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「試着室」 吉沢華

2014-10-14 | 本と雑誌


幻冬舎アウトロー文庫 222ページ 457円+税

吉沢華のデビュー作。
音大生の亜弓は銀座のテーラー西園寺でアルバイトをしている。ここはパートで勤める姉の琴音からの勧めで始めた。ある日ここにデパート勤務の菊地がスーツの仕立てにやってくる。試着室で亜弓に採寸された菊地は思わず勃起してしまう。これを知った、オーナーの西園寺は亜弓の手を連打して、そして窓際に押しつけて処女を奪ってしまう。

吉沢華を読むのは2冊目。2作目の「手術室」を読み、ところどころに読者をうならせる表現がちりばめられており、気になる作家となりました。その処女作がどんなものかという興味もあり、本書を購入。
2作目と比べるときらめくような表現力はほとんど見られませんでした。とすると、1作目が出版されて以降、作者が自己研磨したのか、良き編集者によるアドバイス、支援があったのかどうなのか。こういうところも興味があります。

本作は登場人物は姉妹とオーナーとお客の男女各2名の合計4名。いとも簡単に処女を奪う、奪われた女性は翌日にはあっけらかんとしている。好いた女性が他の男に半ば犯されているところを見ても男はへこたれない。これは吉沢華作品の特徴でもあり、弱みでもあります。ここの心理描写を少し踏み込めば、味わいが出てくるかと思った次第です。

試着室 (幻冬舎アウトロー文庫)
クリエーター情報なし
幻冬舎
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