指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『実録エロごと師・巡業花電車』

2022年09月19日 | 映画

阪神・ヤクルト戦を見ていて、藤浪、中野のエラーでの失点1点を回復できずに負けたので、日活ロマンポルノの『実録エロごと師・巡業花電車』を見る。

これは、初回に、ノーアウト1,2塁になったのに、3番の近本にバントをさせて2,3塁にしなかったのが間違いだったと思う。一回からバントはないと普通は思うが、現在は通常のゲームではなく、日本シリーズのような戦いなので、「まずは先取点だった」と思うのだ。

1974年の全盛時代で、見たはずだが、筋はあまり憶えていなかった。

吉村平吉の実体験の本の映画化で、今村昌平の『人類学入門・エロごと師達』は、吉村らの話をもとにした野坂昭如の小説だったので、この方が実録だと思う。

                     

検察庁で、罰金を払った殿村(殿山泰司)は、そこの受付の女(星まり子)に目を付ける。

浅草の小料理屋でやっているシロ・クロショーを見に行くが、若者二人で、早すぎで、彼曰く、

「まるでお医者さん、ごっこだ」

殿村は、星をスカウトしてきて、中年の紳士に紹介して5万円を得る。

若者組の女と、大ベテランのウタマロ・ボーイ(五條博)を組ませて、本物のショーを見せて客を唸らせる。

そして、殿村は、榎木兵衛からの話で、地方の温泉場でのシロ・シロショーの仕事に出る。

シロ・シロは、ベテランの二条明美で、その相手に殿村は、星を選び、榎木の運転でドサ参りに出る。

本当は、浅草を離れたくなかったのだが、戦前からの馴染みの女郎・朝顔太夫の武智豊子が死んだので、それを期としたのだ。

この武智の骨を埋めた地面に、男達全員で精液を掛けるシーンがあり、翌日朝顔が開いていて、笑える。

二条のショーは、すごいもので、膣から出した糸で、リンゴを切ったり、ラッパを入れて戦闘曲を吹いたりする。

田舎の客の近江大介は言う、「まさに芸術だ!」

だが、ある夜、二条は榎木と性交すると、なんども感じてしまい、括約筋が緩んでしまう。

次の場では、二条は芸がでず、殿村と星は東京に戻る。

この時、彼は言う、

「あの二人はできたのだ」と。

私は、増村保造の傑作『セックス・チェック第二の性』を思い出した。

 

 

 


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