クリントイーストウッドの監督作品。
冒頭、南方の島、多分インドネシアだろう、にいたフランス人ジャーナリストのマリーは、津波に飲み込まれ、そこでの臨死体験から霊能力を得る。ロンドンの生活保護家庭の双子の弟マーカスは、買物に出て不良に絡まれて逃げ道路に飛び出して車に撥ねられて死んだ兄を思い出そうとしている。母親は麻薬中毒患者で、ケースワーカーの手によって施設に入れられ、弟は里親家庭に引き取られる。
マットデイモンのジョージは、幼時に脳の手術をしたことから霊能力を得て、相手の手を握ると、その人が思っている人物が見え、声が聞こえてくる。兄は、彼を使って大々的なビジネスにしていたが、ジョージは次第に虚しくなり、今は倉庫係で働いている。
マリーは、テレビ局に復帰するが上手くいかず、恋人とも別れて、霊能についての本を書く。
マーカスは、兄を見るために、霊能の会に出たりする。イギリスにはこういうも会は今もあるようで、昔アッテンボローが製作した『雨の日の降霊祭』は、こうした霊能会を利用した誘拐殺人事件で、非常に面白かった記憶がある。
ジョージは、リストラで会社を首になり、料理教室で女性と知り合うが、彼が霊能者と知ると上手くいかなくなり、彼は海外への旅に出る。
マリーの本は、ロンドンのブックフェアで紹介されて講演すると、そこにマーカスとジョージが来る。
最後は、ジョージとマリーが街角で会って抱き合うところで終わる。
ここで、ジョージにはマリーの過去が見えるのではないかと思ったが、それはなし。
マリーが治療を受ける施設の医師としてマルト・ケラーが出てくる。『マラソンマン』など、1970年代にはよく出ていた美人女優だったが、やはり年取っていた。
イーストウッドがなぜこういう作品を作ったかは分からないが、アメリカとアメリカ人が本質的に宗教的であることがよくわかる。
BS12