教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

子どもたちを見る大人の目

2008年10月05日 | 地域連携
 先日、私は小学生を校外学習に引率する機会がありました。モノレール・電車・バスを乗り継ぎながら目的地に向かい、帰校するというものでした。貸し切りバスを使っての校外学習ではないので、子どもたちへの事前指導では、「乗り物の中で騒がない」「座席は一般のお客さんに譲ろう」など公共マナーについても担任から具体的に指導を受けての参加でした。

 しかし、その道中で私は不愉快な思いをすることがありました。帰りのバスに乗ろうとしたときです。乗車の際、運転手さんに「小学生がたくさん乗り込みますが、座席を占領して他のお客様に迷惑をかけないよう立たせます」と挨拶したのですが、返ってきた言葉は「そんなことより、子どもらが騒がんようにして下さい!」という言葉でした。

 一台のバスに2クラスが乗り込むと混み合うので、前のバスが出た後15分間バス停で子どもたちを待たせての乗車でした。バス停でも乗り降りする方たちの邪魔にならないよう、待合用ベンチから離れ歩道で2列に座って静かに待たせるなど、注意を払っていたのです。失礼な対応と思いながらも、一般客の乗車を待って子どもたちへバスに乗るよう指示したとたん、高齢の女性客グループから「子どもらは立たせなさい!」と注意を受けました。子どもたちはバスに乗り込んだだけで誰も座席に座っていないにもかかわらず。

 運転手から注意された後、女性客から注意を受けるまで、わずか20秒足らず。騒いでいないにもかかわらず騒がないように指導しろ、誰も座席に座っていないのに立たせろ、いったい大人たちは子どもをどのように見ているのだろうかと思ったのです。運転手さんも女性客も、過去に小学校の団体と出会い嫌な思いをした経験があるのかもしれません。しかし最初から敵対的な感情でしか子どもを見れないというのは不幸なことだと思います。

 私はこのダブルパンチに、かなり頭にきました。女性客には「子どもたちには座席を占領しないよう、事前に指導しています」と答えた後は、子どもたちが運転手や他の乗客からの非難を受けないよう、バスの中を見渡していました。しばらくして「ここの学校は躾がいきとどいてますな」「こんな学校ばっかりやったらええのに」と話し合う女性客の声が聞こえましたが、顔を合わす気にもなれませんでした。

 子どもたちに優しく(せめて普通に!)接するゆとりを大人たちが失っていることが残念でした。
 


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