宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史』⑬『万葉集』では「一般庶民」が歌うが、こういう文化は世界に存在する!⑭「民のかまど」のエピソードは「徳治」をアピールした!

2020-08-31 12:09:18 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、古代~近世篇」(2020年) 「飛鳥時代~平城京」の章(43-66頁)

(13)『万葉集』:「一般庶民」が歌うが、こういう文化は日本だけでなく世界に存在する!(56-58頁)
J 百田尚樹『日本国紀』は、7世紀前半から8世紀半ばまでに詠まれた歌を収録した『万葉集』について、「1300年も前にこれほど豊かな文化を持った国が世界にあったろうか」(52頁)と言う。特に「一般庶民」の「ごく普通の嗜み」として歌が歌われたことを誇る。
J-2 だがこういう文化はもっと昔からたくさん世界に存在していた。(ア)前3500年(今から5500年前)のメソポタミアのシュメール人の職人・商人の言葉が残る。(イ)前3000年(今から5000年前)のエジプト文明では、ピラミッド建設は奴隷の労働でなく、祭りの行事のように建設がなされたと今、わかっている。その時の様子を記した詩や話の記録が残る。(ウ)前5世紀(今から2500年前)の古代ギリシアでは市民レベルの学問も発達していた。
《感想1》世界史の中で、日本が後発であることはあまりに自明。例えば、「倭の五王」の時代(5世紀)はメソポタミアのシュメール人の時代から4000年、エジプト文明から3500年、古代ギリシアから1000年もあとの事だ。
《感想2》今、日本人は「自信を無くしている」。(a)「失われた30年」で経済が低迷して久しい。(b)若者の半数は非正規雇用で子どもを持つのが大変。未来が描けない若者が半数だ。(c)日本が経済援助していた中国が今や世界の大国で核も保有する。かくて「日本人は優れている」という言葉を日本人は聞きたがる。
《感想2-2》Cf. なおそのような信念の物書きは「思いがけず」儲かる。物書きは「売文業」だ。

(14)仁徳天皇の「民のかまど」のエピソード:「徳治」をアピールする必要があった!(59-60頁)
K 仁徳天皇(5世紀)の「民のかまど」のエピソード(民のかまどから煙の上がらないのを見て税を免除し、自らも倹約に努めた)(『日本書紀』巻11)について、百田尚樹『日本国紀』は「当時の為政者に大衆の人気取りをする必要はない。・・・・つまり創作する理由がない」(53-54頁)と述べる。
K-2 しかし『日本書紀』(720年)の完成した奈良時代、日本(大和政権)は中国の律令国家を理想としていた。中国では為政者の「徳治」(仁と徳による政治)を理想とする。『日本書紀』は中国を意識し、天皇の「徳治」を描いた。

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