デンマーク・ハーフキッズ

デンマークについての情報やニュースを紹介、またデンマーク人と日本人のハーフの子供たちの子育て日記。

怒涛の3日間 <スクーリング:国際政治学>

2007-11-08 11:08:37 | 通信制大学・大学院
 この週末は初めての週末3日間(土、日、月)のスクーリングでした。最初の2日間は9時半から18時半まで、最終日は16時までで、最後の1時間はテストというスケジュールです。科目は国際政治学だったのですが、私にとってさらにきついことに、最終日は週に1回の夜の授業、政治学原論(18時半から21時半)と重なっていたことでした。

 初めてのこの3日間集中講座である上に、その後また授業があるなんて堪えられるだろうか、とさすがに不安な気持ちでスクーリングを迎えました。そういえば遠い昔の学生時代、水曜日だけは18時まで授業があり、本当に堪えられなかったなぁと思い出し、ますます不安な気持ちになりましたが、反面、そんな長時間の授業を行う教授も相当疲れることでしょう、と今回はそういう見方をするだけ、大人になったようです。

 さて初日、登場した先生は自己紹介は名前だけで、授業のレジュメを渡されて早速授業に入られました。まさにどこまでも淀みなく、一定のテンションでハイペースで進められた授業は、何度かの休憩をはさみつつ、9時半から18時半まで完璧に行われたのでした。スクーリングのたびに強く思うのは、学問は読むことと同時に、こうして人を介して教えてもらうことがとても重要だということです。キューバ危機に関する逸話なども面白く、外交というものの本質などに触れさせてもらった授業でした。

 18時半となり、初日を終えて、まだ十分エネルギーのありそうなO先生をよそに、私は本当に疲労困憊、4階の教室から下まで階段を下りて行く足がおぼつかないほど・・・。その日、得た教訓としては一日のだいたいのエネルギー配分の見当がついたことでしょうか。食事のあとには眠くなるので、翌日からはランチは軽めにして、できれば昼休み中に少しでも眠って、午後のエネルギーが蓄えようということにしました。

 家に帰ると夫が「今日は定食やさんで食べよう」と言い、家族で外で食事をしました。本当に疲れきっているところに、外食して子どもをうるさくしないように制しなくてはいけないのは、非常に精神的に負担でした。大人同士だったらこういう日は外食でよいのですが、子どもがいると逆に疲れることなのだと初めて知ったのでした。

 翌日はすっかり淀んでいる私とは裏腹に、O先生はその日も朝から淀みなく、さわやかに授業が始まりました。なんだか昨夜家に帰ったのが夢だったのかと思うような、ずっとそこに座っていたような変な錯覚に陥ったのでした。かろうじて先生のネクタイが変わっているのに気づいて、ああ、一晩寝たんだった、と確認している自分がおかしかったです。そして2日目は半分は国際政治学の理論、半分はこれまでの歴史というものでした。若き日の学生時代と違い、先生の話をできる限り正しく理解したい、できる限り聞き漏らしたくないと必死になってノートを取り、その日も耳は楽しく、手は忙しく、心は高まるという約9時間でしたが、ランチのあとの昼寝で初日よりもすっきり最後まで授業に臨むことができたようです。

 昨日の外食の疲れに懲りて、その日は簡単に鍋物の夕食を作ることにし、途中まで夫に指示してやっておいてもらい、帰宅してからすぐに夕食の仕上げに取り掛かりました。専業学生であれば自分の面倒だけ見ればいいのでしょうが、大人の学生はそうはいかず、いくつものわらじを履きこなせるかどうかが大切です。ときどき学業に専念したいと思わないこともありませんが・・・。

 そして3日目、最終日です。授業の合間に質問し、デモクラシーの比較政治についてのアドバイスなどを先生にしていただきました。非常に丁寧に対応してくださり、本当にありがたく思いました。こういう気持ちには学生時代にはならなかったですね。今は、教えてもらうことを心底ありがたく思い、昔は先生に気軽に話しかけていたのに、今は緊張しすぎてうまく話せない感じです。

 最終日の15時から16時はテストです。予め先生が提示してくれた6つのテーマの中から2つ選択して、論述します。私はキューバ危機と理論のほうのリベラリズムを選択、前日の夜、家でかなり準備しておきました。そして当日の昼休みにもまたもっと整理し、テスト中には書き写せばいい(ノート持込可でした)くらいのところまで仕上げておきましたので、わりと落ち着いた気持ちでテストに臨みました。しかし、始まってみると書きなれないシャーペンで書くということで(普段はペンで書いている)、書くペースもやや遅く、そしてかなり量があり、途中で手が痛くなってきました。すでに3日間書き続けた後で、1時間にわたり、全く休みなく超スピードで書くというのは本当に過酷なもので、私は途中で書けなくなるのでは?と思いもかけないところで、本当に焦ることとなりました。キューバ危機について書きつつ、私が危機じゃない、と心の中で思い、ちょっと可笑しくなってしまいましたが。しかし、本当に手を大切にしないと勉強やテストに支障が出るので、気をつけなくてはいけません。こんなことをまじめに言うのも、自分でもなんだか変なのですが。

 そうして、残り1分というところで準備していた論述形式の答案を書き終え、心からほっとして、先生にお渡しし、国政政治学のスクーリングが終わってしまったのでした。スクーリングはそこに至るまでにそれなりの自習やリポート提出を行い、その上でとても楽しみにして受講するので、終わるとなんだか少々さみしい気持ちがするものです。もっとその教科について学びたいと思いつつ、やはり次の単位習得に向かって進んでいかなくてはならず、その教科とのしばしのお別れに、後ろ髪を引かれるような、あるいは甘酸っぱい卒業のときの気持ちのような、おかしなことに私はそんな気分になるのでした。

 その日は夜はまた18時半から政治学原論があり、すべてを終わって帰宅するときには、無事にマラソンを走り終わったような気分で、私って今、なんだか青春しているなあなどと思いつつ、夜道を歩いたのでした。(青春の私の個人的な定義とは、年齢に関係なく、何かに夢中になって生きていること、かなー???)