デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

デンマークの部屋のつくり

2008-09-17 08:50:23 | デンマークの家具・物・たべもの
           
           デンマークの古民家のきれいに切られた新聞で飾られた棚


 多分、どこの国でもそうだったのだろうけど、デンマークの古い家(デンマークにはよく古民家などを集めたり、再現したテーマパークがあります)を見ると、やはり部屋が小さいことに驚きます。部屋が小さいだけでなく、天井も低く、なぜか、リビングにベッドが置かれていたりして、ひとつの部屋をいろいろな目的に使っていたこと、部屋数がないところに大勢で住んでいたりしたので、使わざるをえなかったことが想像されるところです。

 さて、現在のデンマークの住宅は、それこそ世界に誇るような質実ともにすばらしい家です。冬は暖かくて快適、夏は開放的にお庭を楽しむ、という感じでしょうか。そして家具やインテリアもどこの家に行っても、センスよく、すっきり、とても素敵にまとめられています。

 そんなデンマークの家ですが、今回、ちょっと気づいたことがありました。デンマークの家の部屋が小さい、ということです。もちろん昔のような部屋の小ささではありませんが、リビングが大きく取られており、各部屋は意外と小さいのです。日本の部屋の感覚で各自の部屋は6畳くらいが平均でしょうか? だとすると、根拠はありませんが、私の感覚だとデンマークの各自の部屋は6畳か8畳なのですが、同時にそれを下回るようなサイズの部屋がデンマークでときどき見られます。

 以前、日本で幕張にイケアがオープンしたときに、4畳半のスペースをいかに上手に活用するかという展示をしていたのを覚えています。あのとき、確か日本にアジャストして、というふれこみだったと思いますが、今思うと、それこそ北欧の家の真骨頂、限られたスペースをどう上手に生かすか、というような考え方が共通しているのかもしれません。

 でもデンマークの家と日本の家の違うところは、とにかく収納が工夫されてたくさん取られているところ。今年の夏借りたサマーハウスは中2階の子供用の部屋が一部屋あったのですが(あの階段を数段上がっていくところが私は大好きです)、うるさい子ども達を隔離するためかと思いきや、その部屋の真下には収納の大きな部屋が取られていて、そのために中2階を作ってあったのでした。同時に1階のリビングやマスターベッドルームの天井裏にも、はしごで上がっていける収納がありました。その工夫のされ方に感動してしまったのでした。

 もうひとつ、デンマークのリビングルームについて。リビングルームは日本よりもずっと広く取られていることが多いようですが、デンマーク人は部屋をいくつかの目的別コーナーに分けて使っているように見受けられました。日本だったら、ダイニングテーブルとダイニング用椅子、そしてソファと低めのテーブルというようなセットがリビングルームにあるものでしょうか。中にはダイニングテーブルだけ、という家もあるかもしれません。デンマークではこの2つのコーナーに加え、もうひとつテーブルと椅子のセットがあることもあります。そこは窓辺でちょっとお母さんがお茶をするスペースだったり、子どもが座って宿題をするスペースだったりするようです。

 このように広いリビングを、あちこちにコーナーを作って、食事のコーナー、くつろぎのコーナー、一人でお茶をしてヒュッゲするコーナーなどと目的別に上手にレイアウトしているように見えました。家具もたいてい一家にひとつは祖先から受け継いだという、美しい年代ものの家具を置いてあったりしますし、実用的なものや装飾的なものなどをけっこうたくさん置いてあります。それでも狭い感じがしないのが、彼らのセンスと天井の高さかもしれません。

 スペースの都合ということもありそうですが、デンマークの部屋の小ささはどうも私には彼らが実は狭いところが落ち着く、ヒュグリだ、という感覚を持っているのではないかななどとも思います。あるいは、部屋の狭さなどは無駄なスペースは省いてよいという考え方なのかなとも思います。そして各自の部屋が狭くても、家族共通の部屋があって(例えば階段を上ったところの広いスペースなど)、そこで家族共通で使うもの、コンピュータや楽器、卓球台などが置かれていたりします。そういったスペースも実用的でいいなと思いました。

 デンマークから帰って、我が家も少し変革しなくては!と思い、8月はがんばりましたが、9月に入ってからはすっかり定着して日常生活にかまけています。またどこかで奮起して、デンマークを見習って、楽しく快適な生活ができる家を目指さなくては!


