Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

ミルテの花

2010年10月25日 17時00分48秒 | Weblog
最後の調整に一時間ほど練習してきました。寒かった以外はそんなに調子が悪いわけでもなく、昨日はいったいなんだったんでしょうねぇ。でも肩はコリコリです。

それにしても寒い。急に暖かい飲み物がほしくなって、ハーブティーが家のどこかにあったはず!と探し出しました。いまやっと、ほっとタイムです。

さてコンサートはいよいよ明日ですが、もちろんアンコールも少しですが、ご用意しております。

その中でアンコールの1曲目は、シューマンの「ミルテ」という歌の曲集の第1曲目です。タイトルは「献呈」。シューマンがクララと結婚する際にプレゼントした曲集だと言われています。その「ミルテ」が花なので、今回取り上げました。

この「ミルテ」の花、これも私は大好きな花で、ビーダーマイヤー時代の象徴のような花です。ちいさな白い花で、当時の結婚式などは「ユリ」や「バラ」ではなく、このような地味な花がベールに飾られました。何枚か当時の結婚式の写真を見たことがありますが、素敵でした。ネットで「銀梅花(ギンバイカ)」で検索してみてください。写真をみることができますよ。

今もウィーンのカフェなどで、壁紙が細かい花柄になっていたりしますよね。この花ではありませんが、当時の小さくてかわいいもの、派手でないものが好まれる様子が見えます。

その他にも、明日はいろいろな花が出てきます。何の花かわからないものは、どうぞ想像して聞いてください。和やかな、かわいいコンサートになればいいなぁと思っています。では、明日!





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菩提樹

2010年10月25日 16時45分19秒 | Weblog
今日はよしこちゃんと最後の合わせでした。お天気のせいか、どうにも集中がうまくいかなくて、身体がおもた~い感じがして、声のコントロールがいまいち。お互い確認することだけ確認して終わりました。

さて「菩提樹」。めっちゃ有名ですが、シューベルトの「冬の旅」の中の1曲です。
失恋したところからスタートする「冬の旅」はほんまに暗い。明るい曲は中に数曲しかありませんので、途中で知っているメロディーがでてきただけでも嬉しくなってしまいますが、この曲ももちろん失恋の旅の途中。

みなさんが日本語で歌う、「泉にそいて繁る菩提樹~」は曲の最初。昔、そこには美しい記憶があり、恋をしていた自分がいます。でもその後、失恋し、夜中に村を出て、その上強い風が吹いて帽子が飛んでしまいますが、振り返ることもなく、今は遠くのどこかにいる自分がいます。そんな自分に、菩提樹が「ここへ戻っておいて」呼ぶ声がまだ聞こえているというもの。

すでにあちらこちらで書いていますが、
どうして帽子が飛ぶということをわざわざ入れるんだろう…って思っていたら、それは、当時帽子が「どこの村の何べえ」であるかを示すものだったからです。帽子の形や、飾りの羽根のつき方などで村がわかったそうです。日本でもそうですよね。着物の紋だとか、似たようなものはいろいろあります。

なので、帽子がない=どこの者かわからない=浮浪者となってしまい、もうどこにも戻れないということを意味しているのです。

どの曲にも、もうどうなってもいい、という彼の気持ちがちらほらと出ている曲です。とても日本語でよく歌われる美しいイメージだけでは終われない曲ですね。



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