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「黒船特許の正体 ー Apple、Amazon、Googleの知財戦略を読み解く」 松倉秀実

2013-04-03 | 本と雑誌

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Kindle本 648円

IT時代の寵児たる米国の3社 Apple、Amazon、Google。この3社の事業モデルとその事業を固めて推進するために執られている知財戦略について解説した書。

著者の調査によると2011年8月現在の日本での特許件数はApple 55件、Amazon 19件、Google 27件に過ぎない。マイクロソフトの保有1200件には足元にも及ばない。では何が黒船なのか? ・・・・


メモ
Appleは過去にマイクロソフトのWindowsに対して、ウインドウやアイコンのUIがAppleのルック・アンド・フィールに類似し、その著作権を侵害しているという訴訟を提起した。しかしながら裁判所はこれらのUIの機能は著作権の保護範囲ではないとして、Appleの訴えを退けた経緯がある。スティーブ・ジョブズはこのようなUIに独自色を出せない時代の反省点から、マジックパッドやiPadで採用した最近のUIは、そのタッチ面の物理的な構造を含めて、徹底した特許戦略をとっている。

Amazonの出願内容はユーザー認証、サーチ照会、電子商取引、ギフト発送方法等のAmazonのビジネスモデルそのものに関わるものがほとんど。日本では特許になりにくい。Apple、Googleと比べて、技術志向が強くなく、その結果特許を取得しにくく、かつ特許に拘泥しないAmazonの姿勢がある。

GoogleのGoogle AppsやAndroid等の売上は全体の4%にすぎない。Appleと熾烈な特許戦争が続いている携帯電話OSのAndroidの売上は極めて低い。
スマートフォンの特許戦争の本質はOSの勢力争い。Apple特許のターゲットとなるのは、OS(Android)提供元のGoogleではなく、そのOSを搭載したスマートフォンを販売しているハードウェアメーカー。その理由は①OSレベルの特許侵害の証明が難しい。②Androidがオープン規格であるためGoogleそのものを訴えにくい。③Google自体がOSの提供で利益を得ていない。
今後Googleは企業買収や特許譲渡で得られた特許権を、Appleからの訴訟にさらされている企業に提供し、Appleに対抗させて、Appleとの間でクロスライセンスを締結させて、訴訟の決着をつけることが予想される。
Googleは現在利益を上げていないOS(Android)であるが、将来のために自陣営で死守しておかねばならないと確信している。

ページ数は少ないですが、極めて内容が充実した書です。間違いなきお薦めです。

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