もう論外だ、と見放した人が多いと思われる朝鮮民主主義人民共和国。「民主主義」とか「人民」などが存在しない国に限って、国名に「民主主義」とか「人民」があるという大きな矛盾にも気が付きます。
「自国国民を餓死」させても「金王朝の存続」のほうを優先し、食糧確保ではなく核実験で国威発揚を狙いますが、いずれこの国も間違いなく崩壊の運命から逃れることはできません。
マスメディア的に言えば、「焦点は、崩壊後の金王朝一部の亡命先が、ロシアか中国か、それ以外か」というところです。
ただし崩壊後にその地で影響力を増そうとするロシア・中国・アメリカなどに、注意を払っておかねばなりません。
2016/01/06北朝鮮が実施したとされる核実験について、さまざまな報道が見られます。またこの手の報道を利用している北朝鮮。
朝鮮中央テレビ通じ「水爆実験に成功」と発表
【ソウル大貫智子】北朝鮮は6日、朝鮮中央テレビを通じ「水爆実験に成功した」と発表した。日本の気象庁は6日午前10時半ごろ、北緯41.6度、東経129.2度の地点を震源とするマグニチュード(M)5.1の地震を観測した。震源の深さは0キロ。:毎日新聞2016年1月6日 12時38分
まずは
北朝鮮の発表がありました。ほとんど同時に地震計などで注意深く監視していた各国からの「地震波形の情報」も伝えられ、これらさえ入手しようとして相手の出方を窺っている北朝鮮。
私の記憶に
間違いがなければ、北朝鮮に結構年配の女性アナウンサー、リ・チュニ〔1943- 〕がいて、今回も登場しました。引退気味ではあっても、重要なニュースでは、若いアナウンサーには任せておけないのでしょう。こちらでは、核融合爆弾ではなさそうだけれども、リ・チュニの生存確認はできた、と笑いを誘っております(笑)。
とはいえ
今どき国威発揚のため「核実験」を続けるのは北朝鮮だけで、よりいっそう経済制裁が進むものと思われます。
国連決議に違反しても何のその、親に抵抗する小学校低学年児童のだだっ子ぶり。もちろん中国・韓国は小学校高学年の児童。アジアの国々には、なぜ小学生がおおいのでせうね。どの国にも自分の利益だけしか念頭にない人が見られますが、アジア大陸ではそれがあまりにも多すぎる、と言えます(笑)。一体その原因は何か・・・・
米、中国に北朝鮮対応の見直し要請 両国外相が電話会談
1月7日、ケリー米国務長官(写真)は前日の北朝鮮の核実験を受けて、同国に対する中国のこれまでのアプローチは失敗したとし、中国側に対応の見直しを求めた。:ロイター 2016年1月8日(金)8時3分配信
アメリカもまた
2重3重の規準を持ち確かな判断力を欠く怪しげな国家ですが、中国はそれを遥かに上回るほどの「国家とは言えない」違法集団ですね。
ついでに言えば、ロシアは、恐ろしい国で何をし始めるか分らず「欧米と似ている傲慢さはあるけれども、欧米とは異質のところが多い国」でして、日本にとっては「中国よりはいくらかマシ」という程度(笑)。
アメリカは自分の非をそっちのけにして、尊重してきた中国の対北朝鮮路線を変更するよう求めたとのこと。無頼国家を相手にする場合、無頼でなければならないのでしょうか。
また韓国の朴槿恵も中国に対する失望感を表明しているとのこと。〔朴大統領の談話:読売2016年01月13日〕
中朝国境地域は厳戒態勢、実験で雪の地面に亀裂
【延吉(中国吉林省)=中川孝之、丹東(中国遼寧省)=蒔田一彦】北朝鮮による核実験から一夜明けた7日、中国吉林省の北朝鮮との国境地域では、中国軍などが検問で報道関係者を排除するなど厳戒態勢を敷いた。:読売新聞 2016年1月7日(木)22時1分配信
北朝鮮としては、核実験をする場合、国内に影響がないようできるだけ人口密集地帯から離れた周辺の地を選びますが、そこは中国国境に近くなります。よって中国では測定を繰り返し取材陣を排除しているとのこと。
この中国の見せかけの姿勢はいつものことで、不都合なことで取材を制限するのは、北京オリンピック期間も含めて中国では恒例のこと。いくら事前に「言論の自由」・「取材の自由」を保証しても、そんな約束が守られることは決してありません。
中国共産党〔1921年結党〕が中華人民共和国を建国〔1949年〕したのであり、その逆ではないことをお忘れなく。
中国では「国民はすべて中国共産党の支配下にある」のです。一党独裁のあきらかな証拠ですね。
B52爆撃機が在韓米軍基地上空飛行…北けん制
【ソウル=宮崎健雄】在韓米軍は10日、核兵器も搭載可能な米軍のB52戦略爆撃機が、在韓米軍基地のあるソウル南郊の烏山の上空を飛行したと発表した。
6日に核実験を行った北朝鮮をけん制する狙いがある。スカパロティ在韓米軍司令官は「米韓同盟の能力と強さを示すものだ」との声明を出した。
B52は韓国上空を飛行した後、米グアムのアンダーソン基地に戻ったという。:読売新聞 2016年1月10日
