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迷歩録  けんげ

2016-12-26 10:06:29 | 日記
  曇り空  わずかな陽射し  掃除かな  晦日の月に  汚れを落とす


                               ひのひら  ろくべえ




    「けんげ」とは漢字では「見解」と書く。もともとは仏教用語なのだがとても大切な言葉である。

    その意味は広辞苑によると、本質を見極めるとある。本質を知り本質を見極めるとはどのような事であるか

    自分が自分である、自分としてえ成り立たせている核のようなものとでもいうか、例えば火が燃えている火の

    本質は燃えてる物ということになる。火が本質ではなく「けんげ」的には、火をつくりだしてる、燃えている

    物は何なのかという所に本質を見る。

     この視点はとても大切で、魚釣りをする時、潮の流れや、風向き、水温、など様々な見えるものから、その

    奥にある水中と、魚の動きを解しようと、経験、知識をフル活動させて予測でなく解ろうとする。このような

    行動を総称して「けんげ」というのではないだろうか。

     対人援助の中で、このことが如何に大切か、知ることが求められる。対人援助の中心的課題でもあるのかも

    しれない。つまり現象から何を理解して、その理解に基づいてどのようなケアをしようとしているのかが大切

    なのではないだろうか。

     ご飯を食べない、という現象から食欲がないということはだれにも解る、さらになぜ食欲がないのか、一時

    的か、長期に渡るのか?身体的問題なのか、精神的問題なのか、このぐらいまではだれでも思うのであるが、

    さらにプロは、何故そのような現象に至っているのかを解ろうとする。身体的問題であれば、消化器官の問題

    か、あるいは呼吸器官の問題か、循環器の問題か、予測して観察訊き取りをする。精神的問題であれば、家族

    との関係など人間関係の問題なのか、それとも自分自身の問題なのか、訊き取りをしながら、その本質を突き

    止め、援助に活かそうとする。このような行動を「けんげ」というのであろう。

     「けんげ」を行うには、経験と知識が必要なことを理解していただいたと思う。この知識と経験は、自分自

    身に素直になることで獲得できるのではないだろうか。

     つまり知らないものは知らない、経験していないものはしていない、忘れているものは、忘れたとういう自

    分を持つことで、「けんげ」という行動がとれるのではないだろうか。

     教育も、福祉も医療も「けんげ」が基本、その「けんげ」を実行する者こそ、プライドでなく、素直さを持

    つ、その素直さで、杓子定規に相手を評価するのでなく、その人の杓子定規を理解することが大切なのであろ

    う。クライアントの味方になることこそが大切な仕事、上から目線で評価することが仕事ではない、

     「けんげ」を実行できる対人援助者を目指す者こそが対人援助プロフェショナルではないだろうか。