マーラー:交響曲第1番「巨人」(花の章付) | |
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 | |
EMIミュージック・ジャパン |
昔、ワルター指揮のLPで聞いて以来です。
マーラーは、ドイツロマン派に属する作曲家で、ワーグナーと対極をなすまさに巨人です。
もルノ・ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」で、全編に流れていたあの、素敵な音楽が、マーラーの交響曲第五番のアダージェットです。
タッジオの怪しい魅力・雰囲気にもぴったりでした。
マーラーは、すごくベートーベンを意識していて、それはいま思うと過剰ともいえるほどです。
べートーベンが第九で最後の交響曲だったんで、9番目にこだわりました。
死と9番が、重なっていたんでしょうか。
マーラーは9番を超えることに執着して、結果11番目まで作曲しましたが、完成したのは、たしか9番までっだったと記憶してます。
この一番は、「合唱」の次に来る交響曲として、ひときわ力を込めた作品に仕上がってます。
以前聞いたときh冗長な印象でしたが、今回は、すばらしい高揚感を得ることができました。
第一楽章は、牧場というか牧歌的な旋律で、伸びやかな印象。なにか嵐の前の静けさ。
第三楽章スケルッツオは、順調に仕事ができている軽やかさ。
第四楽章が、葬送行進曲・ユリケーンもジャズに変曲している有名な曲。別離の悲しさが伝わりました。
最終楽章、これが、一変して、輝かしい歓喜というか勝利を歌い上げて爽快です。
こんないい曲だったのか、見直しました。力付けられるなーーー。
1948年、イスラエル建国以来続いているイスラエルフィル。
決して、ナチに協力したワーグナーは演奏しなかった、ユダヤの魂を持ち続けています。
マーラー自身もユダヤ民族のひとりです。
両者の思いが、接触してもえあがったすばらしいコンサートでした。