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迷歩録  よすが

2016-12-05 09:56:38 | 日記
  冷たさや  静寂の朝  師走かな  鱗の隙間  温もり届く


                           ひのひら  ろくべえ



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     「よすが」とは縁の事である。この頃孤独死などと言う言葉があるが、老いの身を寄せる

     「よすが」もない。(広辞苑)と使うそうな。確かに現代ではなかなか使わない言葉なの

      かもしれないが、とても大切な言葉だと思う。

      縁もゆかりもない地域に人生の最後の地として生活を始め、介護が必要となった時、そ

      こでの「よすが」は、その施設とか、かかわりを持ってくれる職員、ということになる。

       援助側にとっては、一人のクライアントに過ぎないだろうが、クライアントにとって

      は、最後の「よすが」とでもいうか、最後の頼りになる助け人ということになる。

       そんなこと意識したことがありますか?

      集団で物事が進んでいくとき、時に忘れ去られるのが。個人の存在ではないだろうか。

      十把一絡げ的に物事や対応を考えていないだろうか。さらには行動していないだろうか。

      朝の挨拶だけでも、個性がある、その個性に応じた挨拶ができているだろうか。自分の仕

      方、やり方に固守していないだろうか。コミュニケーションは挨拶に始まり挨拶に終わる

      のだが、その方法は個人に届くものでなければ意味をなさない。

       個人に届くコミュニケーションとは、自分の思いが確実に届くことであろう。そのため

      には、相手が好む、挨拶でなければならないのではないか。

       その繰り返しの中で「よすが」の関係が成立して、その後信頼関係へと発展するのであろ

      う。そういった細かい配慮の積み重ねが対人援助職の見えない技術ということになるのであ

      ろう。

       人と人の繋がりはだれも予測できない、縁は異なものという諺の通り、その縁から学ぶも

      のは、如何なるものより値打ちがある。そのことを実践するのが対人援助職、「よすが」を

      大事にして、日々の援助活動を実践したいものである。