デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークでの心温まる小さなこと

2009-09-11 06:34:56 | デンマーク人
 ちょっと私の心が最近がさがさなので、デンマークでの、小さな心温まる出来事を今回はひとつ書いてみたいと思います。

 夏のデンマークではあちこちでちょっとした無料のイベントがありますが、今年はラッキーなことに、2度もデンマークロイヤルバレエ団の無料のバレエに遭遇してしまいました。そのひとつがチボリででした。(バレエのことやチボリのイベントについてはまた後日書きたいと思います。)

 夕暮れ、家族は皆「バレエはいいや」と言うので、私は一人で見ることにし、野外劇場に行くとすでにベンチにはぎっしり。デンマーク人はバレエが好きで、自国のバレエ団に誇りを持っているように見受けられますが、そのときもみんながとても楽しみに待っている雰囲気でした。
 
 運良く一席空いているように見えたのですが、両隣のおばさん2人が、隣同士でそれぞれのご主人を差し置いてたまたまおしゃべりを始めていました。そこを割りいっては座りにくく、どうしようかなと困っていたところ、後ろの列に座っていたほかのおばさんが「ほらここ、座りなさい、空いているわよ」と指をさし、私が座るのを促してくれ、察した両隣のおばさんたちも、あら失礼という感じで私を手招いてくれました。座ってほっとしている私に両隣のおばさんたちは、にっこりしてくれました。

 バレエが始まると徐々に日が暮れて、急に寒くなり、バッグからそっとスカーフを出して肩にかけようと思いました。でもがさがさ、ばたばたすると悪いので、そっと後ろに手を回してかけようとしていたのですが、なかなかスカーフの端っこが捕まえられず、手間取っていました。と、隣のおばさんがさっとそのしわのある、ぼってりした手を伸ばして、私の肩にかけてくれたのです。ありがとうございます、と小声で言うと、またにっこり。

 こんなこと、たいしたことない話かもしれません。でも、いつもデンマークで人に関心を払われず(デンマークでは徹底した個人主義で、他人に過剰にかまうことはないため。過剰にかまうのはかえって失礼と思っていると思います。)、どこかで私もちょっぴり気が張っているところで、こういう小さな親切に出会ったのはほとんど初めてで、本当に嬉しく感じてしまったのです。

 「68年の世代」、そのころはデンマーク人は今のデンマーク人とは違ったと聞きます。その当時のデンマークを知る人は、デンマーク人は人懐っこくあったかい人達だというのを何度も聞いたことがあります。私に親切にしてくれたおばさんたちは、ちょうどそのくらいの世代に見えました。そして、私はそのときどき聞かされていた、見知らぬ他人に関心を持つ、他人を気にかける「人懐っこいデンマーク人」に初めて出会い、心がゆるんで温かくなったのでした。(もしかしたら、初めてというのは少し大げさな表現かもしれませんが・・・笑。)


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