指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『悪魔が来りて笛を吹く』

2018年04月01日 | 映画

巨人・阪神戦で、3回で4点リードし、なんとか5回に藤浪が達したので、解説の桑田の言うように、ここで代えればよかったのに、もう1回とのスケベ心を出して逆転され、最後は岡本なんという三流選手にホームランされて不愉快になったので、夜はテレビで映画を見る。

横溝正史ものでは、『病院坂の首括りの家』も筋が分からなかったが、これもよくわからない。

                                

最後は、実の兄と妹の姦淫という、暗い結末になる。畜生道というのは、歌舞伎でよく出てくる筋立てで、あの『弁天小僧』も、最後はこの畜生道の悲劇なのだ。

私は、この愛し合った男女が実は兄妹だったというのは、一種の不条理劇だと思うが。

その意味では、1970年代に畜生道をドラマ化したのは時代錯誤というしかないだろう。横溝ものでは、やはり市川崑、石坂浩二のがいかに上質だったかが分かる。監督の斎藤光正は、元は日活の監督だったが、テレビで活躍した方だったが、数年前に亡くなられた。

テレビでの性だろう、脇役で中村雅俊や秋野大作の他、中村珠緒、浜木綿子、京唄子、北林早苗、村田知恵子など結構豪華な配役だったのは、角川の金の力だろうか。

金田一が西村敏行と非常にダサく、ヒロインの斎藤とも子にスターの輝きがないのが苦しい。

BSジャパン