吉原手引草幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
当代一の売れっ子花魁「葛城」失踪事件の真相を追い続けるストーリーになっています。
何故、忽然として・あんなに栄華を極めていた「葛城」が消えて、いなくなってしまったのか????
捜査・解明の、過程がとても興味深く読み進めることができます。
チョッとわざとらしい、各章での、主人公のインタビューですが、
「葛城」を貧しい武士とおぼしき夫婦から吉原に売り飛ばした、女衒(地蔵の伝蔵)、から、吉原大店・舞鶴屋店番・虎吉、引手茶屋桔梗屋お内儀、舞鶴屋番頭・源八、遣手婆・お辰、ライバル店仙禽楼・無幡屋庄左衛門、女芸者・鶴次、指切り屋・お種、幇間・・阿曾、舞鶴屋・床廻し・定七、チョキを漕ぐ・富五郎。
ありとあらゆる、天下の遊び場・吉原を支え、吉原に関わっていて、吉原で飯を食っている連中へのインタビューで、「葛城」の実像に肉薄していく。
その緻密な構成・迫力に感心します。
伊勢屋や、田之倉屋平十郎といった、「葛城」を、贔屓にしていた、お客様まで、登場して、葛城像を、分析し、失踪の謎に迫っていきます。
「お楽りなんし。」オシゲリナンシ。「忘八」八つの徳を忘れた廓人間。「強蔵」ツヨゾウ。などなど・・・・廓言葉も頻繁に出てきます。
そして、最終章「詭弁・弄弁・嘘も方便」という、これまた、意外や意外の展開になり、葛城の失踪の謎が解き明かされます。
あとは、読んでのお楽しみですね!!
それくらい、面白い本です。