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3 コメント

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Unknown (els)
2008-09-17 19:11:40
わたしは、やっぱり、デンマークの住居は、どんな小さいフラットでもリビングを広めにとるのと、部屋ごとに用途がしっかり決まっているから、自ずと小さい空間ができるのでは、と思っています。両親と子供が別々に寝るというのもあるね。まぁ、本当に小さい部屋があるかどうかは、家のタイプにもよるんだろうけど。
うちの狭い部屋は寝室として使っているけど、万年ベットが置いてあって、寝るためだけに使うなら、確かに狭くてもいいかな、と。その点、日本に住んでいたときはふとんを使っていたから、いわゆる寝室というものがなかったしね、、
あと、狭い部屋を仕事部屋として使っている人も結構いるけど、仕事部屋は独立してあると集中できるからいいね。
用途別になっているから、リビングはシンプルですっきり、子供部屋と仕事部屋はカオス状態、と極端なケースが多いような気がする。まぁわたしは、子供がいる家ばかり見ているというのもあるけど。
また、フラットですら地下室などの収納がある、というのもスマートなシステムかも。
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Unknown (王子ママ)
2008-09-18 19:46:02
ご無沙汰してます!

デンマークと日本の間取りというか部屋の使い方の違いは私もいつも実感します。
便利グッズなどなくても生活できるような品物に溢れた日本とは違い、とてもすっきりと必要なものだけで生活しているような印象です。(少なくとも表に出ているものを見る限り。見せる必要のないものは表に出さないという姿勢も見習いたいところです。)
勿論地下室なんかの大型収納がある、というのも大きなメリットなんでしょうが、、

子供部屋も2Fにある場合は大体斜天井だったりで、実際の広さよりも狭く見えそうなのに、なぜか家具など落ち着いている長く使えそうなものを使っているためか、はたまた色のトーンが統一されてたりするためか、日本の子供部屋にありがちな子供っぽさやうるさい感じもせず、すっきりとした印象を受けます。

・・・余談ですが、たま~に夫に片付けてもらうとすごくすっきりと「デンマーク式」の家になるんですが、それもまたしばらくするとごちゃごちゃしてきて、いつの間にやら典型的な?日本の家と相成ります(涙)。
やればできるんだから、もっと頻繁に片付けてもらいたいものですが、それがそうはいかないんですよね~。。
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Unknown (halfkids)
2008-09-19 06:11:06
elsさん、

そう、デンマークの家は部屋が本当に用途別になっていますよね。小さいけれど、部屋数がちゃんとある。日本はそれに比べて家族の人数きっちりの分の部屋しかなくて(それもない場合もあるし)、すべてをひとつの部屋で果たさなくてはいけないのが、なんともいえない閉塞感を感じるようになりました。
勉強する、仕事する、ちょっとしたアクティビティをする、楽器を弾く、などというのが、目的別に部屋が違ったらいいのに、そうしたら気分的に切り替えられて、集中力が高まりそう。
デンマークはアメリカの家のように広いわけではないけど、部屋数を多くして、そういう上手な暮らし方をしているんでしょうね。前に寝るだけの部屋ということで、3畳くらいのうなぎの寝床みたいな部屋を見たことがあります(笑)。
そして、そうです、収納!古い古民家を見ても、部屋の一面の壁がすべて作り付けの収納になっていて、しかも美しく装飾されていて一見壁だったりするの。このころからデンマーク人は収納について試行錯誤していたのかしら?なんて思っちゃいました。


王子ママさん、

デンマーク人って要らないものは持ってないんだけど、実は物持ちじゃありません?ありとあらゆる、その人にとって必要な物が揃っているんだけど、なぜかそれをすべて収納できる、つまり収納スペースが大きい、というのがすっきり暮らすポイントなのかなと思っています。

子ども部屋も収納が多いからすっきりしているのかしら?でもデンマークの子どももものすごくたくさんのおもちゃを持っていたりするのにね。でもまあ、小さな子どもがいる家は、それなりに子どもがぐちゃぐちゃにしてたり、ということもあるような・・・。そのへんはお家にもよるのでしょうね。

本当に私もデンマーク式の、いっつも片付いた家にしたいです。あの片付けの秘訣は何なのでしょうね?家のインテリアやレイアウトもそうですが、今度は私もデンマーク式片づけを見習わなくては。それが一番大事だったりして・・・。
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