたという。4500円也。女子高校生使用とあった。警察としては、わいせつ物陳列にもあたらず、詐欺罪容疑にもあてはまらない。
はたとこまって、、、、、、古物商許可が無かったという理由だけで摘発した。日本はもはや「フジヤマ キモノ サムライ」の国ではなく、自動販売機で汚れたパンティを売る国として世界に発信していた。
という、第一章。
続く章は opus on voit ma cullotte. 「あ いけない パンティ みえちゃった!」
自動販売機が摘発されてからの対応を記述。お客様の前で脱いで、写真を撮ってもらう。私たちは写真を売っているのであって、あくまでもパンティはおまけ、、、なのだ。 そうだ。
恥の文化、水と蛸、おばけたちの物語、暴力、お人形、異性装うと変身、男らしさの危機、女の子革命、セックス産業、大人の玩具、と、章は続き、345ページにも渡る大レポートとなっています。
それぞれの章がテーマによって、代用妻産業、制服フェチ、男装と女装、メイドカフェ、オタクたちのロールプレイ、死者にとりつかれた巫女たち、女犬クラブ、ヌードのタブー、、、、などなど、詳細な観察眼が発揮されます。
表紙の絵画は 山本タカトさん。妖しげです。
今回パリで行けなかったパリエロティスム美術館の収蔵品も多数公開されています。
あと、木村了子さんの絵、北斎の「蛸と海女」、村田兼一さんの写真。
文章ばっかりではないので、絵画 写真で、おおいに楽しめます。
アニアス ジラールさん、原罪はむしろ死であって、キリスト教的は罪など視野に無い日本のエロシティズムは死に対抗するための唯一の手段として野性的で直感的な激しさをもって発展してきた、、と、結論づけます。
三島由紀夫、川端康成に傾倒していたというフランス人女性から見た日本。
興味深いです。