あつしが行く!!

日本共産党前福島県議会議員・長谷部あつしが日々の活動を綴ります。

「生命と食」/狂牛病の教訓/「平成の大合併」後

2008年09月23日 | 日々の活動



福岡伸一『生命と食』、保母武彦『「平成の大合併」後の地域をどう立て直すか』(いずれも岩波ブックレット)を読みました。

福岡氏は、昨年の「新書大賞」を受賞した『生物と無生物のあいだ』でも言ってくれていましたが、「生命現象」は、「エントロピー増大の法則に対抗し、自ら分解して、それを作りかえる」ことで「動的平衡状態を維持」することです(本書13㌻)。

だから、「生命現象にとって部分は幻想」でしかなく、「部分を切り取るということは関係を切り取るということで、動的平衡状態にある生命現象を破壊すること」です。しかも「動的平衡状態を維持するためには、時間がそこに折り重なります」(19㌻)。

狂牛病は、「草食動物は草を食べるという食物連鎖網を、三八億年の歴史が作ってきた生命の動的平衡状態を、より効率がいいからということで部分的に組み換え、草食動物を肉食動物に変えた」(24㌻)ことに根本原因があり、これを防ぐには「草食動物である牛を正しく育てればよいのです」(57㌻)。

「食べ、生きるということは、体を地球の分子の大循環にさらして環境に参加すること」という見方から「食の安全」を考える、ユニークな本だと思います。

「大合併」で保母氏は、「もしも『リコール制度』と同様な制度を市町村合併に適用するとしたら、どけだけの市町村を『無料で修理する』ことになるであろうか。その前に、不具合を国民に『届け出る』ことも義務となる。その届出は『合併して良いことばかり』といった手前味噌ではすまされない。いずれにせよ、政府がつくった制度の不具合は隠しとおしてもよいと考える“お役所的発想”はおかしなことである」(19㌻)と指摘しています。

「平成の大合併」とはそういうものだったと思いますが、現実に地域は崩壊の危機にさらされており、これを立て直す提言が本書です。

ともかく、「食」も「地域」も、自民党・公明党によって政治的に切り捨てられた分野であり、総選挙での争点でもあります。



きのう、病院駐車場敷地で見かけた花。