ナイスちょっとな健康維持

健康維持がテーマ。健康維持は日々の積み重ね。気楽にちょっとずつ続けてナイスでいよう。薬剤師が発信します。

インフルエンザ薬

2008-04-24 06:13:51 | メディカルサイエンス
人気blogランキング >>クリックしてね

日経トップに「インフルエンザ薬国産化」という見出しと「富士フイルム」「第一三共」というキーワードを見て違和感を感じた。

インフルエンザ、ウィルス、菌?
H5N1、新型?
薬、ワクチン?
第一三共?富士フイルム??
タミフル?
ロッシュ、中外?
リレンザ、グラクソ?

連想ゲームのようにキーワードが駆け巡ったわけだ。

そもそも、わたしが受けた薬理学の授業では、テキストのウィルスの項目は20行くらいしかなかった。インフルエンザウィルスに感染したら「治療する」という概念が最初からない。だから、「インフルエンザ薬」という言葉だけでまずは混乱する。治療薬がないのだから。ワクチン接種による予防か、感染後に自然治癒力を高めるか二次感染を防ぐ抗菌剤の投与で静かに回復を待つのみ、という感じだ。

そういえば、アメリカでは、OTC薬でTherafluという風邪薬が売れていた。

Thera=治療
flu=インフルエンザ

というネーミングから、当時(1992年)アメリカにはインフルエンザ治療薬があるんだ、やっぱアメリカはすごいなぁ、と妙に感動した記憶がある。(残念ながらこれは普通の風邪薬。白湯にといて飲むのだが、ほろ苦いほっとレモン風で風邪にはよく効いた)

昨日の報道を見る限り、この記事の主旨は、4月25日に新型インフルエンザ対策を目的とした感染予防法と検疫法改正を成立させる方針との事で、各社がインフルエンザ薬生産に力をいれている、という事のようだが、よくよく読むと、新型インフルエンザに効く新薬登場!というセンセーショナルな話ではなく、従来型インフルエンザの新薬に該当するものを、国内でやっと生産する事になったょ、という話。その新薬、一応、H5N1にも高い効果が確認されているものではあるらしいが。

新型インフルエンザという単語をH5N1に限定せず一般語として解釈すると、現時点でこの世に存在しない真の新型インフルエンザウィルスが、明日いきなり蔓延してもおかしくないわけなのだが、思い起こせば、そもそも、20年くらい前には、今あるインフルエンザ治療薬さえも存在しなかったが、そんな時代を生きてきたのだから、まぁ、「治療薬」が存在するだけでも、ある今はまた一つ贅沢な時代になったとも言えるわけだ。

治療薬がある事も重要だが、今はきっと、プレパンデミックワクチンをどうやったら優先的にゲットできるのか、という事への関心の方が高いとみた。知らなかったが、プレパンデミックワクチンについては、北里研究所と大阪大学微生物病研究会が製造・承認を取得済みらしい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テキサスの紫外線に後悔しな... | トップ | GWはプチ断食 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

メディカルサイエンス」カテゴリの最新記事