教育相談室 かけはし 小中連携版

ある小学校に設置された教育相談室。発行する新聞「かけはし」が、やがて小・中3校を結ぶ校区新聞に発展しました。

住宅地にコンビニエンスストアーが必要か?

2006年06月20日 | 地域連携
 中学校のホームページを見てみると、偶然に校区に建設されたマンションの掲示板にたどり着きました。その中に近隣センターを建て直してコンビニをつくって欲しいという意見が載せられ、賛否の意見が続いていました。 

私が中学校教員になった1970年代、今のようにコンビニエンスストアーが氾濫していませんでした。当時勤めていた中学校は、アパートと町工場と商店と飲み屋が混在する大変にぎやかな地域でしたが、それでも夜になると、酔っ払いはいても子どもたちには出会いませんでした。ところが80年代になり「24時間型都市構想」などという言葉がもてはやされると、「規制緩和」ともあいまって、住宅地の中に次々と24時間営業店が誕生しました。便利さと引き換えに、そこで働く人の健康が損なわれました。車やバイクが集まり静かな夜が奪われました。朝になるとたくさんの食べ散らかしたゴミをカラスが奪い合うようになりました。

私が赴任した1995年には、東町中は校区内にコンビニのない唯一の中学校になっていました。それが2000年3月にヤナセ自動車の千里中央店がファミリーマートに変わり、ついに校区にコンビニが現れました。そうは言っても私たちの校区は、住宅地と商業地がハッキリと区別されています。さらにもっと言えば、学校・幼稚園・保育所・医療機関が計画的に配備され、さらにその周りを広大な公園や緑地帯が取り巻いています。 

 ところが計画的な街づくりを目指した大阪府千里企業局は、昨年その役割を終えたとして廃止されました。それにともなって北町でも東町でも近隣センターのあり方が大きく変化しようとしています。大阪府に依存していた千里の街作りは、良い意味でも悪い意味でも、私たち住民の意志に委(ゆだ)ねられようとしています。私たちの小中学校も、街作りの大きな構成要素の一つです。地域環境が悪化しているのに、公立学校である私たちの学校だけが良くなるということがあるはずがありません。逆に小中学校が悪くなれば、その学校を卒業した人たちで構成される地域が良くなるはずがないと考えています。 

 住宅地にコンビニはいらない、私はそう考えます。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (imacoco)
2006-06-21 16:35:26
ずっと昔は、夜7時を過ぎると商店は閉まり、食べたいものがあっても 我慢するという、そんな時代でしたよね。

でも今は、多くの市町村に24時間やってる店があって。



親御さんは余程注意していないと、子供を善くない方向へやってしまうような感じが 私もします。

静まり返った 街路灯だけの夜中の住宅地が良いと思いますね。
返信する
コンビニエンスストアーと地域経済 (教育相談員)
2006-06-23 00:57:27
アメリカでコンビニエンスストアーが作られたとき、店長はその地域に住む既婚者でなければならないといった申し合わせを決め(3つか4つありましたが、忘れました)、地域との共存を大切にしようとしたらしいです。しかし現在の日本では、アルバイト店員中心のコンビにが1つできる毎に、何十年と営業してきたプロの経営者(一家の家計を支えていた)による専門店が、いくつも潰れています。「悪貨が良貨を駆逐する」という経済学の法則は、ここにも生きているのです。
返信する