金銭の横領などの経理不正が発生するのは、零細・中小企業か大企業なら少人数の営業所などで起こり易いものである。これは少人数のため内部統制を敷きにくいことや、システム的な制御が充実していないためだろう。
誰だって初めから横領するつもりはないはず。どうしても金が必要となり、やむにやまれず会社の金に手を付けてしまうというパターンが多いのである。そしてその原因の大半は、男女関係と賭け事だと言い切ってよいだろう。
男女関係に関しては、人間が相手なので自分の都合だけで解消できないという問題があるが、一方賭け事に関しては金額的な天井がないという恐ろしさがある。そして勝ったときに返せばよいと考えてサラ金から金を借りるのだが、負け続けると残高が増えて借りることが出来ない。それどころか取り立てが厳しくなってくる。それでついつい一時的だと心が緩み、会社の金に手を付けてしまう。そしてそれを返すために、またまた賭け事にのめり込むという悪循環に巻き込まれてしまうのである。
こうして横領に手を染めてしまった人を何人も観ているし、そのうち二人は自殺してしまった。このような不正が永遠に見つからないなどと言うことは、絶対にありえない。発見されるのは時間の問題なのだ。
だから金銭を扱っている経理マンは、なるべく賭け事に近付いてはいけない。とは昔からの教訓なのだが、ひと昔前は麻雀が接待技法のひとつとされていて、経理マンの多くは麻雀好きが多かったという矛盾していた過去も否めない。
だがバブルがはじけ世代交代が行われ、現代は接待麻雀をしている経理マンや銀行マンはほとんど見かけない。逆に手打ちの時代は可愛らしかったパチンコが、全自動台に変わってからは、だんだんと使う金が大きくなってしまった。またパチンコ屋は街のどこにでも存在するので、いつでも出来るという手軽さがあるのも恐ろしいのだ。
不思議なことに賭け事には、ビギナーズラックというものが存在し、はじめた頃は素直で堅実に勝負するためか、あるいは運の神様が呪いをかけるのか、意外とあっさり勝ってしまうことがある。もし初めから一度も勝てずに負け続けていれば、誰も賭け事なんかに染まることは無いであろう。
また100回のうち1回でも大儲けしたとすると、その儲けた金額まではいつでも取り返せると錯覚してしまうのも、賭け事から抜け出せない人々の共通の妄想なのだ。これも不思議だが事実であり、私自身も経験済みである。
いずれにしても理論的には、胴元の取り分がある限り、賭け事は絶対に儲からないはずである。胴元とは競馬会・パチンコ屋・雀荘などなどのことをいう。
だが「いや私はいつも儲かっている」と反論する玄人はだしの人もいるだろう。ところがそうした特殊な人が存在するとしたら、その他一般の人は胴元に取られている分以上にもっと負けているという理屈になるのだ。
まあここで賭け事論を展開するつもりはない。少なくとも経理マンたるもの、賭け事には近付かないほうが無難であることだけは間違いないだろう。
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