指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

光本幸子、死去

2013年02月23日 | 映画

女優だった光本幸子が死んだ、69歳。

光本と言えば、渥美清の『男はつらいよ』の初代マドンナとして有名だろう。

山田洋次は、役者のキャスティングの上手い人だが、この初代の光本のマドンナは実に良かった。

いつものほほんとして、ニコニコと寅次郎を見ている。

バカな男だが、実に愛すべきだなという視線は、森川信と同じで独特のものだった。

こういうなにもしていないような演技は結構難しいものであり、相当に良い女優だったが、新派で花柳らから学んだ演技方法だろう。

 

新聞の訃報には、「水谷八重子に師事し」とあるが私が聞いた話は少し違う。

彼女は、京塚昌子らと同じで、花柳章太郎に近く、彼が死に、新派が水谷八重子劇団になるとともに、居づらくなり新派を出たというのが真相らしい。

その後、明治座の役員と結婚されて引退した。

『男はつらいよ』には、さらに2回出ていた。

日本映画史に残る女優のご冥福をお祈りする。

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。