子どものデンマークの語学学校から毎月もらう冊子があり、外国に住む親たちのために「デンマークの今日」というような内容の記事が載っています。
その中で「面白い」と言って夫が教えてくれたのが、デンマークのオリンピック選手についての記事です。常々、どうしてデンマークではオリンピックでメダルを取る選手がいないのかと不思議に思っていたのですが、今回、少しその謎が解けたかもしれません。
グルントヴィの提唱から始まっているそうですが、記事によれば、デンマークの考え方ではまずオリンピック選手といえどもスポーツオンリーではいけない、となっています。選手たちは選手であると同時に、職業人、あるいは学生であることが求められるそうです。そうでない人はオリンピック選手に選ばれないのだそうで、皆、フルタイムなどで働きながら練習しているそうです。スポーツに秀でていたとしても、人間的にバランスの取れていない人はダメだというわけです。
夫の父は1930年代から40年代のあたりでローリングをやっており、ほとんどオリンピック選手に選ばれるところだったのですが(戦争でオリンピックが中止されてしまい、行けませんでした)、その頃彼は同時に収入源として、自分でパン屋さんを営んでいました。それは偉いと思っていたのですが、なるほど、デンマークではそんなにすごいこととは思われないのでしょうね。夫の友人もカヌーの競技で世界一になったことがありますが、彼もそのときフルタイムの仕事を持っていたそうです。
さて、もうひとつ、そこにはデンマーク人のメダル観も書いてありました。メダルをとってもデンマークではヒーローにならないのだそうです。もちろん取ったときには騒がれるでしょうが、そこには日本のような熱狂的なものはなく、「おめでとう、よかったね!」くらいの感覚のようです。メダルを取ったことはおめでたい、でもそれが人として何か特別のことなの? みんな違っていて、みんなそれぞれ自分の道で極めていればいいんだから、何もメダルだけが特別なことじゃないんじゃない?というわけです。
妙に納得。デンマーク人は自分や家族、友人の成功はもちろん喜ぶけれど、他人の成功をやたらめったら賞賛したりはしない気がします。そしてヤンテの掟、徹底的な個人主義・平等主義を持つデンマーク人にとって、ヒーローはそもそも必要ないといえます。そしてデンマークでは国をあげての強化選手などもってのほかだし、本人の意思に添わない種目変更もあり得ない(たとえその選手が、今行っている競技には全く才能がなくても、コーチは他への転向をすすめてはならない)のだそうです。なるほど・・・。
かたや、オリンピックや世界レベルの競技において、毎回毎回大騒ぎになる日本。名の知れた選手はアイドルのような扱いを受け、一般人ではなくなる日本。メダルを取ればヒーローとなり、それで新しい職を得たり、芸能活動までできる日本。そして多大なプレッシャーを選手に与える日本・・・。
毎度のことながら、どちらがいいとはわかりませんが、両極端なデンマークと日本を本当に面白く思います。デンマークを離れて久しい夫、その極端な「デンマークぶり」をしばしば「変に思う」と言っていますが。
その中で「面白い」と言って夫が教えてくれたのが、デンマークのオリンピック選手についての記事です。常々、どうしてデンマークではオリンピックでメダルを取る選手がいないのかと不思議に思っていたのですが、今回、少しその謎が解けたかもしれません。
グルントヴィの提唱から始まっているそうですが、記事によれば、デンマークの考え方ではまずオリンピック選手といえどもスポーツオンリーではいけない、となっています。選手たちは選手であると同時に、職業人、あるいは学生であることが求められるそうです。そうでない人はオリンピック選手に選ばれないのだそうで、皆、フルタイムなどで働きながら練習しているそうです。スポーツに秀でていたとしても、人間的にバランスの取れていない人はダメだというわけです。
