宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

安部悦生『文化と営利』「あとがき」:《「自由」(機会の平等)は格差を生み、「結果の平等」が損なわれ、結局、「機会の平等」(自由)が失われる》という資本主義のパラドックス!それを「友愛」が緩和する!

2020-08-28 19:52:47 | Weblog
※安部悦生『文化と営利 ―― 比較経営文化論』有斐閣、2019「あとがき」(367-370頁)

(1)フランシス・フクヤマ(1952-、Ex. 『歴史の終わり』)、マックス・ウェーバー(1864-1920)、エマニュエル・トッド(1951-、Ex. 『帝国以後』)など!
A 本書の骨組みに大きな影響を与えたのは、フランシス・フクヤマ(1952-、Ex. 『歴史の終わり』)、マックス・ウェーバー(1864-1920)、エマニュエル・トッド(1951-、Ex. 『帝国以後』)、アルフレッド・チャンドラー(1918-2007)、丸山眞男(1914-1996)、森嶋通夫(1923-2004、Ex. 『イギリスと日本』『なぜ日本は没落するか』)、佐藤優(1960-)、源了圓(1920-、Ex. 『義理と人情』)、川北稔(1940-、『民衆の大英帝国』)、中川敬一郎(1920-2007、Ex. 『イギリス経営史』)、米川伸一(1931-1999、Ex. 『現代イギリス経済形成史』)、森川英正(1930-、“Zaibatsu”)、由井常彦(1931-、Ex. 『歴史が語る「日本の経営」』)などだ。

(2)1960年代末の三大研究者:宇野弘蔵、大塚久雄、丸山眞男!
B 1960年代末、次の3人が三大研究者と言われていた。①「マルクス経済学の最高峰」と言われた宇野理論の宇野弘蔵、②比較経済史と呼ばれた大塚史学の大塚久雄、③政治学の丸山眞男。
B-2 だがその後、数十年が経ち、①宇野理論(というよりマルクス経済学)は、「近代経済学にノックアウトされて」解体。②大塚史学は川北稔氏などの「世界システム論」に押され昔日の面影はない。③唯一、「体系性」を持っていなかった丸山政治学が生き残っているかに見える。(橋爪大三郎『丸山眞男の憂鬱』は本質的批判でない。)

(3)ウェーバー、トッド、チャンドラー!
C マルクス経済学は凋落したが、ウェーバーの宗教社会学は、毀誉褒貶(キヨホウヘン)はあるが緊張感をもって我々に迫って来る。
C-2 トッドの家族形態と相続の理論はかなりの説得力がある。
C-3 チャンドラーの経営者企業論は、家族と経営を考えるうえで大いに参考になる。

(4)《「自由」(機会の平等)は格差を生み、「結果の平等」が損なわれ、結局、「機会の平等」(自由)が失われる》という資本主義特有のパラドックス!それを緩和するのが「友愛」だ!
D フランス革命の「自由、平等、友愛」が社会や文化、そして経済の在り方、企業経営に大きな影響を与えている。
D-2 第一義的に重要な「自由」は、機会の平等など様々な自由として存在するが、その結果、格差が発生し、「結果の平等」が損なわれ、結局、「機会の平等」(自由)が失われるという資本主義特有のパラドックスが生じる。それを緩和するものが「友愛」だ。

(5)ウィリアム・モリス:芸術家でありながら、企業家であり、かつ社会主義者!
E 「表紙で使用したウィリアム・モリスの作品は、芸術家でありながら、企業家であり、かつ社会主義者であったモリスが、本書の『文化と営利』のテーマにピッタリであるとの理由から使わせていただいた。」


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