孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

小夜の中山 浮世絵美術館・夢灯

2016年05月02日 | 趣味の世界
  これも広重の東海道「日坂」

開館日は、土日、祝日だという浮世絵美術館・夢灯(ゆめあかり)は館長である武藤勝彦さん所蔵の浮世絵コレクションを、約40枚ずつ年4回の入れ替えで展示している。

ネットで検索すると、それは掛川市の公式ホームページの中に紹介されていると分かった。動画サイトYoutube でも武藤さんがその成り立ちなどを紹介している。

 広重の「日坂」の前で、

私が訪れたときは他に来館者は誰もいなくて、ひっそりとしていたが、美術館前の駐車場のスペースは意外と広いので、ハイカーだけでなく遠路から自家用車で訪れる人も多いのかもしれない。

公立の東海道広重美術館は、館内を一定の暗さに保っているせいか、どこか陰気な印象がしたものだが、夢灯は来館者があればこの明るさで紹介する、という館長のご説明どおり、通常の明るさで浮世絵が鑑賞できるので、非常に新鮮な雰囲気であった。



それに、館長も仰っていたが、ここの贅沢なのは、できる限り館長自らが一緒に観て廻って解説してくれることにある。

広重の東海道五十三次といっても、同じ宿場の浮世絵は数種類ずつあるそうだ。そして今の時期の展示作品は、「日坂・掛川の宿展」であったので、広重の「日坂」の浮世絵といっても、文字の書体が異なる、「行書東海道」版や「隷書東海道」版、それに広重だけでなく葛飾北斎の作品も数点展示されていた。

それらを見比べながら、貸してくれた虫眼鏡片手に見比べるのは、何とも贅沢なことである。おまけに丁寧な解説が次々に沸いてくる疑問に即座に応えてくれるし、好奇心を充足してくれるので、入館料300円はあまりにも安すぎると感じた。

館長も解説してくれたが、美術館の建っている場所は、広重の浮世絵の構図から見て、「広重はこの位置からこの方向を見て、絵にした」という正にその場所であった。



松並木の向こうに見える粟が岳(別名:無間山)が見える。山肌にはヒノキで「茶」という一字に植えられていて、かなり遠方からでも読み取れるが、これは江戸時代にはなかった。

しかし、美術館のバルコニーに出ると眼前に無間山が見えて、贅沢な借景を味わうことが出来た。

ご自分のコレクションの中から厳選してカレンダーを作製して販売しているようだから、来年は是非購入してみようかと思う。

浮世絵ファンならずとも、一度立ち寄る価値はあるのではないか。旧東海道のお勧めのスポットであることは間違いない。



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