指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

ここでも神戸港は、横浜港だった 『大冒険』

2018年12月30日 | 横浜

暇だったので、録画してあった、クレージーの1965年の東宝映画『大冒険』を見る。

             

筋は、日本で偽札が使われているのが見つかり、首相の指示で警視庁のハナ肇以下の刑事が捜査する。

植木等は週刊誌の記者、谷啓はビール会社の技術者だが発明狂で、谷の妹で植木が惚れているのが団玲子で、全員が贋金騒動に巻き込まれる。

贋札を作っているのは、金貸しの越路吹雪とその上司の中村正で、最後には彼らのボスは、生き残っていたヒットラーであることが分かる。

ほとんどどうでも良い筋書きだが、要は植木、谷、越路らが東京から逃亡して西に行く。

名古屋の後、神戸が悪の巣窟だとなり、神戸港に行き、アクションが展開される。

だが、これが横浜港なのだ。

連中が逃込む公園の入口が、レンガ積みの特徴的な丸形で

「あれっ、これは・・・」と思うと山下公園で、さらにアクションは新興ふ頭や山下ふ頭で展開されるのだ。

日活の傑作『紅の流れ星』の神戸港が横浜港であるのは有名だが、東宝でも横浜港は、神戸港の代わりだったのだ。

日活のそれは、経費節減だが、東宝のはクレージーが忙しすぎて、神戸まで行く暇がなかったからだろうと思う。

ラストの植木と団玲子の結婚式で披露されるのは、赤坂プリンスホテルの旧館と、今はない新館で、これまた貴重な映像である。

仲人は、渡辺晋と渡辺美佐夫妻であり、ナベプロ全盛時代と言うべきだろうか。

NHKBS

 

 

 



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