新茶の香り

新茶の季節
お茶の産地と言われる地域の
田舎道をバイクで走ると

時折お茶の良い香りが
鼻まで（脳まで）届く

ふっと心が
和らぐ

締め切った車の中には
これは届かないんだなぁ

逆に
家畜小屋の近くを通ったときは…

こんなこと書いて
豚さん　牛さん　ごめんね
でも慣れない鼻に
突然その香りがやってくると
ちょっと堪えます

脇目もふらず

７０代後半と思われる女性が
我が家の前を
脇目も振らず
ウォーキングしていく

しばらくして
戻ってきて
また通り過ぎて行った

やはり脇目も振らず

ただ一心に
脇目も振らずに進むことが必要な時期
というのは
どなたの人生の中にもあるでしょうが

ある程度の年齢になれば
路傍の草花なども楽しみながら
のんびり歩いても良いような気がしてしまいました

いらぬ世話ですが…

すぐに

田舎道を車で走っていたら
お正月の小さなしめ飾りを
玄関先につけたままの家を見かけた

あっという間に四ヶ月が過ぎて
五月になったとはいえ
長過ぎる気がする
家主に何かあったのだろうか

しかし
あと８ヶ月経てば
そのまま飾りになってしまう
その時はすぐにやって来る

時はグイグイ
進みます

進化

恐竜の絶滅の原因は
巨大隕石の地球への衝突
というのが通説ですが
草食恐竜の一部はその衝突前から
すでに種として衰退していた可能性があると
米の研究チームから発表されたそうです

それによると
比較的大型の草食恐竜の一部は
恐竜絶滅前から種としての多様性が下がってきており
全盛期は過ぎ衰退していたというのです
つまり隕石の衝突が無かったとしても
少なくとも一部の種は絶滅していたであろうということです

進化が必ずしも種の反映に繋がらず
また多様性が失われれば衰退するということがわかります

人間社会において
突出した進化（進歩）が世の中を引っ張る
ということはあるでしょうが
全てがそれに右に倣えとなり
多様性を失っては
その社会が衰退するということも
教えてくれているようにおもいます

思想　考え方　についても同様であろうとおもいます

世の中をスムーズに動かすには
意見をまとめるという作業が重要になると思いますが
その際
意見の多様性を消去していくのではなく
違うままの意見も意見として残しておく
そんな柔らかな社会をもつ日本であってほしいとおもいます
日本という社会が衰退していかないために

傘

雨はそれほど強くないが
時折強い風が吹き抜けていた日
風に煽られ手に持つ傘が
逆向きにひっくり返ってしまった人を
何人か見かけた

肩と腕に力を入れ
直ちに元に戻そうとする人

諦め顔で
しばらくはただ見ている人

笑い出して隣のヒトと面白がっているひと

怒った表情になってしまう人


傘が風でひっくり返る

起こっている事は同じなのに
人により反応が違う
反応の違いでそれぞれの精神状態も変わる

面白いね

失う

今身の回りにあるものが
無くなるとか　足りなくなるとかいうのは
人に不安や恐怖を与える

手に入れたものを失うというのは
苦痛を感じる場合が多い

電力供給に関する
足りない恫喝は
そんな人の弱みに付け込んでいる

考えてみたら
今　身の回りにあるもので
昔なかったものがたくさんある

かといって
昔の子供たちが
楽しく遊んでなかったり
昔のひとが不幸だったかというと
そんなことは無いだろう

人は　何もないから　何も無くても
工夫するのである

少しくらい足りなくたって
何とかなるさ

エリート

食道癌の手術をして7年を超えた80歳女性
今年に入り大腿骨の頚部骨折を起こして
整形外科にしばらく入院されていた

この年齢で頚部骨折を起こすと
そのまま寝たきりになる方が多いので心配したが
元気いっぱい
今回も歩いて外来に来てくれた

リハビリがきつかったとのことだが
診察のベッドにもご自分で上がることができる
血液検査も異常なし

おそらく食道癌の再発はもう無いだろうから
日本女性の平均寿命年齢を超えるまで
元気に過ごして欲しいものだ

それにしてもこの方は
肉体的エリートですね
歳をとるほどに
個人差が大きくなります
60台でもこの方よりずっと老け込んだひともおられますから