孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

映画は斜陽、名画は健在

2016年05月03日 | 趣味の世界
戦後しばらく、映画は娯楽の頂点に存在していたらしい。

それは当時の作品を観ればすぐ理解できる。優秀な人材は映画界に集まっていたのだろう。

連休なので、久しぶりに映画館で映画でも、、と思い立っても観たい映画がない。ならばレンタルDVDをとショップに立ち寄っても、手にとって観てみようと思うような作品がない。

カラーになり、SFXという特撮が進歩して如何なる場面も作れそうなのだが、映画館は邦画も洋画もお子様向けの作品ばかりが混みあっているようだ。

質の良さと当たり外れの少なさから言えば、書店で見かける1枚300円ほどのモノクロ名画DVDを購入して、家で観るのが手堅いのではないか。

記憶に残る名画の名場面をもう一度観たくて、何度も繰り返して観ている映画がある。

例えば、「第三の男」のラストシーンだ。

 まるで絵画のようなラストシーン

出だしのアントン・カラスの音楽はあまりにも有名だが、映画の中身も一級で観る人を飽きさせない。

西部劇は激しい撃ち合いの場面が売り物だが、「荒野の決闘」はOK牧場の決闘を扱ったジョン・フォード監督の名作で。ヘンリーフォンダがすばらしい。

原題は、「My Darling Clementine 」(いとしのクレメンタイン)で、例の雪山賛歌、京都大学山岳会の西堀栄三郎氏が作詞した、♪雪よ、岩よ、我らが宿り・・♪、のメロディーになった歌があまりにも有名である。

映画のラストシーンでワイアット・アープが言うセリフに私はしびれた。学生時代に一生懸命暗記したものだった。

Ma'am, I sure like that name... Clementine.
(いいお名前ですねぇ・・・、クレメンタインか。)

 実に「カッコイイ!」

何年か前、街の教育委員会主催のカルチャースクールで、名画を題材にした英会話という講座を受け持ったことがあった。そのときに扱った名画が「カサブランカ」であった。

英語も比較的聞き取りやすく、ストーリーもハラハラドキドキがあり、歴史的な背景も知っておかないと理解しがたい演出が随所に出てくる。何より、世紀の誤訳とも言われる、「君の瞳に乾杯!」のシーンが数箇所あるのが、イングリッド・バーグマンの溜息の出そうになる美貌と共に楽しみな映画である。

例のセリフは、シャンパンを飲むとき「乾杯!」(Here's to you! とかCheers!)と言う代わりに、、、

『 Here's looking at you, kid. 』 と言うのだが、それを「君の瞳に乾杯!」と訳したとすれば、何とも粋な和訳ではなかろうか。

 ボギーもカッコイイ!

こう観ると、映画全盛のころの監督達は、美人はより美人に、美男はより美男にかっこよく演出することに長けていた様に感ずる。そして、それは大切な映画監督としての資質の一つだったのだと思う。


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