a journal of sociology

社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

私的辞典考

2010年07月19日 | 言語
以前、仏和小辞典について、私が使っている数冊のものをあれこれ個人的に意見させてもらった。 次は、仏和の中辞典クラスのものを。まあ、私が使っているのは、クラウン、ル・ディコ、ロワイヤル、スタンダードだが、それについて何回かに分けて意見を書かせてもらえればと思う。 まあ、辞典に限らず仏語関係の参考書で網羅的な情報は、長崎外国語大学の戸口先生のこちらが詳しい。ただ、あるレベルになると、自分なりのリス . . . 本文を読む

似たような表現でも

2010年06月17日 | 言語
似たような言葉でも、ニュアンスの違いがあることで、大きな問題になることがある。そのことについて話を。  これは私の留学の二年目のこと。一年目は散々な生活だったものの、二年目にはどうにか仏語も良くなり、さらに周囲には何とか話の出来る友人も出来はじめた。さらに幸運なことには、何を間違えたか、哲学科に日本の哲学者、西田について研究したいという仏人が入ってきた(日本滞在経験有りの人)。パリならともかく、 . . . 本文を読む

日本語以外で書くときの文体

2010年06月04日 | 言語
 言葉について、このところ連続的にエントリーを書いているけれど、熱にうなされたように?(笑)、そうしたことを考える時期がある。  外国語でものを書く場合、どこまで「文体」に気を配るべきか? この問題は、私がここ数年頭を悩ませている問題である。正確には、留学の際に悩まされた問題、と言うべきで、その後もそれが強迫観念のようにつきまとってきたわけなんですが。  まあ、実際のところは、外国語で書くとき . . . 本文を読む

こり始めると言語は……

2010年04月19日 | 言語
 言語ついてエントリーをしてみたい。  というのも、言語にこり始めると、終わりはないもの。どんどん深みにはまっていく。私の場合、これが参考書や辞書に向かうことが多々ある。  前回、小辞典について手軽に引ける便利さを最大限に利用すべきだと、意見を述べたけれど、今日は私がどの辞典を使っているかをちょっと紹介(ただし仏語)。皆さんの参考になればうれしい。   デイリーコンサイス仏和・和仏辞典(三 . . . 本文を読む

英仏・仏英辞典

2010年03月15日 | 言語
一度何かを始めると、限度を知らずに突き進む傾向が私にはある。で、辞典について話を続けたいと思う。  さて、今回はなしをしたいのは、次の辞書。 Collins Robert French Unabridged Dictionary, 9th Edition (Collins Reference)/td>Collins Reference  というのも、ある事情で、仏語で文章を書かねばならなく . . . 本文を読む

文法主義?

2010年03月06日 | 言語
 今回も言語についての話。  いろいろなブログを読んでいて、語学「教育」に関するブログを見つけた。現在の会話重視教育について反論しつつ、正しい正確な外国語の必要性を説き、文法の重要性を説いた大変興味深い文章である。もし興味がある方はこちら  私も、自分の留学の際には、文章を書く能力の必要性に大いに苦しめられた経験がある。また、現地の仏語を母語として操る人(友人ですが)の文章力にも大いに悩まさ . . . 本文を読む

仏語参考書について1

2010年02月13日 | 言語
 私は、以前、ある英文学の先生から「あなたは語学コンプレックスが強すぎる」と言われたことがある。同じことを、近しい仏人の友人から言われたこともある。  で、語学コンプレックスが強いせいか、世に出ている語学の本を見ると、すぐ手に入れたくなってしまう。あまりそうした参考書に頼るのもどうかと思う。が、せっかくだから、私の個人的な「趣向」で、私の「お勧め」を何回かで紹介しようと思う。  まずは、初め . . . 本文を読む

私的辞書の使い方 その2

2009年04月01日 | 言語
前回は小型辞典について、話しましたが、今日はちょっとその続き。 先日読んだある翻訳家の方の文章で、「小型辞典だけではだめ」だったか(あるいは「小型辞典は最小限に」)と言われているのを目にしました。私も、「小型辞典だけではだめ」という意見には賛成。しかし、同時に「大型辞典だけでもだめ」と常日頃考える。  これは留学していた時の話だが、自分のアパルトマンには、テレビの上、ベッドの脇、キッチン(と呼 . . . 本文を読む

辞典の使い方

2009年03月29日 | 言語
 前回、前々回のエントリーでは翻訳の話をしているので、勢い、今回は言語、それから辞書について。  私の専門は社会学なのだが、仏語を中心とする領域を専攻にしている。  ただし、社会学という分野の性格上、英語も不可欠なため、英語も日頃から使うように心がけている。少し前から、「語学や翻訳、あるいは英語などを専門としている人の意見も知らねば……」と思い、翻訳家の方々の翻訳指南書を数冊購入して読み始めて . . . 本文を読む

言語について:それなりの場ではそれなりの言葉を

2008年07月19日 | 言語
 前回は私のゼミでのさんざんな発表の話をしました。ただ、言い訳的に補足しておくと、後日その発表原稿を仏人の友人に見せると、「何でこの文章でだめなの?」と言っていた……。(ちなみにこの彼が、後になって「母語としての仏語の難しさ」を私に吐露してくれた友人でした)  まあ日本語でも同じことありますが、「外国人の日本語」というレベルと、「聞いていて(読んでいて)苦痛でない日本語」というのは、格段の差があっ . . . 本文を読む

「正統性」の暴力?

2007年10月15日 | 言語
 語学の勉強と、活字化されてない新しい「動向」を知るため、仏語のpodcastを聞くことが多いのだが(新刊の批評などが放送されている仏の教養ラジオ局や、かの[と言うほどでもないのだが]コレージュ・ド・フランスの講演などがpodcastで聞くことができる)、この週末は、米のいくつかの大学で同様のものがないか探してみた。  やはりこの種のテクノロジーは、米の方が先進的なのか、いくつかの大学で講義その . . . 本文を読む