夫の父は1930年代から40年代のあたりでローリングをやっており、ほとんどオリンピック選手に選ばれるところだったのですが(戦争でオリンピックが中止されてしまい、行けませんでした)、その頃彼は同時に収入源として、自分でパン屋さんを営んでいました。それは偉いと思っていたのですが、なるほど、デンマークではそんなにすごいこととは思われないのでしょうね。夫の友人もカヌーの競技で世界一になったことがありますが、彼もそのときフルタイムの仕事を持っていたそうです。
さて、もうひとつ、そこにはデンマーク人のメダル観も書いてありました。メダルをとってもデンマークではヒーローにならないのだそうです。もちろん取ったときには騒がれるでしょうが、そこには日本のような熱狂的なものはなく、「おめでとう、よかったね!」くらいの感覚のようです。メダルを取ったことはおめでたい、でもそれが人として何か特別のことなの? みんな違っていて、みんなそれぞれ自分の道で極めていればいいんだから、何もメダルだけが特別なことじゃないんじゃない?というわけです。
妙に納得。デンマーク人は自分や家族、友人の成功はもちろん喜ぶけれど、他人の成功をやたらめったら賞賛したりはしない気がします。そしてヤンテの掟、徹底的な個人主義・平等主義を持つデンマーク人にとって、ヒーローはそもそも必要ないといえます。そしてデンマークでは国をあげての強化選手などもってのほかだし、本人の意思に添わない種目変更もあり得ない(たとえその選手が、今行っている競技には全く才能がなくても、コーチは他への転向をすすめてはならない)のだそうです。なるほど・・・。
かたや、オリンピックや世界レベルの競技において、毎回毎回大騒ぎになる日本。名の知れた選手はアイドルのような扱いを受け、一般人ではなくなる日本。メダルを取ればヒーローとなり、それで新しい職を得たり、芸能活動までできる日本。そして多大なプレッシャーを選手に与える日本・・・。
毎度のことながら、どちらがいいとはわかりませんが、両極端なデンマークと日本を本当に面白く思います。デンマークを離れて久しい夫、その極端な「デンマークぶり」をしばしば「変に思う」と言っていますが。
でも確かオリンピックだったと思うんですが、女子ハンドボール決勝戦では韓国対デンマークの試合、あれはさすがにこちらでも盛り上がりました。後で聞くと、韓国チームは優勝すると生涯の年金が国から確約されるはずだったとか。力の入りようにも納得がいきました。
デンマーク人は、サッカーだと盛り上がるんですけれどねぇ。やっぱり子どもの頃から競争や団結、スポ根などと無縁な環境で育っているからなんでしょうかね、オリンピックにはほんとに盛り上がらない国ですね。
デンマーク人はスポーツには盛り上がるのでしょうけど、オリンピックには盛り上がらないということなのかな?確かに女子のハンドボール人口、男子のサッカー人口は多そうに見えるので、このあたり関係しているのかもしれませんね。
韓国の話はよい話だけれど、世界ではオリンピックにまつわるもっと怖い話を聞くので(負けたら粛清されるとか)、デンマークのような国もあってもいいのかなとも思いますが。日本にいると日本が盛り上がりすぎ!と思ったりもするけど、デンマークにいると盛り上がらなすぎ!と思うのかな~?
schatziさん、
隣国との試合の話、やっぱりドイツとのスレースヴィ戦争だとか、長い歴史の中でのスウェーデンとのせめぎ合いなどで領土を失ってきたことなどが、彼らの心を熱くさせるのかもしれませんね。まあ、どこの国でも隣国との試合が一番熱くなるし、一方で自分の国が敗退した場合は隣国を応援したくもなるという傾向があるのでしょうけど。
日本も韓国とのサッカーの試合は、どうしても皆熱くなってしまいますものね。
楽しく読ませていただいています。
デンマーク人のその感覚納得です。現在北京に住んでいるというのに、勿論オリンピックに関して日本人のような盛り上がりはありません。ワールドカップは盛り上がるんですけどね。
またお邪魔させていただきますね。
初めてのコメントありがとうございます。これからもよろしくお願いいたしますね。
北京に住んでいらっしゃるのですね。開催地ということで、ご主人はちょっとわくわくしたりしないのでしょうか(笑)?
まあ、そのあたりが冷静で流されず、個人の価値観を大切にしているという尊敬すべきところなのかもしれませんけど・・・。
うちの夫もワールドカップは確かに盛り上がっています。