火山火口から煙もくもくのニュー東映の作品、1961年で監督は深作欣二。
これを見ると、彼の反米意識の強さがよくわかる。以前、テレビで彼は、
「アメリカ映画を見ても、面白いのだが、敵国なので喜べないのよ」と言っていた。
丹波哲郎が、部下の曽根晴美のほか、不良外人の白人夫妻、韓国人の春日俊二、さらに黒人兵士を秘密の別荘に集める、さらに、黒人との混血の中原ひとみも。
丹波は、東京の外銀から多摩地区の米軍l基地に運ばれるドルを奪うことを計画しているのだ。
脚本は佐治幹で、この時期アクション映画をよく書いていた。
別荘の持ち主は、国会議員の柳英治郎で、彼は米軍と関係があり、彼から丹波は金で借りている。
別荘で、いろいろあり、丹波の女の久保菜穂子など、全員が他人を殺してドルを独り占めしようと考えている。
この件が結構長く、人間関係が上手く描かれている。中で、中原ひとみと黒人兵が仲良くなる。
さらに、丹波のことをよく知っているギャングの沖竜二らも手を出してくる。
丹波は、それも分っているが、放置している。
そして、決行の日になる。現金輸送車を基地近くの道で、ニセの通行禁止の柵を立てて、丹波たちの待つ森に誘い込み、銃撃戦でドルの箱を奪取する。
久保と外人女が、別の小屋にドルの箱を運ぶが、そこに丹波、そして沖らも来て、ここで第二の銃撃戦。
沖らを殺して丹波らは、さらに逃亡する。
そこは、かつて北関東にあった廃村で、まるで西部劇のような街である。
そこは、どこか別の映画でも見たことがあるが、本当にここでは西部劇のようなアクションになる。
最後、丹波がすべてを取ったとき、ダイナマイトが爆発し、札が散らばるところに手を伸ばしているところで、エンド。
最後、生き残ったのは、黒人との混血の中原ひとみだけだった。
深作にとっては、白人は許せないが、黒人は許せると言うことなのか。