韓国は、こんな事態が起これば、通常は中国に「あま~いべったら漬け」であっても、米軍を頼るしかありません。
ただしそのアメリカが中国と大きく対立しているのです。韓国は例によって、どっちつかずのあいまいな姿勢を続けていますが、それがいつまで続くのだろうか、という疑惑は残ったまま・・・・・・。
事実、今回の北朝鮮の核実験後にも、まるで米軍にそそのかされたように、韓国大統領の朴槿恵が「中国の北朝鮮対応へ不満」を表明しています。
こっちから言われたらああ言い、あっちから言われたらこう言う、という伝統の「情けない」表明です。
瀬戸際外交は、北朝鮮だけではなく、韓国でも行なわれています。朝鮮半島は、2000年にもわたって、そういう「危うい運命」を背負ってきており、それを美化して「瀬戸際外交」としています。
よって突然、もって生まれたさだめまで、変えることなど出来ないと、言えます・・・・・・。
♪ 「おゆき」
持って生まれた 運命(さだめ)まで
変えることなど 出来ないと
肩に置いた手 ふりきるように
俺の背中に まわって泣いた
あれは… おゆきという女 ♪
出典はこちら
「北朝鮮を孤立させる」=中ロとも協力―米補佐官
【ワシントン時事】マクドノー米大統領首席補佐官は10日放送されたCNNテレビの番組で、北朝鮮が4回目の核実験を実施したことについて「日本や韓国だけでなく、中国やロシアとも協力して北朝鮮を一層孤立化させる。だが一夜で解決する問題ではない」と強調した。 :時事通信 2016年1月11日
北朝鮮は、今でも充分過ぎるほど「孤立」していますが、それは表面的なこと。
裏では中国やロシアがこの国と密接な関係を保っているようで、これを念頭においてニュース記事を読むと、より状況が深く理解できるでしょう。
いわばアメリカのこの声明は、中国やロシアに向けた「孤立化」要望、「手切り要望」宣言だったようです。そして不都合がおこれば「経済制裁する」という欧米の手法が、やむを得ないとはいえ、はたしてアジアでも通用するかどうか、という問題に直面します。
しかし今回の核実験は、北朝鮮の唯一の同盟国である中国との関係に水をさしました。中国政府は500人を動員して、北朝鮮との国境沿いの放射線レベルの監視にあたっているほか、北朝鮮が核実験を続けていることに、反発する姿勢を表明しました。:ABCオーストラリア ワールド・ニュース NHKBS1 2016/01/12
アメリカのいいなりになっているかに見えるオーストラリアですが、重要なこと以外のアジア関係では、独自の取材もみられます。
それでもオーストラリアは、中国との関係を良好に保ちたいようです。
最後のまとめですが、なんと言っても、北朝鮮に関して重要性をもっているのは、同じ朝鮮半島の南側にある同民族の韓国。
しかし韓国では・・・・
対「中国」
- 経済的に中国にたより、たまに中国に対して不満を表明するだけで、南北問題で、積極的に何かをしたことはありません。
- かつて大統領金大中〔1925-2009 任期:1998-2003〕が対北朝鮮で宥和(ゆうわ)路線・太陽政策をとりました。しかし大統領就任直前の1997年に脱北して韓国へ亡命した金正日〔キム・ジョンイル 1942-2011〕側近の黄長〔ファン・ジャンヨプ 1923-2010〕を韓国内で政治利用させないと誓った「北朝鮮による金大中だまし作戦」にひっかかり、金だけぼったくられて明らかに失敗しました。だまされた韓国が今度は日本に対して同じようにぼったくろうと考え、慰安婦問題を蒸し返しましたね。
- 経済面では、日本からパクってきた生産技術を、今では中国にパクられてしまい、韓国内で「実質」の失業者が大幅に上がって〔zakzak 2014.05.23〕大混乱が生じているとのこと。数値を都合のいいようにねつ造・偽装するのは、中国や北朝鮮だけではなく、韓国の特技でもあります。そしていったん「だます」ことをやり始めると「もう次から次へ」とだまし続けなければ、矛盾に矛盾が重なり、もうやっていけません(笑)。
対「アメリカ」
- 軍事的にアメリカにたより、たまにアメリカに対して政治的な不満を表明するだけで、南北問題で、積極的に何かをしたことはありません。
- 北朝鮮に対する防衛のためと称して韓米軍事同盟を結んでいたけれども、このアメリカの対中国策に不満を持ち始め、朴槿恵が昨年中国の軍事パレードに堂々と参加しました。アメリカの対北朝鮮は実質的に対中国作戦であることが見破られており、韓米同盟の重要なところが中国共産党へ筒抜けなのでしょう。これがアメリカが韓国を信頼出来ないところで、同時に韓国がアメリカ一辺倒にならないゆえんです。
要するに韓国は
- 経済的に中国への依存を強め、軍事的にはアメリカへの依存を強め
- そして時折、中国への不満を表明し、アメリカへの不満を表明
こうやって瀬戸際外交をすすめてきました。これが朝鮮半島2000年の歴史なのですね。そうでもしなければ、生きていけなかった、と言えます。