指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『放浪記』

2005年09月10日 | 映画
『鶴八鶴次郎』に続き、『放浪記』を見た。年代記もので、森光子の芸術座の芝居の大ヒットを受けた企画と、見てなかったのだが、なかなか良い作品だった。
なにより、いつも不満顔でノロノロと動く高峰秀子がすごい。
森光子も上手いが、やはり高峰の方が上だろう。森がテクニックで演じるところを、高峰は役そのものになることで演じている。技巧派と直球派の投手の違いである。
この映画は、宝塚映画の制作で、関西地方を中心に撮影されているが、もうこういう貧困の風景は撮れないだろう。
音楽が古関裕二でややセンチメンタルなのが、成瀬映画的にではないのが興味深い。

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