カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

リトビネンコ殺害は

2016年01月24日 07時21分17秒 | 海外

2006年11月に

ロシアからイギリスへ亡命していたロシア人リトビネンコが、亡命先のロンドンで毒殺〔寿司店で多分同行客によって放射性薬物を投与され翌日死亡〕された事件で、10年間にわたる捜査の結果、当時上司だったプーチンが殺害を承認したのではないかという報告書がイギリスで公表されたとのことです。

当然のことながらロシアは反発しますね。

悪質きわまりない専制政治を平気でやっているところに限って、ばれてしまうと猛烈に反発します。それは済んだことだった、と。

そして、あの聞き慣れた声明を公表します。

「ロシアとイギリスの今後の関係悪化の責任はイギリスにある

そうです、共産主義国特有の「紋切り型」の表明で、「自分の側に正義があり、常に相手に非がある」という断定です。

あ~ぁ、これを聞いたら、「正義」が泣く、というもの。

なぜ独裁政権は「いつも自分に正義がある」と断定するのか、と疑問をもつかたがいらっしゃるでしょうが、これに関して私には何も違和感がありません。

独裁政権は「そんなもん」なのです(笑)。

ご存じの通りこれは独裁政権である

ロシア
中国
北朝鮮・韓国

から、しばしば発せられる文言です。

とにかく話し合おうとしない、協力しようとしない、かげでこそこそと密談し弾圧を繰り返す組織なのでした。

今ロシアは大変な環境にあります。

  1. 2年ほど前でしたか、2014年2月、ロシアがウクライナ領のクリミア半島を突然、武力併合した結果、世界中から経済制裁されていて、国内経済が疲弊している。
  2. ロシアの通貨「ルーブル」が暴落して輸出しやすくなっているにもかかわらず、制裁のおかげで輸出できないし、もちろん高価過ぎる輸入も制限されているらしい。
  3. 原油価格の暴落で、ロシア産原油の輸出に頼っていたロシア経済が、壊滅的な状況に陥っている。これはOPECで原油減産をせずに低価格路線を歩んだことに加え、核開発の関連で続いていたイランへの経済制裁がなくなり、イランからの原油輸出が増えると見られ、それなくても暴落していた原油価格が、さらに暴落するのではないか、と見られたことによります。「原油高」によるロシアの財政状況好転願望は、もろくも崩れさったのでした。
  4. さらに昨年、ロシアの陸上連盟が薬物汚染を隠蔽していたとされ、これが国家ぐるみの犯罪だったようです。この結果、リオ五輪への参加ができるか、サッカーWC開催が可能かどうか、瀬戸際に立っています。
  5. またロシアの民間機がエジプト上空でISに撃墜されたことに反発してロシアがシリアISへの空爆をはじめましたが、この空爆時に何回もトルコ国境を侵犯したとのことでロシア爆撃機がトルコ機に撃墜された事件があり、世界から経済制裁されているロシアがトルコを経済制裁しようとする、奇妙な関係が生じました。
  6. そこに今回の国家関与の、国外イギリスにいるロシア人リトビネンコ殺害の疑いが出てきました。これは事件直後から、誰もが「ロシア国家の犯罪だろう」と直感していてました。リトビネンコはもとKGB所属らしくプーチンが指示したとされる仕組みを熟知していたと思われます。

こんなロシア苦難の時

2016年の5月前後でしょうか、安倍がロシアを訪問する調整をしているとのこと。何をしに行くんでしょうね。

相手の苦境につけこんで、北方領土の奪還をねらっているのでしょうが、その代償を何にするか、あの独裁政権が苦境脱出を虎視眈々とねらっています。

ロシアとしては、何とかして日米の亀裂を画策しなければなりません。

もしもですが、あり得ないことですが、仮の話ですが、北方領土返還に関する進展らしき条件と引き替えに、あまりにも多大な貢献を要望されては、相手の思うつぼですね。

苦境に陥れば陥るほど凶悪・強硬になるのは、北朝鮮・中国そして韓国などを見ていると、分かってきます。決して「日本人的」な考えがそのままでは通用しない、と理解しておきたいものです。

もう踏んだり蹴ったりの状態ですが今後の展開はどうなるのでしょうか。注視してまいりたいと思います。