遠く、北から流れ下って来る、臨津江(イムジンガン)は、ここ、臨津閣で、国境の河となりま
す。
国境の街イムジンカクには、離れ離れになった家族を忍んで集まって来る人々が、後を絶ち
ません。
川向うのかっての故郷をしのび、涙うを流すのです。
自由の橋。
朝鮮戦争の終結の時、多数の捕虜がこの橋を渡り、帰りました。
それ以来、この橋は、自由の橋と呼ばれています。
釜山から、北京まで、かっては、鉄道が繋がって列車が走っていました。
今は、走っていません。
南北統一の願いを込めて、新しい橋も作られていますが、列車が走れるようになるのは、
何時のことでしょうか。
橋の向こう側には、わずかばかりの、北朝鮮の人家が見えるだけです。
自分達の祖国を、自由に往き来したい、そんな、人々の願いを見ながら、臨津江は流れ続け
ます。