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中国人の医学博士から漢方について話を聞く機会があった。目からうろこというか、もやもやしたものがスパッとしたというか、そんな一言があった。
「西洋医学が科学なのに対して東洋医学は哲学です」
なるほど、とうなずいてしまう。漢方は「陰」と「陽」のバランスをみる陰陽学と、「木」「火」「土」「金」「水」のバランスをみる五行学。望診、聞診、問診、切診、による証を得る事が治療という目的を果たすが、そこにたどり着くまでの個人技がここでいう「哲学」なんだろうな。
私は、山之内製薬のカコナールを絶対的に支持しているが、カコナールのもととなる成分の葛根湯が本領を発揮するのは、誰でもオッケーということではなくて、実は、服用者が上述の陰の状態か陽の状態かによって効き目は違う(というか逆の場合は効かないのかな?)と思っていた方がいい。それくらいは、さすがに知っていたが、少なくとも私は間違いなくこのカコナールに何度も助けられた。他の葛根湯エキス剤よりこのカコナールが効く。
今話した葛根湯の場合は、同じ症状(例えば、風邪のひき始めの発熱)でも漢方では陰か陽かで使う薬が違ってくる、という話だが、さらに、同じ薬でも、その人の状態が(哲学的に)診断された結果によっては、まったく違う症状で使われるというから興味深いし、ある意味信頼できそうな気がする。
私が、学生の時は、問診しながらその患者に適切な漢方薬にたどりつくことができる便利な本があった。気のせいかもしれなが、私が時々訪ねる漢方取り扱い医院の先生もそれと同じような本を参照して処方しているようだが。。。
Yes,No,の西洋医学はわかりやすいが、ちょっとファジーっぽい東洋医学も、その人に最適な治療という意味では最終的には、Yes,Noともいえる。が、きっと、綿密には、漢方は100人いたら100通り、1,000人いたら1,000通りの治療となるんだろうな。東洋医学は要らぬものを取り除く、に対して、漢方医学は持っている力(自然治癒力とか免疫力)を高めるか、という事であれば、中国4,000年の歴史の方がずぅ~っと今風な考え方だよね